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区議会質問
 
2013年第1回定例会             小林ひろみ議員の一般質問

 私は日本共産党豊島区議団を代表し「区民の命とくらしを守る」 と題して次の2点について一般質問します。
1  2013年度予算について、
   (1)低所得者対策について
   (2)保育園待機児解消について
   (3)新庁舎建設について
2 国民健康保険について
 です。
 
 安倍自公政権が復活して、2013年度政府予算案が発表されました。「予算は政治の鏡」といわれます。安倍首相は所信表明演説で「強い日本」を掲げ、予算案では軍事費を400億円増額し、補正予算と合わせると2500億円増と過去最高の伸びです。また、大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾など大型公共事業のばらまき、研究開発減税の拡充や投資減税など大企業向けの減税も拡大されました。その一方、年金の減額、生活保護費の引き下げ、地方公務員の賃金引き下げを前提とした地方交付税の引き下げ、中小企業金融円滑化法の打ち切りなど国民の暮らしは削減されました。これでは、デフレ不況は解決されないどころか逆に促進され、消費税増税とあわせてくらしと経済の危機をますます深刻化させることになります。今国民が望んでいるのは、2%のインフレで物価が上がるのではなく、賃金や年金額が上がることです。国民の懐をあたため、内需拡大の方向に転換することこそ求められているのです。
  都政では、昨年12月に就任した猪瀬都知事は「新たな東京モデルを発信する」と強調し、高速道路や過大な港湾整備など大型開発推進を最重点とする一方、福祉や雇用、中小企業対策は極めて不十分です。都民に冷たい都政を継承していると言わざるを得ません。
 区長は、新年名刺交換会以降、あいさつでは、昨年は区制施行80周年、セーフコミュニティ国際認証、セーフスクール認証をうけたこと、そして今年は新庁舎、西部複合施設、南長崎中央公園、特別養護老人ホーム、さらには特定整備路線などの事業がすすむことをあげ、「豊島区の未来を拓くまちづくり」に向け、まい進するといっておられます。しかし、区民にとって本当に未来が開ける予算になっているのでしょうか。
 
 第一の質問、2013年度予算についてうかがいます。
  まず、最初に、今回の予算編成と今後の財政運営についてです。
 区は今予算の特徴として、@「総点検」を含む財政健全化の努力と財調交付金の見込み増で財源対策つまり財調基金からの繰り入れを9億円台に半減させた、A財政健全化を進めることにより義務的経費を5億円へらし、総点検による改善などで防災、教育、福祉・健康など148事業32憶円の新規拡充した、B不燃化10年プロジェクトへの着手、学校、新庁舎、西部地域複合施設など施設建設がつづき投資的経費が15年ぶりに130億円台となったとして、10年先の豊島区の将来に向けて計画的に投資する予算、の三点をあげました。
 昨年、豊島区は「財政難」といい12月議会でも「現時点では最終的に前年度と同様の20億円弱の財源不足と想定し、財調基金からの繰り入れで対応する」としていました。ところが、ふたを開けてみれば「一般会計の財政規模は前年度比30億5800万円増の1022億4800万円。特別会計を含めると1549億円で43億6900万円の増で過去最大の規模」になったのであります。
 また、今定例会には、12年度一般会計補正予算が提案されています。歳入は財政調整交付金の12億6500万円増、特別区税の増が4億3600万円などで、歳出は財調基金積み立てが15億2600万円をはじめとする基金積立てです。財調交付金については、昨年9月の行財政改革調査特別委員会で、豊島区への交付額は予算見込みより少ないが算定残があるので、なんとかなるだろう、くらいの話でした。いったいどうして予算よりも12億円も多くくるということになったのでしょうか。
 財調基金の残高は来年度予算で9億円使っても58億円となり、これは11年度末(昨年3月)53億円よりも5億円も多い金額です。ところが区は、目標の120億円の約半分だ、23区の中では財調基金残高が少ないとして、基金残高を着実に確保するために今定例会に決算剰余金の全額を財調基金に直接編入する条例改正案を提出しています。
 区は、「23区の1区あたり平均残高が191億円、その3割に達しない」などと言っていますが、23区で競い合って基金積み立てをしていくならば際限なく積み上がり、その分区民サービスに回すべきお金が使われなくなるのであります。
 
