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区議会質問
 
2017年第3回定例会
儀武さとる議員の一般質問
2017年9月26日

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して「安心して住み続けられる区政へ」と題し、一般質問を行います。
 第一に、2016年度決算について
 第二に、国民健康保険制度について
 第三に、介護保険制度について
 第四に、その他として2点、1点目に、西巣鴨地域での特別養護老人ホームの整備について、2点目に、感震ブレーカー設置助成事業について、です。
 区長の明快な答弁をお願い致します。

 昨日、安倍晋三首相が28日召集の臨時国会の冒頭で衆院を解散することを正式に表明しました。総理は、解散の理由について、あれこれと並べ立てていましたが、「なぜ冒頭解散なのか」この点については、一切説明をすることができませんでした。国民の批判を浴びている「森友学園」「加計学園」の疑惑隠しを狙った言語道断の党略的暴挙です。
 私たちは、野党と市民の共闘の成功、安倍暴走政治と対決し、総選挙で安倍政権に退場の審判を下すために全力を尽くす決意です。

 それでは、第一に、2016年度決算について質問します。
 区は、2016年度一般会計決算の特徴について、1.「持続発展都市」への確実な進展、2.健全な財政運営の継続と投資的経費の増額、3.国際アートカルチャー都市の実現の3点をあげています。
 また、区長の招集挨拶のなかでは、「一言で申し上げますと、少子高齢化へ重点的に対応し、持続発展都市へ向けて施策を着実に推進し、成果を上げることができた決算であるということができます」と述べ、さらに「保育施設の整備や居宅訪問型保育事業などにより、「待機児童ゼロ」を一年前倒しで達成したことをはじめ、学校のトイレの洋式化整備、池袋本町小中連携校及び池袋第三小学校の竣工、介護予防センターの設置など数多くの施策を展開し、住んでみたい、住み続けたい街づくりを着実に進め、成果が上がったものと考えているところ」と述べました。
 確かに、この年度の当初予算規模は、1,218億円で過去最大となり、10次にわたる補正予算を機動的に編成し、重要課題に対応したと区が決算を特徴付けているように個々の施策を見れば区民の需要が前進したものもあります。
 とくに待機児童対策について言えば、わが党区議団が繰り返し要求してきた結果、認可保育園の増設も前進し、やっと区長が本気になったことで、待機児童解消策が進んだ事は間違いありません。
 しかし、今回の決算によって区民の暮らしがどう変わったのか、よくなったのか、悪くなったのか、区民の置かれている状況についての分析は、全くありません。
 そこで質問します。
 過去最大の予算規模を執行した決算の上に立ち、区長は、区民の暮らし、生活が向上したのかどうか。向上したというなら具体的にどう改善されたのか。まずお答えいただきたのであります。
 日本共産党区議団は、区民の生活実態を正確に掌握し、今、何が区民にとって必要なのか、どういう施策をすすめるべきなのかを調査をするため、定期的に全戸を対象にした区民アンケートを実施しています。今年度は、五月から一般新聞に折り込み、独自の配布ルートで全戸に配布いたしました。その結果、8月末までに、2,123通の回答が寄せられました。
 私も寄せられたアンケートすべてに目を通し、区民の切実な声が多く寄せられたことに改めて今の政治の冷たさが影を落としていることを痛感いたしました。

 この一年で、あなたの暮らしはどのように変わりましたか。との設問には、苦しくなったが47%、変わらないが48%、良くなったという人はわずか3%でした。
 税金や社会保障については、住民税や健康保険料、介護保険料などの負担は、昨年と比べてどうですかとの問いには、変わらないが36%、負担が重くなったが59%にも及びました。そして、これらの負担にどう思うかとの設問には、75%すなわち4分の3の人が、これ以上の負担は耐えられないと回答しているのであります。区長、こうした区民の悲鳴が聞こえてきていますか。区長が、少子高齢化へ重点的に対応し、持続発展都市に向けて施策を着実に推進し、成果をあげているとの分析とは対照的に、区民のくらしは一層深刻になっているではありませんか。
 そこで質問です。
 わが党区議団のアンケートでは、生活はよくなったという人はわずか3%で、半数近くは、苦しくなったと答えているのです。そして、税金や社会保障に対するこれ以上の負担に耐えられないと多くの区民がいっているではありせんか。
 こうした切実な声に応えて、区政をすすめていくことが、区長の責務と思いますが区長の見解を伺います。あわせて、今上げた区民の声すなわち、税や社会保障の負担についてもう耐えられないという区民をどう救済していくつもりなのかを伺います。

