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区議会質問
 
2016年第4回定例会
垣内信行議員の一般質問
2016年11月29日

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、「大型開発より、区民生活を守ることを最優先にした予算編成を」と題して次の4点について質問します。
 第一に、来年度予算編成にあたっての基本方針について
 第二に、今後の大型開発への投資と財政運営について
 第三に、予算に反映すべき具体的施策の拡充について
 第四に、その他として職員定数についてです。
 区長の明確かつ前向きな答弁を求め早速質問に入ります。

 前定例区議会では2015年度の決算審査が行われました。決算の特徴に区が第一に上げているように過去最大規模の歳入歳出決算となりました。これには、庁舎関連の歳出歳入の特別な要因があったとしてもこれだけの規模で税金を投入したわけですから、当然、行政水準は向上し、区民生活が豊かになったとの実感が区民全体に広がってこそ、正しい区政運営といえるのではないでしょうか。
 決算特別委員会総括質疑において、私は、区民の暮らしについての認識を区長に伺いましたが、理事者は、「国は緩やかな回復基調にある」とか「区民の平均所得が1.6%増加した」とか「企業の景況感も改善し、ハローワークの求人もやや改善した」などと、いつもの一般的な評価にとどまりました。
 区民生活の実態は、増税、アベノミクスの失政、年金、介護、医療など社会保障の後退、などによりますます生活は苦しくなっているというのが、我々に寄せられる声です。
 アベノミクスは、大企業や一部の資産家を応援すればやがては、庶民に滴り落ちてきて経済がよくなるというもので、過去にすでに失敗したトリクルダウン式の経済政策です。
 だからいくら待っても、いつになっても庶民生活にまわってこないのであります。しかし区長は、このアベノミクスを天まで評価する答弁を繰り返しています。
 地方自治体、つまり区政は、国が誤った舵取で庶民生活を苦しめているときでも区民をまもり、暮らしを支える、福祉を守るのが責務ではないでしょうか。
 決算審査の際にも区民の実態を具体的な数字もあげて質しました。区民すべての所得の実態を正確に把握するのはできませんが、非課税世帯と課税世帯200万円以下が区民全体の7割を超えています。生活保護を受けている世帯は、基準額が引き下げられたにもかかわらず6200世帯を超えています。就学援助を受けている世帯も小学校で15、8%、中学校では27、9%とほぼ横ばいで推移しています。
 保育園の待機児童は、今年は105人まで減ったとはいえ、隠れ待機児童は231人になっています。特養ホームの待機者は、9月現在673人で、そのうちAランクは251人で、2か所の増設により減った待機者がまた増加しています。
 国保の滞納者は、29374世帯(26年度)、36.75%、23区でワースト1位です。あまりにも高い保険料に悲鳴が上がり滞納者は増える一方です。
 徴収強化や差押え、保険証の取り上げなどペナルティを課しても数字は悪くなる一方ではありませんか。
 すなわち税収は上がって、過去最大規模の決算になったといっても区民の多くは、暮らしの実態はよくなっていない。区民需要が向上しない。示した数字の実態からも明らかではありませんか。行政が光をあてるべきところにあててない証拠であります。
 そこで質問です。
 まず、区民の置かれている実態についてですが、一般論でなく区長はどう認識しているのでしようか。「生活が大変」「商売がやっていけない」「税金が高すぎる」「国保や介護の保険料が高い、払えない」という多くの区民の声を受け止めていますか。そうした区民に区長はどう救済すべきと考えているのか、過去最大となった財政規模の決算を踏まえ答弁ください。
 また、数字で示したように区民の置かれた実態は向上するどころか、後退もしくは横ばいとなっている現実は、そこに区政が光をあてていないからです。
 このことについて区長はどう認識し、どう打開しようとしているのかお答えください。