 そこで質問します。区は、景気が悪く歳入が見込めない、「金がない」といって「総点検」やスクラップアンドビルドで削ってきました。金がないといっては削り、金ができると今度は積み立てる、結局区民の方を向いていないではありませんか。区民生活よりも財調基金の積み立てを優先させることはやめて、今こそ削った福祉をもとにもどし、困っている区民生活を支援するために使うべきです。区長の見解をうかがいます。
 
 予算について具体的な施策について質問します。
 区民生活は深刻です。昨年日本共産党区議団は区政アンケートを行い、1850通の回答がありました。
 回答では、この一年で、「生活が苦しくなった」57.72%、「変わらない」37.56%、一方「よくなった」はわずか1.57%でした。また全体の66.52%が「住民税や健康保険料や介護保険料の負担が重くなった」と答え、「これ以上の負担に耐えられない」は73.93%、全体の実に4分の3にあたります。
 さらに、区政への要望で一番多かったのが、国民健康保険料・医療費負担の引き下げ、の項目であったこと、その他介護保険料・利用料の引き下げ、特養ホームなどの入所施設の増設、保育園待機児解消、防災対策の充実が上位を占めていることにも生活の困難さや将来の不安があらわれています。
 
 具体的な施策のうち最初の質問は低所得者対策です。
 低所得者への対策のうち生活保護について伺います。
 生活保護は、憲法に保障する「健康で文化的な最低限の生活」のための最後のセーフティネットです。1月23日政府与党は、生活保護費のうち日常の生活費にあてる「生活扶助」の基準額について13年度から3年間で段階的に引き下げる方針を決めました。生活保護を受けている方からは「今でもぎりぎりの生活なのに削られたらやっていけない」と悲鳴が上がっています。精神障害を持っている方は「うち切られてしまったらどうしよう」と不安定になっています。
 生活保護は権利なのに、逆に受給者を苦しめることになっているのです。
 切り下げは、「生活保護が増えて大変だ」「不正受給がある」などの生活保護バッシングからきています。しかし、日本の捕捉率の低さからいえば、生活保護をうけられるのに受けていない漏給問題こそ、取り上げるべきです。
 生活扶助基準の引き下げは、生活保護受給者だけの問題にとどまりません。個人住民税の非課税限度額、就学援助、国民年金保険料の免除、保育料の減免、高額療養費の所得区分、障害福祉サービスの負担上限額の区分、滞納処分の際の差し押さえ禁止額など本当に多岐にわたります。そのほかにも、最低賃金は、生活保護基準より下回らないことを法律に明記されており、基準引き下げは最賃引き下げに連動します。
 政府は保護基準の切り下げが他の施策に「できる限り影響を及ぼさないよう努力」するといってはいますが、国民に深刻な打撃をあたえることは明白です。
 
 そこで質問します。
 生活保護は権利であり、「生活扶助」の引き下げは人権侵害です。今でも困難な生活をしている区民の生活をさらに切り下げるものであり、さまざまな制度に影響します。
 「生活保護は権利」という立場にたち、国に対し生活保護費の削減の中止を求めるべきですが、いかがか答弁ください。
 
 生活保護についての二つ目は、法外援護です。
 行革2004で豊島区は生活保護の法外援護をバッサリ削りました。特に自家風呂のない世帯への入浴券の配布については年間60枚だったものを30枚へと半分にし、2000万円の予算を削りました。近隣区の板橋区では80枚、新宿は60枚、練馬が60枚、中野区では60枚を支給しています。入浴券の復活は何度も取り上げていますが、「生活扶助の一部に含まれている」「身の丈に合った枠の中で判断される」といい、区は復活しません。生活扶助費の削減が行われれば、自家風呂のない世帯はますます風呂に入りにくくなります。また30枚の入浴券も、年2回、6月1日と11月1日の基準日の受給者しか対象でないため、その途中7月に受給開始になった世帯は、12月にならないと入浴券をもらえません。お金はあるのですから、こんなところでけちけちしないで、受給者が清潔で人間らしく過ごせるようにすべきであります。
 
 そこで質問します。生活扶助は一月一人世帯で8万円程度で本当に最低の生活しかできません。生活保護受給者の暮らしを少しでもよくするため自治体が支援するのは当然です。今年は歳入が増え「身の丈」も増えたのですから、入浴券は増やし、もとに戻すべきです。いかがですか。また、支給方法をあらため、受給した時から支給すべきです。答弁ください。
 
