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区議会質問
 
2015年第2回定例会
渡辺くみ子議員の一般質問
2015年6月23日

 私は日本共産党豊島区議団を代表し、「いのちを守り暮らしを支える区政に転換せよ」と題して、つぎの4点について一般質問します。
第一に区長の平和に対する政治姿勢について
第二に区長の区政に臨む基本姿勢について
第三に区民のいのちと暮らしを守る施策の拡充について
第四に低所得者のすまいについて
 です。区長の明快な答弁を求めます。

 4月26日に投開票された区議会議員選挙は定数36人に対し、55人が立候補するという多数激戦の選挙となりました。日本共産党は河野たえ子前区議の後を受けた清水みちこ区議候補をはじめ6名全員が当選しました。区長選ではしまだ紀子さんを推薦、善戦健闘しました。            
 今回の選挙戦は、安倍政権による「戦争をしない国から戦争をする国へ」とする日本の重大な針路が問われるもとでの戦いでした。また区政の問題でも開発優先か、区民の暮らし・福祉優先かが問われるものでした。
 わが党は、戦争法案反対を真正面から訴え、区政では大型開発優先から、区民の暮らし・福祉第1に転換をと訴え、6つのくらし応援の緊急提案を行い、区民要求実現を訴えてきました。その結果、区議選では得票数・率とも伸ばし、このことは安倍暴走政治への不安と怒り、そして区政の問題でも区民の暮らし優先の提案に共感を大きく得られたものと思います。これからも全力で頑張る決意です。

 さて改選後初めての定例会ですので、区長の政治姿勢についてまず伺います。
 第一に区長の平和に対する政治姿勢についてです。
 安倍自公政権は戦後日本の国のあり方を根本から転換する安全保障法制の「法整備」として、「国際平和支援法案」「平和安全法整備法案」を5月14日閣議決定し、5月26日から本格的な論戦が始まりました。しかし憲法9条に違憲であることが明確になった今、全国各地域で法案成立に反対の声が大きく広がっています。
 わが党の志位和夫委員長は国会論戦で、安倍政権が法案に銘打った「平和安全」の名とはまったく逆に、その正体は憲法9条を破壊するものであり、3つの大問題があることを明らかにしました。第1は、米国が世界のどこであれ戦争に乗り出した際、自衛隊がこれまで「戦闘地域」としてきた場所にまで行って兵站を行うという事、第2は国連が統括しない活動にも自衛隊が参加し、形式上「停戦合意」があるがなお戦乱が続く地域で治安維持活動などを行い、武器の使用も大幅に拡大すること。第3に日本がどこからも武力攻撃を受けていないのに、集団的自衛権を発動して米国の戦争に参戦する、すなわち自衛隊が海外で武力を行使することです。まさに日本の若者が海外の戦争で「殺し殺される」状況になるという事です。
