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区議会質問
 
2019年第4回定例会
渡辺くみ子議員の一般質問
2019年11月26日

 私は日本共産党豊島区議団を代表し、「大型開発ではなく、区民を大切にする区政を」と題して
第一に予算編成に向けての区長の基本姿勢について
第二に来年度予算にもりこむべき課題について
第三にまちづくりについて、一般質問します。区長の区民生活を直視した明快な答弁を求めます。

 では第一の質問、来年度の予算編成に向けての区長の基本姿勢についてです。
 国民多数の反対のあるなか10月から消費税10%増税が強行されました。
 「社会保障のため」「財政再建のため」と政府が繰り返してきた消費税。消費税導入後31年間の現実は、年金は減らされ、サラリーマンの医療費窓口負担は3倍になり、介護保険は負担あって介護なし。社会福祉の根幹である、生活保護基準額の立て続けの引き下げ等、社会保障は切り下げの連続で「社会保障のため」でないことは明らかになっています。
 更に財政再建どころか国と地方の借金は1069兆円と4倍以上にふくれあがり、しかもこの11月14日、政府は企業業績の落ち込みで税収が1兆〜2兆円規模で下(した)振れ(ぶれ)する見通しとなり、不足分は、2019年度補正予算で赤字国債を追加発行して賄うとしました。
 「財政再建のため」どころかどんどん悪くなっているのです。消費税が「社会保障のため」「財政再建のため」という政府の言い分は大ウソではありませんか。
 では、安倍政権の増税対策はどうでしょうか。週刊誌で「お店も、買い物客も、手間ばかり増えて、やっぱりいいことナシ! 消費増税で大混乱! ポイント還元という『国家の罠(わな)』」と報じ、批判は強まるばかりです。
 キャッシュレス決済へのポイント還元といいますが、東京都内の主な商店街でも登録商店は1〜2割と言われています。
 プレミアム付き商品券は本区でも当初の対象見込みより申請は大幅に少ない28%で、区民の方からは「2万円で商品券を買う事などできない」との声が寄せられています。
 安倍政権のもとで、格差と貧困がひろがり区民生活は深刻化する中での消費税10%増税はますます区民生活をおびやかすことになりました。
 消費税増税を進めてきた安倍政権の責任は重大ですが、区長、あなたにも責任があります。
 私ども日本共産党区議団は、消費税10%増税について高野区長に、これまで繰り返し、繰り返し区民生活を守る立場から「反対を表明し増税撤回を求めるべき」と質してきました。
 しかも昨年の私の質問に区長は、消費税増収分は「低所得高齢者対策等、暮らしの支援の財源」といい、「増税には反対しない」という答弁でした。
 現実はどうか、介護保険料の引き上げや、後期高齢者医療保険の特例軽減の段階的廃止、年金は「マクロ経済スライド」で給付水準を減らし続け、安倍政権の7年間で、年金は実質6・1%も減らされました。
 区民生活はますます深刻になっているのです。街を歩けば、地元商店街は活気を失い、シャツターどおりとなっています。銭湯も減り続け何とかしてほしいと声が寄せられています。「生活が大変」「医療費が高くて病院にもかかれない」という区民もいます。
 そこで質問です。
 区民生活を脅かし、格差と貧困をますます広げ、街の商店の賑わいも売り上げもへらす結果になっている消費税10%増税について、区長は今でも正しかったと評価しているのでしょうか。見解を伺います。
 次に、区民生活の実情認識と改善策についてです。
 先程来述べてきたように、私は区民の暮らし、営業は、年金の減少や社会保障の負担増、増税による物価の値上げなどで、ますます深刻になっていると考えます。
 区長はこれまでわが党の質問にたいし、「区民生活は全体的に見ますと、横ばいもしくは緩やかな改善傾向にある」などと言っています。そして「税や社会保障負担に耐えられないという方々に対しては、丁寧にお話を伺い、共に考え、適切な支援をする」とも言いました。
 ところが区民負担は増える一方です。特に国保料は毎年毎年、値上げしているではありませんか。
 そこで質問します。
 税や社会保障の負担が軽くなり、少しでも区民の懐(ふところ)が豊かになってこそ、くらしが改善したと、実感が生まれるのではありませんか。区民生活改善をすすめることを予算編成の最前提とすべきと考えます。改めて区長の区民生活の実情の認識と改善策について具体的にどうしようとしているのか、お答えください。
 また、来年度予算編成にあたっては、増税や負担増に苦しむ区民を守るために、施設使用料や手数料の値上げはもちろん、国保料、教育の私費負担の引き上げはしないと約束していただきたい。いかがでしょうか。答弁ください。