 次に区民要望を区政に反映させることについて質問します。
 区政運営は、区民を中心にすえなければならないことは言うまでもありません。そして、区民の声に真摯に耳を傾け、区民の要望に応えていくことが区長の責務であります。
 しかし、区長の区政運営は、いまや生活に困っている区民の救済より、未来の投資といって来街者を呼ぶための街づくりに熱中しているといっても過言ではありません。わが党のアンケートでは、豊島区内でもコミニティバスの運行について必要と思うかとの問いに53%が必要と答えています。ところが、コミュニティバスの導入については、検討を先送りし、もっぱら来街者のための低速電動バスを2019年度までに走らせようとしています。羽田空港の飛行ルート変更で豊島区を低空飛行で飛ぶ計画に71%が反対しているにもかかわらず、国に対し、やめるべきと要望するどころか、仕方なしとの態度であります。

 では、区長が熱心に進めていることについて区民はどう思っているでしょうか。
 池袋駅の東西デッキの建設計画については、反対が43%、わからないが26%で、賛成はわずか24%です。
 旧庁舎・公会堂跡地の開発について、企業に貸付、民間のオフィスビルと複数の映画館や劇場を作り、その劇場ホールを76億円で買い取ることについては、反対が46%、わからないが31%、賛成はわずか15%という結果でした。
 そこで質問します。
 区政をすすめる上で、こうした区民の声に耳を傾けることが必要という認識はないのでしょうか。区民の要望や区民の意見を聞き、区政に生かすことについての区長の見解を伺います。

 次に行政計画と財政運営について質問します。
 国際アートカルチャー都市」を口実に開発優先、まちづくりを進めています。旧庁舎跡地活用及び周辺整備の総事業費は114億円から158億円へと44億円も膨らみました。特定都市再生緊急整備地域の指定をうけ、容積率の規制緩和、金融・税制の優遇措置、「国家戦略特区」で都市計画手続きの規制緩和など、区域内は高層マンション建設などの開発が目白押しです。借家・借地人はもちろん、小さな権利者まで長年住み慣れた地域から立ち退きを迫られる街づくりが進められています。

 今後5年間の投資的経費(平成29年2月)は、856億円が見込まれています。多額な新ホール購入費経費が76億6800万円を含む旧庁舎跡地活用及び周辺整備の総事業費158億円は全額一般財源で、基金と起債を活用して整備をするとしています。
 また、池袋西口公園の整備事業は、国際アートカルチャー都市構想を推進するとして、多額な費用が見込まれますが、事業費も示されていません。副都心交通移動システム・低速電動バスを2019年度に走らせる計画ですが、これも事業費、維持管理費がいくらになるのか、示していません。
 東西デッキの整備もいったいいくらかかるかわからないなかで、計画だけはどんどん進めています。街が活気付き、にぎわいをつくり、魅力ある街づくりとすすめると区長は言いますが、裏づけとなる財源、これに伴う区財政の見通しや計画は持たないままに区長の思いばかりが先行するやり方でいいのでしょうか。
 そこで質問です。
 先般示された区財政の推移と現状で、これからの財政運営についての分析をしています。
 歳入においては、法人住民税の国税化の影響や推進による減収、これに伴う財政調整交付金の減収。歳出においては、高齢化の進展や待機児童対策に伴う扶助費や繰り出し金の増加、新ホールの整備や不燃化特区による防災街づくり、老朽化した義務教育施設や公共施設の改築・改修などの投資的経費の増大に計画的に対応する必要性を述べています。
 