 6月4日に行われた衆議院憲法審査会では自民党推薦の憲法学者を含め3人の憲法学者全員が「違憲」と断じました。しかし安倍首相は「違憲ではない」と言い続けています。
 今、多くの憲法学者、学識者が違憲の声をあげています。また自民党の重鎮だった野中、古賀両氏はテレビ番組で、安倍首相の発言に、「戦争できる国」づくりに「死んでも死に切れない」「恐ろしい国になっている」と厳しい言葉を連ねています。さらに元自民党の幹部の山崎、亀井、藤井、武村氏らも反対を表明、自民党の現職議員も反対を表明するなど自民党内部からも批判の声があがっています。ところが昨日、安倍自公政権は今国会の会期を95日間も延長することをまたもや強行しました。
 しかし直近に行われた朝日新聞世論調査では、法案賛成「29%」に対し「反対」は53%、今国会で成立させる「必要はない」は「65%」を占めています。この間の様々なマスコミの世論調査でも、今国会での「戦争法案」成立に反対の声は8割を超えているのです。
 さて豊島区は23区で最初に非核都市宣言を行い、隔年で広島、長崎の平和式典に代表議員を派遣しています。区内では、区民が毎年、城北大空襲犠牲者の追悼会、「4,13根津山小さな追悼会」を開き、今年は21回目を迎えました。私も当初から参加していますが、今年は雨にもかかわらず多くの高齢の方が献花をしていました。さらに会では「戦争の悲劇を風化させてはならない」と体験集も出版しています。区長も「哀悼の意を表しました。」とHPに記しています。また昨年の豊島区戦没者追悼式では遺児代表の方が「70歳を過ぎました。これからも平和憲法を守り、平和を守ります」と述べていました。この様な様々な平和への活動は「戦争は二度としてはならない」という区民の強い思いの表れではないでしょうか。 
 しかし、区長は昨年の三定でのわが党、儀武議員が「集団的自衛権の行使容認の閣議決定に反対を表明し、撤回を求めるべき」と質したのに際し、「時代とともに、世界の情勢は急激に・・変化をしている。集団的自衛権の行使容認の閣議決定に反対を表明し、撤回を求める考えはない」、「今後国民的議論の中で、改めて考える」と答弁しました。
 そこで質問します。
 日本は戦後70年間、不戦を守り続けてきました。これは日本に憲法9条があるからです。しかし今、戦争法案の成立を許せば、日本の若者が、そして私たちの子どもたちが、孫たちが戦争の脅威にさらされることになります。絶対に認めることはできません。
 区長はこれまで憲法を遵守する立場を表明してきました。違憲立法であることが明確な「戦争法案」すなわち「国際平和支援法案」「平和安全法整備法案」にきっぱりと反対を表明し撤回を求めるべきです。答弁ください。

