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区議会質問
 
2017年第1回定例会
渡辺くみ子議員の一般質問
2017年2月22日

 私は日本共産党豊島区議団を代表し「一人ひとりが大切にされ,住み続けられる豊島区に」と題 し、
 第一に介護保険について、
 第二にまちづくりについて、
 第三に環5-1道路について、
 第四にその他として高田1丁目のオリジン本社工場跡地の活用について質問します。区長の区民に寄り添った答弁を求めます。                 

 第一に介護保険について3点質問します。
 まず総合事業について4つの質問を行います。
 2000年にスタートした介護保険は17年目に入りました。介護保険制度導入時、国は「家族介護を解決」「介護の社会化」と大宣伝しました。しかし「介護離職」「老々介護」「介護難民」問題も一向には解消されていません。ところが安倍政権は、制度の拡充をするどころか次々と改悪を進めています。その一つが総合事業です。
 要支援1.2の訪問介護と通所介護を介護保険給付から外し、各自治体が行う総合事業に移行させました。本区でも今年度から導入され、昨年4月から新規、区分変更、更新により要支援となった人や、チェックリストで認定を受けた人の訪問介護、通所介護が総合支援事業に移行しました。今年の1月現在、要支援の認定者は3,144人で、うち保険給付利用者は1,224人、総合事業利用者は1,010人です。またチェックリストでの総合事業利用者は62人となっています。
 
 総合事業の1つ目の質問です。
 通所型サービスを利用しているAさんは「事業所が統合され狭い部屋で人数が多くなり大変」と訴えています。同じく通所型サービスを利用しているBさんは「支払いは少なくなったが、今まで月の5週目も行けたが今はできない」と言っています
 これは、介護保険の予防給付で週1回の訪問介護を受けていた人は、月に5週目があった場合でも当然訪問介護が受けられました。ところが総合事業では単価報酬となり、利用回数は月4回とされ、そのため月の5週目は5回目の訪問となり、全額自己負担となってしまうのです。
 昨年の二定でわが党森議員がこの問題を指摘し「区は総合事業になっても現行相当サービスを維持するといったが、実際には維持されていない」と質したのに際し、区は「必要に応じて『月4回』『月8回』などの枠にとらわれないサービスの提供が可能な仕組み」で「利用者の全額負担で行われることを求める仕組みではありません」とよくの分からない答弁が行われました。
 毎週1回の訪問型サービスを受けていれば、5週目であろうとサービスは必要です。それを認めないというのは、結局、利用回数が削減された、要は「現行相当サービス」が実施されてない、すなわち総合事業ではサービスが下がったという事です。
 そこで質問します。
 訪問介護が毎週必要と計画された場合、月の5週目も総合事業として、週1回の人は「5回」、週2回の訪問型サービスを受けている人は「9回」「10回」を提供すべきです。答弁ください。
 
 総合事業の2つ目の質問は運用についてです。
 認定申請で総合事業になるか、保険給付の対象になるかで、暫定プランの期間が自費になった、あるいは判定が下りるまで制度利用ができない等の症例が生まれています。A事業所では判定が下りるまでに時間がかかり、暫定プランで介護給付を申請、ところが判定結果が総合事業となり、暫定期間の利用料は全額自己負担となってしまいました。これは要支援が総合事業に移行し保険外となったためです。
 そこで質問します。
 他区では暫定利用が支給範囲内であれば旧来通り給付を受けられる区もあり、本区としても改善について取り組むべきと考えます。答弁ください。
 
 総合事業の3つ目の質問は「訪問型サービスB」の実施についてです。
 区は来年度、新規拡充事業で住民主体支援事業、すなわち「訪問型サービスB」を行うとして999,000円が予算化されました。これは買い物などの家事援助を目的としシルバー人材センターに業務を委託するというもので、訪問時間が60分の場合、会員(訪問員)の収入は1回1000円で、そのうち利用者負担が600円、差額の400円とシルバー人材センターの事務費80円合計1件当たり480円を区が補助するというものです。
 厚労省のガイドラインによると「訪問型サービスB」は「住民主体の自主活動として行う支援活動」となっています。地域で自主的に支えあう事を否定するものではありません。しかし介護の総合事業として行う事業であれば、きちんと専門家が利用者の全般の様子を見ながら介護予防を進めることが本来の介護保険制度の在り方です。しかも現在の総合事業の訪問型サービスの1回の単価は3,032円で1割負担は304円です。結局、総合事業は安上がりな介護予防を進め、利用者の負担を増やすものです。
 そこで質問します。
 昨年10月に行われた地域保健福祉計画審議会での意向調査では、70歳以上の42,5%が、「生活が苦しい、やや苦しい」としています。予防介護を必要とする人が低廉な費用で必要なサービスが受けられるようにすることが区の役割です。「訪問型サービスB」ではなく、専門家で本来の訪問サービスを行うべきです。答弁ください。
 
