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区議会質問
 
2013年第1回定例会             儀武さとる議員の一般質問

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して「安心して住み続けられるまちづくり、地域づくり」と題し、一般質問を行います。
第一に、高齢者福祉、介護保険の緊急改善すべきことについて
第二に、「木密地域不燃化10年プロジェクト」・特定整備路線補助81号線について
第三に、住宅政策について
であります。区長の明快な答弁をお願い致します。

 早速、第一の質問、高齢者福祉、介護保険の緊急改善すべきことについて質問いたします。
 一つ目に介護保険についてです。
2012年4月の「改正」介護保険法、改定介護報酬の実施から10ヶ月が経過しました。
今回の生活援助の見直しによって、これまでの「30分以上60分未満」「60分以上」という時間区分が、「20分」「45分」の時間軸を基本に「20分以上45分未満」と「45分以上」に再編されました。今、現場から生活援助の短縮で「時間不足で洗濯ができなくなった」「今までヘルパーと一緒に買い物や調理をしていたが、時間が短くなりヘルパーに任せるようになった」など厚労省自身が掲げている「自立支援」そのものに逆行する事態も起こっています。訪問介護での生活援助は、単なる家事代行ではなく、援助を通して後退していた生活機能を回復させ、意欲を引き出し、高齢者がいきいき生活を送ることができるように働きかける援助です。
 そこで質問します。
 「改正」介護保険法、改定介護報酬の実施で、生活援助の時間短縮によって、コミュニケーションが削られた結果、利用者が「情緒不安定になった」「信頼関係が悪化した」など深刻な影響がでています。生活援助の時間短縮の撤回を国に求めるべきです。当面、要支援1.2について、区が、独自施策で従来のサービスを受けられるようにすべきです。答弁を求めます。
 今後、政府は「社会保障・税一体改革」をすすめ、「給付の重点化・効率化」を本格的に推進し、「施設から在宅へ」、「軽度から重度へ」と給付体系全体を再編し、さらに改悪しようとしています。生活援助については、保険給付から外し、ボランティアなどに委ねる方向がすでに示されています。軽度者の利用料を2割負担にする方針も打ち出されています。
これでは、要支援者の生活援助をより悪くすることになり、一体何のための介護保険か、ということです。要支援1.2と認定された人の中にはヘルパーの援助がなければ暮らしが成り立たない人がいます。こんなことは止めるべきです。国に対して、止めることを強く求めるべきです。区長の見解をお伺いします。

二つ目に、特別養護老人ホームの増設についてです。
 2012年第4回定例会の区民厚生委員会で旧中央図書館跡地に86床、千川小学校跡地には100床の特養ホームの建設計画が進んでいる報告がされました。わが党は、これまで繰返し特養ホームの増設を求めてきました。区民の要望が実現の方向で進んでいることは評価したいと思いますが、供用開始にはまだまだ2、3年かかります。2005年4月開設の池袋敬心苑以来ですので、約10年間特養ホームの建設がなかったということになります。その間に年々待機者が増える一方で、2012年12月末現在、特養ホームの待機者は1235人、緊急度の高いAランクの待機者は492人です。ですから、まだまだ足りません。特養ホームの増設は待ったなしの課題です。区内に住んでいる、81歳のAさんは要介護度5、菊かおる園に入所を申し込んで7年経っても入所できません。その間、都内の有料老人ホームに毎月17〜18万円払っています。「夫婦の年金をつぎ込み貯蓄を取り崩して、なんとか生活をしている。経済的な負担が大きすぎて、もう限界だ」とAさんの夫に切々と訴えられました。在宅では支えきれない経済的問題や家庭状況、老老介護など待機者一人一人は大変深刻な状況です。
 そこで質問します。
 旧中央図書館跡地と千川小学校跡地の2か所ができたとしても不十分です。Aランクの待機者が、まだ300人以上も入所できません。今後、待機者はさらに増えると予想されますが、この2か所以外の計画は全くありません。待機者の数に見合った増設計画を直ちにたてるべきです。
 この間、わが党は特養ホームの増設を求めてきましたが、区は「適地」がないと答弁してきました。しかしたとえば、区内には南大塚二丁目の「都営巣鴨母子アパート」跡地(面積441,08u)があります。わが党は区内の都有地、国有地などの空地に、区営住宅、保育園、特養などの建設を求めてきましたが、南大塚のこの場所は、現在コインパーキング場として暫定利用されています。
 区長、本当に特養ホームの増設の必要性を認めているならば、なにがなんでも、区長自ら都にかけあい、「都営巣鴨母子アパート」跡地に特養ホームを建設すべきです。答弁を求めます。
 
 三つ目に、緊急通報システムについてです。
 高齢者緊急通報システム事業は、2011年度より、慢性疾患の有無や協力員の要件を取り払い、一人暮らし高齢者及び高齢者世帯のみ世帯に対して、希望すれば誰でも設置できるように、対象要件が拡大されました。この年は、新規設置数が109基、2010度は66基ですので、43基増えましたが、予算の執行率は58%です。新規設置者が当初の見込みより少なかったということです。ではなぜでしょうか、慢性疾患がある人は無料又は1割負担ですが、慢性疾患がないお年寄りは月々2315円払わなければなりません。新規申請者140人の内訳を見ると、無料の人は、68人、1割負担が46人、2315円負担した人は、26人です。2012年度は、「実績に合わせた見直し」をしたとして、予算を365万円削減しました。
 昨年12月までの新規設置数は81基、2011年同月は101基ですので、20基も少ないです。
この事業の予算を削り、実績も減っていることは、言語道断です。決算委員会で、私が「費用負担が重すぎるから、利用が増えないのでは」と質問すると、理事者は「辞退の理由は金額が高いという人は少なくて、多くはまだ元気だから」と答弁していました。
 そこで質問します。
区は表面的な理由を、都合よくつかっていますが、わが党の区政アンケート結果でも、「これ以上の負担は耐えられない」と答えた方が73.9%です、実に、7割以上の方が「これ以上の負担は耐えられない」ということです。この区民の実態からみても、利用料の自己負担を撤回すべきです。答弁を求めます。

