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区議会質問
 
2019年第2回定例会
渡辺くみ子議員の一般質問
2019年6月25日

 私は日本共産党豊島区議団を代表し、「区民のいのち・暮らし第一の区政に転換を」と題して
第一に区長の政治姿勢について
第二に区政に臨む基本姿勢について
第三に国民健康保険制度の拡充について
第四にその他としてコミュニティバスの運行について質問します。
 区長の明快な答弁を求めます。
 まず第一の質問、区長の政治姿勢の大きな問題として消費税について伺います。
 消費税は、低所得者ほど負担が重くなる逆進性の強い不公平な税金であることは誰もが認めています。財源を消費税にたよれば、格差をますます拡大することになります。
 そもそも税金は能力に応じて公平に負担する「応能負担」の原則が求められており、消費税は、憲法が要請する「税金は応能負担原則」の趣旨に反していること、さらに人間が生きるために必要な生活費には税金をかけないという、生活費非課税の原則にも反しています。
 5月20日に発表された「朝日」新聞の世論調査では10%増税に「反対」が54%、「景気に悪影響が出ると不安を感じる」は75%になっており、国民の多数は増税に反対し、景気への影響を懸念しています。
 景気動向が悪化の中での消費税増税はさらなる景気悪化を生み出し、国民生活は益々厳しくなるということです。
 この様な景気動向については、今年4月、首相の側近中の側近である自民党幹事長代行の萩生田氏は、7月1日発表される「6月の日本銀行の短観」の結果次第では「10%増税の延期もありうる」と言い、マスコミでも大きく取り上げられました。
 そして6月11日政府が発表した骨太方針の素案でも、「消費税増税を予定する」と明記していますが、米中貿易摩擦など経済の下方リスクに「目配り」し、増税による駆け込み需要・反動減対策など、「十二分な規模」の経済対策を行うとしています。結局、景気悪化を認め、対策に巨額な国費を投じるというものです。そうであれば消費税の増税こそを中止すべきです。
 消費税10%増税による増収は5兆円規模です。しかしこの財源は、富裕層と大企業への優遇税制をやめ応分の負担を求めるなどすれば7兆円の財源を確保できます。「消費税に頼らない別の道」で確保できるという事です。また、安倍首相は、低所得者対策などとしてプレミアム付商品券事業やポイント還元、軽減税率、景気対策としての大型公共事業などを進めるとしていますが、ようは消費税増税をしなければ必要ありません。 
 そこで質問します。
 わが党は、消費税10%増税は区民生活に大きな打撃を与えるとして、この間一貫して区長に反対するよう求めてきました。しかし区長は「税収が安定している」「経済活動に中立的」「すべての国民が薄く広く負担する公平性の高い税」「社会保障の財源にふさわしい」と容認してきました。
 今、参議院選に向け市民連合と5野党すなわち立憲民主、国民民主、社民党、社会保障を立て直す国民会議、日本共産党は消費税率引き上げ反対を共通政策として掲げました。多くの区民の、増税の中止、あるいは延期してほしいという願いに対して、区長は、増税は必要という立場でしょうか。
 今こそ区長はきっぱりと増税反対の立場を示し、国に中止を求めるべきです。答弁ください。

 消費税に関する2つ目の質問は、「消費税は社会保障の財源にふさわしい」とする区長の認識についてです。
 区長は「消費税引き上げ分は社会保障の財源化をしてきた」と言い続けています。
 では消費税が導入されて以降社会保障は充実してきたか。区の様々な福祉施策のごく一部を見てもわかることです。
 2013年から18年の6年間を見ますと、医療面では70〜74歳の医療費窓口負担が段階的に2割化、入院時の食費の患者負担、70歳以上の高額医療費の負担限度額の引き上げや後期高齢者の保険料軽減特例の段階的廃止、国保の都道府県化で更なる保険料の大幅引き上げ、介護でも要支援1,2の保険外し、特養入所対象を介護3以上に、利用料の3割負担導入、年金は毎年削減、生活保護費基準の引き下げなど、社会保障費は次々と削減されています。
 また、本区でも強調されていますが、我が事・丸ごと地域共生社会、要するに自助、共助を前面にし、公助すなわち公的責任は補完物としているのです。
 今、大きな問題となっている「公的年金だけでは30年間で2,000万円不足」とした金融庁の報告ですが、この間、政府が言い続けてきた「100年安心の年金」の宣伝が大ウソであったことも明らかになりました。
 そこで質問します。
 区長は「消費税は社会保障の財源」と言いますが、社会保障は悪くなっているではありませんか。消費税が社会保障の財源という区長の認識は間違っているという事です。こうした認識をあらため、区民の負担を少しでも軽くすることが区長の果たすべき責務ではありませんか。答弁ください。