 次に来年度予算編成にあたっての基本姿勢について伺います。
 予算編成にあたって、10月11日に副区長名で各部長あてに依命通達をだしました。
 依命通達は、歳入環境が予断を許さないことや、歳出においても扶助費の増大、社会保障関連経費の増加に加え投資的経費が高い水準で推移するなど予断を許さないなどとして、枠配分の中、思い切った歳出削減を求めています。
 区は、これまでも財政難を口実に区民サービスを削ってきました。財政が好転し、黒字になっても、過去の大きな借金がなくなっても、削った福祉は戻さない、増やさないできました。やるべきことをやらずに余らせたお金は、基金に積み、財調基金残高もどんどん膨れ上がりました。
 ところがまた、不透明な区財政を取り巻く状況をあげて、同じ手法で区民サービスを削る予算編成を命ずるというのでは区民はいつになっても報われません。
 決算を踏まえ、来年度予算は、第一に生活に苦しむ区民に正面から向き合い、区民需要を最優先にする編成にすべきであります。
 すなわち削った福祉をもとに戻す、生活保護受給者に対しては少なくとも他区なみの法外援護を確立する、就学援助は実態に見合う援助をする、保育園の待機児童や特養ホームの待機者をなくすために増設を図る、公営住宅を増やす、高い国保料を引き下げるなどなど実情や需要に見合ったものに予算をつけ、拡充することです。
 予算編成の基本を区民の実情や需要に見合うようにすることについて区長の見解を求めるものであります。

 次に予算の枠配分方式を見直すことについてです。
 依命通達にもあるように来年度も部局ごとの「予算配分方式」のもとに予算を編成することになっています。区は、予算を部局ごとにあらかじめ定めた予算配分することで、限られた財源を有効に効率よく区民ニーズに応えながら編成できるとして、この間この配分方式で部局内の予算編成をすすめてきました。
 しかし、枠内配分方式が毎年固定化しますと、区民ニーズに新規に応えようとすれば、どこかで削らなくてはならないことになります。新たに福祉を増やそうとすると、削りようもない別の福祉を削らざるを得なくなるなど枠配分方式は限界が生じます。
 また、新規拡充は、区長の思惑の強いトップダウンによる池袋を中心とした来街者むけの投資が優先されるため、区民にとって必要な予算枠が広がらないのです。
 こうした「予算枠配分方式」は見直さないと区民需要を満たすための新しい事業や拡充事業は限界を生じます。枠配分予算は見直し、必要な区民需要には予算をつけるし、それによって必要な施策が削られるようなことのないように改めるべきです。
 いかかでしょうか。

 次に区民の実態を正確に把握することについて伺います。
 これまで申し上げてきたように区民の生活実態を正確につかみ、これを向上させることは、区政運営の基本であります。
 しかし、今の区政運営を見てみますと、区長が、区民の暮らしがどうなっているのか、その実態を正確に掌握しようと努めているとは思えません。区民一人ひとりの生活をひとくくりに非課税世帯数、課税状況、国保や介護の所得階層数からの数字でもって、所得が少ない、低い世帯が多いからと「すべてが生活苦」と結びつけることにはなりませんが、  生活保護を含む非課税世帯と課税所得200万円以下世帯が区民全体の7割を超えています。
 区民の生活実態を正確につかみ、また、区民が区政に求めている施策は何か、施策を講じるうえでさらに踏み込んだ区民生活に対する調査が必要と考えます。
 日本共産党区議団は、必要に応じて「区民アンケート」を実施しています。生活の実態をつかみ、区民が何を求めているのか、これを分析して区政だけでなく様々な制度をどう充実させるのか役立てています。一昨年実施のアンケートでは、「生活が苦しくなった」という回答が53%も寄せられ、税金、保険料の負担については77%が、「これ以上の負担は耐えられない」と答えています。
 全区民を対象とした収入を把握するには、個人情報に関わる事項でありますが、アンケートの実施などで区民生活を正確につかむこと、また区民需要を把握する必要性の認識があるのか。あわせて実施に踏み切るつもりがあるのかお答えください。

