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区議会質問
 
2016年第1回定例会
渡辺くみ子議員の一般質問

2016年2月16日

 私は日本共産党豊島区議団を代表し「今こそ、区民の暮らしを直視した予算に転換せよ」と題し
第一に区長の憲法遵守に対する認識について、
第二に2016年度予算について、
第三に生活保護の法外援護について、
第四に介護保険制度について、
第五に防災について、
第六はその他として街づくりについて
 質問します。区長の明快な答弁を求めます。

 第一に区長の憲法遵守に対する認識について質問します。
安倍首相は衆院予算委員会で、戦力不保持を規定する憲法9条2項の改定に言及しました。戦争法を強行し、立憲主義の破壊を推し進める安倍首相が連日、明文改憲の核心である9条2項改定=削除にふみこんで言及していることはまさに重大事態です。
 2013年の二定でわが党の「憲法遵守義務」と「平和」についての質問に区長は「自治体の長という立場の為政者」として「憲法が権力を制限することで、平和や人権や公共の福祉を守る重要な役割を果たしていることは十分に承知」と答弁しています。ところが、昨年の三定での森議員の安保法制に関する集団的自衛権の解釈改憲についての質問に「平和主義の原則には変わらない」と容認しました。とんでもないことです。1月30日の新聞報道では防衛省が予備自衛官補として民間の船会社の乗組員を採用する制度の導入を目指していることについて、「全日本海員組合」が、「事実上、民間人の徴用につながる」として反対の声明を発表しました。戦争法に基づき国民を戦争に徴用できる体制を刻々と進めている事態です。戦争法は憲法学者の95%が反対し、マスコミの世論調査でも63%が9条改定に反対しています。
 そこで質問します。
 改めて区長の憲法に対する認識をおたずねします。答弁ください。また安倍首相の改憲策動に「憲法遵守義務」の立場から明確に反対を表明すべきです。合わせて答弁ください。

 次に第二の質問は2016年度予算についてです。
 安倍内閣の下での年金削減、医療、介護の切り下げ・負担増、生活保護の切り下げ、非正規職員化などによって国民は苦しめられています。私たち議員のところにも深刻な相談が寄せられています。50代のA子さんは病気になり職場から自主退職を求められ離職、親の介護も重なり、闘病と介護と家賃等経済不安で不安定な毎日を送っています。70代のBさんは「働ける限り働きたい」と頑張っていますが、家賃を払えば生活は目いっぱい。高すぎる保険料や税金は滞納しがちとなり、「どうすればいいか」と深刻です。病気になった途端、生活が破たんする。高い保険料が払えない、家賃が大変等本当に区民の置かれている状況は深刻です。
 区民の6割は課税標準額200万円未満で、更に国保加入者は雇用条件の改悪の中で増加し、加入者の8割が実質所得200万円未満です。社会保障の改悪で生活保護基準が引き下げられても受給者は増加しており、貧困層が増えているという事です。商店街はシャッター通りが増え続け「買い物難民」が増加しています。身近なところでも高齢者の孤独死が発生しています。
 では、本予算はこのような区民の生活を直視したものになっているでしょうか。
 区は来年度予算の特徴を、過去最大規模で一般会計は1,218億円とし、第1に持続発展都市を目指して積極的に施策を展開する予算、第2住み続けたい街の創造に向けて計画的に投資する予算、第3に好景気による一般財源歳入の増収を見込めたことで3年連続基金を取り崩さず編成でき、将来に渡る安定的な財政運営確立に道筋をつけた予算とし、財政構造が着実に改善した健全財政としています。そして、3日の予算内示会で、「好景気の中身は区民税と交付金の増」と私の質問に答弁しました。
 安倍首相は年頭挨拶で「景気は確実に回復軌道を歩んでいる」と言いましたが、どの世論調査を見ても「景気の回復を実感していない」が高位となっています。アベノミクスが破たんしていることは明らかであり、日本経済が発展しないのはこうした経済政策をすすめているからです。
 経済成長で最も大切なのは国内総生産の約6割を占める個人消費です。最新の家計調査でも、2人以上世帯の昨年12月の消費支出は1年前に比べ名目で4,2%、実質で4,4%も減っています。雇用は上向いても不安定な非正規が中心で、実質賃金は3年間で5%も減っています。どのマスコミ報道を見ても「好景気」などとの評価はありません。
 そこで質問します。区長、あなたは昨年のわが党の垣内議員の質問に、アベノミクスは「景気停滞で閉塞感を抱いていた日本国民に明るい希望をもたらし」「同じ政治家として敬意を表するに値する政策」とアベノミクスを絶賛する答弁をしました。今でもそう考えているのでしょうか。こうした評価は、結局、区民の暮らしよりも大企業本位の街づくりをすすめ、住んでいる区民より、大企業中心の街づくりをすすめることが区民の暮らしを発展させるという発想となっているのではありませんか。答弁ください。
 合わせて、今の区民生活の実態について、どうとらえて予算編成に臨んだのか。そのことについては予算編成の特徴には全く触れられていませんが、区民の実情についてどう認識されて予算に反映させたのか、お答えください。
 