 総合事業の4つ目の質問は事業所についてです。
 今年1月11日の東京商工リサーチの発表によると2016年の「老人福祉・介護事業所」の倒産件数は過去最多の108件で、前年比42%の増となっています。その要因は同業他社との競争激化、介護報酬の実質マイナス改定、介護職員不足の中での人件費の急増等をあげています。
 では本区はどうでしょうか。豊島区社会保障推進協議会が、総合事業が始まって4か月が経過した昨年8月に行った介護事業所への「総合事業に関するアンケート」調査結果を発表しています。それによると、「サービス提供の量は変わらない」が63%ですが、「事業所収入が減った」が73%、「利用者自己負担分が自費、保険分ともに減った」が72%となっており、事業所からは「総合事業を積極的に受け入れているが事業の維持継続に不安がある」「単価報酬になり(利用が)中止になると収入が減り、また単価報酬も予防給付費の91%で経営が大変」「収支が悪化し、職員の将来に対する不安感がある」「他区との協定がなく他区の利用を断っている」等大変深刻な声が寄せられています。
 実際に区の資料でも、昨年度の保険給付の訪問介護一件当たりの単価18,254円が今年度の総合事業では15,861円に、通所介護では保険給付は29,277円が総合事業では21,938円と大幅に減額となっています。要は「現行と変わらない相当サービス」と言っていますが、事業所にとっては運営が大変困難になったという事です。
 しかし区は、昨年の二定での「少なくとも介護保険給付時の収入を保証すべき」と改善を求めた森議員の質問に、「減収は十分想定されること」「事業の効率化により、増収を図る方法を模索していく必要もあるとおもわれる」と答弁しています。しかし介護保険事業は儲け仕事ではありません。低廉で必要な予防介護の提供です。総合事業は事業所の経営困難を生み出し、利用者へのサービス低下を招いているのです。
 そこで質問します。
 「増収を図る方法を模索していく必要」とは具体的にどういう事でしょうか。どういう方法を示しているのでしょうか。答弁ください。
 区は総合事業の主体者として、事業者への助成をすべきと考えます。また介護職員の処遇改善に早急に取り組むことを強く求めます。昨年一定で私は介護職員の処遇改善を国や都に求めるよう質問しましたが、区は「求めない」と冷たい答弁しています。しかし今回の問題は、安倍政権下での介護保険制度の改悪にあります。国や都に改善策を求めるべきです。合わせて答弁ください。
 
 介護保険の大きな2つ目の質問は混合介護についてです。
 区長は、所信表明で「持続可能な介護保険事業の新展開として『選択的介護』モデル事業を開始することを決意いたしました」と表明。2018年度から国家戦略特区を活用しモデル事業を行うとして、今年度はその準備に620万円を予算化しました。
 昨年9月、公正取引委員会が介護保険の「弾力化」を求める提言をしました。「事業者の健全な競争を促進する観点から」「サービスの価格を自由化し介護報酬を上回る値段をつけることを容認すべき」とし「利用者の選択肢を増やし、収入を増やせる。介護職員の処遇改善にも結びつく」また「特別養護老人ホームの運営を株式会社にもできるようにすべき」というものです。
 さらに2月10日付け新聞では「混合介護に指名料 都と豊島区 1時間500円程度」と大きく報道されました。
 どういう事でしょうか。これは「買う介護サービス」を全面的に認めるということで、要は金があれば自由に介護が選択でき、反対に金のない人は必要な介護も受けられないという『選択的介護』です。だからこそ公取委の提言が出されたとき、厚労省ですら「混合介護を進めれば、思わぬサービス料を請求されるなど利用者保護が図られない可能性がある」として慎重姿勢を示しているのです。
 今でも介護保険の利用をめぐっては、利用できるサービスであっても費用負担がまかなえず、使いたいサービスですら控えている人がいます。区民が求めているのは、「差額」を払って利用できるサービスではなく、低額な利用料で安心して使える公的サービスの拡充です。公的給付を削り、民間の市場にゆだねることは、社会保障にたいする自治体の責任放棄であり、公的制度を崩していくものです。しかも区民不在、議会無視、また事業者不在で「混合介護ありき」の進め方も大問題です。
 そこで質問をします。
 区民が安心して介護が受けられる権利をかなぐり捨て、金がなければ「選択」できない、こんな介護保険制度の検討は直ちにやめるべきです。答弁ください。
 