 次に大きな第二の質問は区政に臨む基本姿勢についてです。
 区長は今期の就任のあいさつ状で「区政発展に全力を尽くす」と記しています。区議会臨時議会招集あいさつでは、東アジア文化都市が開幕し、「豊島区政始まって以来のイベント」「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市」の「実現に向けて全力で傾注してまいります」と述べています。そこで区政に臨む基本姿勢について三点質問します。
 その第一は財政運営についてです。
 わが党区議団は、これまで高野区長のトップダウンによる無計画な投資事業、目玉として推進している国際アートカルチャー都市や東アジア文化都市を口実した大企業のための開発優先の街づくりや投資について、「将来の財政運営を左右する事態が必至」という観点で批判し、これまでも見直しを求めてきました。
 こうした投資による財政逼迫が起こらないのか。こうした危惧はますます深まるばかりです。
 今年度の「としまのお財布」では今後5年間の投資的経費の見通しでは5か年合計で1,167億円。そのうち東アジア文化都市記念事業が今年度248億円、5年間で323億円としています。
 東アジア文化都市記念事業の主なものの今年度の内訳をみますと、芸術文化劇場84億円、区民センター61億円、中池袋公園2億円、池袋西口公園26億円、造幣局地区防災公園36億円、電気バス2億円、保健所移転3億円、また市街地再開発事業経費では2か所の地域で今年度は12億円、5年間では189億円となっています。加えてこれに算入されてない事業が、東池袋一丁目地区再開発、西池袋一丁目再開発、池袋駅西口地区再開発があげられ、さらに、池袋東口まちづくり、造幣局南地区まちづくが取り組まれています。
 また学校の長寿命化計画により結果によっては新たな改築改修計画が見込まれることになります。区民需要に密着した特養の増設、区立住宅の改修、改築等やらなければならない投資的経費は増すことは必至です。
 歳入にかかわる問題では、地方消費税の清算基準の見直し、法人住民税の一部国税化など不合理な税制改正や消費税増税による景気低迷等の減額要素も見込まれています。
 区民の使えないような投資に金をかけ、その赤字の穴埋めに税金投入とは異常な財政運営といわざるを得ません。
 さて、区長は今議会の所信表明で、行財政運営では起債額が貯金を上回ったとして、令和4年、すなわち3年後の2022年度に貯金が起債を上回る計画を立てたと表明しました。
 その具体的な取り組みとして、「予算編成時にあたっては、事業の新規・拡充のみの提案にとどまることなく、既存事業の見直しをセットで提案することで事業の新陳代謝を進め、予算や組織の膨張抑制を図ってまいります」また、「予算執行時にあたってはより効率的、効果的に執行に努める」としています。
 そして、今後の財政運営にあたっては、これらの取り組みを着実に実行に移すことで、貯金と借金のバランス改善を一年でも早く前倒しで果たせるように努めていくと結んでいます。
 そこで質問です。
 まだ、事業化されていない再開発事業や学校の改築改修計画、また区民需要に密着した特養の増設、区立住宅の改修、改築等やらなければならない投資的経費は増すことは必至で、今後も投資的経費は増加することは明らかな中、貯金と借金のバランス改善をすすめるとなれば、区民の暮らしや福祉、教育など区民サービスの維持、向上をどう担保するといえるのでしょうか。
 区財政を取り組む状況を考えたとき、借金を貯金が上回るようにするとなれば、家計にたとえれば、必要とするものを削らない限り貯金などできないはずです。すなわちやるべき区民サービスを削ることを示唆しているではありませんか。お答えください。
 また、こうした財政状況を見直すことになった背景には、先ほど来指摘しているように、区長のすすめる不要不急の池袋中心の来街者のための投資であり、これこそ見直すことにあります。開発事業は一度進めてしまうと後戻りできないのです。
 見直しをせずに、区長のトップダウンで進めるやり方を続けるのであれば、区民は孫子の代まで、区財政運営の困難を抱えることになりかねません。見解を伺います。