 第二に区長の区政に臨む基本姿勢について質問します。
 まず区民が置かれている今の生活実態の認識についてです。
 厚生労働省の毎月勤労統計調査によると今年3月の統計でも年収200万円以下の「ワーキングプア」と言われる人達は8年連続1000万人を超えています。
 区民の生活も例外ではありません。2014年度の納税義務者の所得状況は課税標準額が200万円までの世帯が6割を占めており、また2014年3月末の国保加入世帯は区民の約4割で、その加入世帯の約8割が所得ゼロか、低所得となっています。
 ところが安倍自公政権は消費税の増税と社会保障の全面切り捨てを進め、区民からは「収入は減っているのに支払ばかりが増える」と悲鳴が上がっています。今こそこのような安倍暴走政治の防波堤になり、区民の生活によりそう区政が求められています。
 そこで質問します。
 区長はこのような区民の生活実態をどう認識し、その救済策について現在十分と考えているかどうか。また今後どう取り組もうとしているのか、その内容につて具体的に答弁ください。

 区政に臨む基本姿勢について二つ目の質問は財政運営についてです。
 庁舎跡地周辺整備計画についてです。
 庁舎跡地活用に関して、3月19日の全協で優先交渉権者が決定したと報告されました。2015年度末すなわち2016年3月に定期借地権設定契約を締結し実質76年間の地代分一括で191億円を受け取るということです。区長は翌日の記者会見で「191億円は新庁舎整備費141億円を大幅に上回る額・・」と発言し、いかにもうまくいっているように言っています。
 当初、区は50年の定期借地権で借地料25年間一括払いで、公会堂、区民センターを改修しても「10億円儲かる」「税金は一切使わない」「26年目から借地料が毎年9億円25年間入る」と言っていました。ところが現在では定期借地権期間を実質76年間に伸ばし、しかも「50年間の借地料401億円の収入」は191億円となんと半分以下となっているのです。さらに庁舎跡地周辺整備には今後114億円以上の区民の税金を投入するという事で、わが党は、191億円を捻出させるために、庁舎跡地周辺整備に114億円もの区民の税金を投入する、結局64億円の大赤字と指摘してきました。
 ところが6月19日の全協で、新ホールの買い取り価格を50億円から69億5000万円と20億円も増額すると説明しました。なんと庁舎跡地周辺整備費は134億円です。
3月19日からたった3か月しか経っていないのに20億円もの増額は、本当に区民無視の最たるものです。わが党は、このように整備費が際限なく上がることを当初から懸念し指摘してきたのです。
 そこで質問します。
 庁舎建設費141億円と今回出された庁舎跡地周辺整備の134億円を合わせれば275億円、191億円を引いても、84億円の大赤字なのであります。
 「税金は一切使わない」と次々区民を欺き、84億円もの税金を投入することについて、区長の責任は重大です。区民への説明責任も果たさず、大赤字の責任をどうとるのでしょうか。区民の貴重な税金の使い方をどう考えているのでしょうか。答弁を求めます。
 この間、舛添都知事も建設コスト高騰を理由にオリンピック会場の計画全体を見直すことを明らかにしています。本区においても建設コストが大きな問題となり、西部複合施設は凍結せざるを得なくなったではありませんか。しかも今回の新ホール建設費の大幅な増額です。こんなことをしていたら税金投入が際限なくされるという事です。
 わが党は当初から、豪華な新ホール計画は区民の要求からかけ離れていると計画の撤回と区民参加での見直しを求めてきました。最初は17億円としていた建設計画が50億円になり、55億円になり、今度は消費税を入れれば75億円です。我々が指摘してきたとおりまさに際限なく税金投入が推し進められているという事です。
 今なら計画の変更が可能です。新ホールの庁舎跡地整備計画は中止し見直すべきです。答弁ください。

 次に投資的経費についてです。
 区は予算概要で、今後多額の投資的経費がかかると強調しています。
 投資的経費の見通しは3年間しか出ていないため、わが党は5年間の投資的経費の見通しを求めました。これによると、この3年間で370億円、5年間でなんと914億円もの概算想定額となっています。この中では不燃化特区推進事業等の他、東池袋4,5丁目の市街地再開発事業なども含まれており、来年度は228億円、2017年度は246億円としています。しかし東西デッキや造幣局跡地の経費は含まれていません。
 さて、6月11日に開かれた副都心委員会で、区は新たに国の特定都市再生緊急整備地域等の指定を受けることが報告されました。この地域内にはすでに様々な開発行為や道路建設、木密地域の指定等が行われていますが、今回の地域指定は「公共貢献」の名のもとに民間企業への規制緩和や税制優遇などを柱に民間主導の開発行為を推し進めるものとなっています。
 そこで質問します。
 委員会では理事者は、乱開発はしないと繰り返していました。
 公共貢献を口実に民間主導の開発が際限なく拡大される可能性があり、財政的には
いかなる手法でも多額な税金の投入が懸念されます。理事者は、まだ決まっていない、不透明と繰り返していますが、6月16日には西武本社ビル跡地の起工式が行われており、東西デッキや造幣局跡地の建設が始まることは明らかで、ここには税金を投入するとしています。こういう状況のもとで、今後、区財政への影響は一切ないということを断言できるのでしょうか。答弁を求めます。