 介護保険の大きな3つ目の質問は特別養護老人ホームについて2点質問します。
 昨年12月現在の待機者は674人、Aランクは271人と増加しています。区は今後156床必要としていますが、区の定住意向調査で「住み続けたい」が60歳以上では91,2%。CC?C構想もありますが、同時に区内への特養増設は必至です。
 わが党は、この間、機会あるごとに増設計画をつくり増設を求めてきました。区は昨年10月の決算委員会でわが党清水議員の質問に、需要は認識している。整備は進めるが「待機者がすぐには入らなくてもいいという方が結構いる」ので「今すぐの増設は実態に合っていると・・は考えていない」との答弁でした。しかし12月の清水議員の一般質問には「増設はしたいが土地がない」「3,000uの土地が必要」と答弁しています。
 そこで質問します
 区はこの間、特養建設を示唆していますが、これは具体的にどこを検討しているのでしょうか。答弁ください。
 また2013年に厚労省が発表した「都市部の高齢化対策に関する検討会」報告書では「都市部においては用地の確保が課題」であり「施設整備について工夫すべき」として、サテライト型の地域密着型特養や、「民間事業者がマンション等を建設する際に、一部フロアを特養として整備し特養部分を買い取る手法の検討」等が示されています。すでに隣接区でもサテライト型特養が建設されています。
 土地の取得を目線に入れながらも、施設の規制緩和は問題ですが、現実的で適切な対応を敏速に進めることも重要だと考えますがいかがですか。答弁を求めます。
 
 特養の2つ目は利用料負担についてです。
 この間、安倍政権は2015年度から2年間で利用料の負担限度額を大幅に増加させました。区の資料では2014年度第2段階の人は1082件でしたが2年間で668件も減り414件となっています。また第2段階から第3段階に移行した人は260件で、これらの人はユニットで月額22,500円、多床室でも7,800円の負担増となっています。
 夫が特養から病院に入退院を繰り返していたEさんは「入院中も特養の利用料を払っていたが負担金が上がり、病院と両方は払えない」と特養を退去。「不安」と訴えています。
 足立区でわが党議員の「区独自の利用料負担軽減を実施すべき」との質問に、区は「低所得者の介護保険サービスの利用状況及び他区の動きを注視し検討していく」と答弁しています。
 そこで質問します。
 ぜひ本区でも区独自の利用料負担軽減策を検討すべきで、また他区とも共同し東京都に負担軽減策の実施を求めていただきたいと考えます。合わせて答弁ください。

 大きな第二の質問はまちづくりについて2点です。
 第1の質問は、造幣局南地区のまちづくりについてです。
 1月の副都心委員会でも発言しましたが、昨年7月に行われた住民へのまちづくりの個別意向調査アンケートの結果を改めて見ますと、164件配布、回収は111件で回収率は件数で67%、面積では75%となっています。件数のアンケート結果は地区全体で賛成が21%、反対が18%、未定が23%、西エリアだけを見ると未定は1街区で43%、2街区では32%、3街区では50%となっています。未定としている人は賛成でも反対でもない、要するに再開発とはどういうものか、自分の財産は具体的にどうなるのか、どういう方法で進められるのかわからないという事です。
 2月16日に行われたまちづくり協議会の全体会で、区はまちづくり構想を説明し、今後、3月にまちづくり構想を区に提案、来年度は西エリアでは法定事業準備組織を設立するとなっています。参加者からは「今のままでは火災などが不安」との声や再開発を経験した人からは「4丁目の再開発のマンションは維持管理費が高くて大変」、また従前居住者対策への質問など、様々な意見が語られ、まちづくり協議会の会長は「皆で決めること」と繰り返し発言していました。関連する住民の方々にとっては「まちづくり」は大問題で「本当に大変」と改めて思いました。2012年から区が主催する街づくり懇談会が行われ、14年にまちづくり協議会が発足、これからもまだ議論を続けていくわけですが、直接かかわる地権者の人たちが、きちんと判断ができる状態を作ることは最低限のことであり、区の責任は大変大きいものです。
 そこで質問します。
 区は協議会として3月に構想を区に提案するとしていますが、しかしアンケートでは「未定」が多くを占め、また地域の方々の発言でも様々な意見が出ています。かつて「まちづくりとは高い建物を作るだけではない。戸建てを希望すればそれらをどう実現するかを検討すること」などの意見もありました。まちづくりというのであれば、丁寧に住民合意を作っていくべきで、これが区の役割ではないでしょうか。答弁を求めます。
 
