HOME >区議会質問 >第2回定例会 清水 みちこ議員の一般質問
区議会報告議員紹介政索と見解お知らせリンクご意見ホーム
区議会質問
 
2019年第2回定例会
清水 みちこ議員の一般質問
2019年6月26日

 私は日本共産党豊島区議団を代表して、「区民の声をきき、だれもが安心して暮らせる豊島区を」と題して、次の3点について一般質問をいたします。
1.羽田空港の増便に伴う新飛行ルート計画について
2.子育て支援について
3.住宅施策についてです。区長の区民の立場に立った、明快な答弁を期待いたします。

 まず大きく分けて、第一の質問、羽田空港の増便に伴う新飛行ルート計画についてです。
 この計画はオリンピック、パラリンピックを目途に、南風の好天時、15時から19時の間の実質3時間、約2分に1回、飛行機が高度1,200mから1,000mと徐々に高度を下げ、低空で豊島区西部地区を飛ぶというものです。これまで区内でオープンハウス型説明会、情報発信ブースなどが開催されましたが、区民の落下物、騒音、振動などへの懸念や危惧は払拭されるどころか、ますます大きく広がっています。
 わが党は議会で繰り返し教室型説明会の開催と、区民の命を守るために計画の白紙撤回を求めてきました。そして豊島区ではじめての教室型説明会が去る5月31日に椎名町小学校で、6月7日に千早地域文化創造館で開催されたのです。平日、夜の開催にも関わらず参加者は、各回約140名、合わせて280名。年代も様々で子ども連れで参加する方もいらっしゃいました。私は両日とも参加しました。
 説明会は、豊島区の環境保全課長の司会で、国土交通省の説明に30分、参加者との質疑応答に1時間と言う時間配分で行われました。参加者からは落下物、騒音などへの不安、他のルートや地方空港の活用は考えられないのか、安全性を犠牲にしてまでやる必要はあるのか、飛行機の車輪がどこで出るのか、実際に飛行機を飛ばして騒音を聞けないのかなどの質問がでました。
 また、100%安全はありえない、人命無視、白紙撤回すべき、時間もなし崩しになり24時間空路になる、今後ずっと窓を開けられない地域になってしまう、子どもの健康への影響が心配、地域の資産価値が下がる、などの意見が次々と出されました。
 しかしそれに対する国交省からの具体的な回答はほとんどなく、「今後も丁寧な説明と情報発信につとめ、みなさまのご理解をいただきたい」と繰り返すばかりで、参加者から「質問に答えていない」と怒りの声が何度もあがりました。
 そして、まだ多くの区民が手をあげているにもかかわらず、「予定時間を過ぎている」、「お配りしたハガキに書いて出していただければ」と早々に打ち切ってしまったのです。
 そこで質問です。これまで教室型説明会の開催を区民、議会、区長も繰り返し国に要望し、今回実現したのは良いことです。ただせっかく開催しても国交省は区民の質問に真正面から答えない。その一方でオリ・パラ、2020年3月を目途に実現をと期日だけは明確に答えたのです。しかし区民の理解を得ないまま、見切り発車で進めることは絶対にあってはなりません。教室型説明会を今回の2回だけでなく、引き続き開くよう強く国に働きかけるべきですが、いかがですか。
 次に区長の政治姿勢についてです。先日の説明会やこの間、区民が議会に提出してきた陳情を見ても反対意見が圧倒的です。昨年の第3回定例会で、新ルート撤回の意見書を求める陳情の採択をわが党は強く求めましたが、自民党、公明党、都民ファーストの反対で不採択となってしまいました。しかし渋谷、品川の両区議会では、全会一致で同計画見直しの意見書が採択されているのです。
 では区長の姿勢はどうでしょうか。これまで区長は「東京の国際力強化、急増する訪日外国人観光客の受け入れのために、羽田空港の機能強化は必要不可欠」という姿勢で、国の立場と同じです。
 また今回の説明会は主催者が豊島区です。本来であれば国交省が主催し、区は区民の立場で国交省と対峙すべきではありませんか。区の環境保全課長が司会進行していたのでは、区民は区も国交省と同じ立場だと思わざるを得ません。
 さらに説明会には両日とも区長は出席していませんでした。参加者から「なぜ区長が出席していないのか。直接区民の声を聞くべきではないか」との声が出たときは、賛同の拍手が大きく響きました。
 そこで質問です。なぜ区長は1度も説明会に出席しなかったのですか。区民がこれほど危惧し、計画の見直しを求めているのです。区長として直接、区民の声を聞くべきではありませんか。その上で区民の命、財産を守るために、国に計画の白紙撤回を求めるべきですが、いかがですか。

