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区議会質問
 
2021年第2回定例会
渡辺くみ子議員の一般質問
2021年6月22日

 私は日本共産党豊島区議団を代表して、「新型コロナ禍の下で今こそ区民の命・くらしを守る区政を」と題し、第一に高野区長の政治姿勢について第二にワクチン接種とPCR検査の拡充について 第三に区独自の区民支援策の拡充について質問します。
 区長の、区民の命とくらしを守る立場に立った答弁を求めます。

 コロナ感染は、収束せず4月25日に始まった3度目の緊急事態宣言は2カ月に及びました。そして6月20日、菅政権は沖縄を除く9都道府県の緊急事態宣言を解除し、7都道府県を7月11日までのまん延防止等重点措置に切り替えました。
 しかし16日に開かれた厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」では、国立感染症研究所などの専門家が、インドで見つかった変異株(デルタ株)の広がりによっては、「7月前半、あるいは五輪期間中にも東京で緊急事態宣言が必要になる可能性がある」との試算を示しました。少なくとも東京都では宣言を解除できる状況ではないという事です。
 同時に営業自粛を要請される事業者に十分な補償を迅速に届け、ワクチン接種と大規模検査で感染の封じ込めを直ちに図るべきです。政府がなすべきこともせずに緊急事態宣言の発令、解除を繰り返した結果、飲食業者をはじめ業者や国民は疲弊しきっています。営業自粛の要請を続けるにあたっては十分な補償を速く確実に届けることが欠かせません。
 しかし菅政権は持続化給付金、家賃支援給付金を1度だけで打ち切りました。医療機関への減収補填(ほてん)はいまだに拒んでいます。この冷酷な姿勢を根本的に改めるべきであります。オリンピック開催によって新たに亡くなる人が増えることなど絶対にあってはなりません。「感染爆発を招いた五輪」という歴史的汚点を残してはなりません。今夏の五輪を中止し、感染抑止にすべての力を集中すべきです。
 この立場から区民の命とくらしを守る責任がある自治体の長として区長へ質問をするものです。
 第一の質問は、コロナ禍における区長の政治姿勢について3点質問します。
 1つ目は東京オリンピック開催についてです。
 この間、コロナ対策分科会の尾身会長はオリンピック開催のリスクを具体的に示しました。要は大規模に人が移動すれば感染の急拡大につながるという事で、尾身会長が訴えているのは、競技会場内で感染拡大を抑えることができてもオリンピックを開催すれば国内の人の流れを増大させることの危険についてです。
 リスクをゼロにできないということは、オリンピック開催で新たな感染拡大の波が起こる危険があり、新たな感染拡大が起これば、それにともなって重症者が増え、そして亡くなる方が増えるという事です。
 ところが菅首相は志位委員長の「命をリスクにさらしてまでオリンピックを開催しなければならない理由は何か」との質問に「国民の命と健康を守るのは私の責任」と答弁するも、オリンピック開催の理由の説明もせず、尾身会長らが発する警鐘も無視し開催準備を進めているのです。
 今、世論調査でもオリンピック中止を訴える声が大きくなっています。朝日新聞の調査では、中止が43%、再延期が40%と「延期、中止」が8割以上で、「今夏のオリンピックはやめるべき」が圧倒的な世論です。
 そこで質問です。区長はオリンピック開催について、コロナ感染が収束しない中でもオリンピック開催をすべきとお考えでしょうか。明確にお答えください。
 開催すべきという立場をとるなら、中止を訴える世論、すなわちコロナで開催が困難と思っている区民に「命のリスクさらしてまでも開催を支持する理由」について答弁を求めます。いかかでしょうか。
 わが党は、「都民の命よりオリンピックが大事」はあり得ないことから、今夏のオリンピックはきっぱり中止を決断し、コロナ対策に全力を尽くすべきと考えます。
 中止を求める理由は3点で、第1にワクチンの接種が間に合わないからです。開催国の日本でのワクチン接種は始まったばかり。接種率も世界で112位と遅れています。第2は、コロナ禍で開催は、フェアな大会にならないからです。感染はインド、ヨーロッパの一部、南アメリカなどでも深刻であり、全世界のアスリートが同じ条件でフェアに競い合う大会になりえないからです。第3はコロナの最前線で闘っている医療現場にさらなる負担を負わせることになるからです。今でも大変な苦労を負っている医療従事者をオリンピックのために医療現場から引きはがし、集めることは全く現実性がありません。
 区長、区民の命とくらしに責任ある区長としてきっぱりとオリンピックの中止を菅首相と小池都知事に求めるべきはありませんか。お答えください。
 次に本区のオリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてです。
 当初、区長は、「大会を成功に導くため」として、聖火リレーやコミュニティライブサイト、ホストタウンとの交流の準備を「オールとしま」で進めるとしていました。わが党は当然やめるべきと考えてきました。
 今回、区長は都知事の決断を受け、21日の夕方、やっとコミュニティライブサイトの中止を決定。
 そこで質問します。区長はどういう経過から中止を決定したのか。経過を含め答弁を求めます。
 さらに聖火リレーのチラシが配布され、ホストタウンは継続としていますが 、当然、中止すべきです。合わせて答弁ください。