 次に大きく第二の柱の質問、今後の大型開発への投資と財政運営について質問します。
 区長は、これまで池袋を中心として都市間競争に打ち勝つといって大型開発を進めてきました。新庁舎建設を起爆剤に旧庁舎跡地には区民のためというよりも来街者を呼ぶための、劇場ホールや新区民センターを作ろうとしています。
 このことが、東京都の中で存在感を与え、国や東京都に評価されてきているなどといいました。
 昨年7月の「緊急整備地域」の指定をうけて策定された「池袋駅周辺まちづくりガイドライン」は、公民のパートナーシップによる都市再生を戦略的に進めていくための指針とされ、(特定)都市再生緊急整備地域内の街の将来像として「世界中から人を惹きつける国際アート・カルチャー都市のメインステージ」とあり、旧庁舎跡地の8つの劇場、南池袋公園などの「賑わい交流エリア」、東西デッキ、バス・タクシー乗り場や駅前広場の整備などの「池袋駅周辺コアエリア」、新庁舎隣接、造幣局跡地などの「東池袋駅周辺エリア」に分けられ、また、「LRTの導入を検討する」とあります。
 また緊急整備地域には、東西デッキや池袋駅西口地区市街地再開発事業、庁舎跡地の開発のほか、市街地再開発事業として、東池袋4丁目2番街区、東池袋五丁目地区(A街区)、南池袋二丁目C地区と、民間の大型開発が目白押しです。
 大型開発には湯水のように税金をつぎ込もうというその一方で、公営住宅は作らない、家賃補助も不十分、さらには100件近い脱法ハウスの解決もめどが立っていない、区民住宅からは撤退し、さらに特定整備路線での住民追い出しは進める街づくりになっているのです。先ほども述べたように光をあてるべきところにあてないでいて、未来への投資を進めるというのは逆立ちしているではありませんか。
 そこで質問です。
 劇場ホールなど池袋を中心とした区長のすすめる街づくりは、アベノミクスの豊島版ではないかという、わが党の質問に「そう考えてもらっても結構」と区長は答弁しています。
 来街者が喜ぶ街づくりをすれば、街が活性化し、やがては、その街は価値が上がり、土地は上がり、住む人も金持ちが住み、区税収入も上がる、税収も上がれば、庶民の暮らしや福祉に回せるお金が生み出すことができるというものです。
 決算委員会で、私は、「今でもそういう考えなのか」と区長に質問したのですが、未来への投資といって多額の税金をつぎ込むことがどうして消滅可能性都市から持続可能性都市になるのか。そして区民生活向上につながるのか区長の政策構想の本質はどういうものなのか明確に答弁ください。

 次に財政運営について質問します。
 2015年度決算が、過去最大規模となったこととあわせ、決算剰余金は29億5000万円にもなりました。これだけあれば相当な事業ができます。
 区民生活の実情をくみ取り、需要を少しでも前進させようと思うなら補正予算を組めばいいのに特養ホームの増設計画はない、子どもの医療費助成の拡充はしない、公営住宅は作らない、困っている区民がいるのに、やるべきことをやらずに余らせたお金です。
 財政調整基金の15年度末残高は225億円で、条例上全額積み立てることになっている決算剰余金の積み立て、第2回定例会での取り崩し、また前定例会の補正で基金残高はなんと267億円にもなりました。
 財調基金については、昨年までは120億円を目標としたいといっていたのに、あっという間にその倍以上に膨れました。決算で「いくらを目標とするのか」と質すと、理事者は、「景気は良好とは思うが予測は難しい、不確実なので将来の見通しは難しい。いい時には積む、ないときは使う」と無責任な答弁で、区長は「年度間調整だけでなく、投資的な経費も使うべき」「将来的に必要なものに投資する」とも答弁しました。
 そこで質問です。
 今後、学校の改築、老朽化した施設の改築など区民にとって欠かせない必要な投資があり、また新たに長崎健康相談所が児童相談所等の移管により大規模改修から建て替えることにするなど、想定した投資的経費の概算が増えており、また個々の事業の財源をどう充てるのかも示されていません。
 このあとも触れますが、公共施設再構築基金は、新ホールに38億3千万円も使います。
 区長は、財調基金について年度間の調整だけでなく必要な投資にも使うといっています。現在、投資的経費の具体的財源が決まっていないのに、財調基金を投資に使うというのは、いったい何を想定しているのでしょうか。
 結局、区長の思惑の色濃い未来のへの投資、すなわち東西デッキ、LRTといった不要不急の投資にもあてがえるように財調基金を積んでいるのではありませんか。
 区民の暮らしや福祉を削ったままで、人を呼び寄せる箱ものづくりや大型開発に税金をつぎ込むような財政運営は改めるべきです。いかがでしょうか。

