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区議会質問
 
2015年第3回定例会
小林ひろみ議員の一般質問
2015年9月28日

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して「国の悪政と対決し、区民の権利を守る区政に転換せよ」と題し、次の5点について質問します。
第1に 生活保護行政について
第二に 個人情報保護とマイナンバーについて
第三に 少人数学級について
第四に 保育園待機児童の解消について
第五に まちづくりと防災について
 であります。

 総務省が8月26日発表した7月の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は28万471円となり物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.2%減少、マイナスは2か月連続となりました。
 また7月の全国の有効求人倍率は、0.02ポイント上昇の1.21倍となり2か月ぶりに改善、完全失業率も前月比0.1ポイント低下の3.3%となり3か月ぶりに改善したものの、一方で非正規の職員・従業員数は前年同月比17万人増の1956万人となりました。
 安倍政権は財政支出と金融緩和、「規制緩和」など3本柱の経済政策「アベノミクス」に取り組み、円安による企業収益の回復と株高を景気回復の牽引車と位置付けてきましたが、実態経済はよくなっていません。今国会で生涯派遣の労働者をふやす労働者派遣法改悪を強行、6月に閣議決定した骨太方針などでさらなる社会保障の削減を狙っています。生活保護も増え続け、ワーキングプアもなくならない、アベノミクスはただちにやめるべきです。

 第一に生活保護行政について、質問します。
 安倍政権になって生活保護の削減が情け容赦なく行われています。生活扶助費の引き下げは、3年間で1世帯当たり平均6.5パーセント、最大10パーセントで、これまで総額670億円に上ります。区の負担分は、見込みでは3億8千万円程度へっているというのが予算委員会の答弁でした。
 さらに今年度は7月から住宅扶助が引き下げられ、11月からは冬季加算も引き下げです。
 住宅扶助は、東京の場合、二人世帯は上限が69800円だったものが64000円に大幅引き下げとなりました。7月以降新たに受給した2人世帯は、家賃が64000円を超える分は自己負担となっています。
 第二回定例会の一般質問でわが党議員が、住宅扶助の引き下げについて国に対し撤回を求めたところ、区は、住宅補助上限額が減額となる場合などは経過措置がある、見直しは地域実態や物価動向を反映した合理的なものと考えられるから、国に撤回を求めない、などとしました。
 しかしわが党に寄せられた相談では、これまで生活保護を受給していた方で4月に転居しようとしていた方が、64000円までと言われ、影響を受けています。
 高齢者Aさん夫婦は、立ち退きを迫られ4月初めにケースワーカーに相談し「69800円以内で探してください」と言われました。ようやく物件をみつけていくと「上限は64000円になったから」と別の物件を探すように言われました。障害者Bさん夫婦は1Kで約19u、家賃49000円のアパートに住んでいます。 2階で危ないのと一部屋では狭いので、今年初めに転居の許可が出て物件を探し始めました。4月になってようやく練馬区の物件が69800円で見つかり、連休明けに引っ越すつもりで話を進めていました。ところが15日過ぎに突然、区役所から「64000円まで」と連絡が来て、転居をあきらめざるを得ませんでした。「今後、物件がみつかるかどうかわからない。もう探す気力もない」とがっくりしていました。6月の区民厚生委員会では、住宅扶助について理事者も現場が混乱したと認めています。相次ぐ制度改悪への対応や、多数のケースを抱えている職員も大変なことは理解できますが、だからといって区民にしわよせすることがあってはなりません。
 そこで質問します。
 住宅扶助は7月からの引き下げですから、少なくとも4月から6月まではこれまでの条件で転居ができたはずです。このような事例では特別基準を認め、救済すべきですが、いかがですか。