 低所得者対策の二番目に就学援助と私費負担についてです。
 豊島区の就学援助の認定率は、小学生で19%、中学生で27%となっています。親の経済的な困窮が子どもの貧困につながる、「貧困の連鎖」は許されないのです。豊島区では、就学援助は生活保護の1.2倍を基準にしていますが低すぎます。板橋区、台東区では1.26、品川区は1.25です。また、就学援助の中身も、例えば中学校入学時の標準服やかばん、上履きなどの購入費もとても高いのに、入学支度金は2万6,120円しかでません。単価は4年間も据え置きです。さらに申請は4月で入金されるのは8月という状況も変わりません。政府は、今回の生活保護費削減で「就学援助に影響がでないようにする」と言っていますが当たり前であり、本来教育費無償の立場で自治体を援助するのが当然なのです。
 また、就学援助をうけていない世帯も教育費の私費負担はたいへん大きいです。義務教育は無償という原則からは私費負担のさらなる軽減が求められています。ところが区は行革2004で修学旅行の交通費補助を廃止して復活しようとしてきませんでした。
 
 そこで質問します。「未来の展望を開く」というなら、未来を担う子どもたちを育て、教育するために必要な対策を手厚くすべきです。財政上もゆとりがあるのですから、豊島区として就学援助の水準は1.2から引き上げる、単価を引き上げる、支給時期を前倒しするなどの改善をすべきです。区長の考えを伺います。さらに教育の私費負担の軽減という面からは削ってしまった修学旅行の交通費補助の復活を求めます。いかがでしょうか。
 
 低所得者対策の三つ目に、融資制度についてうかがいます。
 今定例会に、区は、女性自立援助資金の廃止条例を提案しています。
 女性自立援助資金貸付は、女性に対し事業開始や継続、自立促進、住宅、療養などの資金を貸し付ける制度です。2003年10月に区は条例を改正し、当時対象になっていなかった「女性が扶養している子」について貸し付けの対象に加えました。現在利用実績があるのは、女性又は女性が扶養している子が高校、短大、大学などに修学するのに必要な資金「修学資金」であります。利用者が減ったとはいえ07年度は6件、08年度は4件、09年度は3件、10年度は4件、11年度も2件ありました。この貸付では連帯保証人が必要なことは問題です。決算委員会で理事者は、資金の廃止の理由を、利用が修学費用2件と低調で、ほかにも育英会とか社協とかがあるので、区独自にやる必要があるか、効率性の観点から考えていかなければいけない、としました。しかし、格差と貧困をなくす観点から言えば、区独自の修学資金は必要なのです。子どもを効率性の犠牲にしてはならないのです。この間豊島区は、区独自の低所得者向け貸付について「行財政改革プラン」で2005年に応急小口資金と生業資金を廃止してしまいました。自営業者や低所得者が急にお金が必要になったときに、どうにもならずにサラ金やカードローン、あるいはヤミ金に手をだし、借金地獄で生活できなくなったという事例がいくつも寄せられています。わが党はこれらの貸付制度について何度も復活を求めてきましたが区はやろうとしませんでした。その上今度は女性自立資金まで廃止とは、あまりにも冷たいではありませんか。わが党が応急小口などの貸付制度を求めると区は「要件に合えば生活保護の相談で対応」するというのですが、これでは「生活保護になれ」といわんばかりです。生活保護にならずにすむための施策として「貸付」が必要なのです。また、直接貸付の相談にのり、責任をもって貧困解決に取り組むことが重要なのです。
 
 そこで質問します。
 女性自立支援資金の廃止はやめるべきです。また応急小口や生業資金など区独自の貸付制度を復活するとともに、区が責任をもつて、直接相談にのるべきです。いかがか答弁ください。
 
