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区議会質問
 
2019年第1回定例会
森とおる議員の一般質問
2019年2月12日

 私は日本共産党区議団を代表して、「安倍政権の暴走から区民のくらしを守る防波堤の区政に転換せよ」と題し、次の5点について一般質問を行います。
 第1に、消費税10%増税について
 第2に、2019年度予算について
 第3に、高すぎる国民健康保険料について
 第4に、都立大塚病院を都立のまま存続することについて
 第5に、大塚駅前にコミュニティバスを導入することについてです。
 区長の明快な答弁を求めます。

◆第1の質問、消費税10%増税についてです。
 安倍首相は、年頭所感で「景気回復の温かい風が全国津々浦々に届き始めた」と述べました。いったいこの日本のどこに「温かい風」が吹いているというのでしょうか。これまでも自分に都合のいいデータだけをあげて、「アベノミクスで経済は好転してきた」と繰り返し、消費税率を上げる状況は整ってきたとしています。しかし、世論調査では、国民の8割以上が、「アベノミクスで景気回復の実感はない」と答えているのです。総務省の発表によると、2014年4月の消費税8%増税以後、家計消費は大きく落ち込んだままで、1度も増税前の水準を回復したことはありません。しかも、増税延期を余儀なくされた2つの時期に比べても、現下の経済情勢は落ち込んでいるのです。2人以上世帯の実質家計消費支出をみると、2018年10月までの最近1年間の平均消費額は、8%増税前に比べて年額25万円も低下しています。経済の6割を占める消費が、安倍政権下で長期低迷を続けていることは、きわめて深刻な事態です。
 アベノミクスがもたらしているものは貧困と格差の拡大です。安倍政権になってから大企業の経常利益は1.6倍、当期純利益は2.3倍に増えました。円安やコスト削減に加え、大企業への減税が、この間、4兆円規模にものぼります。したがって資本金10億円以上の巨大企業がため込んだ内部留保は、昨年7月から9月期で443兆円にまで膨らみました。
 また、異次元金融緩和による株価上昇です。厚生年金や国民年金の積立金の運用割合を改定して株式での運用割合の大幅引き上げや、日銀による投資信託購入額の急増といった、諸外国からは考えられない、行き過ぎた公的マネーの投入という手法をとったのです。そうした人為的な手法で、いつまでも株価の上昇が続くわけがありません。しかも、株価が下落したら、公的マネーはどうなるのか、売りに出せば株価はさらに下がるという負のスパイラルに陥ることは火を見るよりも明らかであり、こうした不安定な運用が禁じ手だと批判があるのは当然のことであります。
 こうした株価上昇で、大株主の資産が急増しています。1,000億円以上の大株主が12人から58人に増えました。報酬1億円以上の会社役員は700人と倍近くに増えました。大企業がもうかれば国民の所得が増えるというシナリオでしたが、従業員の賃金を低く抑え、コスト削減することで利益を増やす一方、国民の所得は伸び悩み、8%消費税増税の影響もあって、消費の低迷がいまだに続いています。
 こうした中、「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という危惧、批判が広がっており、内閣官房参与の藤井京都大学大学院教授も、「消費税増税は確実に日本経済に破壊的ダメージをもたらす」と言っているのであります。
 加えて、安倍政権の消費税増税に対する「景気対策」なるものが、異常で奇々怪々なものとなったことへの強い批判が広がっています。コンビニで買ったお弁当を店内のイートインコーナーで食べると10%、持ち帰るなら8%と言った話題がマスコミで取り上げられました。「ポイント還元」は、複数税率とセットになることで、買う商品、買う場所、買い方によって、税率が5段階にもなり、「キャッシュレス決済は現金でしか買わない人には恩恵がなく不公平」とか「クレジットカードの使い過ぎを招きかねない」とか「大規模小売店と中小小売店の分類をどうする」などの混乱が渦巻いています。またインボイス導入に、「免税事業者に負担増が押し付けられ排除される」とか「煩雑な事務負担が強いられる」といった懸念が広がり、日本商工会議所など中小企業団体、商工団体がこぞって反対しています。
 これと同時に、トランプ大統領言いなりに米国製兵器の浪費的爆買いを進めようとしていることは異常という他ありません。安倍政権が昨年12月、新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を決定し、ステルス戦闘機F35を147機大量購入など、今後5年間で27兆4,700億円にも上る大軍拡に乗り出そうとしており、元陸将からも「F35を100機以上も買って、いったい何をするのか。目的が全く見えない」などと批判が出ているのであります。
 そこへ、厚生労働省の毎月勤労統計問題です。2018年の賃金上昇は、21年ぶりの高い伸びとして、アベノミクスの成功を誇る材料とされ、この数値をもとに安倍首相は昨年秋に消費税10%の実施を宣言しました。ところが、不正・偽装により、かさ上げされていたことが明るみとなり、国政を揺るがす大問題になっています。消費税増税の根拠が根底から崩れているのです。このまま消費税増税を強行するなど安倍首相に日本経済のかじ取りを担う資格はありません。