 基本姿勢の第二の質問は、多額の税金投入が見込まれる再開発事業やまちづくりが住民無視、議会軽視で進められているという事についてです。
 6月14日に開催された副都心委員会では、中池袋公園整備事業、池袋駅周辺の市街地再開発事等の動向、造幣局地区まちづくり、住宅マスタープラン等6つの報告が行われましたが、この問題で2点について質問します。
 ひとつは造幣局地区のまちづくりについてです。
 造幣局跡地ではURと豊島区が協定を結び、1,7hの防災公園を整備するための工事が進められています。また仮保健所はURが今後市街地整備地域としている0.5haの土地に仮移転し5年後に市街地再開発事業地の南池袋2丁目C地区の建物に転居する計画となっています。そして今回、初めて、池袋保健所仮庁舎建設地の隣地にキッズ・パークを整備し、仮保健所同様に5年間使用する計画が示されました。
 しかし今年3月の予算委員会では全く計画は示されず、保健所の仮庁舎の5年間のリース料のみで総額17億円との報告となっていました。ところが、今回、突然キッズ・パークの整備が示され、費用は2億7600万円としています。わが党は防災公園にキッズ・パークの整備等は要求してきたとおり必要であると考えますが、3億円近くの税金投入が行われるにもかかわらず、予算委員会後の2カ月間で計画が進められたものです。5月8日に行われた防災公園工事の地元説明会でも全く説明はなく、直近の住民の皆さんも知りません。この間、池袋保健所の仮移転計画に関しても、一昨年の公共施設・公共用地活用調査特別委員会で、すでにリース会社に契約した後の報告でした。まさに区民無視の対応であります。
 そのうえ池袋保健所は南池袋C地区の再開発建物に入るという計画について、予算や建物概要なども全く示されず、「再開発準備組合ではまだ保留床の値段が決まっていない」として費用がどうなるのか等の質問には一切答弁はありませんでした。
 区民の大事な施設がどういう方向になるのか、予算が幾らなのかも不明なままで一方的に進めるやり方は、本当に言語同断と言わざるを得ません。
 さらに、防災公園敷地に面する大学建設計画では、22階のビルで、3,500人の学生が入るという計画に対し、地元住民からは公園の利用やビル風等への不安な声が出されています。住民らはきちんと早く説明してほしいとの声を上げており、6月14日の今委員会の私の質問で「7月9日に行う」とやっと答弁がありました。
 そこで質問します。
 これまで述べてきたように造幣局地区まちづくりについては、住民無視、議会無視のやり方で施設計画を進めています。これは財政運営にとっても大問題であります。
 まちづくりというのは一つ一つ住民の意見を聞きながら一つ一つ明らかにして住民合意の下で、また財政運営についても区民負担はどうなるのか等を明確にして、議会で承認の上で進めることが不可欠なのに、区のやり方は、まさに逆立ちしているではありませんか。区長の見解を求めます。

 次に池袋駅周辺の市街地再開発事業について1点のみ質問します。
 先程も言いましたが、この間9地域の市街地再開発事業が進められ、すでに終了しているのが4か所、現在進められているのが5か所と、他にまちづくり協議会等が2か所取り組まれています。
 その一つである東池袋1丁目地区市街地再開発事業では、今年5月に東京都国家戦略特別区域会議に選定され、来年度、都市計画決定の方向であることが報告されました。東京都国家戦略特別区域会議で選定された事業内容は「国際アートカルチャー都市として池袋の魅力を高める芸術・文化の情報発信機能や地域の回遊性の向上に資する歩行者ネットワークの整備」としていますが具体的な説明はありませんでした。これは豊島区のまちづくりに大きな影響を与えるものです。
 そこで質問します。市街地再開発事業は、関係権利者や事業協力者と地方公共団体が協力して行う仕組みです。当然、当該地域住民や近隣住民にとっても大きな問題であり、同時に、区全体のまちづくりにも大きな影響を与えるものです。さらにまちづくりの一環として多額な税金が投入されます。区議会にも、計画時点から経過を含め報告、審議がなされるべきものです。答弁を求めます。

 基本姿勢の第三の質問は、区民の生活実態の認識と対応について伺います。
 区民の生活実態は29万人区民のうち、区の報告では10万人が非課税者です。また課税所得200万円未満は昨年度56%で、非課税者と合わせると22万人を超えています。
 この間何度も指摘してきましたが、わが党区議団のアンケートでも区民生活では、「苦しくなった」との回答は50%、「税金や保険料の負担が重くなった」は66%、「これ以上の負担には耐えられない」は77%でした。
 生活保護利用世帯は、安倍政権の下で保護基準額が引き下げられているにもかかわら6140世帯。就学援助を受けている世帯数も、中学校では4人に1人を超えており、子どもへの貧困の連鎖は7人に1人と言われています。国民健康保険料滞納者数は29%です。区民の生活実態により沿う事が今一番求められるのです。
 そこで質問ですが、区長は今期の就任にあたり、改めて、このような区民生活の実態について、どう認識しているのか、合わせてその認識に基づき真に救済しようとしているのか。特に所得の低い方へ負担の軽減策をするつもりがあるのかどうか、お示しください。