 次に住宅面積基準についてです。国は、住生活基本法に基づく住生活基本計画(2011年3月15日閣議決定)で、「最低居住面積水準」をきめました。一人世帯で25u、2人以上の世帯では10u×世帯人数+10uです。二人世帯なら30uということになります。
 これまでも生活保護世帯の居住面積は低く、厚生労働省の通知でも、最低居住面積水準を満たす等、適切な住宅の確保を図る仕組みづくりに努めること」とあります。生活保護だから劣悪な要件でいいということはなく、最低居住水準を満たした住宅に住む権利があります。ところが、今度の切り下げでは保障することになっていません。
 一人世帯について、床面積別に基準額が設定されました。
 床面積が15u超は53700円、11〜15uは48000円、7〜10uは43000円、6u以下は38000円となりました。貧困ビジネス対策、つまり劣悪な状況で高い家賃を徴取しているのをふせぐという理由ですが、これでは根本解決になりません。
 そこで質問します。一人世帯について床面積基準で家賃減額をするのでなく、そのような劣悪な住宅にいる受給者には、援助して人間らしく住める住宅への転居を促進するのが自治体の役割です。答弁ください。

 生活保護行政の最後の質問は実態に見合った住宅扶助とすることについてです。ただでさえ豊島区は家賃が高いのです。アパート取り壊しで転居を求められた79歳の方は「ようやくみつけた5万3700円の物件は、若者むけのワンルーム、ベッドはロフトでとても上がれない、その上大家に年寄りはだめ、と断られた」、と泣いていました。また、二人世帯なら、夫婦や親子であってもせめて二部屋ほしい、というのは当然です。これまでも、二部屋あって69800円、生活保護でも借りられるという物件を見つけるのは大変苦労していました。また、高齢者が増えたためか、最近は1階の物件は少ないと、不動産業者も言っています。
 そこで質問します。
 区長は、「見直しは地域実態や物価動向を反映した合理的なものと考えられる」と答弁しましたが、そんなことはありません。例えば、二人世帯の場合、豊島区内に64000円で二部屋、30u以上という物件があるのか疑問です。いかがですか。あるというならその住宅を区があっせんすべきです。答弁ください。また、積極的に特別基準を適用していくべきです。いかがですか。
 これまでのべてきたように、生活扶助を始めとしたこの間の生活保護の引き下げは、区民の生活実態を無視した「削減ありき」のやり方です。住宅扶助や冬季加算の見直しを検討した生活保護基準部会では、引下げの結論は出していないのに、厚労省は引き下げに都合のよい一般低所得者の家賃や水光熱費との比較や物価の動きを利用しています。今回の住宅扶助削減は豊島区の実態にあっているとは到底言えません。あらためて、国に撤回を求めるべきです。いかがですか。