 そこで質問します。
 特にポイント還元は、複数税率とセットになることで、買う商品、買う場所、買い方によって、税率が5段階にもなり、混乱、負担、不公平をもたらすとして、日本スーパーマーケット協会など3団体は、見直しを求める意見書を政府に提出しました。日本チェーンストア協会会長は、「悪名高き消費税増税が実施される」と発言し、政府の対応を痛烈に批判しました。また、統計不正問題によって、消費税増税の根拠は崩れています。このような状況で進めるやり方はおかしいと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
 区長は昨年、第4回定例会の一般質問で、わが党渡辺議員に「特定の人に負担が集中することなく、経済的に中立的」と答弁しましたが、この考え方自体が間違っています。消費税負担率は、低所得者ほど高いという逆進性の不公平税制です。しかも、安倍政権は社会保障に使うと言いながら、その社会保障は悪くなる一方で、後ほど取り上げますが、国保料の高騰等は限界を超えています。こうした現実をどのようにお考えでしょうか。
 中小業者にとっても深刻です。来年度予算に新規事業としてキャッシュレス決済環境支援事業等が計上されていますが、複数税率の導入による混乱と実務負担、多くの免税事業者を廃業に追い込むインボイス制度導入等による計り知れない影響に、どれだけの対応ができるでしょうか。これでは不十分と考えますが、いかがでしょうか。
 消費税10%増税による5兆円もの大増税を強行すれば、消費はいっそう落ち込み、日本経済に破滅的影響を及ぼすことは明らかです。学校給食費等の区民サービスに影響し、資機材費値上げ等による区有施設の改築改修といった区財政にも影響します。消費税10%増税に、区長は、きっぱり反対を表明すべきです。答弁を求めます。

◆次に第2の質問、2019年度予算についてです。
 2019年度の当初予算規模は、一般会計が1,498億3,800万円、対前年度比251億8,900万円の増、20.2%のプラス。特別会計を含めた総財政規模は2,078億5,100万円、対前年度比244億7,100万円の増、13.3%のプラスとなり、いずれも過去を大きく上回る最大規模が示されました。
 歳入は、人口の増加により納税者の大幅な増加が見込めるとして、特別区税が対前年度比14億5,700万円の増、334億2,800万円と過去最大となり、特別区交付金も法人住民税や固定資産税が増加するとして、対前年度比10億円増、317億円を見込んでいます。ふるさと納税による減収、法人住民税の一部国税化、地方消費税の清算基準の見直しについては、57億8,000万円もの減収となるが、6年連続で財政調整基金の取り崩しを行わない予算としています。
 2018年度すなわち今年度の当初予算を振り返ってみます。投資的経費が対前年度比73億円の増、212億円となったとして、この時も一般会計予算は過去最大規模でした。2019年度はその投資的経費がさらに191億円と大きく膨らんだことにより、403億円というこれまでにない巨額な費用を計上したことが、過去の予算を大きく上回り最大規模となった要因です。

 今年、日本銀行が発表した「生活意識に関するアンケート」では、1年後の景気が今よりも悪くなると答えた人の割合は39.8%となり、良くなるの7.8%を大きく引き離し、安倍政権になって最悪となりました。昨年、わが党区議団が行った区民アンケートでも「これ以上の負担は耐えられない」が77%にのぼりました。
 私に寄せられる相談では、若いご夫婦から「結婚と出産で出費がかさんでいる。豊島区の家賃は高いので区外に転出しなければならない」と言われました。商店街から1つまた1つと店の灯りが消えていくことで、遠くのスーパーに買い物に行くようになった高齢者は、「アベノミクスは、株や土地をたくさん持っている人が恩恵を受けている。私らは苦しくなるばかり」と嘆きます。介護ヘルパーをしている70代の女性は、「自分の治療を続けながら仕事をしているが、収入がなくなると生活できない」と必死です。他にも国保料や税金を滞納しているが払えなくて困っている、保育園、特養ホームに入所したいなどの相談が相次ぎます。ところが、本予算には、区民の深刻なくらしの実態については、全く触れられていないのであります。