 しかし、区の基本計画にも財政計画にも示されていない事業を次々と区長は描いて打ち出しています。選ばれる都市、魅力ある街づくり、オリンピック、文化、観光の拠点など次々とバラ色の未来像を口実にした行き当たりばったりの計画をすすめたら、区財政は破綻し、暮らし福祉が削られ、区民はますます苦しめられてしまうではないのでしょうか。
 区の財政分析と矛盾した計画は慎むべきであり、今やるべき優先課題は、生活や暮らしに苦しむ区民に光を当てることです。区長の答弁を求めます。

 第二に、国民健康保険制度について質問します。
 最初に、保険料についてです。
 いよいよ来年度の都道府県化に向けた動きが本格化しています。厚労省は、昨年春に「納付金及び標準保険料率の算定方法についてのガイドライン」を明らかにし、これを受けて全都道府県が2回にわたって試算を行いました。その結果、保険料が1.3倍など多くの自治体で大幅な負担増となったことから、急きょガイドラインの見直しを行いこの6月に改訂ガイドラインを発表しました。さらに第3回目の試算に当たっての係数についても明らかにし、その試算結果を8月31日までに報告するよう都道府県に通知しました。

 これを受け都道府県は3回目の試算を行っています。試算結果の公表については、都道府県や区市町村の判断に任せるとしています。しかし、東京都は、いまだに公表していません。3回目の試算結果については、8月の区市町村との連携会議に報告し、9月20日頃に都国保運営協議会で明らかにするとともに、国保運営方針案も示すとされています。また、特別区長会では、都の3回目の試算結果を受けて、現在保留扱いになっている統一保険料方式の在り方などについて議論し結論を出していく、とされています。

 しかしながら、今回の改訂ガイドラインでは、保険料負担抑制のための新たな財源措置などには触れておらず、これまで示された財源の範囲内で大幅値上げを抑制する内容であり、今でも高すぎる保険料を引き下げるものにはなっていません。
 わが党の区議団アンケート調査で「今後の住民税や健康保険料、介護保険料の負担についてどう思いますか?」の問いに対して、「これ以上の負担に耐えられない」と答えた区民は、実に74%に達しています。区民のくらしが、いっそう深刻になっているのです。
 区は6月15日に国保料通知納付書を発送したところ、区民から1504件の問い合わせや苦情が殺到しました。その主な内容は「保険料が昨年度よりも上がっているのはなぜか」「保険料が高い」「国保だよりの内容が分かりにくい」などです。今年の国保料は、一人当たり前年度対比7,252円の大幅な値上げです。

 国保の広域化に向けて、23区では、一般会計から全額繰り入れていた高額療養費分を、今年度は100分の75を保険料の賦課総額へ算入しました。その結果、今年の保険料の値上げ分、7,252円のうち高額療養費の部分は2,144円です。後でも述べますが、すでに広域化の流れの中で一般財源の繰り入れが減らされ保険料が値上げされているのです。
 この間、わが党が、国保の広域化(都道府県化)で保険料は上がるのか、下がるか、と質すと、区は「上がるとも、下がるとも言えない」と無責任な答弁してきました。
 そもそも、保険料が上がってきたのは、医療費対応方式にしたことと、国や東京都が国保会計への補助を減らしてきたことが原因であります。区民の生活実態を無視したやり方を認めるわけにはいきません。
 そこで質問します。
 改正国保法に基づき、東京都は「参考となる標準保険料率」を示すことになっています。あくまでも保険料の料率を決める賦課決定の主体は区市町村にあります。今回、都の「標準保険料率」の算定結果では、保険料は上がるのか、下がるのか、その算定結果を区はどのように受け止めているか、見解を伺います。
 また、先ほども述べましたが、今でも高すぎる国保料が払えない区民が多数います。保険料の値下げを行うために、国庫負担の大幅増額を求めるとともに、国保財政の運営に責任を負う東京都に対して、保険料を引き下げるための財政措置を求めるべきです。答弁を求めます。

