HOME >区議会報告>提案した意見書案
区議会報告議員紹介政索と見解お知らせリンクご意見ホーム
区議会質問
 
消費税増税に頼らない、年金制度の抜本的拡充を求める意見書についての賛成討論

2012年3月22日 儀武さとる

 私は日本共産党豊島区議団を代表しまして、ただいま議題されております議員提出議案第5号消費税増税に頼らない、年金制度の抜本的拡充を求める意見書について、賛成の立場から討論を行います。
 民主党政権は「社会保障と税の一体改革」と称して消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%に増税する大増税法案を3月末までに提出し、今国会で成立させようとしています。
 民主党内では、増税法案に盛り込まれた二つの付則、「景気弾力条項」「追加増税条項」が焦点になっています。「景気弾力条項」は増税を実行する前に政府が経済状況を総合的に判断して、停止を含む措置を取るという条項です。安住財務相は、「今の時点」のような経済状況なら増税できると明言したように「景気弾力条項」は何の歯止めにもなりません。「追加増税条項」は2016年をめどに「税制のさらなる改革」のための法律をつくるとして消費税率を10%にとどまらず、いっそうの増税を既定路線として法案に組み込む条項です。二つの附則がどうなるかは流動的ですが、恐慌でも起きない限り、際限のない増税にレールを敷いてしまおうという政権の無謀な姿勢が鮮明に浮かびあがっています。今、自民党は「年金制度の全体像を財源も含めて示すべき」と政府に迫っていますが、これは、「全体像」を口実に消費税の税率アップを競うものであります。
 また、岡田副総理が自民党幹部に大連立を打診する「増税談合」ともいうべき会談がおこなわれました。まったく許しがたいことです。
 テレビや新聞などの巨大マスメディアも総動員し、「消費税増税は仕方がない」などと大宣伝しているにもかかわらず、国民の間では消費税増税への怒りの声がひろがり、どの世論調査でも「反対」の声が過半数を超えています。このまま進めるのは、まさに国民の声を踏みにじる「暴走」であり、断じて許されません。
 これまで、歴代政権は「社会保障のため」といって消費税を導入・増税しながら、年金も医療も介護も後退に次ぐ後退を重ねてきたではありませんか。自公政権では「百年安心」の年金改革と言っていましたが、百年どころか7年ももちませんでした。
 民主党政権の「一体改革」案は、年金支給額を6月に物価下落0.3%分、12月に過去の物価下落0.8%分を引き下げ、年金支給開始年齢の引き上げ、医療費の負担増、介護保険料の値上げなど、のき並み社会保障の改悪のメニューばかりです。社会保障削減は当面2.7兆円、その先は6兆円〜10兆円にもなります。増税に加えて社会保障が改悪されれば、暮らしも経済も破綻します。
 わが党は、消費税増税に頼らない、社会保障を再生・拡充し、財政危機を打開するための提言を発表しました。
 この提言は、第1段階として小泉構造改革により、ズタズタに改悪された社会保障を再生し、段階的に拡充するものです。
 年金制度は、保険料の際限ない値上げと給付削減、支給開始年齢の先送りなどによって、年金にたいする不信が広がり、国民年金保険料の未納者が1000万人にのぼるという深刻な「空洞化」を引き起こしています。無年金・低年金者の増大も深刻です。提言では、まず、年金削減政策を中止し、無年金・低年金の解決に足を踏み出し、年金への信頼をとりもどします。そして、年金の受給資格期間を「25年」から「10年」に短縮し、無年金者、低年金者に対する重点的な底上げをおこないます。
 現行の基礎年金の受給額の2分の1を税金で負担する仕組みをあらため、全員に基礎年金満額の2分の1である3万3000円を国庫負担で支給します。例えば、現在月4万円の基礎年金額の場合は、国庫負担額が2分の1である2万円から3万3000円に引き上がるので、年金額は月額5万3000円となります。これは最低保障年金制度に向けた第一歩にもなります。
 財源は、大型公共事業、軍事費、原発推進予算、政党助成金など、ムダの削減と大企業・大資産家の応分の負担で12兆円から15兆円程度を確保します。
 社会保障を良くする「第2段階」として、最低保障年金制度の創設、医療費の窓口負担の無料化、介護の利用料の無料化をはじめ、医療、年金、介護、子育て、雇用保険など、社会保障のあらゆる分野で、「先進水準の社会保障」への抜本的拡充をすすめ、憲法25条の生存権を保障する水準へと引き上げます。
 「最低保障年金制度」の実現に足を踏みだせば、低年金や無年金の問題、年金制度全体の空洞化、サラリーマン世帯の専業主婦の「第3号被保険者問題」など、今日の年金制度がかかえるさまざまな矛盾を抜本的に解決する道が開けます。
 社会保障の再生、拡充と同時並行で、正規雇用が当たり前の社会をつくるなど人間らしく働ける労働のルールを確立し、中小企業を日本経済の「根幹」にふさわしく位置づけ本格的な振興策を実施します。大企業の260兆円の内部留保を日本経済に還流させ、国民の所得を増やし、経済を内需主導で健全な発展の軌道にのせることが可能となります。それは、税収増をもたらすとともに、対GDP比での長期債務を削減していく展望を開くものともなります。
 よって、消費税増税に頼らない、年金制度の抜本的拡充を求める意見書を直ちに可決することを求めて討論を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。