 まちづくりの2つ目の質問は南池袋C地区についてです。
 2016年3月2日C地区まちづくり基本構想が承認され、地権者の72%が賛成で正式に再開発の方向が決定。3月30日準備組合が結成されました。一見順調に進んでいるように見えましたが、最近になって住民からいろいろな声がよせられています。商売をやっているAさんは、代替地を求めたところ、地区外を提案され、納得できずデベロッパーに相談しても「まったく対応しない」「80年この土地で商売をしてきた」「開発に賛成してきたのに」と怒りでいっぱいです。高齢の方々は新たにつくられるマンションの管理費はどうなるのかと不安を訴えています。また「再開発には賛成だが、流れがどうなっているのかわからない」等、様々な不安の声が寄せられています。
 そこで質問します。
 このような経過について区の責任は重大です。区はきちんと対応すべきです。答弁を求めます。
 先日の全恊で区から「2月10日、南池袋C地区が東京圏国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加された」との説明がありました。また公共貢献では子育て・高齢者施設の導入が示されました。この都市再生プロジェクトでは規制緩和で都の協議・同意は行われず、また、区の都市計画審議会にはかかりますが、都市計画決定権者は内閣総理大臣に移行し、認定を受けるとなっています。これは手続きと着工のスピードアップを図るたで、都市計画決定までの期間が約3週間短縮されるとのことです。
 改めて質問します。
 都の資料では、都計審は「都市の将来の姿を決定するものであり、住民の生活に大きな影響を及ぼす」もので、都市計画決定をするときは、「行政機関だけで判断するのではなく、学識経験者等で構成される審議会の調査審議を経て決定すること」とされています。ところが今回の進め方は、先ほども言いましたが、都市計画を「区域会議」で決定することとなり、これでは区の都計審での審議結果が反映されなくなる、要は区不在、区民不在で進められるという恐れがあります。区の役割は必要ないという認識でしょうか。合わせて答弁ください。

 大きな第三の質問は環5-1道路建設についてです。
 環5-1道路建設は南池袋地域から雑司が谷地域にかけて地下工事が行われています。工事現場近隣の住民の方々からは「夜間を含め大きな音と振動で大変だった」との声が寄せられていました。
 1980年、地域住民の大きな反対運動で、当時、区も区議会も道路建設に反対を表明。結果、前期事業化路線から外されました。しかし1991年(平成3年)、都より第2次事業化計画で前期事業化路線として改めて位置づけられ、住民運動の下で、環5-1道路は通過交通は地下に、地上道路「地域内生活道路」として整備することを都に要望してきました。その結果、地上、地下道路を整備するとし、1998年(平成10年)に事業認可され、2011年(平成23年)に事業着手し現在に至っています。
 先月の副都心委員会で、東京都から「地上道路の整備計画案(中間報告)」が示されました。これは、都と町会や商店会、学校などの代表の方々との懇談結果がまとめられたもので、自転車道や沿道の緑化等の整備を含め、私にも寄せられた様々な課題が取り入れられています。しかし同時に地上道路に関しては地域の方々から改めて意見が寄せられました。     
 そこで地上道路について伺います。
 都は、通過交通は地下道路を通過するので、「地上道路は防災機能と地域住民のアクセス道路として快適な道路を整備する」としています。しかし「通過交通も地上を通るのでは」との不安を多くの住民は抱いており、だからこそ、地上道路に速度制限と速度抑制の対策を求めているのです。ところが都は「環5-1は都内の幹線道路網を形成する道路なので速度抑制のための策を講じることはできない」「今後、警視庁との協議で伝える」「標識や路面標示で安全運転を喚起する策を講じる」としています。
 そこで質問します。
 区長は所信表明で環5-1地下道路など新たな交通計画を立案するとしています。こうなればますます地上道路の「生活道路としての機能」が求められます。全国にも誇れる「生活道路」実現を都に強く求めるべきです。答弁ください。
 また今回の配布物「中間報告」が、当該道路近辺で配布されていない方もいます。十分な配布を求めます。

最後に第四その他として高田1丁目のオリジン本社工場跡地の活用について質問します。
 高田1丁目のオリジン本社工場跡地は現在解体工事が終わり土壌汚染の対策を行っています。面積は約1万 uです。情報によりますと、長期の定期借地で貸し出し再開発等の方向が示されていますが、これだけの広さの土地区は内ではめったにありません。公園や公共施設建設など、ぜひ都へも働きかけ、区民に還元できるよう、その対応を強く求めるものであります。答弁ください。
 
  以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。