 次に大きな第三の質問、区民のいのちと暮らしを守る施策の拡充について質問します。
 冒頭にも述べましたが、私たちは今回の選挙戦で、区民アンケートに基づき、6つの緊急プランを提案してきました。これらは国保料、介護保険料、医療費負担の軽減、特養ホームや認可保育園の更なる増設、公営住宅の増設と家賃補助の拡充、中小企業や商店街応援のための制度の拡充、防災対策の一つとして感震ブレーカー設置補助の創設などです。そしてこれらすべてを実施しても総額22億円、今年度予算のわずか2%でできます。6月11日には区長申し入れもしましたが、早急に実施することを求め質問します。尚、子どもの医療費助成と公営住宅等の課題は明日清水みちこ議員が質問しますので、私は5点に絞り質問します。
 まず1点目は国保制度についてです。
 医療保険制度改革関連法案が5月27日、自民、公明、維新の賛成多数で強行可決されました。
 この法は昨年強行可決されたプログラム法により定められたものを、実施するうえでの具体的な法改正がなされたもので、医療費抑制と医療の産業化を強行的に推し進め、国民負担を大幅に増やすもので、国民皆保険制度を解体するものです。
 改悪の主なものは第1に国保制度の財政管理を都道府県に移管すること、すなわち広域化の導入、第2に後期高齢者医療保険料の「軽減特例」の廃止、第3に入院給食費を1食260円から460円に値上げ、第4に紹介状なしに大病院受診した場合の定額負担を5千円から1万円を設定する、第5に「患者申し出療養制度」の導入でこれは「混合診療」の全面解禁に道を開くものです。そのほか協会けんぽの国庫補助率下限の引き下げや国保組合の国庫補助の見直しで、まさに国民の医療を受ける権利を根こそぎ奪うものであります。
 まず国民健康保険制度の広域化についてです。
 都道府県が財政運営をするという国保の広域化の導入が決定されました。また医療費削減の仕組みづくりも合わせて進められることになり、都道府県による国保財政の管理、病床削減、給付費の総額管理の下で、区は都に分賦金を納め、都の「標準保険料率」の提示に基づき区で保険料を決めることになります。
 さて、今年度は保険料が大幅に引き上げられ、区民の負担増は5億9000万円となりました。これは「2018年度から広域化を実施するため」として、昨年度から高額療養費分の区の繰り入れの削減を開始し、削減分を保険料の賦課総額に加えた結果であります。今年度は繰入必要額の半分として5億円を削減、結局、広域化を理由に区の繰り入れ削減で、保険料が大幅に増えたという事です。
 この間の「高すぎる保険料」は国の負担金の削減にありますが、広域化は更なる区民負担を増やすという事です。しかも今回の法改正は医療の給付抑制まで行われることになります。すでにジェネリックの推進等が行われていますが、必要な医療が抑制されれば区民のいのちを守ることはできません。医療費抑制のために行政が一方的に区民の必要な医療を奪うことは許されないことです。
 そこで質問します。
 区民のいのちと医療を受ける権利を守るため、直ちに広域化の撤廃を国に申し入れるべきです。答弁を求めます。
 区長は昨年の一定での私の質問に、「プログラム法が成立したことにより」「国民健康保険のさらなる財政基盤の強化を図り」「財政上の構造的な問題を解決する」旨の答弁をしています。わが党は毎回区長に求めていますが、区長の言う区財政を圧迫するという「財政上の構造的な問題を解決する」には、広域化ではなく、国の負担金を増やすしかありません。国庫負担の増額を国に求めるべきです。答弁ください。
 次に国保料の引き下げについてです。
 私は、区民のいのちを守るために、保険料の引き下げは待ったなしと考えます。現在、国は保険者支援として1700億円の「保険者支援金」を創設し、本区では今年度5億7,000万円が交付されます。しかし区はこの支援金を区の一般財源に入れるとしているのです。
 そこで質問します。
 京都市などのように、国保料の引き下げに直ちに活用することを求めます。一人5,000円の引き下げでも4億3500万円で実施できます。答弁ください。

 国保問題の最後の質問は70歳から74歳の前期高齢者の医療費の1割負担の継続についてです。
 先ほども言いましたが、プログラム法では70歳から74歳の人たちに対し昨年から70歳になった人から段階的に医療費の窓口負担を1割から2割負担への導入を始めました。70歳からは統計的にも有病率は上がる年代です。しかし年金が削減される中、保険料の天引き等で実質収入は下がっている高齢者が多く、消費税の増税等厳しい生活を強いられています。こういう中で、受診抑制を目的とした今回の2割負担導入は許せないことです。
 そこで質問します。
 区の独自制度として2割負担を1割負担に減額する制度を創設すべきです。自己負担が少なければ軽いうちに受診し、疾患の早期発見、早期治療に結びつき、実質的に医療費の抑制につながります。2億円の助成で実現できます。ぜひ取り組むべきです。答弁ください。