 そこで最初に質問します。
 わが党区議団は、これまで再三にわたり、区民のおかれている厳しい実態の認識を、区長に質してきました。区長は、その度に都合の良いあれこれの数字や事例を取り上げて、まともに答えようとはしてきませんでした。今こそ区民の厳しい生活実態を直視し、考え方を改めるべきです。安倍政権のもとでいっそう深刻な状況になっている区民一人一人は、今、区政に何を求めていると考えますか、お答えください。
 本予算は、待機児童対策が15億4,000万円増、障害者自立支援が2億5,000万円の増など扶助費は19億円増えたであるとか、区民生活を支える行政サービスに必要な事業経費は確保しているとありますが、国際アート・カルチャー都市に伴う巨額な投資的経費に比べ、わずかばかりとしか言いようがありません。福祉くらしの前進面はどこにあるというのでしょうか。具体的にお示しください。
 こうした大型開発を進める巨額な投資的経費をやめて、そのわずか一部の費用を福祉くらしに振り向けることで、数々の区民救済策を実行することができます。また、将来の区財政に禍根を残さないためにも重要です。大企業優先の大型開発から、区民の福祉くらし最優先の区政に転換すべきです。答弁を求めます。

●次に財政運営について順次質問します。まず、巨額に膨らんだ投資的経費についてお尋ねします。
 これは国際アート・カルチャー都市の拠点としてハレザ池袋の新ホール整備と区民センター改築に145億円。賑わいのあるまちづくりとして4公園整備事業65億円が含まれていることによるものです。
 区長は、今年は東アジア文化都市の1年と位置づけ、国際アート・カルチャー都市構想は、将来の豊島区発展に欠かせない事業、チャンスだからこそやっているとして、芸術文化、都市再生の名の下に、次から次へと大型開発に巨額な投資的経費を注ぎ込みながら推し進めています。これに対し、わが党区議団は、新ホール整備、池袋西口公園の劇場化、電気バス等を再三取り上げ、区民のための施策ではなく、大企業を儲けさせるための税金投入だと批判し反対してきました。

 そこで質問します。
 私は芸術・文化は住民が主体となりながら、歴史と伝統の中で育むものと考えます。ところが高野区長の芸術・文化は性急かつ一方的なもので、なおかつ巨額な税金を使うものです。この税金投入は、区民の利益として、いつ、どのように還元されるというのでしょうか。お答えください。
 新ホールや池袋西口公園、電気バス等は、豪華にすればするほど維持管理、運営経費も膨らみます。これから何十年にもわたり続く、毎年の維持管理、運営経費の財源については、どのように捻出するのでしょうか。
 新ホールや電気バス等は、計画当初から私が指摘してきたように、多額の赤字が判っていながら着手する民間企業はありません。しかも区民が使う施設でも乗り物でもないということを繰り返し追及し強く撤回を求めてきました。区長、これらの事業に、なぜこれほどまでに多額の税金を投入しなければならないのか、この巨額な投資が将来の区財政に悪影響を及ぼすことは全くないと言い切れますか。そうであるならば根拠をお示しください。合わせて答弁を求めます。

●次に、基金と起債についてお尋ねします。
 起債については、特別区債発行額127億9,800万円で、対前年度比で倍以上となりました。残高も104億円の増となる378億円と急激に膨らみました。一方、基金については、公共施設再構築基金を120億円取り崩すなど総額172億円の取り崩しで、財政調整基金166億円、基金合計327億円とし、今年度決算見込みと比べて115億円も激減することになります。このことによって、借金が貯金を51億円上回ることが明らかになりました。1年前に示された計画では、起債残高433億円でしたが、基金を減らして起債残高を300億円台にするといった見直しが反映されたものと考えられます。

 そこで質問します。
 1年前に示されたのは、2019年度から2022年度にかけて毎年、借金が貯金を130億円以上、超過するマイナス計画でした。それが今回は変更され、それぞれの年度においてマイナス幅が小さくなり、2019年度は51億円に、2021年度は1億円と、大幅に変わっています。私は、その理由について、正副幹事長会でも確認しましたが、いまだに回答がありません。改めて伺いますが、明確にお答えください。