 次に、法定外繰り入れについて質問します。
 法定外繰り入れについては、「骨太方針2017」で、「市町村の法定外一般会計繰入れの計画的な削減・解消を促す」と従来の姿勢は変えていませんが、「可及的、速やかに」とか「段階的に」との表現は使っていません。これは、国民の批判によって、2回目までの試算結果から是正を余儀なくされたものであります。
 第二回定例会でのわが党の森議員の一般質問に対して、区は「決算補てん目的としているのは約32億円であり、この全額が保険者判断によるものです。27年度の平均被保険者数で割り返すと、一人当たりの金額は36,682円となりますので、補填分をやめた場合の負担増の一例としては、この金額が相当する」と答弁し、また「決算補てん目的の法定外繰入金については、国保被保険者以外の区民の方との負担の公平性の観点からも、段階的に解消していくものと考えています。したがいまして、東京都に対して繰入れ抑制をしないように求める考えはありません」と冷たい答弁をしました。
 そこで質問します。
 一般財源からの法定外繰り入れを全部止めると、一人当たり36,682円も保険料の負担増になります。今でも高すぎる保険料で、平成27年度の滞納世帯数は、22,158世帯、収納率は現年度分で約8割です。繰入れをやめると保険料を払えない世帯がもっと増えるのは必至です。それでも、法定外繰り入れを止めるのですか、区の考えはいかがですか。答弁を求めます。

 また、各医療保険の、加入者一人当たりの平均保険料を、加入者一人当たりの平均所得で割った「平均保険料負担率」は、市町村国保9.9%、後期高齢者医療制度8.4%、協会けんぽ7.6%、組合健保5.3%であります。市町村国保の負担率が最も重いのであります。国保は低所得者が加入し、他の医療保険のような事業者負担もありません。繰入れを止めると、「国保の構造的矛盾」を一層深刻化するものであり、絶対に認めるわけにはいきません。今でも高すぎる保険料は、引き下げなければなりません。

 国保は、社会保障であり「負担の公平性の観点」というなら、繰入れを認め、さらに拡充すべきであります。
 2015年4月16日衆院本会議で、わが党の高橋千鶴子議員の質問に対して厚労省は、新制度の導入後も国保会計への公費繰り入れについては「自治体でご判断いただく」と答弁しました。この答弁に基づき、保険料負担を軽減するための一般財源の投入を豊島区も当然、継続する立場を貫くべきです。いかがですか。答弁を求めます。
 
 次に、保険料と窓口負担の区独自の減免制度の創設について質問します。
 毎年の保険料の値上げで国保料を払いたくても払えない人が増えています。
 国保料の滞納者が増えたのは、貧困な加入者が多いのに保険料が高いという「国保の構造的矛盾」と貧困層・境界層への実効ある救済措置がないという制度の不備によって引き起こされたものです。区の2015年度、保険料一般減免状況をみると、東日本大震災被災による減免が5件、失業、休廃業、疾病、転職などでは、実績はありません。

 私の最近の生活相談の中で、40代の非正規職員は、収入が不安定で、家賃を60万余滞納し、住宅の保証会社から、一刻も早く退去を迫られるケースがありました。病院に通院中だったので、国保料を優先して払っていたそうです。働いて何とか借金を返済できると、考えていたそうですが、病気治療のため、収入が減少し借金が増えたのでした。「自己責任」だからと言って、自分を責める姿を見ると、気の毒な思いと怒りが湧いてきます。近年では、20代、30代の若者の半数は非正規などの不安定雇用です。若者・青年の自己責任ではありません。
 そのような中で、国保料を払いたくても払えない非正規労働者が増えています。国保料の滞納相談は、国保料の収納活動を貧困把握の"入り口"と位置づけ、生活困窮者は積極的に減免制度や福祉施策につなげる方向へ、行政を転換するようにすべきです。
 そこで質問します。
 特別区国民健康保険に係る一部負担金・保険料の徴収猶予及び減免取扱いに関する基準(以下「減免基準」という。)に規定する「生活困難」の認定上の基準額は、原則として、生活保護基準額表にある各規準額の100分の115(15%増)に相当する額となっています。制度はあっても実際に運用しないのでは、役に立ちません。若者・青年の不安定雇用が増える下で、病気や失業、零細業者の廃業などで収入が激減し、生活困窮者が増えています。区長が、生活困窮者を積極的に救済するために、区長会などで減免基準を緩和することを求めるとともに、区独自の保険料と窓口負担の減免制度を創設すべきです。