 つぎに大きく分けて第二の質問、子育て支援について2点伺います。
 政府は今年10月に消費税を予定通り10%に引き上げるとしています。しかし昨日、わが党、渡辺くみ子議員が指摘したように消費税増税は区民のくらしを直撃し、さらに負担を押し付けるものできっぱりと中止すべきです。その上で、今こそ、区が緊急にやるべき、ふたつの子育て支援について伺います。

 そのひとつめは「給食費の無償化」についてです。まず保育園について伺います。
 今年5月10日、「子ども子育て支援法」改定法が自民・公明などの賛成多数で可決、成立しました。改定法は消費税10%増税とセットで幼児教育と保育の「無償化」などを行うというものです。出費がかさむ子育て世帯を直撃する消費税増税と引きかえで「無償化」というやり方自体が大問題ですが、保育士基準を満たさない施設なども給付対象のため、「保育の質」が置き去りにされる危険も隠しようがありません。
 10月からの「無償化」対象は、認可保育所、幼稚園などを利用する3〜5歳の原則全世帯、0〜2歳の住民税非課税世帯です。認可外保育施設などの利用世帯は上限つきで補助します。増税と同時実施するため、改定法は急ごしらえでつくられました。担当官庁も「検討の場がなかった」というように、制度は詰めきれておらず、矛盾はあらわです。
 本定例会の区長招集挨拶では「幼児教育無償化の円滑な実施」として国が保護者負担とした保育所の給食食材費を区が負担することとし、国の関係規定が整い次第、条例案を上程するとしました。この「無償化」費用の自治体負担は、私立保育所は国が半分補助するのに対し、公立保育所は自治体が全額負担する仕組みのため、公立園の廃止・民営化にさらに拍車がかかる危険があります。
 そこで質問です。「無償化」と大宣伝しながら国が負担すべきものを保護者に押し付けるとは言語道断です。今回、区が保護者負担をなくしたことは評価いたします。今後、区が財政上の理由などから保護者に負担を転嫁することは、絶対にあってはならないと考えますが、いかがですか。また区長は国に対して、国が全額負担するよう求めるべきです、いかがですか。

 次に「学校給食費の無償化」についてです。義務教育は無償が原則です。今でも保護者の給食費負担は大変重く、10月に消費税増税になればさらなる負担増が懸念されます。
 生鮮食料品は8%据置としても、すでに増税前から政府主導で食品の値上げが始まっています。また運搬費、人件費など事業者の必要経費の税率が上がれば、価格に跳ね返るではありませんか。区は東京都の地産地消導入支援事業を2学期から導入するなどとしていますが、反面、これまで仕入れていた地元商店の売り上げ減は避けられません。
 そこで質問です。義務教育無償化は国の責任で行うものですが、国の動きを待っていたのでは一歩も前に進みません。区長は招集挨拶で施政方針の3つの柱のひとつに「子どもと女性にやさしいまちづくり」をあげ、「子育て世代、女性から選ばれるまちに変化している」と胸を張っています。
 子育ては幼稚園、保育園で終わりではありません。しかも学齢が上がるにつれて保護者負担は増えていくのです。中でも経済的負担が重いのが給食費です。保護者負担を少しでも減らすよう、今こそ給食費無償化に踏み切るべきですが、いかがですか。