●2019年度予算の最後に、新ホール整備費用の財源を起債発行から全額基金取り崩しに変更したことについてお尋ねします。
 旧庁舎跡地は、民間企業に50年貸し付けて401億円の収入という計画だったのが、期間を76年に伸ばした上に、191億円と激減させました。2010年の時点では、公会堂の建て替え17億円、区民センター単体の建て替え22億円で総額39億円だった計画が、国際アート・カルチャー都市構想ハレザ池袋として報告の度に事業費が膨らみ、いまや総額169億円もの巨額な費用の大型開発に変質しました。
 そのシンボル、新ホール購入経費84億円の財源について、これまでは起債と基金それぞれ半分程度を活用するとしてきました。ところが、高野区長が起債から全額を基金の取り崩しという手法に変更するという政治判断を下したとのことです。その財源というのが、旧庁舎跡地一括前払い地代収入から積んだ基金を充てるというものです。191億円のうち、解体費用を除いた183億円が基金に積み立てられましたが、新庁舎保留床等の購入に136億円が使われていますので、実際の残高は47億円です。84億円を差し引くと37億円の赤字になるということです。

 そこで質問します。
 76年間、貸し付け入ってきた、虎の子とも言える191億円の地代収入は早々と全て使い切ってしまう上に、さらに加えて37億円もの基金を取り崩すことになります。この点についてどう考えているのでしょうか。
 新庁舎と新ホールを建設するにあたり、これまで税金を使わずに建てたという言い分は、もはや通用しないということになりますが、いかがでしょうか。明確にお答えください。
 区長は、新ホール整備等による投資的経費の大幅増について、財源に活用する基金を計画的に確保してきたとしていますが、その巨額な費用の、わずか一部を福祉くらし等の施策に振り向ければ、安倍政権の暴走に苦しむ区民を守る防波堤の区政になります。これこそが区民の一番の願いです。いかがでしょうか。答弁を求めます。

◆続いて第3の質問、高すぎる国民健康保険料についてです。
 わが党は、これまでも高すぎる国保料が住民のくらしを圧迫し、多くの滞納世帯を生み出し、保険証取り上げや差し押さえなどの事態を引き起こしていることを大問題だとして改善を強く求めてきました。
 そもそも、国保制度がスタートした当初、政府は、「国民健康保険は、被保険者に低所得者が多いこと、保険料に事業主負担がないことなどのため、どうしても相当額国庫が負担する必要がある」と認めていました。ところが自民党政権は、1984年の法改定で定率国庫負担を削減したのを皮切りに削減し続けてきました。以前7割だった農林水産業と自営業といった加入者の構成も、今では無職が43%、非正規雇用などの被用者が34%と、合わせて8割近くになりました。国保に対する国の責任後退と、加入者の高齢化、貧困化が進み、国保料が高騰したのであります。
 安倍政権が今年度から強行した、国保の都道府県化は、2023年度までに赤字解消の名で法定外繰入を解消するよう自治体に号令をかけています。さらに来年度、上限額を3万円引き上げようとしています。引き上げは2012年以後の安倍政権で5回目となります。高所得者に負担を求めると言いながら中間層が上限額に達することになり、耐えがたい負担増です。給与所得が500万円で、上限額96万円を払わなければならないケースもあり得ます。このケースだと国保料だけで収入の2割を占めることになります。
 豊島区におけるモデルケースを振り返ります。40歳代夫婦、子ども2人の給与年収400万円の4人世帯における国保料の推移を見てみると、私が議会に初めて送り出していただいた2003年度は193,850円と20万円以下でした。それが、毎年値上がりし、2011年度に住民税方式を旧ただし書き方式に変更するなどの改悪を経て、今年度は498,490円とこの15年間で実に2.5倍にもなったのであります。
 あまりにも高すぎる国保料に、今や全国で289万世帯が滞納しており、加入世帯の15%を超えています。なぜこのような事態になっているのか。それは、国保加入者の一人当たり平均保険料は、政府の試算で、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍になっているからであります。
 先程取り上げた給与年収400万円の4人世帯の今年度の保険料を比較してみます。協会けんぽの場合、本人負担は233,989円ですが、国保だと498,490円と2倍以上の差が生じています。同じ収入・世帯構成の家族が、加入する保険が違うだけで2倍以上の負担を強いられるなど、あまりにも異常なことであります。
 その大きな元凶となっているのが、世帯の人数に応じて課される均等割です。均等割は、ゼロ歳児にもかかります。今年度は、加入者の医療費をまかなうための基礎分保険料39,000円に加えて、後期高齢者医療を支えるために拠出する支援分12,000円、合わせて51,000円です。子どもの数が多いほど国保料が引き上がることになります。こうした負担を子どもにも強いるなど、子育て支援策に逆行しており、あってはならないことです。均等割は40歳から65歳には、さらに介護納付金分15,600円が加わります。他の被用者保険の保険料は、収入に保険料率をかけて計算するだけで、世帯の人数が影響することはありません。そもそもこのような方式が、世界を見渡しても21世紀の公的医療制度に残っていること自体、時代錯誤と言わざるを得ないのであります。
 高すぎる国保料を引き下げ、国保制度の構造的な問題を解決するためには、公費を投入するしかありません。全国知事会、全国市長会、全国町村会などが、定率国庫負担の増額を政府に要望し続けており、2014年には全国知事会が公費を1兆円投入して、協会けんぽ並み負担率にすることを政府・与党に求めました。同様に、わが党も昨年11月、公費1兆円を投入する政策を発表しました。公費1兆円を投入すれば、均等割をなくすことができ、協会けんぽなみの水準となるのです。
 財源をどうするのか、それは安倍政権の元で、純利益を19兆円から45兆円へと2.3倍にも増やしながら、4兆円も減税されてきた大企業や、時価総額1千億円以上株を保有する株主が、3.5兆円から17.6兆円へと5倍にも資産を増やした富裕層に応分の負担を求めることで十分つくり出すことができるのであります。例えば、アメリカなどと比べても高額所得者優遇となっている証券税制を改めるなどするだけで、1.2兆円の財源が生まれます。
 2019年度の国保料は、基礎分と支援金分で一人あたり3,186円の値上げで125,174円です。これ以上の引き上げはもう限界です。直ちに引き下げの対策が求められているのです。