 具体的な施策のうち二つ目は、保育園待機児解消についてです。
 認可保育園の入所については、今年は0,1,2歳児だけでなく、3歳,4歳児も入所が困難です。資料によると第一次募集の昨年12月末の状況で、0歳311名の募集に382名、1歳児151名の募集に447名、2歳児は51名の募集に191名、3歳児は27名の募集に154名、4歳は6名の募集に対し43名、5歳は15名の募集に16名の応募となっています。昔は4.5歳児はあきがあるということもありましたが、今年はすでにいっぱいになっているということです。この間豊島区が待機児解消策としてすすめてきた認証保育所の多くは、0.1.2歳のみです。3歳になると認可保育園か幼稚園を探すことになります。幼稚園で預かり保育をしているところは、ほんのわずかしかなく入れません。預けられなければ、仕事を続けられなくなります。
昨年の認可保育園の一次選考締切1月11日までの申し込みは1073名でしたが、今年は12月28日の一次選考の締め切りまでに1233名と、160名も増えています。第一次選考が終わりましたが、満点の20点でも希望する保育園にはいれなかったり、18点で入所できない子どももいました。
 来年度認可保育園の定員は、9月からJR大塚駅南口駅ビル内認可保育所の開設で60名、10月から巣鴨第一保育園の分園開設で37名増える予定といいますが、それでもどう考えても待機児はゼロにはなりません。この間、わが党は繰り返し認可保育園の増設を求めてまいりました。ところが区は、認可保育所を増やそうとせず、既存保育園の受け入れ枠を増やすほうが有効、あとは保育ママや認証保育所の誘致で、という考え方です。さらに区は「待機児を完全にゼロにすることは難しい」といっています。少しずつでもやらないよりはましですが、「ゼロにするのは困難」といってしまっては元も子もありません。働く世代の子育てを応援するというなら、いつでもはいれる保育園、待機児ゼロにする目標をかかげ、そのためにどうするかという対策をたてるべきです。
 
 そこで質問します。このままでは来年度も認可保育園に入れない待機児童数がさらに増えることが予想されます。四月から保育料の値上げはするわ、入れないわ、では、区長の責任は重大です。保育園の改修で定員構成をあらためるやり方はもう限界です。認証保育所は保育料が高くて「何のために働いているのかわからない」という声がでています。抜本的な対策として、わが党が指摘してきたように、区有地や都有地、国有地なども検討し、認可保育園の増設計画を立てるしかありません。いかがか答弁ください。
 また、認証保育所の保育料補助増額については、昨年第三回定例会で「あえて認証をえらぶ人がいる」とか「区の財政状況を考え」とかいって拒否しました。基金に積み立てるお金があるなら、直ちに認可保育園との差額全額の補助に踏み切るべきです。いかがでしょうか。
 
 具体的な施策の最後に新庁舎について伺います。
 来年度は様々な施設整備をすすめようとしていますが、その一つ新庁舎について取り上げます。区長は、「金がかからないやり方だ」と言ってこの計画を進めてきました。今予算には新庁舎関係の経費として新庁舎整備の推進6570万円、現庁舎周辺街づくり推進事業1000万円、南池袋2丁目A地区市街地再開発事業、35億6564万円などが計上されています。
 わが党は、新庁舎建設に反対してきました。特に、区長の「新庁舎建設を起爆剤に池袋の活性化を進める」という考え方は間違っていること、不動産市況にゆだねる資金計画は不安定であること、さらに再開発でマンションや商業ビルとの合築は、今後の管理・運営・修繕が複雑となり建て替えは事実上困難になること、「自治の砦」としての庁舎の使用が担保できないこと、などを指摘してきました。
 区は、今後の管理運営、「自治の砦」としての公共性の担保、庁舎機能確保について、「管理規約で担保する」といってきました。また、昨年の9月のわが党の一般質問には、「修繕積立金や共用部分の管理費案については、再開発組合で年内までに算定する予定。また、これと並行して庁舎専用部分の管理費案についても年内までには区が算出する予定」と答弁していました。しかし、1月15日の副都心委員会では、維持管理費についても規約についても議決権についても、「詳細はつめきっていない」という説明でした。今後3月末から4月にかけてまとめ、議会へは4月の副都心委員会で説明したあと、再開発組合総会で決定する予定としています。これでは、区民への説明の機会がないではありませんか。今年1月に新聞に折り込まれたマンション販売のチラシによると、販売予定時期は5月下旬となっています。マンションの販売に合わせて管理規約を決めているのであります。
 再開発ビルは432戸のマンション、店舗・事務所、そして区役所の複合ビルで、権利者の数も多く、建物の構造も複雑です。将来は、マンションや店舗・事務所の所有者がかわり、さらに権利関係が複雑になることは容易に想像できます。
 区分所有法では、規約には専有部分・共有部分の範囲や使用方法、管理費や修繕のための積立金の額など、マンションの管理に必要な様々な内容を定めることができるとしています。しかし、管理規約に不都合があっても変更するのには手続が必要です。再開発ビルの面積割合は住宅部分が6で非住宅つまり区庁舎と店舗・事務所が4、非住宅部分は庁舎が9でその他が1と聞いています。区の持分は4分の1を超えていますから、確かに、区に不都合な規約変更ことはできないことになります。同時に、豊島区に必要とされる変更も難しくなるということでもあります。最初の管理規約が大事なのです。
 超高層ビルとの合築での本庁舎建設は日本で初めてです。また超高層の複合ビルの管理そのものが、まだ年数も浅く「未知の領域」です。
 