 子育て支援のふたつめは「子どもの医療費無料化」です。
 これまでわが党は子どもの医療費を18歳まで無料化するよう求め、条例提案も行なってきました。しかし昨年4定の私の一般質問に区は「高校生の医療費自己負担の平均額は月額2千円」、「待機児童ゼロ効果で子どもの数が増えており、(中略)支給額は(中略)年々増加の一途」、「今後さらに医療費は膨らむ」、「政策の優先順位としては低い」と冷たく背を向け続けています。子どもの命に優先順位があるのか、子どもの医療費が膨らむからやらないとは、それでも「子育てしやすいまち」と言えるのですか。
 そこで質問です。私の元には18歳まで無料になれば本当に助かる、子どもにお金の心配をさせるのは辛い、早く実現してほしい、と言う声が絶えず届いています。約1億5千万円あれば実現できるのです。これこそ本当の子育て支援ではありませんか。なぜできないのですか。改めて子どもの医療費を18歳まで無料にすべきですが、いかがですか。
 わが党は、子どもの医療費無料化を国の制度にすることを7月の参議院選挙の公約として掲げています。いま、すべての自治体で、子ども医療費への助成制度が実施されていますが、国の制度として、小学校就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化することが必要と考えています。その共通の土台のうえに、自治体の助成制度をさらに前進させれば、小・中・高校生への医療費助成を推進することができます。財源は消費税に頼らず、大企業と富裕層への優遇税制を改めて応分の負担を求める、米軍への「思いやり予算」を廃止することで、7.5兆円確保できます。
 そこで質問です。改めて、国の責任において小学校就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化するよう、区長は国に強く求めるべきですが、いかがですか。

 最後に大きく分けて第三の質問「住宅施策について」です。
 今年3月、「豊島区住宅マスタープラン」が策定され、6月14日の副都心調査開発特別委員会で報告されました。2019〜2028年までの10年間を計画期間とする、区の住宅施策の羅針盤となるものです。わが党は一般質問や予決算で繰り返し、区民要望の高い低廉で良質な公営住宅の建設を求めてきました。本マスタープランの策定の過程で、住宅審議会、議会でも指摘してきましたが、「公共住宅等の供給目標」から「供給計画」すらなくなり、公的責任の放棄と市場化、民間任せをいっそう加速させるものとなっています。
 6月の副都心委員会で改めて、今後の進行管理、指標、具体的な数値設定について質したところ、「数値目標は書いていないが方向性ということ」「半年ごとに実績がどうなっているのか、施策について議論を深めていく」などとし、具体的な数値目標はないことが明らかになりました。住宅審議会の小林会長も「良い取組みだ」と評価しているといいますが、目標のない計画が実効性を持つとは考えにくく、これで行政計画と言えるのでしょうか。
 そして区長の招集挨拶では「住宅施策と福祉施策の連携」について打ち出されました。
 「高齢者世帯の民間賃貸住宅の入居に際しては、物件所有者の約7割が入居に拒否感がある」「家賃の滞納、住戸内での死亡事故等、様々な不安をいだいている」「物件所有者の不安を軽減していく必要がある」とし、「単身高齢者が民間賃貸住宅へ円滑に入居できるよう、これを後押しする仕組みについて鋭意検討中」というものです。
 民間賃貸住宅の利活用、物件所有者の不安軽減というのであれば、区が責任をもって住宅を借上げ、運営していく仕組みが必要ではありませんか。区が関与することで物件所有者も安心して貸すことができるのです。後押しするというのであれば、区が一貫して責任をもって関与、運営するのが一番の道です。
 そこで質問です。これまでも提案してきましたが空き家の利活用として、安心住まい住宅を公営住宅並みの制度として扱えば区民の願いに応えられる住宅施策になるではありませんか。約1億円で、100戸の安心住まい住宅が確保できるのです。ぜひ、早急に予算化し、安心住まい借り上げ住宅を公営住宅として位置づけ、住宅困窮者救済の柱と位置づけるべきと考えます。いかがでしょうか。答弁を求めます。

 次に家賃補助制度の拡充について質問します。
 わが党は家賃補助制度の拡充について、これまで繰り返し求めてきました。その結果、今年度から、「子育てファミリー世帯家賃助成事業」の増額、「高齢者住替え家賃助成事業」が、対象期間が5年から7年に延長されました。しかしまだまだ不十分です。
 「高齢者住替え家賃助成事業」については、高齢者は年数がたっても収入が増えることはまずありません。助成を打ち切られたら住み続けることは困難になります。
 そこで質問です。年数で打ち切るのではなく、「安心住まい」のように収入に応じた助成をずっと受けられるようにすべきです。住まいに困窮されている高齢者、障がい者、ひとり親家庭、低所得者など、一番、光をあてなければならない方々に対しては、対象期限を撤廃すべきですが、いかかでしょう。
 また、住み続けられる施策として、若者から高齢者まで低所得の区民に対する家賃補助制度は不可欠です。月1万円の補助を1000人に広げても1億2000万円で実現可能です。民間賃貸住宅の利活用、空き家対策を進める上でも、家賃補助制度の拡充は不可欠と考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

 以上で私の一般質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。