 第二に区民生活を改善するために来年度予算にもりこむべき課題について質問します。
 まず低所得者対策についてです。

 この間、自民党政権下では2004年から生活保護基準の相次ぐ引き下げが行われ、2006年には老齢加算が廃止されました。その後、安倍政権下で、この6年間で2度にわたる生活保護費の削減が強行され、2013年には生活扶助と期末一時扶助の引き下げ、15年には住宅扶助、冬季加算の引き下げ、さらに今回、2018年10月から2020年までに生活扶助費を段階的に引き下げるとし、また月4,000円の母子加算も減額されます。この見直しで生活扶助費が下がる世帯はなんと63%で、特に子育て世帯、65歳、75歳の単身世帯は5%もの減額となっています。
 この様な度重なる保護費の削減の中でも、65歳以上の方は2018年度までの5年間で347件増加しており、これは年金が削減される一方で医療、介護の保険料や窓口負担が増加されるなど、高齢者の生活実態は大変厳しいという事であります。
 こういう中で、消費税10%増税は生活保護利用者や低所得者にとっては更なる厳しい生活を強いられることになりました。高齢者からは「食費を削減している」「暖房費を節減している。これからの寒さが不安」と切実な声が出されています。
 そこで最初の質問です。
 本来、生活保護世帯や困窮している世帯に対し、支援の拡充や貧困の打開に国を挙げて取り組むのが政治の責務です。しかし安倍政権は弱者切り捨て政治に邁進しています。こういう中でこそ、区民の命を守る責務がある区長として、まず生活保護基準額の引き下げにきっぱりと反対すべきです。答弁ください。
 2つ目は法外援護の拡充についてです。
 現在、本区での法外援護は入浴券の60枚支給のみです。先ほども言いましたが、生活保護の扶助費や冬季加算が削減される中で、冷暖房の使用を節減しているとの声は多くあります。そこでまず法外援護として夏季、冬季見舞金の創設を求めます。答弁ください。
 低所得者対策の3つ目は住宅扶助についてです。
 2015年7月の上限額見直しで単身世帯の住宅扶助の都内基準額は53,700円、さらに15u以下だと48,000円などと床面積別の基準が導入されるなど改悪されました。現在豊島区内では古いアパートの建て替えで、生活保護利用者が立ち退きを迫られる事例が増え、転居先については「53,700円で探してください」と言われます。地価が高くなり家賃があがり、風呂付でさらに高齢者であれば1階という条件で53,700円のアパートを見つけるのは、ますます困難になっています。Bさんは、ようやくみつかった住宅は15.1uと大変狭いにもかかわらず、家賃は53,700円でした。これでは、豊島区では国の定めた最低居住水準25u確保はできないということです。東京都は、2015年の「生活保護の住宅基準額の見直し」の際、「特別基準…車椅子使用の障害者等がいる場合、地域に基準額の範囲内での物件がない場合等に」「(例)1級地単身者特別基準額…69,800円」としています。私が、2018年(平成30年)第4回定例会で生活保護について「区民の生存権を守る立場に立ち、区独自の家賃助成の加算制度、すなわち法外援護を創設すること」を求めましたが、区長は、「被保護世帯の特別の事情を考慮できるよう特別基準も制度化されていることから、区としての独自の加算制度を創設する考えはございません」と答弁しています。しかし、いまだに現場では「53,700円で探すように」と指示されているのであります。
 そこで質問します。
 生活福祉課として、「国の定めた最低居住水準」を守る気があるのか、まず認識を伺います。そして、特に高齢者や障害者には一般基準の53,700円という家賃の上限ではなく、特別基準の69,800円を適用できることを周知すべきです。答弁ください。