 次に新ホール買い取りにかかわる財政運営について質問します。
 新ホールの価格は71億円と決まり、区は、消費税8%込みで、76億68百万円で東京建物とサンケイビルから買い取る議案が今定例会に提出されています。
 71億円という価格は、財産価格審議会で決められたのですが、財産価格審議会は、価格を審査することで不利益が生じないように秘密会になっています。区が、多額の区民の税金で購入するのですからその価格が今後の区財政にどう影響するのか。ふさわしい価格なのかを明らかにする必要があります。
 新ホールはそもそも豊島区民を対象にしたものではありません。オペラや歌舞伎、ミュージカルといった来街者を呼び込むためのホールです。多額の税金をつぎ込んで買い取るというのですが、区民の願いや区民感覚とかけ離れた構想に対してわが党は、価格以前の問題として、新ホールのあり方について厳しく批判してきましたが、区長と与党会派が推進し、今回、買い取る議案が提出されたのです。
 そこでまず、区が買い取る71億円という金額はどこから算出され、本当に適正なのかをどう区民に説明しますか。明確にお答えください。また、この金額によってホールを売る側すなわち民間事業者には、当然利益を生じることになると思いますが、その額はいったいいくらなのか。公共事業としてのその利益の支払いは適正なのか。また適正か適正でないかは、だれが判断するのかをお答えください。
 次に新ホール購入に係る資金計画、起債の償還計画について伺います。
 新ホール購入にかかわる購入経費財源は、76億68百万円の半額を公共施設再構築基金で、残りの半額は起債を起こす方針と聞きました。
 この資金計画は、今後の財政運営を左右することになりますが、起債の内訳と一括購入せずに利子を伴う起債で賄うことにしたのか。また、今後の投資的経費や区財政にどう影響するのか。とくに公共施設再構築基金は、28年度決算残高では、38億8百万円ですから、充てる財源は不足することになりますが、どこから積んで充てるのか。基金として今後の公共施設の改築などの財源に影響はないのかお答えください。

 次に大きく第三の質問、来年度予算に反映すべき具体的施策の拡充について4点取り上げ質問します。生活保護制度、商工支援、公園・公衆便所の清掃、改修について、私道舗装助成についてであります。
 子どもの貧困、子育て支援、住宅対策、特養ホームについては明日、清水議員が取り上げます。
 まず、一つ目は、生活保護制度についてです。
 実態に見合った法外援護を直ちに拡充することです。
 23区では、法外援護として、夏季健全育成費や学童服等、修学旅行支度金、入浴券などがありますが、豊島区は夏季健全育成費と学童服等の補助は2005年度から廃止、唯一残った入浴券も30枚に削り、母子世帯には60枚まで戻したものの、それ以外は一切戻そうとしません。
 区長は、なぜかたくなに法外援護を拡充しようとしないのですか。
 過去最大規模の財政となり、財調基金の一部を取り崩せば直ちに拡充できます。お金の問題ではないのです。福祉の心が欠落しているのです。
 また、生活保護世帯と児童扶養手当受給非課税世帯に対する奨学金制度があります。生活保護世帯に対する奨学金は、高校や高等専門学校の入学者は50000円、在学者には30000円が支給されます。この金額は15年以上変わっていません。1993年から1999年までは入学8万5000円、在学者6万円を出していたこともありましたが、2000年から大幅に削減されたままなのです。
 財政難を口実にけずってきたのですから、来年度には、復活させ、予算化を求めます。それぞれについて具体的に答弁ください。
 生活保護制度の問題としてもう1点は住宅についてです。生活保護者の住宅扶助は東京ではその基準額が改定され、単身では53700円が上限です。また、二人世帯では64000円、3〜5人世帯では69800円となっています。
 豊島区の見解では入浴代は生活扶助に含まれているとの見解から法外援護の入浴券支給の拡充を拒んでいます。しかし、区内で浴室のある住宅を扶助内で見つけることは本当に大変です。あっても老朽化したアパートであり、オーナーが生活保護受給者を拒むなどで不動産屋を回ってもなかなか見つからないのです。とくに高齢者の場合は、一階の居室もしくはエレベーターのある居室を探すようにケースワーカーは指導しています。私も近くの不動産屋を何件か一緒に探したこともあるのですが、条件に見合う住居を探すのは大変です。
 そもそも本区のような都心区の場合、住宅扶助の基準額が低すぎるのです。とくに立ち退きを迫られた場合、期日を決めて近くに転居先を確保するのは本当に大変で、「探せば見つかる」というだけではだめです。
 安倍政権が、住宅扶助の引き下げの見直しを強行し、ただでさえ低い扶助を2人世帯で、69800円から64000円の引き下げた際、わが党の渡辺議員が国に撤回と合わせ、区独自の法外援護を求めました。副区長は、見直しは地域実態や物価動向に反映した合理的なものとのべ、撤回も区独自の補助する考えはないと答弁しました。
 そこで質問です。「実態に見合わない」といくら指摘しても区は合理的なものといいます。
 そういうのであれば、生活保護世帯であっても、人権を保障した居住水準を満たす浴室のある月額家賃53700円以内の単身用世帯住宅、同じく月額64000円以内の2人用世帯は区内に何戸存在するのか、その住宅は生活保護者が入居できる保証はあるのかお答えいただきたい。
 そのうえで、改めて都心区にふさわしい住宅扶助の基準額の引き上げを国に求めるべきです。また、区独自にその差額を法外援護で補うことも考えるべきです。
 また、立ち退きの要件でなくても身体機能の低下で一階の居室が望ましい高齢者や障害者などの生活保護者のための「安心住まい住宅」を確保すべきですがいかかでしょうか。