 第2に個人情報保護とマイナンバーについて伺います。
 6月の年金情報の流出や昨年のベネッセの情報流出、最近も堺市での職員による情報持ち出しなど、個人情報の保護が大きな問題となっています。9月11日には、豊島区が業務委託をしている高齢者や障害者のおむつ支給事業について、契約で禁止されている再委託、再々委託が繰り返され、支給対象者の個人情報が流出、業者からダイレクトメール送付という流用が行われたことが明らかになりました。豊島区は、「受託事業者に対し、厳正な対応をしていくとともに、再委託に関するチェックの強化等、再発防止に向け、全庁的に取り組んでまいります」とのコメントを出していますが、多くの個人情報を扱う行政の個人情報管理責任が問われています。
 安倍政権は、まだ施行されてもいない「マイナンバー(社会保障・税番号)」制度について、番号の利用範囲を金融・医療に拡大する改定法を9月3日成立させました。
 マイナンバー制度は行政側からすれば、国民の所得、社会保障給付の状況を効率よく把握できる半面、国民にとっては、分散していた個人情報の収集を容易にするもので、ひとたび外部に漏れ出せば、悪用され、個人のプライバシーが侵害される危険は飛躍的に大きくなります。今後従業員や家族のマイナンバーを集め、罰則付きで厳格に管理することが求められている民間企業、中でも中小企業は業務の煩雑さや出費の重さなどに頭を抱えている状況です。
 来年1月から希望者に交付される「個人番号カード」には、住所、氏名、性別、顔写真などに加え他人に見せてはならないマイナンバーが記載され、これを持ち歩くことは、個人情報の保護にとってマイナスだという指摘が上がっています。ところが政府はこの普及率をあげるため、国家公務員について身分証明書にして取得を義務化しただけでなく、「企業や団体が一括で申請し、職員が職場でカードを受け取れるようする」とか、はては、17年4月から消費税10%にしたときに食料品に「軽減税率」を適用し、年間4000円限度で還付するために、番号カードを使うという提案までしました。さすがに税金還付に番号カードを使うことはやめるようですが、そもそも消費税を10%にしなければいい、消費不況なのに消費税を引き上げることが間違っているのです。
 これまでマイナンバーの整備費は3000億円とも言われていましたが、さらに増えるようです。また、国の負担でやるといっていたのに、豊島区もシステム改修費などの持ち出しがでていることは、予算委員会などでも指摘してきたところです。10月5日マイナンバー法施行を目前にした現在、大きく三点について質問します。
 質問の一点目は個人情報の取り扱いについてです。
 DV被害者や一人暮らしで長期間病院や介護施設にいる人や東日本大震災の被災者で住所地以外に避難している方は、9月25日までに住所地の自治体に届け出ることで、居所に通知カードが発送されることになりました。豊島区は、一人暮らしで長期間入所施設にいる方に対し入所施設宛に「案内チラシと申請書、返信用封筒」を送付するため、介護保険課や生活福祉課などがもっている施設入所者の情報を、総合窓口課で名寄せをし、1382件発送をしました。これは「個人情報の目的外利用」にあたるため、個人情報審議会に事前に諮問すべきだったが、事務処理に緊急を要し、諮問する時間的余裕がなかったので諮問をしないまま実施をしたと、9月8日の審議会で報告されたのであります。
 個人情報保護条例では、「目的外利用」については原則禁止し、例外として、人の生命、身体、健康、生活、または財産を保護するため、緊急かつやむを得ないと認められるときや、審議会の意見を聞いて公益上特に必要があると認めるときなど5つの場合をあげています。今回高齢者に通知カードが届かなくても、個人番号が無効になるとか社会保障のサービスが受けられなくなるというわけではありません。命の危険があるわけでもありません。また条例には「事務手続きに緊急を要し諮問する時間がない」ので諮問せず目的外利用ができるとは書いてないのであります。
 そこで質問します。
 個人情報保護条例に違反し、定められた手続きを踏まないとは、条例の軽視、審議会無視も甚だしい、審議会の存在意義がなくなってしまいます。諮問せずに「目的外利用」をしてしまった条例違反の事実を取り消すことはできません。区長は、どう責任をとるのか、お答えください。

 二点目は、具体的な作業についてです。10月5日から、通知カードが簡易書留で発送されます。「保管期間経過」や「受取人が居住していない」など様々な理由で受け取られなかった通知カードは豊島区に返戻されます。
 豊島区は返戻される通知カードは最大で4万通と予想、1月からの番号カードの交付は2万通と見込んでいます。戻ってきた通知カードの入力処理、居住実態調査、番号カードの交付は法令で委託が禁止されることなどから、総合窓口課、東西区民事務所の臨時職員等で行うことにしています。東西事務所に配置される臨時職員は6人だそうです。これで本当に4万通とか2万通に対応できるのでしょうか。
 そこで質問します。このような体制で通知カードや番号カードの事務などの増加に対応できないはずです。また、もれてはならないマイナンバーに関する情報などを取り扱うのです。本来正規職員で対応すべきです。答弁ください。

 三点目の質問になります。7月30日の個人情報保護審議会で、マイナンバーについての問い合わせ業務をコールセンターに委託すること、個人番号カード交付関連業務を委託することについて諮問がありました。区民委員から「マイナンバーのことは知られていない」とか、「入力処理など重要な個人情報をアルバイトであつかうということか」「不安に感じる」との発言、「コールセンターについては、新庁舎でも混乱したのを見ると、的確な答えができるのかと疑問に思う」等の率直な意見が出されました。
 今年7月の総務省の調査では、「マイナンバー制度について、あなたが期待することはなんですか」との質問に、一番多い答えは「社会保障、税、災害対策に関する行政事務で添付書類が減るなど手続きが簡単になる」で38.7%となっています。今年1月の調査では同じ答えが51.4%でしたから大きく下がっています。逆に「特に期待することはない」が23.3%から31.2%に増えていることをみても、とても理解が得られているとは考えられません。
 そこで質問します。
 3月の予算委員会で、私が中止を求めると理事者は「今ここで豊島区だけが白旗を上げるつもりはない」などと言いましたが、「ほかがやっているのだから、やめられない」と進めることが正しいのか、勇気をもって「このままでは間違いが起こる」として中止を求めるのが正しいのか、結論は明白です。
 国民の支持や理解が広がらないこの制度を急ぐ必要はなく、延期しても国民になんの不利益もありません。地方自治体や企業の対策も遅れている状態で厳重な保管が必要な番号の通知を始めることは個人情報を危険にさらします。国に対し、マイナンバーの実施中止の決断を求めることが必要です。いかがですか。