 そこで質問します。
 昨年わが党の質問に対し、年内には管理費、修繕積立金、ランニングコストを算出するといっていたのに、「詰め切っていない」などといって、先延ばしにしているのは問題です。すぐに出すべきです。答弁ください。
 また、管理規約案についてもすぐに出すべきです。お答えください。
 さらに、管理規約の作成については、再開発組合任せにせず、豊島区として外部の専門家や区民も含めた第三者機関による客観的な評価を行い、豊島区の本庁舎としての公的な役割を果たせるように検討するべきです。答弁ください。
 
 庁舎の二つ目に資金計画について伺います。
豊島区は現庁舎の跡地、公会堂、分庁舎A・B館の敷地を定期借地契約して事業者に貸し付け、一定期間のものをまとめて受け取り、移転先の再開発事業の保留床の取得経費に充てるという計画です。13年後半に事業者の公募を行う、定期借地の確定額については、事業者選定後の定期借地契約を締結した段階となり、14年度の末あるいは15年度当初と想定している、としています。
わが党はこの資金計画は民間の不動産市況に左右される不安定なものであり反対してきました。実際に最初区民に説明したときには、10億円の黒字といっていたのに、10年には逆に37億円の赤字となってしまったのです。それ以来、豊島区は「金額には当然変動がある、それについては一括受け取りの年数の調整によって行う」とのみいってきました。わが党が何度も、「現時点での試算はどうか」と質問しても、まともに答弁してこなかったのです。

そこで質問します。
 13年度から15年度までの投資的経費の見込みは3年間で合計576億円、その中で新庁舎の141億円、南池袋2丁目再開発の67億円、合計208億円で全体の36%、3分の1を超えています。しかし141億円は保留床購入費だけ、地代収入については143億円と見積もったままです。
 当初計画では、「区民センターを建て替え、健康センター」にするとか、公会堂を民間ビルの中に入れるとかについても含めた資金計画になっていました。現庁舎地、公会堂、区民センターの計画について、現時点での資金計画の見通しも含めうかがいます。

第二の質問 国民健康保険についてです。
 毎年のように引き上げられる国民健康保険料に悲鳴があがっています。先ほどのべたように、これ以上の負担に耐えられない区民がたくさんいるのです。
 全国では国民健康保険料の滞納者が300万人となっております。保険料が払えないと短期証、資格証になり、医療費も払えないで、医者に行かず、気づいたときには手遅れで命を落とす事例が全国でおきています。保険制度はあっても医療にかかれない、そんな状況が広がっているのです。
 もともと、国民健康保険は農業や自営業者、年金生活者など低所得者が多い構造になっています。最近は、失業者や非正規雇用の若者も増えています。社会的弱者に対する社会保障であり、国民皆保険の中でも大きな部分を担っています。ここをしっかり守ることが必要です。
 
 まず、保険料の決定の経過について質問します。
 来年度の23区の国民健康保険料と経過措置の扱いも2月15日の区長会で決定したと伺っています。しかし、この間の経過については正式には議会や区民にあきらかにされていないのであります。先の予算内示会でも、「言えません」の一点張りです。この間、23区の国保料の決め方は、1月の区長会で決定し、国民健康保険運営協議会にかけ、2月議会に条例提案してきめるというもので、特に、区長会で決まるまでは議会にもしらされず、また多くの区民は保険料のお知らせがきて初めて知るという状況です。私は保険料の決定の仕方や区長会の情報公開について10年第一回定例会で質問しました。区長は、区長会の議論は可能な限り提供できるよう努力する、と答えていましたが、全く公開できていないではありませんか。保険料は区民にとても大きな影響のある事項ですから、本来決める前に区民に知らせて意見をきき、その意見を反映することが当然であります。三多摩では、保険料の値上げについては1年前に案が示され、検討し決めるところもあると聞いています。
 
 そこで質問します。
 まず、この間の区長会での議論の経過をすべて明らかにすることを求めます。12月区長会では、「国民健康保険基準料率党の設定(中間報告)」がおこなわれています。なぜ、その内容も含め、議会や区民に説明しないのか、うかがいます。また、保険料について、区民にあらかじめ示し意見をきいてから決定するような仕組みにすべきと考えますが、答弁を求めます。
 