 2つ目に商工支援についてです。
 区内の商店街は、シャッターどおり商店街となっています。規制緩和により、大手のデパートや大型大量家電店の進出によりこうした大型店舗の売り上げが区内の七割を占めています。その他の街の商店街の売り上げはわずか三割ですから、事態は深刻です。
 大型店舗では、時間も深夜まで営業し、販売品目も何でもありという緩和条件では街の商店はたまりません。イベント支援や、商品券も消費にはつながるが地元商店街には回ってこない実態です。お手上げという状況です。
 そこにきて、さらに特定整備路線は、区内の有数商店街を分断させることになります。駒込、下板橋、椎名町などは、区内でも貴重な商店街を形成している街ですが、道路ができると商店街は分断され、大きな打撃を受けることになりますが、区長はこの道路整備を快挙と言って推進しています。
 先般開かれた副都心委員会では、外国の企業の誘致を積極的にすすめることや池袋副都心のビジョンについて説明がありました。
 区長は世界から注目され名前をあげるために人を呼び込む街づくりをすすめることに異常なほど熱をあげています。区長のすすめる街づくりは、商店街を守るどころか廃業に追い込むことになってしまうではありませんか。
 そこで質問です。
 あなたのすすめる街づくりが、今後区内商店街の発展につながることになるのでしょうか。池袋の名前をあげるために外国企業を誘致し、仕事をしてもらうことによって区内の中小業者に、商店にプラスをもたらす効果をお示しください。
 私は、いま区がやることは、生き残りをかけて必死に頑張っている商店を守るために区ができる支援を抜本的に拡充し、大型店舗について独自の規制を行うなどの対策、進んだ自治体の商店街支援策も取入れ、豊島区の商店が生き残れる対策をすすめるべきです。
 あわせて今後、区の商店街をどう発展させ、将来豊島区の商店街形成をどうしようとしているのか区長の見解を伺います。