 大きな第三の質問は、区民のいのちと暮らしを守る施策の拡充として、国民健康保険料の引き下げについてです。
 尚、学校の給食費の無償化、住宅問題等については、明日、清水みちこ議員が質問します。
 さて今年度の一人当たり保険料は125,174円と昨年度より3,184円の増額で、過去3年間の引き上げ額は13,985円にもなっています。結果、年収400万円の40代夫婦で子ども二人世帯では年間保険料は501,659円、なんと収入の12,5%、10回払いで一回の保険料は5万円を超える大きな負担となっています。負担の一番の理由は他の医療保険にはない均等割り負担があるからです。今年度は52,200円、まさに赤ちゃんが一人生まれれば保険料が年間52,200円増えるのです。
 安倍政権は昨年度から国民健康保険の広域化、すなわち都道府県単位化を実施し各自治体に「標準保険料率」を示し、その水準に合わせて国保料を引き上げることを、市区町村に強要しています。これは今まで保険料引き下げのため、区独自で行ってきた一般会計からの繰り入れ(法定外繰入)を廃止する方向で、本区では昨年度比で5億円も削減しています。結果、保険料が高すぎて払えない世帯は29%に上っています。
 高すぎる保険料は区民の暮らしを苦しめているのと同時に、国民皆保険制度としての国民健康保険制度の根幹を揺るがしており、このことは全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体も、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることに「国保の構造問題」と指摘し、均等割り負担の見直しを求めていまです。本区でも、この間の議会でのわが党の質問に、担当理事者は、「所得が200万円以下の方が80%を超えているという構造的な問題を抱えているという事は認識している」と答弁しています。
 そこで質問します。
 23区長会は、2014年から厚労省に構造的問題の解決として「国の責任で必要な財政措置を行うこと」「子育て世帯の経済的負担を軽減するため国の責任で区市町村に対する財政措置を講じる」よう求めています。しかし、改善しないばかりか、広域化に伴い補助金の削減、廃止の方向となっています。
 そこで質問します。今こそ、区長の区民の命を守る強い姿勢が求められています。国への財政支援を区独自でも求めてください。さらに東京都に対し激変緩和措置の継続と拡充を求めてください。答弁を求めます。
 次に、この間、わが党が求めてきた「区独自の子育て世帯への均等割りの軽減制度」の実施についてです。区長は招集挨拶でも子育て支援を強調しており、そもそも国保の「均等割り」自体に問題があるのです。理事者は「23区統一保険制度だから区独自の保険料の減免はしない」と繰り返していますが、であればこそ本区が20区の先頭に立って進めるべきです。
 また、当面、一人当たり1万円の引き下げ実施を求めます。区の資料によると昨年度の国保加入者80,393人で試算すると経費は8億393万円となりますが、区民のいのちを守るためにぜひ取り組むべきと考えます。合わせて答弁ください。

 大きな質問の最後、その他としてコミュニティバスの導入について伺います。
 この間、わが党は、一般質問や予決算で繰り返しコミュニティバスの導入を求めてきました。ところが、区は「道路が狭い」など様々な理由で拒否してきました。
 昨年第4回定例会には、区民からコミュニティバスの運行を求める陳情が5000筆以上添えて区議会に提出され、区民の声と運動におされ、区長は「電気バスのあとに導入する」ことを表明しました。
 しかし、自民、公明、都民ファーストの会は陳情を継続審査にし、結果審議未了廃案となり、事実上、区民の願いに背を向けたのです。
 本年4月19日、東池袋の都道で高齢ドライバーの暴走事故により、横断歩道を渡っていた母子2人が亡くなり、10人が負傷する痛ましい事故が発生しました。亡くなられた方に心よりお悔やみ申し上げます。またけがをされました方々にはお見舞い申し上げます。区議選のさなかで、たまたま通りかかり事故の大きさに大変驚きました。今、全国各地でも同様な事故が発生し大きな社会問題となっています。東京都は高齢ドライバーの事故防止のための装置補助の9割の補助を検討しています。
 そこで質問します。
 高齢者の移動の自由、生活の足の確保のためにも、また、高齢ドライバーの運転免許証の自主返還をすすめるためにも条件整備をすすめることが大事であります。いまこそ、コミュニティバスの運行をすすめるべきです。答弁を求めます。

 以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。