 次に2点目の質問は介護保険制度についてです。
 初めに介護報酬についてです。介護報酬引き下げはすべての介護福祉施設への大きな痛手となっています。介護報酬2,6%の引き下げですが、実際は6%以上の引き下げとなり、施設規模により1億円以上の減収、5,000万円以上の減収、また赤字になる施設等深刻な状態が明らかになっています。多くの施設では事業内容の検討をしていますが、結局人件費の引き下げも行わざるを得ないのが実態です。これでは必要な介護を利用者に提供できないことは明らかです。
 そこで質問します。
 介護報酬の引き上げを区長としても国に求めるべきです。同時に保険料に跳ね返らないために特別の措置を講ずるよう合わせて求めてください。答弁を求めます。
 また区独自に施設に対する支援策を検討すべきです。答弁を求めます。

 次に保険料についてです。
 今期、保険料は大幅に引き上げられ、区民負担は8億円の増となりました。この間保険料への区独自の補助制度の創設を求めてきましたが区は「法律上できない」と拒否し続けています。たしかに厚生労働省が介護保険料に対する自治体の独自減免について「独自補てんはできない」などとする見解を自治体に通知していましたが、2002年、当時わが党の質問に厚労省は「自治体の主体性を尊重している」と答弁しています。また今年1月30日にわが党の機関紙赤旗の問い合わせに対し同省は「(独自減免は)法令上は禁止されていない」(介護保険計画課)と認めています。先にも言いましたが今、高齢者の生活は深刻です。
 そこで質問します。
 今期の保険料引き上げ分をもとに戻すべきです。8億円の負担は区独自の保険料減免制度を実施すべきです。合わせて答弁を求めます。

 次に、来年度から始められる、要支援が保険給付から外される問題です。
 介護予防活動は一定の成果が認められています。これは専門の職員が専門的に対応してきたからです。これらの成果を全く配慮せず、保険給付から外すことは本当に「ひどい」ことで、在宅を進める国の方針にも逆行するものです。
 地域支援事業については大幅な見直しが行われ、区は新たに創設される「介護予防・日常生活支援総合事業」と「包括的支援事業」「任意事業」の3事業で構成し、現在、要支援1から2の人は「介護予防・日常生活支援総合事業」として取り組むとしています。しかし地域保健福祉計画でも示されているように「行政サービスだけで地域の高齢者を支えていくのは困難」として地域の支えあいが強調されています。様々な地域の支えあいを否定するものではありませんが、「介護予防への専門家のかかわり」は継続すべきと考えます。この間の私の質問に、区は「専門的なサービスを必要とする人にはこれまでと同等のサービスを提供するため」「様々なサービスの担い手や提供方法を確保する」と答弁しています。
 そこで質問します。
「様々なサービスの担い手や提供方法を確保する」としていますが、在宅生活を持続するためにも要支援者への専門的な介護指導、援助について専門職のかかわりは不可欠です。体制の確保を求めます。答弁ください。

 介護保険の最後の質問は特養ホーム増設に関してです。
 第6期介護保険事業計画では特養ホームは今年度の2か所増設以外の計画はありません。入所者の見込み数も3年間978人です。しかし区民からの深刻な入所相談は次々と起きており、3月末現在で待機者は306人、Aランクは102人となっています。4月、千川の杜に108人が入所しても全体の待機者は200人です。11月にもう一か所開設しても100人以上の待機者です。特養の増設は待ったなしです。
 計画を持っても実際具体化するには2年から3年はかかります。高齢者の置かれている実態、今後の増加も直視し、直ちに区内への特養ホームの増設計画に取り組むべきです。答弁ください。