 第三に、少人数学級について質問します。
 少人数学級は、保護者、教育関係者、国民の長年にわたる教育要求です。
 現在は、小学校1、2年生、中学校1年生は35人学級になっています。これまでも毎年4月の児童数が何人になるかは学校現場にとつては大きな関心事でした。特に小学校3年生以上で40人とから80人だと、「あと一人転校してこないか」と、気をもむ場面もあります。資料によりますと、今年度豊島区ではぎりぎり40人で一クラスになった学校が4校あります。ある小学校は、3年生が80人で2クラス(1クラス40人)となりましたが、昨年2年生のときには77人で3クラス(23人)だったので、激変したことになります。35人学級が実施されていれば、これらの学校とさらに多くの学校が二クラスまたは三クラスになっていたはずです。クラス数が増えれば担任の数も増える、学校全体の運営にとっても有意義です。
 少人数学級については、2011年3月、義務教育標準法改正で35人学級は全会一致で法律にもりこまれました。小学校1年を35人学級にし、附則で小学校2年以降も順次改定を検討・実施すると定めたのです。ところが安倍政権となり、財務省によって2013年も14年も35人学級への動きが止められました。そればかりか2015年度予算編成では、「小学校1年も40人学級に戻せ」「教員をもっと減らせ」(財政制度等審議会)という議論が政府内でおき、文部科学省も35人学級推進の概算要求すら見送るという異常な事態におちいったのです。これにたいして、学校、教師、保護者ら国民の大きな反対世論が沸き起こり、15年度は40人学級にもどることはありませんでした。
 安倍首相は今年2月少人数学級の推進を国会で答弁しましたが、8月の概算要求では、35人学級の推進は盛り込まれませんでした。許せません。
 教育長は、昨年第三回定例会の我が党儀武議員の「全学年に35人学級を」との質問に、全国教育長会及び特別区教育長会では、法改正などを強く要望している、などと、他人事のように答えています。また、教育支援員や部活動外部指導員、中学校補習支援チューターなど外部人材の活用やスクールカウンセラーの全校配置やスクールソーシャルワーカーの派遣などで充実させていると答えています。しかしこれらは、臨時や非常勤という不安定な身分です。たとえば、教育支援員は、支援が必要な児童・生徒のいる学校に配置されるというもので、時給1030円です。周辺区をみますと、板橋区では、「学習指導講師 小中学校に各2名ずつ1日5時間45分で日額10000円」、北区は「学力パワーアップ非常勤講師、時給2500円」、文京区「特別教育支援担当員 時給1920円」、新宿区「学習指導支援員 週30時間 月額22万円程度(時給1800円程度)などがあり、いずれも豊島区より高い報酬です。豊島区の、教育に人に、お金をかけようとしない姿勢が露骨に出ています。私は2008年10月の決算委員会で教育支援員の時給が1030円であり低すぎることを指摘しました。さすがに問題だと思ったのか、当時の教育長は教育委員会だけではできないとしつつ「研究していきたい」と、また、経営部長は、「いろいろ検討したい」と言っていました。
 そこで質問します。
 まず、来年度に35人学級を早急に進めるよう、国に求めるべきです。答弁ください。
 また、区独自に実施している職員の雇用条件は低すぎます。教育支援員の待遇改善、時給引き上げやあるいは非常勤化などすべきです。また、区独自の少人数指導として、小学校・中学校とも授業を支援できる「講師」をおくべきです。いかがか、お答えください。