 国保の質問の最後に、子どもに係る均等割保険料の軽減措置について質問します。
 東京23区の国保料は、医療分均等割額が38,400円、後期支援分均等割額が11,100円で、合計金額は49,500円です。昨年と比較すると、医療分均等割りが3,000円、後期支援分均等割りが300円で、合計で3,300円の値上げです。健保組合、共済保険などの被用者保険は扶養家族が何人いても保険料は変わりません。国保には、非正規職員などの不安定雇用者の加入が増えています。かなりの残業をしても、家賃を支払うと、生活保護のボーダーライン層が増えています。特に、多子世帯の国保料負担が大きいのです。これは、子育て支援にも反します。
 そこで質問します。
 23区区長会では「多子世帯への支援など、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、国の責任において区市町村の補助制度に対する財政措置を講じること」を求めています。2016年、本区の国保の0歳から15歳までの被保険者数は4,716人、仮に半額助成をした場合の金額は1億1672万円です。都に対して、子どもたちの未来のために積極的に財政措置を求めるとともに、区が、ただちに軽減策を実施すべきです。答弁を求めます。

 第三に、介護保険制度について、今回は介護従事者の処遇改善にしぼって質問します。
 介護保険法が制定から20年になります。2,000年に始まった介護保険制度は、社会保障構造改革のもとで、要支援1、2を介護保険給付から外し区の総合事業に移行、特養の自己負担の増額等、給付の抑制・負担増を押しつけた見直しが次々と断行されてきました。
 当初掲げられていた「介護の社会化」の理念は投げ捨てられ、「介護の家族化」への逆行と、介護の営利・市場化による「介護の商品化」がすすみ、新たに政府が掲げる地域包括ケア構想や総合事業の下で、公的給付を住民に押し付ける「介護の互助化」ともいうべき事態が進行しています。このまま介護度の低い軽度斬りが拡大されれば、多くの利用者の在宅生活が立ち行かなくなるのは確実です。
 このような中で介護職員の置かれている状況も深刻です。
 低賃金の介護従事者の処遇を改善することは喫緊の課題です。この間、厚生労働省は、15年度に月額平均1.2万円相当の処遇改善加算の拡充を実施してきました。しかし、15年度の介護報酬改定は、介護職員の処遇改善加算を実施されたものの、全体では大幅なマイナス改定でした。

 全労連介護・ヘルパーネットの調査では、15年度介護報酬改定による賃金改善の効果は、「月収が変わらない」が48.3%、「下がった」が5.7%と答えており、半分以上の介護労働者が賃金水準の引き上げ効果がない、ことが明らかになっています。改善されたのは正規の「月給の常勤者」に限られており、非正規の「月給の者」や「日給の者」「時給の者」は改善されておらず、介護職員全体の改善となっていません。区民厚生委員会で本区の状況を確認すると、区は「検証していません」と、無責任な答弁でした。

 さらに、17年度に月額平均1万円相当の処遇改善を実施するための1.14%の臨時介護報酬の改定が行われましたが、介護報酬上の加算・処遇改善加算の効果は限定的なものにとどまっており、全産業平均月10万円に達する給与差を埋めるには至っていません。
 そこで質問します。
 介護事業所の倒産が2015年75件、2016年は108件と2年連続で過去最高の倒産件数です。要因として介護報酬のマイナス改定と慢性的な人手不足があげられます。「倒産」として把握されない「廃業」に踏み切る事業者が小規模の事業所を中心に相次いでおり、地域のサービス基盤を大きく揺るがしています。