 次に、不要不急の課題は後にし、区民によりそった予算編成に転換することについて質問します。
 わが党は一貫して開発最優先ではなく、区民の暮らしにより沿った区政運営を求めてきました。これまでも区民生活や区民の実情に照らして、明日の生活にも不安を持つ区民の救済を求め、施策の予算化、拡充を求めてきました。
 ところが、区長は、区政運営の基本は福祉と教育と言いながら、新ホールや東西デッキなどを「区の輝かしい発展に寄与する重要な事業」と大型開発を進めてきました。本予算を見ても、福祉関連予算に重点を置いた予算と言いますが、新規拡充事業では生活保護の法外援護や就学援助の拡大などはありません。必要な介護がうけられない、保険料が高すぎる、医療を受けられない、低廉な住居が無い等々、このような区民に手を差し伸べるものにはなっていません。
 そこで質問します。安倍内閣の社会保障切り捨てによる区民生活の困難さは先ほど来示している通りであります。不要不急の課題はあとにして、区民生活に密着した予算編成に切り替えるべきです。答弁ください
 
 次に今予算が今後の財政に与える課題について2点質問します。
 まず、旧庁舎地周辺整備計画についてです。
 わが党は新庁舎建設にかかわる質問を毎回のように行ってきました。区長は新たな借金をしないでどうやるのか、職員ともども真剣に悩み取り組んできたと答弁され、新庁舎建設に対してのわが党の批判に、「対案も出さず」と言いました。しかしかつて、私が議員になったばかりの時は当時の庁舎建設に関する特別委員会が作られ、他地域の庁舎の視察などもしながら検討してきた経過がありました。しかし今回の区長の進め方は全て一方的で、新ホールも、新区民センターも計画ができてから示すというやり方です。まさに区民不在であります。
 資金計画も問題です。当初新ホールは17億円、区民センター改築は22億円でした。それが新ホールは75億円に、新区民センターは65億円に、しかも50年の定期借地権がなんと実質76年になるなど驚くばかりです。区長は「後世に大きな負担を負わせるような財政運営は決してしてはならないと、自らを強く戒めている」との答弁を繰り返していますが、新ホールや新区民センターは当初の資金計画39億円よりも101億円も跳ね上がりました。周辺整備を合わせると160億円を超える途方もない金額になっています。
 そこで質問します。資金計画は次々と増額しています。これで後年度負担にならないと言う保証はどこにあるのでしょうか。答弁を求めます。またこれらは当然区民の施設です。区民は低廉な金額で利用できるのでしょうか。合わせて答弁ください。
 
 2つ目は財調基金の積み立て方針についてです。
 旧庁舎跡地一括76年分前払い地代191億円を歳入として、このうち旧庁舎解体工事費に8億円を引いた157億円を財調基金に溜め込み、公共施設再構築基金に26億円を積み立てるとし、今年度末の基金残高は財政調整基金が209億円、基金全体では313億円としています。そして来年度は2校の学校改築が竣工を迎え、造幣局跡地の防災公園建築22億円、新区民センター建設8億円等で、投資的経費が249億6400万円となり、そのため新たに起債を114億円発行、結果「借金」が「貯金」より40億円上回るため、今後も機会あるごとに基金への積極的な積み増しが必要としています。
 そこで質問します。
 目の前に困っている区民がいるのに財調基金への積み立てを優先にするやり方は改めるべきです。答弁ください