 そこで質問します。
 全国市長会は「相当むごい負担になっている。いまの制度のままで上げるのは限度がある」などの意見をあげ、その後も定率国庫負担を引き上げることを要求し続けています。区長は、この動きについて、どう考えますか。
 そして、全国知事会が1兆円の公費負担が必要だとして協会けんぽ並みに引き下げることを求めたことについて、どのように考えますか。
 特別区長会から国に対し、財政支援と保険料負担軽減策の拡充を求めていますが、一向に進展がありません。そこで豊島区独自に、国に強く意見を出すべきと考えます。
 今年度、東京都が行なった独自の財政支出14億円は、あまりにも少なく増額が求められますが、来年度は減額されることになりました。大幅に増額するように求めるべきです。
 値上げ条例が、明日提案される予定ですが、これを到底認めることはできません。区独自に、さらなる一般財源の繰入れなどあらゆる努力を行い、国保料を引き下げるべきです。
 特に、多子世帯の負担が重くなる子どもの均等割は子育て対策から逆行していますが、この点について、どのように考えているのかお答えください。
 均等割を減額するには、国保法第77条は、被保険者に特別な事情がある場合、市町村の判断で国保料を減免できることを規定しており、この「特別な事情」は政省令の定めはなく、自治体首長に裁量が委ねられています。仙台市が18歳未満の全ての均等割を一律3割減額し、清瀬市、東大和市、昭島市と都内でも自治体が取り組みを始めています。これに則り、今定例会にわが党区議団が議案提案しました。他自治体の首長は、やるという判断をしているのです。区長はなぜ、実施しようとしないのでしょうか。その理由をお聞かせください。
 そして、あまりにも高すぎる国保料を払えない世帯に対し、強権的な資格証の発行や、差し押さえはやめるべきです。答弁を求めます。