 この間のような、処遇改善加算などではなく、保険料、利用料にはねかえらない、かつ、直接的に処遇改善につながる「処遇改善交付金」のような制度をつくるよう国に強く申し入れるべきです。同時に、すべての職種が対象となるようにすべきと考えますが、いかがですか。当面、区独自の処遇改善策を講ずるべきです。合わせて答弁ください。

 次に、地域密着型サービスに従事する介護職員の処遇改善についてです。
 東京都介護職員宿舎借り上げ支援事業は、対象が福祉避難所の指定等を受け、かつ、職員宿舎を確保し、災害対応要員を配置する都内の介護保険事業所となっています。一戸当たり月額82000円を4年間補助するものです。補助率は東京都が8分の7で、事業者負担は8分の1ですみます。この事業には地域密着型サービスは除くとなっています。本区の地域密着型サービスは認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護などがあり、地域に住んでいる高齢者の介護を支えるのに重要な役割を果たしています。
 そこで質問します。
 東京都に確認すると、地域密着型サービスは区市町村の事業だから対象ではないということでした。地域密着型サービスは、地域の高齢者の介護を支え、頑張っている事業所です。区長が、東京都に対して対象を広げ、地域密着型サービスも適応されるように要望すべきです。当面、区が直ちに地域密着型サービスに区独自の介護職員宿舎借り上げ支援事業を創設すべきです。答弁を求めます。

 第四に、その他として2点、1点目は西巣鴨地域での特別養護老人ホームの整備について伺います。
 今年3月末の特養ホームの待機者は、663人、緊急に入所が必要だとしているAランクは272人です。待ったなしの喫緊の課題です。わが党は、区内に特養ホームの増設することを、一般質問や予決算で、繰り返し求めてきました。6月5日区長に対し、特養ホームの区内建設を区有地等の活用を含め、早急に具体化することなどを求めました。
 また、第2回定例会で森議員が「区有地を含め公有地はたくさんあります。直ちに区内特養ホーム建設計画に着手すべきです。」と質問したことに対し、区は「今後も区内に特別老人ホームを整備していこうという方針に変更はございません。」と答弁しました。
 今定例会の招集あいさつの中で、区長は「新たな特別養護老人ホームの区内整備を推進するため、今年度予算に調査経費を計上し、様々な検討をしてまいりましたが、現在、西巣鴨地域での整備について案をまとめているところであります」と表明しました。
 そこで質問します。
 わが党は、繰り返し、特養ホームの区内整備を求めてきましたが、やっと具体化されたことは、一歩前進です。西巣鴨地域での特別養護老人ホームの整備について、現在の進捗状況についてお聞かせください。また、今後の見通しについてどの様にお考えでしょうか。合わせてお答えください。

 2点目に、感震ブレーカー設置助成事業について、伺います。
 これまで、わが党は、繰り返し感震ブレーカー設置助成を求めてきました。阪神淡路大震災、東日本大震災などで発生した火災の6割以上が電気機器からの出火や停電復旧時に発生する火災でした。やっと、今年度予算で200万円新規事業をスタートさせますが、助成対象者が限定されています。「不燃化特区助成対象地区」で今年度は池袋本町3丁目、4丁目と限定されています。助成内容は、簡易タイプは市場価格3000円程度の現品支給で500台、高性能簡易タイプは上限5000円で購入費用の2分の1助成をして50台、分電盤タイプは上限50000円で購入・設置費用の3分の2を助成するものです。
 そこで質問します。
 豊島区内では、木造住宅が密集する5地区が不燃化特区に、5路線7区間が特定整備路線に指定され、事業がすすめられています。区は2020年を目途に「不燃化特区助成対象地区」全域に拡大する計画ですが、区民の生命、財産を守るために、直ちに区内全域に対象者、助成内容を拡充すべきです。答弁を求めます。
 以上で、一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。