第4に保育園待機児童の解消について伺います。
 豊島区の今年四月の待機児童は209人、昨年より31人減ったとはいえまだまだ多いです。8月1日現在、待機児童数は225人に増えており、うちわけは0歳が126名、1歳が67名、2歳が20名、3歳児が7名、4・5歳は5名となっています。区は、この間小規模保育や認可保育園の増設をしてはいますが、入所希望者の増加に追いついていないということです。今議会には、認可保育園の増設を求める陳情も出されているように、認可保育園の増設は切実な要望です。増設するとともに、どれだけ「子どもの最善の利益」を保証する保育をすることができるかも重要です。一人一人を健やかに育てる環境を作る責任が豊島区にはあります。
 国は子ども子育て支援新制度で、小規模保育など0、1、2歳児の保育施設を作ることで待機児解消を進めようとしています。また3歳児以上は認定こども園を増やすとかです。しかし、保護者は3歳になったらいくところがあるのか、第二の「保活」をしなければならないのではないかと不安をもっています。
 区は、認可保育園との連携園とすることで解消しようとしています。しかし、保護者の多くが認可保育所を希望する理由は、0〜5歳児まで継続して受け入れてもらえることと100%保育士であり安心できるからです。子どもにとっても、「転園」によって仲良くなったお友達や保育士と別れて新しいところに行くことは大変なストレスなのです。認可保育園に入れるのは、比較的指数が高い子どもです。パートなど短時間就労で指数が低いから、小規模保育の方が入りやすいのではと選んでいる人がいます。また、早生まれで4月入所の申し込みができなかった子どもたちも待機児童になっています。子どもが「大人の事情」であちこち転園する、というのは「子どもの最善の利益」とは言えません。区内のどの子も等しく保育サービスを受けられるようにすべきです。
 そこで、質問します。保育は「預かる」だけでなく、子どもを健やかに成長させる、ということが大事です。また、4月の待機児をゼロにすることは当然ですが、いつでも希望すれば認可保育園に入れる、とすることが必要なのです。そのためにも、0歳から5歳まで続けて安心して預けられる認可保育園の増設を優先すべきです。いかがですか。

 次に保育の質を向上させることについてです。
 乳幼児期の外遊びの重要性が注目されています。スウェーデンの調査では、外遊びをしている子どもたちは運動能力が高くて情緒も安定するそうです。最近できた保育園でも千川小学校跡地の保育園や今度できる池袋本町の保育園のように、すぐ隣が「公園」やひろばとなっていても、園庭を整備するなど努力しているところもあります。これまで、わが党は園庭のある保育園を整備すべきと言ってきました。これに対し区は、「園庭は認可基準上、必ずしも専用のものでなくてもかまわないとされている」などと答弁していますが、園庭がない園と園庭がある園と、どちらが子どもが日常的に戸外で遊べるかは明らかです。
 そこで、質問します。
 子どもの最善の利益を保証する観点からは、園庭がない保育園にそれが持てるように区が支援すべきです。いかがですか。豊島区公共施設等総合管理計画(素案)では、「その他の未利用施設」が、7ヵ所があげられ、旧高松第一保育園跡地は、「今後に明確な利用予定がないため、売却や定期借地」などの資産活用をはかる、となっています。このような区有地があるではありませんか。高松第一保育園跡地など区有地も使い、区立で園庭のある認可保育園を増設すべきです。答弁を求めます。

第5に、まちづくりと防災についてです。
 東京都は「木密地域解消」をかかげ不燃化10年プロジェクトをすすめています。特定整備路線については、今年1月に、補助73号82号、補助172号、補助81号について国土交通省の事業認可が行われました。補助26号は昨年事業認可されており、区内7路線、都内28路線のすべての事業が認可されたことになります。
 不燃化10年プロジェクトでは道路だけでなく、「まちづくり」も合わせて進められています。こちらは区の仕事です。
 昨年11、12月、今年3月、そして6、7月に「まちづくりルール(地区計画等)」についての説明会が開かれてきました。回を追うごとに、参加者が減ってきています。
 15日の副都心委員会で、4地区について「地区計画」素案に対するアンケートが報告されました。回答数のすくなさが目立ちます。たとえば池袋本町は267通、上池袋は167通の計434通の回答です。2013年(平成25年)11月に行ったアンケートは計3540通の回答で17.6%あったのが、今回は2.1%です。また、回答書の中には、意見を書いたものよりも何も書かずに回答してきた数の方が多いというのも異常です。
 そこで質問します。街づくりには住民参加、住民合意が必要だと考えます。いかがですか。それにしては意見書の回収率が悪すぎます、これでは本当に区民参加でまちづくりをしているとは言えないではありませんか。区の見解を求めます。