 次に、今回の改定が区民に及ぼす影響について伺います。
 きくところによると15日の区長会では、来年度保険料について、基礎分と後期高齢者負担分で均等割40200円から41400円にあがり、所得割は8.51%から8.36%に下がるときいています。また、問題となっていた経過措置については廃止し、あらたな経過措置として、住民税非課税所帯の所得割については、これまでは、「前年の但し書き所得から75%を減額」し算定するとなっていたものが、来年度は「50%を減額」、14年度は「25%を減額」するという2年間の経過措置を行うことになったそうです。均等割が上がるということは、一番の低所得の人たちの保険料が高くなるということです。これまで経過措置については、非課税世帯も上がりますし、また「課税標準額が100万円以下で旧ただし書所得が課税標準額の1.5倍を超える方」「課税標準額が100万円超で旧ただし書所得が課税標準額の1.5倍を超える方」にも軽減策があったわけですが、それがなくなり値上げになります。
 この間、保険料が上がってきたのは、医療費対応方式にしたことと国や東京都が国保会計への補助を減らしてきたことが原因です。
 
 そこで質問します。
 まず、保険料値上げの影響について伺います。先ほどのべたように、経過措置がなくなる世帯や低所得の世帯の負担が重くなることが予想されます。値上げとなる世帯数はいくつか、どの世帯の上げ幅か大きいのか、など状況について、お答えください。
 また、国保料が値上げされればますます区民生活は大変になります。値上げすべきではありません。答弁ください。
 さらに値上げをしないためには、国や東京都に対し補助金を増額するよう求めるべきですが、いかがか答弁ください。また、国や都の補助がなくても、1世帯あたり均等割りを5000円下げるために、必要な予算はおおよそ4億円です。それぐらい出せるではありませんか。答弁ください。
 
 三番目に、医療費負担について伺います。高齢者、低所得者にとって切実なのは医療費の負担です。
 アンケートでは、「介護保険がたかすぎる。収入のすくない生活をしているのに病院にいくと払わなければいけない(70代、女)」「介護保険料、後期高齢者医療保険が上がり、年金が10万円をきりました、どうやって生活すればよいのでしょう(70代、女)」「毎年健康保険料、区民税他が高くなり、みなさん生活できるか知りたいです(60代、女)」など大変な様子が書き込まれていました。
 先日、77歳の一人暮らしの女性から相談をうけました。73歳まで働き続け、国民年金と個人年金がありますが、介護保険料や後期高齢者医療保険料をひかれると手元には月々14万円しかありません。住宅費が6万円かかっています。生活福祉課に相談に行ったが、ほんの少しの差で生活保護は受けられない、個人年金を解約するか、兄弟に支援してもらえ、といわれたそうです。公営住宅もなかなかあたらないので、医者にいくのも控えている、せめて医療費だけでも補助してほしいといっていました。ボーダーラインにある人たちも、本当に深刻です。
 年金だけでやりくりしなければならない状況を考えれば、医療費の自己負担の軽減は切実です。
 三多摩の日の出町では75歳以上の高齢者の医療費無料化を実施してこの3月で丸4年になります。一人当たり医療費が年ごとに下がり、効果が顕著にでています。もちろん無料化と同時に高齢者の健康づくり、気楽に集える場を設けるなど福祉施策も充実させています。
 国保の制度の中に保険料や一部負担金の減免措置はあります。11年度は東日本大震災のことがあり少しは実績があるものの、これまで実際には使えず、なきに等しい制度になっています。23区共通の基準で、収入が「生活保護基準の1.15倍」という低さ、短期的な事由にしか使えないなど条件がきびしくて利用できません。2009年にわが党が「困っている人が使えるように改善すべき」と質問したとき、副区長は冷たく拒否しました。あのときよりも事態は悪化しています。生活保護にならずに済むためにも医療費だけでも免除できないか、低所得者に対しての対策をとるべきです。
 
 そこで質問します。
 まず、低所得者が利用できるような「一部負担金減免制度」に改善すべきです。そのための予算については、国や東京都に求めるべきです。いかがでしょうか。当面豊島区独自の制度をつくるべきです。答弁ください。
 特に、高齢者については、早急に無料化を検討すべきです。答弁ください。
 以上で質問の全部をおわります。