◆次に第4の質問、都立大塚病院を都立のまま存続することについてです。
 東京都は昨年発表した「都立病院新改革実行プラン2018」に基づき、都立病院経営委員会が、現在8つある都立病院の経営形態について、採算を重視する地方独立行政法人化を含め、経営形態のあり方を検討しており、来年度予算にも1億6,000万円が計上されています。
 東京都が8つの都立病院に、一般会計から繰り入れている額は400億円です。経営委員会で多くの委員から、赤字だと問題視する意見や、非難する発言が相次いだとのことです。これに対し、わが党都議団が議会で、都立病院を所管する病院経営本部に対し、繰入金の認識について質したところ、「行政的医療は非常に採算の確保が困難なものであるということから、不可欠な経費として、地方公営企業法などに基づき、一定のルールを定め、算定を行っている」として、「単なる赤字補填というものではない」と答弁しているのです。
 独法化された国立病院機構では、不採算医療が削られています。結核病床は全体の7割におよぶ3千床、精神病床は2千床が減りました。また、独法化された自治体病院は全国で1割程度ですが、その多くで設立自治体からの運営費繰り入れが減らされ、大阪府立病院機構では、紹介状のない患者の初診料、セカンドオピニオン料などが値上げされました。板橋区の健康長寿医療センターでは、都立の時は原則無料だった病床が、25%が差額ベッドとなり最高26,000円とされ、都からの補助金は半減しました。
 財政支援を後退させれば、採算性の低い医療の後退、患者の費用負担増、人件費削減による医師看護師不足・人材の流出などにつながることは避けられません。今、産科医不足は全国的な問題で、特に人口の多い東京では深刻です。「否応なしに里帰り出産をすることになった」とか「近隣の県でしか予約できなかった」という事例が後を絶ちません。都立大塚病院は産科52床、MFICU6床という都内有数の総合周産期母子医療センターとして、正常のお産からハイリスク妊娠管理まで広く取り扱っており、多くの区民が利用しています。このように、小児、周産期、障害者、難病、感染症の医療、さらに災害医療など、不採算であっても都民のために必要な医療を確保することが、都立病院の重要な役割です。その役割を適切な範囲で税金を投入するのは当然のことです。
 都が行った都立病院の運営についての都民アンケートでは、都立病院に都税をもっと積極的に受け入れて良いが一番多く、現状程度必要と合わせると65%、一定程度の受け入れはやむをえないまで入れると98%を超えています。わが党区議団が昨年行った区民アンケートでも都立大塚病院は独法化が良い11%に対し、都立のままが良いは48%でした。都立大塚病院は、地域医療の拠点として多くの豊島区民が利用しています。

 そこで質問します。
 2007年から2018年までの10年の間に区内の病院数が20から15へと5カ所減りました。同時にベッド数は2,250から1,785へと465床減りました。こうした中、508のベッドを有する都立大塚病院は、区民にとって、とても大事な存在だと考えます。大学病院が無く大きな総合病院が無い豊島区において、都立大塚病院が果たしている役割について、どのような認識をお持ちですか。お答えください。
 区民に限らず、いつでも誰もが医療費を心配することなく、安心して医療が受けられるように独法化をやめること。そして、都立病院としてさらに充実するように、東京都に強く働きかけるべきですが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

◆最後に第5の質問、大塚駅前にコミュニティバスを導入することについてです。
 昨年、第4回定例会に、区民から5千筆を超える署名とともに「豊島区にコミュニティバスを走らせることを求める陳情」が提出され継続審査となりました。多くの区民が傍聴に訪れ、委員会室に入りきれませんでした。私も傍聴者と一緒に別室で審査を見守りました。質疑で、わが党垣内議員の質問に対し、区長が、運行時期こそ明言しなかったものの、あらゆる形の中で検討し、あきらめずに進めるといった、陳情に応える形で決意を述べたことは記憶に新しいところであります。
 また区長は、通れる道路なくしてコミバスができないと発言しました。これについては、これまでも区は、コミバスを運行するには「道路に十分な余裕幅が確保されていなければならない」としています。今、高齢化は年々進んでいます。問題は「交通不便地域」という区が決めつけている限定的な考え方を改め、区民の視点に立った柔軟な発想が求められているのであります。

 そこで今回は一般質問で、コミバス導入のルートを提案します。
 大塚駅前は南口広場が整備され、現在、北口広場整備計画が進んでいます。ここにバス停留所を設置し、コミバスルートの拠点としてみてはいかがでしょうか。接続する道路は、問題となっている道路幅員については十分余裕があります。例えば、上池袋方面へ伸びる宮仲公園通り、巣鴨、西巣鴨方面へ伸びる折戸通り、空蝉橋がある補助81号線など、いずれも路線バスが運行していない道路です。また、都立大塚病院へ伸びる補助80号線、そこから春日通りに出て、池袋駅や区庁舎に行くルートが考えられます。現在、大塚駅前から春日通りを通って池袋駅東口に都バス上60が運行していますが、バス停の間隔が長すぎること、そして何よりも平日朝5便、夕方3便だけと、1日8便しか運行していないため、とても不便だという区民の声が以前にも増して多数あがっています。
 これらのルートができることによって地域住民の利便性が高まることになります。また、南大塚、北大塚を訪れる乗客が増えて、商店街がいっそう活気あふれることにもつながります。こうした視点に立ち、できるところから着手し区長の決意を具体化すべきです。そのためにまず、大塚駅前にコミュニティバス導入を速やかに検討してみてはいかがでしょうか。答弁を求めます。

 以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。