 区民生活を改善するために来年度予算にもりこむべき課題の二つ目は高齢者支援策についてです。
 豊島区では75歳以上の一人暮らし高齢者は2015年37%と全国平均19.8%を大幅に上回っており、65歳以上でも33.8%を占めています。
 今年3月「平成30年度 介護予防・日常生活圏域ニーズ調査報告書」が発行されました。調査の目的は「要介護状態になる前のリスクや社会状況を把握することで、地域診断に活用し地域の抱える課題の特定、総合事業の管理・運営に活用すること」としています。この調査の最後に介護に関する自由回答があり399の回答が寄せられています。これによると「もっと介護に関心を持つべき」との回答が多くあり、高齢者が介護予防活動に積極的であることが感じられました。同時に介護保険制度や介護予防の情報が入ってこない、介護保険料が高すぎる、介護サービス、生活支援策等の情報をもっと知らせてほしい、高齢者向けの施設、特養が少ない、一人暮らしなのでいざという時不安、介護認定が厳しい、受診したいがタクシー代が大変等々様々な意見が寄せられています。
 そこで質問します。
 今回、区として行ったアンケート結果を今後区の施策にどう反映させていくのか。答弁ください。
 そもそも具体的に豊島区が高齢者施策として何をするかが問われているのです。介護保険や総合事業さらには現在の豊島区の高齢者施策の問題点を少しでも改善するため、アンケートにあげられた意見の中で、介護保険料の引き下げ、旧朝日中跡地への特養建設の実現、介護予防等を含め情報伝達の拡充についてどう対策を打つのか、答弁ください。
 高齢者対策の最後の質問は、一人暮らし高齢者の施策の拡充について具体的に伺います。
 80代のAさんは一人暮らしです。今回、目の白内障の手術のため交通機関を利用しての入院が決まりました。そのため知人が急遽区に介護者の派遣を相談したところ、「介護保険利用者でなければ派遣できる制度はない」と断られたとのことです。一人暮らし高齢者にとって、日頃は元気でも、介護が必要となるときはあります。かつては区のホ―ムヘルパー派遣が行われていました。また社協のリボンサービスの活用も示唆され、検討するにしても入会金1,000円、一時間700円の負担は簡単ではありません。
 そこで質問します。低所得者が必要時に介護者の派遣が受けられる体制の早急な確立を求めます。答弁ください。

 大きな第三の質問、まちづくりについてです。
 高田1丁目のオリジン電気本社工場跡地に東京建物KKにより、敷地面積12,348uに72年間の定期借地で延べ床面積37,759u、15階455戸のマンション建設計画が明らかになりました。
 計画が明らかになる中で、周辺の低層住宅地域の住民からは、なぜ15階、455戸も建設するのか等の意見が出され、住民主催で説明会が開催されました。
 高田地域で最大の建築物となりますが、まちづくりの観点から神田川周辺の景観、建設にかかわる安全性等様々な意見が出されました。また地域住民の方から日照、風害、子そだてインフラ等の意見が私にも寄せられています。しかし東京建物は計画を変更する気はない、12月半ばに工事説明をするとの答弁に終始しました。
 さて、私は2017年の第一回定例会の一般質問で区長に「このような広大な土地はなかなかない、ぜひ公園や公共施設の建設等、東京都にも働きかけ、区民に還元できるようにと、対策を強く求めました。区は「引き続き情報の収集に努める」と答弁しています。しかしこれらは一切明らかにされず、今回の計画が突然示されたにです。
 そこで質問します。
 どのように情報の収集を行ってきたのか。また区として区民に還元することを検討してきたのかまず答弁を求めます。
 今回の建設計画では空地が一部、事務所が一か所を区民に還元するとされていますが、455戸であれば住民は1,000人から2,000人は増える計算になります。
 今、区は文化や池袋駅周辺の4つの公園を重視し宣伝しています。しかし同時に区民が生活する場での環境整備や公園増設は大変重要ではないでしょうか。高田1,2丁目地域では3か所の公園と2か所の児童遊園で面積は約3,067uのみです。だからこそ私は建設計画が具体化する以前からまちづくりとして取り上げてきたのです。
 東京建物モフ計画につては、区民の居住する地域の環境整備、住環境への配慮と神田川周辺の景観保持に区が積極的に取り組むよう求めます。答弁ください。

 まちづくりの二つ目の質問は南池袋C地区の再開発事業に関して、今回は新保健所建設計画についてのみ質問します。
 都の事業計画の公告縦覧が行われ、計画書では、建物設計は地下2階、地上51階を2棟、事業工事期間は2021年3月からで事業施工期間(予定)が2026年3月末日となっています。この再開発計画では「引き続き当該地の低層の住宅にすみ続けたい」と、計画の見直しを求めている住民の方々もいらっしゃいます。
 さて計画書の設計概要によると、「公共性の高い施設等の導入を図る」として、区は、一棟の建物に保健所を入れるとしています。しかし、新保健所建設にはいくらかかるのかとのわが党の質問に「わからない」との答弁が繰り返されています。現在の仮保健所は本年10月15日に17億円かけて新設されたばかりです。17億円をかけた施設を僅か数年で廃止し、また新保健所建設に多額の区民の税金を投入すること、しかも「いくらかかるかわからない」「建築内容も明らかにされない」等はまさに区民無視の計画であります。
 そこで改めて質問します。
 新保健所建設の内容はどういうものか、建設費はいくらなのか。
 さらに計画そのものについて、仮保健所の継続的な活用と合わせ、全面的に見直すべきと考えますが、いかがですか。答弁ください。
         以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。