 3点目の質問は認可保育園増設に関してです
 わが党は、一般質問や予算・決算委員会などで繰り返し粘り強く認可保育園の増設を求めてきました。
 昨年2月、区はやっと認可保育園の増設に踏み切り、今年4月に2か所開設されました。それでも今年4月1日現在の待機児童は209人となっています。昨年の240名より減ったとはいえ、入れなかった子どもたち、保護者のことを考えると胸が痛みます。
 先日区長に申し入れしたとき、区長は「コンビニだったところが保育施設になっている。これはいかがなものか」などと言っていました。施設が増えたといっても、園庭のない保育所としてふさわしくない環境でも民間による保育施設が次々と開設されているということです。東京都は今年6月、豊島区内のベビーホテルに対し、保育内容の改善勧告に従わないとして施設名を公表しました。この施設は2013年2月に死亡事故があった施設です。保育の質は子どもにとっていのちに係わることで手抜きは許されません。きちんと基準に合った保育環境の提供は区の責務であり、そのためにも認可保育園の増設は待ったなしです。
 また保育ママや小規模保育施設に入所している子どもたちにとっては、今後3歳児以上の施設不足は深刻です。実際に今年も、三歳児になって入所できず待機児になった子どもが2名います。本来子どもにとっては、行政の都合で行き先がころころ変わることはよくないのであり、その点でも認可保育園の増設は待ったなしです。
 この間わが党は、認可保育園増設には区有地、都、国有地の活用は重要として国、都に積極的に働きかけるよう再三申し入れてきました。ところが、都への働きかけを求めてきた都営巣鴨母子アパート跡地は、都が警察の寮を建設することがわが党の調査で明らかになりました。しかし区は全く知りませんでした。わが党の指摘に「直ちに調査する」としましたが、これでは公有地の活用に対して消極的と指摘せざるを得ません。
 そこで質問します。
 招集あいさつで区長は、私立保育園7園、小規模保育所6園を整備するとしていますが、待機児童解消のため保育定数を増やすとともに質を守るためにも、引き続き、園庭のある認可保育園の増設を求めます。
 区内には国、都の土地はまだあります。この間指摘してきた西池袋郵政宿舎跡地などもあります。区有地では、廃止してしまった高松第一保育園跡地、南長崎スポーツ公園の「民間活用」とされた土地もあるではありませんか。積極的に活用する立場に立つべきです。また3歳児の受けいれ先の確保については緊急対策をとるべきです。いかがか答弁ください。

 4点目の質問は商店街支援策の拡充についてです。
 商店街支援策の一つである商店街街路灯の助成事業の創設に関してです。
 現在区では、電気代の補助など一定の支援策は拡充していますが、街路灯の設置料、交換料は東京都の設置料三分の二の補助制度のみです。しかも都の補助金をもらうためには、すべての支払いを済ませてからの手続きとなり、「制度を活用するまでが大変」との声が上がっています。この間、わが党は一般質問や決算等でも取り上げてきましたが区は改善しません。区として独自の補助制度を実施することを改めて求めます。大まかな試算では一本10万円補助するして、600本、6,000万円の予算で実現できます。安心・安全の確保のためにも、区独自の商店街の街路灯のLED化助成事業を実施すべきです。答弁ください。

 5点目の質問は防災対策の一つとして、感震ブレーカーの設置補助制度の創設です。
 先日行われた地域の防災訓練でも避難する際にはブレーカーを落とすことが強調されました。しかし緊急時には中々実行できない場合もあります。
 政府は今年3月31日、「首都直下地震緊急対策推進基本計画」を閣議決定しました。これには住宅の耐震化率や感震ブレーカーの設置率を上げることが明記されています。
 「電気火災」は阪神淡路大震災では出火原因が判明している火災の約6割、東日本大震災では津波火災に次いで多かったとし、これらの教訓から「電気火災」の抑制対策として感震ブレーカー設置が有効とし、今後10年で25%以上の普及率を目指すとしています。現在、政府が進めているのは震度5以上の地震で作動する感震ブレーカーの設置です。
 本区では木造密集地域の改善が取り組まれていますが、延焼を防ぐことはとにかく火を出さないことです。本区のように木造密集地域が6割近くしめている区では、まず誰でも利用できる感震ブレーカーを設置することは延焼対策の貴重な手段と言えます。製品はいくつもの種類がありますが、とりあえず1台あたり5,000円程度の補助で年間わずか200万円の予算があれば400世帯に設置できます。早急に感震ブレーカーの設置補助制度の創設を求めるものです。答弁ください。