 3つ目は、公園、公衆便所の清掃、改修改築についてです。
 次に住み続けられるまちづくりとして、公園も含めたトイレの維持管理についてです。
 区は、女性に優しい街づくり、人を呼ぶ街づくりといって池袋を中心にした街づくりを進め、区民センターには、女性のトイレを35も作るといいます。
 ところが、豊島区の公園も含めた公衆トイレは、清掃の行き届いたところも一部にはありますが、全区的には、老朽化、汚れがひどい、入る気がしないというのが率直な区民の声です。トイレを整備しても、それを常に気持ちよく清掃が行き届いた状態にたもたなければ意味がありません。
 わが党は、区内のトイレの調査も行い、事例として朝日公園の実態を上げ、清掃の不備を指摘しました。ごみが投げ捨てられ、流せる状況にもなく、それが一週間たっても改善されていませんでした。清掃業者に委託したまま、区はその実情もつかんでいませんでした。委託業者任せになっていてはだめということです。
 そこで質問です。
 まず区内の公園・児童遊園を含めた公衆便所については、総点検を行い、早期に時期を定めた抜本的な改修計画を立て、直ちに改築、改修を行うことを求めます。そのために公園緑地課任せにせず、全庁挙げたプロジェクトを立ち上げるよう提案します。区長の答弁を願います。
 次に公園・児童遊園の清掃についてです。
 来街者を呼ぶ街づくりを区長は池袋を中心にすすめていますが、周りがピカピカでも中身がひどくてはダメということはトイレでも述べましたが、訪れる公園が汚いのではその街の品格が下がります。
 海外でも有名な公園ほど清掃が行き届いているものです。公園の清掃のあり方についても委託業者任せにせず、総点検し、常に清掃の行き届いた憩える公園となるようにしていただきたいのです。お答えください。

 4つ目に私道舗装助成の拡充についてです。
 決算審査でも取り上げましたが、私道舗装の執行率が20%にとどまっています。昨年度は、助成率を上げて予算を増やしたものの、実績が上がっていないのです。理事者はこれを認め「助成率について検討する」といいましたが、かつてのように全額助成すべきと求めると「100%にはしない」と拒否しました。
 他区では、100%助成している区もあるのに拒否するのは、削ったものを戻すことはしないと意地になっているのではありませんか。
 この事業がなかなか利用できない理由の一つは、共有となっている場合ただでさえ、近隣関係が難しくなっているときに、お金の負担があればますます合意が得にくくなるからです。実績をあげるうえでも来年度から直ちに助成率を100%に戻すことを改めて求めます。答弁願います。

 最後にその他として、職員定数について取り上げます。
 最近、職員ミスの発覚が議会にも多く報告されています。人間が行う仕事ですから、ミスはないのに越したことはありません。ましてや区行政が行うことで、区民に迷惑をかけることはあってはならないことは言うまでもないことです。
 わが党は、決算委員会で、税務課の入力ミス及び職員のチェックが不十分だったこと、生活保護の受給者が区民税の減免申請をしたことに対し、「減免申請を出した前の分は払わなくてもいいが、後の分は払ってほしい」と言われた事例をとりあげました。
 区は、原因について、チェックが不十分とか、引継ぎがうまくいかなかった、入力ミスといろいろと原因をあげ、二度とこういう事態を招かないようにするといいます。
 ところが、また、別の部署でもミスが発覚する、これはまさに構造的な問題といわざるを得ません。
 税金関係は、制度が複雑でわかりにくいし、国民健康保険や介護保険、各種補助金さらには生活保護など様々な制度にかかわりがあります。税務課では残業が多く、月45時間を超える職員数が2012年度は83人、13年度は48人、14年度は39名、そして15年度は70名にもなっています。そもそも人手がたりないのです。
 国民健康保険課のミスについての区の分析では、若手の職員が多くなり、中堅がすくなく経験やスキルの継承が困難になっているとのことでした。豊島区は、この間の職員の削減方針のもと、職員の採用を減らし、民間委託をすすめ、増えた仕事や足りない分は非常勤や派遣社員で補ってきました。そのことで結局、スキルが保てなくなっているのです。
 ところが今年4月に策定された第7次豊島区定員管理計画では、今後も職員は採用するものの退職者分を補うほどではなく、職員数は2016年に1971名なのが2026年には1800名にするとしています。定数管理計画に基づく職員削減は間違っているのではありませんか。ミスを根絶するために職員数の不足という根本に踏み込んだ見直しを求めます。

 以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。