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区議会質問
 
「西部地域複合施設(仮称)」建設計画に関わる陳情について賛成する討論(小林 ひろみ議員)

 私は、日本共産党豊島区議団を代表してただいま議題となっております陳情第9号「西部地域複合施設(仮称)」建設計画に関わる陳情について不採択に反対し、直ちに採択することを求め討論をいたします。

 この陳情は、西部区民事務所敷地(旧平和小跡地)に建設が予定されている「西部地域複合施設(仮称)」基本計画案について、最終的な建設計画ができる前に改めて区民の要望を聴いてほしいというもので、1058名の署名とともに提出されたのです。具体的には、1千早図書館や地域文化創造館の跡地を、避難場所や子どもたちの遊べる広場を兼ねた公園とすること、2現在それぞれの利用している団体の要望をよく聞き、引き続き活動できるように保証すること、料金値上げしないこと、3多くの区民が利用しやすいようにコミュニティバスなどを運行すること、が要望されています。
 
 今回の施設は、(仮称)芸術文化資料館を中心として、地域文化創造館や図書館、西部保健福祉センター、健康相談所、区民ひろば、西部区民事務所など7施設を合築するものです。体育館はそのまま残し地域文化創造館の体育館として運営するとしています。
 総事業費は、44億5000万円、うちわけは施設建設に37億1000万円、(仮称)芸術文化資料館内装等に4億5000万円、初度調弁に2億5000万円などとなっています。財源としては、千早図書館や文化創造館の売却で7億2000万円、社会資本整備総合交付金いわゆる国の補助金が5億円、基金から7億5000万円、起債が22億4000万円、一般財源は2億4000万円としています。
 (仮称)芸術文化資料館は、内装等の事業費で4億5000万円、面積も一番広い施設で、ここに重点がおかれていることは明白です。だから、「地元の人が使える施設ではなく、人を呼び込む施設ではないのか。そのために大型バスの駐車場が必要なのではないか」と、疑問の声も上がっているのです。
 
 最初に、千早図書館や地域文化創造館の跡地を、いざというときの避難場所にし、日常的には子どもたちの遊べる広場とすることについてです。
 豊島区は、この地域、つまり千早2丁目は、公園の一人当たり面積は0.99uで、豊島区全体で0.71uと比べて多いとしています。しかし、他が低いのでよいというものではなく。区全体が低いのを引き上げるために、可能性のあるところを広げていくことをしなければ、いつまでたっても公園緑地は増えないということは、いつもいっているとおりです。
 東日本大震災以来、帰宅困難者や地域の人の避難のことを考えれば、日本一高密度で、23区で一人当たりの公園面積が小さい豊島区では少しでも空地、緑地をふやすことは不可欠です。また、一度売却してしまえば、二度と買いもどすことはできません。
 旧平和小学校は、早くから校庭開放をおこない、学校統廃合で閉校後も、地域の方々の協力で施設開放が行われてきました。校庭では、小さな子どものボール遊びや少年野球の練習がおこなわれ、体育館でも小中学生への一般開放が行われています。
 資金計画では、二つの土地を売却することが前提となっています。他の会派の委員も「資金計画は当初から聴いている」とか「売却しないとなりたたないと思う」などとして、願意に沿えないとしていますが、議員は聴いているかもしれないが区民は知らないし、知っていても広場は必要だというのが、区民の声です。
 私が委員会で指摘したように、この施設については、デザインも含め、建物を見直し、経費を削減すれば、二つの土地を売却せずともすむのではないか、大事な区民の財産を安易に手放してほしくない、これが区民の声なのです。

 2番目にこれまでつかっていた利用者が使えるようにすることです。体育館を地域開放としてつかっていた人たちは、本当にこれまでどおりに使えるのか、心配なのです。また利用料金について、現在、開放施設として区民事務所を使っている人たちにとっては、値上げになることは間違いありません。
 体育館の利用についての私の一般質問に、区長は、「やむを得ず、体育館の開放事業を一時的に停止せざるを得ません」と答えていました。委員会でもこの件について、区長はあらためて、「体育館は改修後、地域創造館と一体的なことを考えてやっていく」「料金体制などいろんなことがかわってくるのが心配されている。今までの利用者のことを尊重しながら配慮していきたい」と答えたのであります。
 どの会派も、施設利用者が他の施設を利用するのは大変だとか、区はもっと努力をとか言っていました。不採択にする理由はありません。少しは料金上がってもいいという委員もいましたが、とんでもない話です。
 
 3番目にコミュニティバスなど、についてです。
 そもそも「西部地域複合施設」というなら、西部全体の人が使いやすくなければなりません。もともと区民事務所自体が長崎から高松までの幅広い地域をカバーするものであるのに、さらに施設を集中させるのです。それぞれの施設のそばに住んでいた人は、不便になってしまうのです。さらには、区は「これまで利用していたスポーツの団体は、南長崎中央公園のスポーツ施設を利用してほしい」というのです。区としてなんらかの不便解消策を検討するのは当然です。ところが、理事者は、あいかわらず、「コミュニティバスが走れる場所がない」「池07路線の検証をしてから」と繰り返すばかりです。他の会派も、「コミュニティバスのことは以前からいっている」などといいつつ、結局理事者の言い分をそのまま繰り返すだけでした。
 
 他の会派は、「区は説明していても理解していただいてないのかもしれない。」「区長の決断に応えて、理事者は区民にしっかり説明を」というだけです。2010年に基本計画の説明会はありました。その時にも様々な意見がでましたが、具体的な建設計画が区民に説明されたのは、今年2月になってからです。区は説明したといっても、最近でも「こんな計画は知らなかった」という区民の声は上がっているのです。この声に議会が耳をかたむけ、区民の願いにそった本当に利用しやすい施設にすることが大事なのです。

 以上のことから、あらためて本陳情を不採択とせず、採択することを求め、討論とします。