 区長の政治姿勢についての2つ目の質問は都立病院の独立行政法人化に反対すべきという事です。
 この間、わが党は小池都知事が示した都立病院の独立行政法人化に反対するよう数度にわたり区長に一般質問等で求めてきました。しかしその都度、区長は「反対を都知事に求める気はない」とし、今年の一定での清水みちこ議員の答弁には「経営主体が変更になったとしても、引き続き地域医療における重要な役割を担い続けていただけるものと強く確信している」との答弁がなされました。
 今、新型コロナ禍の下、医療機関の体制ひっ迫は大変深刻です。こういう中で都立病院の役割は大きく、今年3月現在、都内のコロナ対策のベッドの35%1,700床を都立・公社病院で確保し対応してきました。同時に小池都知事は独法化への定款変更の提案を見送りました。
 さて、今年3月の区議会での陳情審査で、都立大塚病院は入院、外来とも受診者の4割強が豊島区民であること、周産期医療の病院は区内に3か所のみでそのうち1か所が都立大塚病院であること、医師会との協力で平日準夜間子ども救急事業が実施されていること、災害時の救急医療救護所の開設、健診センターの評議委員会議長、PCR検査の実施等日常的な保健所との連携など、都立大塚病院は様々な豊島区の保健医療活動や区民の医療要望に対応しています。そして都立大塚病院には年間28,8億円の都の補填があり、不採算医療等様々な活動が展開できることが明らかになりました。
 また都内唯一の独立行政法人立の健康長寿医療センターではベッドの差額代は141床25%、差額代の最高額は2万6千円、また10万円の入院保証金が必要とされていること、それでも経営は赤字であることが明らかになりました。
 そして今後の都立病院の在り方について、副区長は「都議会で論議がなされること」「区としてしっかりと注視をしていく」と私の質問に答弁しています。
 そこで質問します。先ほども言いましたが区長はこの間、「都は引き続き地域医療における重要な役割を担い続けていただけるものと強く確信している」と答弁していますが、都ではこれから論議がされるという事で「強く確信している」とする根拠はどこにもないではありませんか。直ちに区長は都立大塚病院の独立行政法人化に反対すべきです。答弁ください。

 政治姿勢の3つ目は後期高齢者の2割負担についてです。
 6月4日、75歳以上の医療費窓口負担(現在原則1割)に2割負担を導入する「高齢者医療費2倍化法」が参院本会議で自民、公明、維新、国民民主等の賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、立憲民主党などは反対しました。施行期日は2022年10月1日から23年3月1日までの間で、政令で定める日としています。
 2割への窓口負担増は単身世帯で年収200万円以上、複数世帯では合計年収320万円以上を対象とし、全国的には370万人と言われています。豊島区では、2021年度分所得での判定によると、現在1割負担が23、268人でそのうちの26% 6,058人もの方が2割負担となります。政府は2割負担導入による「受診行動」の変化で医療給付費が年間1050億円の減少との試算をしています。これこそ負担増で受診抑制につなげるという事で、これが目的であることは明確であります。また、政府は「現役世代」の保険料負担の軽減を強調しますが、現役世代の負担減は1人当たり月約30円です。    
 そして最も削減されるのは国・自治体の公費1,140億円。まさに公的な社会保障費の削減を推進するものです。その上、厚労大臣は、現役世代の負担軽減策を問われ、安定的な制度にするには「弥縫(びほう)策では難しい」と答えました。所得基準は政令で定めるとあり、政府の匙加減で2割負担になる対象世帯は拡大される危険があります。2割負担、3割負担の対象拡大を含め、限りない負担増と給付抑制を宣言するものです。
 そこで質問します。今年一定でのわが党小林ひろみ議員の2割負担導入に反対を求めた質問に区は「増大する高齢者人口とそれを支える現役世代の人口減少をしっかり見据え・・将来を見据えた合理的なもの」と答弁しましたが、その内容は「将来を見据えた合理的なもの」どころか、際限のない負担増への道ではありませんか。いかがですか。
 また、高齢者にとって通院や薬を減らすことは病状悪化に直結します。早期発見、早期治療が総医療費を減らすことは常識中の常識です。必要な医療を受けられなくすることを前提にした負担増は許されません。人権として社会保障、公的医療の拡充こそが政治に求められます。区政は国民に一番近いもの。生活している区民の生の声を政治に反映させるのが区政の一番の役割であり区長の仕事です。実施まで、まだ時間があります。2割負担導入には断固反対すべきです。答弁ください。