 次に、まちづくりについての区の対応について質問します。
今年3月に特区定整備路線の用地買収のための説明会が行われました。私が参加した73号82号の説明会では、「最初の説明会から2年たったが代替地は見つかったのか」との質問に「一つもない」と東京都が答え、住み続けたいという住民の願いに、またこの先どうなるのだろうという不安に全く応えようとしていない姿勢が明らかになりました。ある方は「高齢者を無理やり引っ越しさせないでほしい」と懇願したのであります。
 さらに、「戦後すぐ1946年に決まったことと言われてきたが、東京都に保存しておくべき原簿も原図もないとのこと、おかしいのではないか」との質問がだされました。手続きに瑕疵があったということです。また東京都は「道路は防災のため」と説明してきましたが、「道路だけでは防災にならない」と認めています。事業認可申請には、決まり文句の「防災」「交通の円滑化」「安全、快適な歩行空間」が整備の理由として書かれていますが、とんでもありません。当初から鉄道とは立体交差、掘割で作る、踏切はなくすといってきましたし、歩行者や自転車はバリアフリーにするはずですが、今回の事業認可では立体交差でなく、平面交差のままの図面が添付されています。これでは開かずの踏切解消とはなりません。さらに、自転車道がなかったり、右折レーンがなかったり、交通の円滑化とか快適な歩行空間とはとても言えないものです。こんないいかげんな事業計画で認可をした国土交通省は無責任であります。
 この70年多くの人が生活し街を作ってきたことを無視して戦災復興の計画をそのまま当てはめ、わずか7年で道路を作るとか、2年で地区計画を作るとかいうのが、間違いです。
 また住民の方にきいてみると、立ち退きになる人にとっては「関係ない」、また周辺の人も「道路を作ることを前提にした街づくりは嫌だ」とか「どうせ意見を言ってもかわらない」との声があがります。「地区計画素案」のアンケートには、道路を作ることについて、あるいは道路に関する質問や不安がたくさん出ていますが、区の見解は「都市計画事業の施行者である東京都にお伝えします」というものです。
 そこで質問します。
 この間の道路の東京都の進め方、区の街づくり計画のやり方が、あまりにも性急すぎ、東京都の態度がかたくなであることが、区民の関心をそいでいるのです。道路の問題についても生活の問題についても東京都まかせにせず、区も一緒に取り組むべきです。いかがか答弁ください。

 3つ目に防災対策について伺います。ここ2年間で特定整備路線として新たに事業認可された6路線の事業費総額は、645億円と見込まれています。こんな莫大な税金をつかうよりも、耐震補強、不燃化補助そして、感震ブレーカーの設置補助こそ先に進めるべきです。
 民間の調査では、木造耐震補強については、2000年の新たな耐震基準が施行される前の建物については、いわゆる新耐震(1982年以降)であっても問題があるものあると報道されました。現在は、豊島区は旧耐震に補助する制度になっています。また感震ブレーカーについては、豊島区の都市計画審議会会長の中林教授も大変高く評価していました。区は第二回定例会の一般質問に「有用性、普及の重要性は認識している」と答えつつ、結局「今後をみすえ検討していく」と、やる気が全然感じられない答弁です。とりあえず1台あたり5,000円程度の補助で年間わずか200万円の予算があれば400世帯に設置できます。
 そこで質問します。感震ブレーカーについて改めて、なぜ、実施にふみきらないのか、早期実施を求めます。
 また、木造住宅の耐震補強について、対象も広げ内容も充実し、さらに進めるべきです。
 答弁願います。


 以上で質問をおわります。ご清聴ありがとうございました。