 大きな質問の第三は予算に関連して生活保護の法外援護についてです。
 保育、国保、住宅関連は明日、清水みち子議員が質問します。
生活保護受給者は、この間の区の法外援護の大幅削減と、安倍政権の基準額の引き下げで二重、三重に厳しい生活を強いられています。生活保護基準引き下げは2013年から2015年の3年間で平均6,5%、最大10%となり、国の削減総額は670億円です。本区の受給世帯数は2013年度は6,212世帯でした。基準額が引き下げられた2015年度は6,288世帯で増加しています。
 昨年の決算委員会でも指摘しましたが、法外援護事業は当時の予算額は4,500万円でした。「行財政改革プラン2004」で廃止が提案され、2005年度から入浴券支給以外の事業を廃止しました。この間、わが党は機会あるごとに法外援護事業の復活を要求してきましたが、区は「お金ができたら回復するというものではない」「適正な範囲を見直すべきではないか・と判断した」「生活扶助費にくみこまれているもの」との答弁を繰り返し、財政再建を声高に宣伝するも復活は拒否し続けています。
 しかし2005年度の予算審査で、当時の担当理事者は、「(削減は)いいとは思っていませんが」「5年後、10年後、20年後の区民の福祉の、最大限の福祉の向上に資するようにしたいと考え」決断したと答弁しています。要は「適正な範囲の見直し」などではなく、財政難の中で長期的視点に立って廃止を決断したというのです。区長は先の決算委員会で復活を求める私の質問に「10年前のあの厳しい財政状況と今とは状況が変わっているわけでありますけど、この福祉というのは非常に重要な、最大の政策という認識をしておりまして、・・現場の状況を踏まえて・・私にとっても大きな課題として受けとめてまいりたいと思います」と答弁されました。しかし復活していません。
 区長は昨年二定での区民の生活実態の認識に対する私の質問に「区内には厳しい生活状況にある方々が少なからずいらっしゃることも十分認識をしております」と答弁しています。実態を認識していながら施策の拡充をしないという事は『少なからずいる』区民の生活を無視するという大変冷たい区政運営と言わざるを得ません。
 そこで質問します。
 「大きな課題として受けとめ」とはどういう事でしょうか。答弁ください。「財政再建するため」と区民に我慢を強いてきました。ところが、財政再建しても復活をしないというのは区民をだましてきたことではありませんか。自治体本旨の立場から見ても区政運営そのものの変質ではありませんか。答弁ください。
 生活保護基準の引き下げは子育て世帯に大きく影響しています。また高齢者にとっても住宅扶助や冬季加算の削減は厳しい状況を強いられています。改めて生活保護の法外援護事業の復活を求めます。答弁を求めます。

 大きな第四の質問は介護保険制度についてです。
 安倍自公政権が行った医療・介護総合法により昨年4月から行われた介護報酬の引き下げは事業所の経営を直撃しています。また8月からは介護給付の利用料に2割負担が導入され、更に介護施設では2割負担導入とあわせ補足給付の所得制限が強化されました。本区では今年1月末現在、2割負担は17%2050件、補足給付の認定者は1,222件で昨年1,854件より632件減っており、区民からは「困った」との声が寄せられています。そして今年4月からは要支援の訪問介護、通所介護を保険給付から外す新総合事業が始まります。これらは利用者から介護を取り上げ、提供する事業者、介護職員等すべてに負担増を強いるものであります。
 以下具体的に4点に絞り質問します。
 まず第1に介護報酬引き下げに関してです。
 東京商工リサーチの調査で、負債額1,000万円以上の介護サービス事業者の倒産件数が昨年1年間に前年比1,4倍の76件に達し、介護保険制度開始から最多を記録し、これは介護報酬の引き下げが主な要因と報道されました。76件のうち、従業員5人未満が63%を占め、設立5年以内が目立ち、新規で小規模の事業者が多く、サービス種別では、介護報酬が大幅に引き下げられた小規模型の通所介護、短期入所、訪問介護があげられています。
 また豊島区社会保障推進協議会が秋に行った在宅事業者へのアンケート調査でも、55%の事業所が収入減とし、その対策として雇用条件の見直しをあげ、事業の見直しでは要支援を受け入れない、大規模化、事業の縮小・中止などとしています。また国や都、区に求めることでは、介護報酬の引き上げや、安定した経営ができるよう等とあげています。
 昨年の二定での報酬引き上げを国に求めるよう質した私の質問に、区は「介護報酬の見直しで加算のアップ等・必要な効率化、重点化が図られた」と評価しましたが、先の区民厚生委員会では「区内では倒産事業者は無いが、統廃合はある」と答弁しています。区内事業者の厳しい実態の一つではないでしょうか。
 そこで質問します。事業者倒産件数や、実際に経営が厳しいと訴える実態からみれば、地域の重要な介護基盤である小規模介護事業所の持続的運営と人材確保への抜本的支援は待ったなしです。まず区として介護施設を含め、今回の報酬引き下げの影響や、人材不足問題など、保険者として調査し、実態を掌握すべきです。また国に対し、報酬引き上げを強く求め、国庫補助の大幅な増額求めるべきです。合わせて答弁ください。
 