 大きな質問の第二はワクチン接種とPCR検査の拡充についてです。
 わが党は6月4日、PCR検査の拡充等を含め、新型コロナウイルスから命とくらし・営業を守る申し入れ(第11次)を行ってきました。改めて「ワクチン接種が進んでも感染拡大の危険がある」との専門家の指摘がある中で、検査の拡充について質問します。
 1つ目の質問は、ワクチン接種についてです。本区では、5月19日より高齢者を対象に豊島方式として医師会の協力の下、かかりつけ医での接種を中心とした個別ワクチン接種が始まり、5月24日からは集団接種、6月3日から区民広場での巡回接種が始まりました。さらには40歳から64歳までの基礎疾患のある区民にも拡充されています。
 高齢者の接種者は6月15日現在一回目終了された方は33,267人です。
 医療機関では日常の診療の他に休診日等でワクチン接種を進めている機関もあります。問い合わせや実務に追われている、医師の派遣を要請した、往診患者さんには車で送迎し医療機関でワクチン接種をしているなど、各々の医療機関で独自の対応を行っています。また区内の29か所の特養やグループホームの入所者と職員のワクチン接種でも嘱託医が中心となり接種計画が立てられほぼ7月の上旬には接種が終了する計画で対応されています。要は各医療機関では日常診療以外に独自体制をとりワクチン接種を行っているという事です。
 そこで質問します。かかりつけ医でのワクチン接種は区民からも「安心」等の声が聞かれ拡充されています。医療機関への区として具体的な支援策を行うべきと考えます。答弁ください。
 また「どこでいつ接種可能なのか」「どういう手続きなのか」等、区民の皆さんは様々な不安を持っているのが実態です。特に「どこで接種が受けられるか」「近くの医療機関で受けたいが」等の情報はなかなか知られていません。区の独自の接種体制について日常的な情報開示が求められます。相談窓口等のさらなる拡充もすべきです。答弁ください。さらに路上やネットカフェで暮らす等、様々な理由で住所が無い方への対応も必要です。合わせて答弁ください。

 2つ目の質問は、PCR検査がいつでも無料で受けられる体制の拡充についてです。
日本のPCR検査数は世界で146位です。積極的な検査と隔離・保護は感染拡大を抑制させる最低限のやるべきことと言われています。ワクチン接種については最終的には本人の判断によるものですが、同時にコロナ感染症を収束させることは待ったなしです。その立場からも、わが党が指摘しているように、いつでも無料でPCR検査が受けられる体制の確立は喫緊の課題です。
 特に今、感染力の強い変異株の広がりは本当に脅威です。ワクチンの接種と合わせて、PCR検査を大きく取り組みことが求められています。
 そこで質問します。いつでも無料でPCR検査が受けられるよう国、都に抜本的な体制を求めるべきで、合わせて区として実施すべきと考えます。答弁ください。また現在、医師会委託の検査センターは体制上の理由で4月から休止となっていますが、区は体制を確立し活用すべきと考えます。答弁を求めます。