 最後に大きく分けた第四の質問、低所得者の住まいの問題です。
 川崎市での簡易宿泊所の火災は大きな社会問題になりました。特に入所者の多くは生活保護受給者と高齢者となっていました。これは他人ごとではなく豊島区でもまかり間違えば同様の事故が起こる可能性は十分あります。
 この間、生活衛生課、住宅課そして消防の三者で旅館業に該当する19か所の簡易宿泊所の調査を行い、建築違反、消防法違反はなかったとの結果が報告されています。
 また生活保護受給者は4月時点で、区内簡易宿泊所4か所に83人、他区の簡易宿泊所24か所に33人が入所しています。また無料低額宿泊所には区内7か所で約110人が入所しています。
 こういう中で生活保護受給者の方からは、「早くアパートに移りたい」「集団生活は限界」「家賃補助基準ではアパートが見つけられない」等の相談が多く寄せられています。
 またこの間の、安倍政権は、住宅扶助引き下げを強行しましたが大問題であります。今回ただでさえ低すぎる住宅扶助が2人世帯で69,800円から64,000円に下げられました。区内でまともに暮らすための家賃設定としては低すぎます。「生活保護を受けているから」との理由で住まいが提供されないなどとは許されないことです。
 そこで質問します。
 まず生活保護保受給者の簡易宿泊所、無料低額宿泊所等への強制的な入所化はやめるべきです。実際には緊急時などこれらの施設を利用せざるを得ない実態や、ケースバイケースで様々な事情があり深刻な対応が求められることは十分承知しています。しかし簡易宿泊所や無料低額宿泊所ありきで進めるべきではありません。
 そのためにも国や都が施設の設置を行うべきで、まず国、都に対し対策をとるよう具体的に求めるべきです。さらに区独自でも住宅対策をとるべきです。答弁ください。
 また住宅扶助基準の引き下げに対し、撤回するよう国に意見をあげてください。同時に区独自の法外援護での家賃補助を実施すべきです。合わせて答弁を求めます。
 次に従前居住者対策についてです。
 開発や道路建設が異常なほど行われる本区において、借家人が追い出されるという事です。この間、東池袋4、5丁目、新庁舎再開発地に居住していた借家人はほとんどの方が転居しています。また都道の建設に関連して、区は「都の事業だから」と居住実態もつかんでいません。しかし個々の状況は大変深刻です。
 私はこの問題を機会あるごとに取り上げてまいりましたが、区は全く耳を貸さないという状態です。
 そればかりか、昨年4定での私の質問に、副区長は「民間マンション等の空き家の増加やサービス付高齢者住宅の増加がある」「サービス付高齢者住宅は従前居住者を優先に低い価格設定を実施する」「区が住宅を実施しなくとも選択肢が増えてきた」等の答弁をしています。しかし「サービス付高齢者住宅」は家賃等の負担が一か月20万円を超え、さらに介護度5となれば40万円近くになります。3万円の減額があっても、これで何人の住宅困窮者が入居できるといえるのでしょうか。
 そこで質問します。
 区が1991年に制定した従前居住者住宅条例はその第一条に「豊島区立従前居住者住宅の設置、管理及び使用料について必要な事項を定め、もって整備事業の施行に伴い住宅に困窮することとなる者の住宅を確保することにより、老朽住宅等の建て替えを促進し、住環境の整備に資することを目的とする」と記されています。これは防災道路建設時等に制定されたものです。
 開発や道路建設で立ち退く借家人等への住まいを確保するため、条例にあるよう、従前居住者対策を実施すべきです。
 区は「賑わいを」「来街者を増やす」と億単位の税金をつぎ込んでいますが、そのほんの一部を活用するだけでも、住み続けたいと願う住宅困窮者に住まいを提供することができます。区政の大きな役割です。答弁を求めます。
 以上で一般質問を終わります。長時間のご清聴ありがとうございました。