 次に介護職員の処遇改善についてです。
特養では、職員が不足しているため入所者の受け入れができない等介護職員の不足は深刻です。またグループホーム等でも職員不足のため、夜勤明けの翌日の休暇がとれない、日勤と遅番を行う、ある施設では看取り介護のため休日だった職員が出勤せざるを得ないなど、介護職員不足は労働条件の悪化につながっています。 
 そこで質問します。介護労働者への処遇改善交付金の制度化を国へ強く求めるべきです。同時に都にも介護職員確保への制度化を求めるべきです。答弁ください。
区独自の介護職員確保のための処遇改善の助成制度を実施すべきです。また品川区では初任者研修参加費補助制度を実施していますが、本区においても実施すべきです。
答弁下さい。
 
 介護保険の3つ目の質問は新総合事業についてです。
 医療・介護総合法により、2018年度までに各自治体では要支援1、2に対し各保険者による新総合事業として地域支援事業に移行させることになり、本区では今年4月から実施されます。
 そこで質問します。利用者への必要なサービスの保障、継続は介護予防の立場からも重要です。本区では要支援の保険給付から外された人への区独自の対応として、報酬単価は国基準で行い単価の引き下げはしないとしていますが、改めて現行相当サービスを求めます。答弁ください。また「質の担保」や事業費の支給を「現行相当と同額」にし、事業者の経営を守り、サービスに見合った対応をすべきです。答弁ください。
 次に要支援の給付判定についてです。
 要介護判定と異なり、要支援の判定は、訪問看護、通所リハ、福祉用具の申請以外は地域包括支援センターでのチェックリストで判断することになります。しかし現行では主治医の意見書、調査、判定会議等複数の専門家による認定がされていました。
 そこで質問します。被保険者の要介護認定の申請権の侵害をしないよう、また利用者のサービス選択権を尊重するため、チェックリストでの判定については、希望者以外は要介護認定の申請受付を行うべきです。答弁ください。
 
 介護保険の最後の質問は特養の区内増設についてです。
 昨年は2か所の特養が開設しました。しかし12月末現在、特養ホーム待機者は568人と増加し区が最優先と定めるAランクは188人となっています。
 昨年12月25日「特別養護老人ホーム整備等の新たな整備手法についての報告」が出されました。報告書では2015年度の特養整備率2,73を維持するためには2025年度時点で908床必要で、今後156床の確保が求められるとしています。そして「用地確保に大きな負担を必要とする区内整備に過度に固執することは現実的ではない」ので「可能性のある整備手法を模索することを積極的に考えてよい」としています。わが党は秩父市等他地域との連携で特養建設することを否定するものではありません。しかし区内増設を求める多くの区民がいます。
 昨年11月区が日本版CCRC構想に基づき行なった20歳から69歳を対象にした区民アンケートでは、秩父市への移住に対し「移住したくない」「どちらかというと移住したくない」が65,9%という結果が出されました。また先日、南池袋二丁目C地区まちづくり協議会ニュースでは22名の方々のアンケート結果が掲載されました。この中で「ほしいと感じる施設や設備」の設問に、10人の方が老人ホーム・介護施設と回答し、ちなみに8人の方が保育施設と回答しています。
 この間、夫が区内特養に入所したCさんは、とにかく近いので「仕事の合間に様子を見に行けるのでありがたい」と語っていました。また認知症の80代の父親の入所を待っているDさんは「介護をする方も年を取る。近いとすぐ行ってあげられる」「父親も巣鴨とか池袋とか地名は覚えており長く住んでいた近くがいい」と訴えていました。
 そこで質問します。区内への特養増設は不可欠です。かつて都は土地の購入費の補助を行ってきました。現行の都の助成内容を拡充するよう強く求めるべきです。答弁ください。また区は「区内には土地がない」「高すぎる」と繰り返しますが、そうであるならば、造幣局跡地の市街地整備区域等への特養の増設を検討すべきです。合わせて答弁ください。