 大きな第三の質問は厳しい生活を強いられている区民に対する認識と区独自の支援策について3点質問します。
 社会福祉協議会の特例貸付事業の緊急小口資金は5月末現在で8800件を超えています。また総合支援資金は初回、延長、再貸付は5月末現在で12,900件を超えており、更に更新等が続いています。コロナ禍での区民の生活は本当に深刻という事です。
 今年5月商工リサーチの調査が発表されましたが、それによると5月18日時点で新型コロナ感染拡大の影響での経営破たんが累計1,408件で飲食業が最も多く最多の255件でさらに増加するだろうとコメントしています。
 改めて本区の生活産業課の資料を見ると昨年10月〜12月の3か月間の倒産件数は  15件。今年1月から3月も15件の倒産しており業種別をみるとサービス、宿泊、飲食業となっています。2020年1月から3月では6件でしたから、この半年間で30件の倒産は本当に深刻で区民の生活が大変という事であります。
 そこで質問です。コロナ禍の下で区民の生活の厳しさに対して区長はどう認識されているのか、今後どう救済しようとしているのかまず答弁ください。
 次に中小企業対策としての事業所家賃補助制度の実施についてです。
 室内装飾の仕事をしているKさんは「昨年協力金100万円をうけとったが仕事が一件も入らず家賃に消えた。今後の事業継続は全くめどが立たない」とうつむきます。同時に別の家主さんからは空き部屋が出た、事業所の家賃が入らないと訴えられました。予算委員会で私は事業所家賃補助制度の実施を求めましたが、区はやらないと冷たい答弁でした。しかし事態は益々悪くなっており、家賃補助は喫緊の課題です。地元商店や事業所が地域商店街を支えているのです。その立場からも区独自に事業所家賃補助制度を実施すべきです。答弁ください。
 2つ目の区独自支援策は国保保険料の減免の拡充と傷病手当の対象の拡充についてです。国はコロナ対策の減免制度を昨年度同様に行う事を明らかにし、今回の区の補正予算で示されました。継続されたことはよいことですが、内容的には全く昨年度と同様です。区の資料では2020年度のコロナ減免は申請4,646世帯で決定は4,243世帯、決定額は7億2600万円。また傷病手当は18件132万円です。そして今年度の補正予算は4,300世帯、7億円です。
 わが党はこの間、緊急申し入れや一般質問で国保料の減免減額の拡充を求めてきました。国の減免は一歩前進で、また資格証や短期証発行の運用の見直し等で区職員の皆さんが努力されていることも感じています。
 しかし同時にいかに国保加入者の経済状態が厳しいかが示されたという事です。
 100年に一度のコロナ感染症の下で改めて社会保障の在り方、保険制度の在り方を区長自ら問い直していただきたいと思います。そして国保制度の予算枠の在り方を見直すよう国に求めること、当面、区独自に保険料軽減策を講じること。合わせて答弁ください。
 3つ目は保健所の体制についてです。
 まず保健所の増設についてです。
 かつて都内には71か所の保健所がありました。1994年以降大幅に削減され現在では31か所。本区でも29万区民に1か所となりました。私はこの間、長崎健康相談所を保健所として復活させるよう求めましたが、区長は「必要に応じ職員は増員できる」「様々な健康危機事態への対処は1か所に集中し、統一的に対処することが効果的」と答弁しています。しかし区民にとって身近なところに保健所があれば相談に行けると私は今回つくづく思いました。感染症を含めいろんな疑問や質問があった時、日常的に保健所が区民にとって身近な存在であれば、早く手が打てる、あるいはきちんとした対応ができる役割を果たすのではないでしょうか。改めて保健所の増設を求めます。答弁ください。
 保健所の2つ目の質問は新保健所についてです。
 私は昨年の三定でも新保健所問題を取り上げてきました。答弁では区長自ら現在の仮保健所は「23区一番」と言い、100年に一度の感染症対策に適していることを強調しました。しかし結果的にはC地区の再開発ビルに移すことを進めるとしています。これだけ感染症が拡大する中で、この経験を無にしないためにも、改めて真剣に独立した保健所施設を求めるべきではありませんか。まず答弁ください。
 さらに、この間、C地区では住民の転居が次々と具体化してきています。しかし保健所建設計画については何ら区民に知らされていません。
 聞くところによると広さは4,658uくらいで、健診センターを入れる等のことですが、費用や建設計画等一切、区民には知らされていません。まさに区民不在の計画であります。直ちにやめるべきです。そして改めて今、どういう保健所が区民に必要なのか等を区民参加のもとで徹底して議論すべきです。答弁を求めます。

    以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。