 大きな第四の質問は防災についてです。
 阪神・淡路大震災から21年、東日本大震災から5年、その間にも火山の爆発、集中豪雨等自然災害の被害は年々大きくなっています。
 地域防災計画は毎年修正が加えられていますが、防災、被災後の対応など課題が多くあります。その中で3点のみ質問します。
 第1は救援センターについてです。
 救援センターは従来の地域防災センターの拡充を図り1996年度から全小中学校を救援センターと位置づけ整備が進められてきました。発足当時の1996年には救援センターは42か所ありましたが、その後学校の大幅な統廃合等で現在は34か所です。
 決算審査でも指摘しましたが決算審査時では33か所で、区民の8%21,699人しか収容できず、23区最下位となっています。この間、西部区民事務所が指定され34か所となりましたが、やはり不十分です。
 雑司が谷、南池袋地域ではかつては3つの小学校と1つの中学校がありました。それが現在では南池袋小学校のみです。対象区民数は16,300人で収容可能人数は1,252人、朋友小学校は対象区民数17,400人で収容可能人数は728人です。
 そこで質問します。まず救援センターについて足りないとの認識はあるのでしょうか。答弁を求めます。また今後の拡充への具体的な計画について答弁ください。
 
 2つ目の質問は福祉救援センターです。
 現在、高齢者受け入れ施設が12か所、障害者受け入れ施設が6箇所、乳幼児受け入れ施設が23施設となり、そして来年度は福祉救援センターの物資の拡充が予算化されました。また昨年からは災害対策本部に災害対策福祉部が追加され、ボランティア等の組織や民生委員との連携、施設利用者等の安全確保や避難誘導等、各組織、掌握部が明確に示され改善が進んでいます。
 私は東日本大震災時に高齢者救援センターとなった施設を視察し、当時の状態を聞きましたが、通所施設なので、当初、震災時も通所施設として位置づけられていましたが、実際には入所施設となり、急遽体制をとったとのことでした。
 そこで質問します。災害時は想像を絶する状態が発生します。現在の入所施設だけでは対応は不可と考えます。在宅対応の施設の活用等を含め福祉救援センターの拡充が必要と考えますがいかがでしょうか。答弁を求めます。
 
 防災に関する最後の質問は感震ブレーカーの補助制度創設についてです。  
 今年1月17日の報道番組で、阪神淡路大震災時での道路の渋滞と救援活動、火災発生と通電問題が検証されていました。
 火災の問題では通電された地域から次々と火災が発生する状態がシュミレーションされ、地震と同時に停電となり、住民はとにかく避難し、その後通電し、ついたままだった電気ストーブを覆っていた衣服が発火する様子が再現されていました。 
 昨年3月内閣府から「大規模地震時の電気火災の発生抑制対策と推進について」の検討会の報告が示され、それによると阪神淡路大震災での火災で、発火原因が不明なケース146件を除くと、約61%(85/139 件)が通電によるものと考えられるとし、感震ブレーカーの必要性を指摘しています。また現在、特別区長会でも、国に感震ブレーカーの配備に関する補助制度の創設を要望していると聞いています。
 足立区で「減災まちづくりを推進する」ことを目的に、特定地域内の一般世帯は50,000円を、特例世帯は80,000円を上限に昨年の11月から設置補助を実施しています。杉並区では火災危険度が高い7地域を対象に、簡易型感震ブレーカーの機器代約6,000円の支援を来年度から開始するとしています。
 この間のわが党の感震ブレーカー補助制度創設を求める質問に副区長は「有用性、普及の重要性は認識」しているが「斡旋による普及を基本」と答弁しています。
 そこで質問します。区は「密集市街地の防災性については早急な改善が強く求められる」といいます。感震ブレーカーが通電火災防止の有効手段と認識しているのであれば、各家屋への設置は喫緊の課題ではありませんか。感震ブレーカーの設置補助制度の創設を改めて強く求めます。答弁ください。
 また災害時要援護者を対象にした家具転倒防止器具の補助制度を区は2013年度に「普及した」として斡旋に変えました。しかし災害時要援護者は、愛の手帳や身体障害者手帳の所持者と、要介護度3、4、5の区民を対象としており、新規対象者は当然増加します。補助制度を復活すべきです。答弁を求めます。

 大きな第六の質問は街づくりで2点質問します。
 第1は環5‐1道路建設についてです。
 東京都は来年度、環5‐1道路建設に関して、地上道路の道路形態の実施設計に入るとし、今後、町会を中心として住民の意見を聞くとしています。
 区長もご存知の通り、環5‐1道路建設は「現道のないところに道路を造る」として地域住民の大きな反対運動があり、一時は「区も区議会も道路建設は認めない」として前期事業化路線から外された経緯があり、その後、道路建設に際しては周辺住宅地の環境保全を最大限確保するため「地上道路は生活道路、通過交通は地下道路」が決定したわけです。
 この間、地下道路建設では、予想以上の振動、騒音に地元住民から批判が上がり、急遽、住民の会が都に説明会を求め、工事経過の説明や「お知らせ」チラシの改善等が行われてきました。
 さて、道路構造について、この間、住民の方々から地下道路内の非常用設備の設置と坑口周辺の緑化、大気汚染や騒音対策について強い要望が出されてきました。これら住民の要望を受け、昨年6月の都議会で米倉春奈都議会議員が都に質し、その結果、地下道路の非常用設備設置に関しては、設置基準設備以外に、給水栓、避難路として地上に出るための2か所の通路の設置等4項目の追加が明らかになりました。
 次に環境対策についてです。地下道路の坑口周辺を含め中央分離帯や歩道への植樹帯を設置し緑化することが示されていますが、大気汚染の環境対策では、環境基準をクリアしているので、特段の対策は取らないとの答弁が繰り返されました。開通前の2009年の二酸化窒素の測定値は0,033ppm、開通後の2019年の予測値は0,053ppm、周辺道路網が完成するとしている2030年は0,052ppmで環境基準値0,06 ppmをわずかに下回っているだけです。
 大気汚染の削減は良好な環境保持には欠かせません。現道のない地域に、しかも坑口の一か所は千登世橋中学校校庭に面し、一方では環境が最大の特徴としている庁舎に面した所に設置されます。しかも通学路ともなります。道路ができれば車を呼ぶのは常識で、現在の暫定道路でも周辺の車両数は増加しています。環境基準値を超える可能性は大いにあります。
 そこで質問します。昨年12月の副都心委員会で、区長は私の質問に「環境に配慮した・お手本になるような道路に」と答弁されました。区民の健康と環境保持のため、地下道路には脱硝装置等の設備の設置を求めるべきです。また坑口付近での騒音防止措置を検討すべきです。さらに地上道路は生活道路としての機能を確保するため大幅な速度制限とスクールゾーンの設置、緑化促進を進めるべきです。東京都に環境改善を強く求めることと合わせて区独自の対策を求めます。答弁ください。
 
 街づくりの2点目の質問は、雑司が谷の欅保存への補助制度の拡充についてです。
 鬼子母神大門欅並木保存会は7代目の会長が就任し、昨年12月13日雑司が谷未来遺産登録1周年記念に新たに50年ぶりに欅が植樹され、現在19本の欅並木となっています。1940年18本の欅が「東京都文化財」に指定されましたが、指定を受けて残っているのは4本だけです。樹齢400年と聞いていましたが、実際には650年だったという事で、地域の方々が本当に長い間、欅を守ってこられた歴史に改めて感嘆と敬意を感じています。沿道の方々は常にほうきを持ち葉っぱの掃除をしている姿は欅並木の日常の光景となっていますが、保存会の表現では「背中が痛くなる季節」だそうです。今、保存会では、未来遺産の一つとして100年後の子どもたちにつなげていくためにもと、歴史の編纂作業を行い、欅並木の考証資料をまとめられました。それによると一本一本の欅がいつ、どういう理由で切り倒されたのか、また住民が伐採に反対したことなど並木の存続の歴史が記されています。
 さて「東京都文化財」としての都の謝礼金は年間45,500円のみです。6年前老木の欅の大枝が台風で折れ、私も見ましたがすごいものでした。4本の老木の欅の保存には剪定や専門的な日常管理が必要と保存会では話していますが、都の謝礼金では少なすぎます。
 そこで質問します。欅並木を後世に残す活動支援として謝礼金の増額を都に求めるべきです。合わせて区の予算の増額を求めます。答弁ください。
 
 以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。