 四つ目に、高齢者在宅サービスセンター巣鴨豊寿園についてです。
 高齢者在宅サービスセンター「巣鴨豊寿園」は借り上げ施設で、区が無償で貸し付けて豊島区社会福祉事業団が運営を行なってきました。このたび、豊島区と建物所有者との賃貸借期間20年が2013年9月末をもって満了となることから、区が契約更新を行わないために今年度末をもって廃止しようとするものです。同施設は、2004年10月「公共施設の再構築・区有財産の活用実施プラン(5ヵ年)素案」でも巣鴨豊寿園を2007年度で廃止し、施設を返却する計画でしたが、区民から「存続を希望する陳情」が提出され、反対の声が大きく広がり、今日まで事業が継続されてきました。
 しかし今回、区は当施設の利用状況、賃料を踏まえた費用対効果などを勘案した結果、賃貸借契約を更新しないことを決定したとし、現在、豊寿園の利用者は菊かおる園等で受け入れると説明しています。
 巣鴨豊寿園がある巣鴨5丁目は、北区との区境にあり、幅員40mの白山通りで分断されています。これまで、この地域では巣鴨第2区民集会室、巣鴨第2児童館と公共施設が相次いで廃止となってきました。そのうえ巣鴨豊寿園を廃止することになれば、区民が気軽に使える公共施設が次々なくなり、コミュニティが壊れることになります。後でも述べますが、都市計画道路補助81号線の整備で巣鴨5丁目児童遊園の半分以上も削られます。
 先日も商店街の新年会で、豊寿園のことが話題になり、82歳の高齢者は「豊寿園が廃止になることを知らなかった。ショックだ」「いまの豊寿園は歩いて行ける場所にあるのが良い」と、言っていました。また、公共施設だからこそ地元のボランティアも気軽に参加し、支援ができたのです。まさに、地域の核のひとつです。
 そこで質問します。
 巣鴨豊寿園は高齢者にはもちろん、地域の人々にとってなくてはならない施設です。借り上げ期間を延長し存続すべきです。答弁を求めます。

第二の質問、「木密地域不燃化10年プロジェクト」・特定整備路線補助81号線についてです。
 東京都は、「防災上、危険な木密地域を燃え広がない・燃えないまちにする」ことを目的として「木密地域不燃化10年プロジェクト」を策定。「不燃化特区」制度の創設と主要な都市計画道路を「特定整備路線」に指定し、集中的な取り組みで2020年までに整備をすすめるとしています。区内の不燃化特区制度の先行実施地区に東池袋4・5丁目を選定、特定整備路線の候補区間は7区間、約6kmが選定され、私が住んでいる巣鴨地域には、補助81号線の巣鴨5丁目から西ヶ原1丁目の区間、約1.3kmが選定されています。
 この候補区間に影響する建物数は198棟で借家人も含めるともっと増えます。この地域は、広域避難場所に指定されている染井霊園や外語大跡地にできた防災公園の「みんなの広場」など緑と広場に囲まれた閑静な住宅地です。しかも、補助81号線に沿って、幅員6m乃至10mの現道があります。また、北区側の一部分350メートルについて、都が候補区間から除外したことが1月13日付のしんぶん赤旗に報道されました。 私は、1月15日の副都心開発調査特別委員会でこの問題を取り上げ、「災害時の延焼遮断帯の形成というなら、染井霊園やみんなの広場(外語大跡地)があり、すでに形成されています。幅員の大きい現道もあり、補助81号線と並行して走ることになる」として、豊島区側も除外することを都に申し入れるべきとただしました。 区は昨年の9月4日、「震災復興」に関する出前講座に駒込地域で103人参加したが、反対意見は出なかったので除外しませんと答弁しました。 反対意見が出なかったのは当然です。当日の説明会は震災復興に関する説明が主で、都市計画道路補助81号線については、区自らが「本日は道路の説明会ではありません」「整備手法など詳細が明らかでないので報告できません」と繰返し説明したのではありませんか。都は、11月中に整備プログラム案を発表するとしていましたが、遅れて12月7日に発表しました。内容は骨子だけで、詳細は未だに明らかでありません。
そこで質問します。
 この補助81号線内には巣鴨5丁目児童遊園、駒込第2児童遊園があります。お祭り、盆踊り、防災訓練、交通安全週間や年末の夜警パトロールなどのテントの設置をする場所になっています。コミュニティ形成の拠点の一つだと言っても過言ではありません。
この道路が、整備されるなら、いずれの児童遊園も半分以上が道路となり、お祭り、防災訓練などができなくなります。コミュニティを壊し、町会の行事もできなくなる状況を知っていて、積極的に推進する区長の姿勢は、町のコミュニティを壊していいということでしょうか。答弁を求めます。

 もう一つ大きな問題があります。この計画地には駒込第1保育園があり大きな影響をうけます。駒込第1保育園は耐震補強のために緊急に改築が必要となり、当初の設計では園舎が北側で園庭が南側の予定でした。ところが、6月に28日に「特定整備路線」第1次選定が発表されると、敷地の半分近くが道路にかかり、設計変更を余儀なくされたのです。計画道路ギリギリに園舎が建ち、園庭が無くなるのです。区は屋上に園庭を設置するとしていますが、道路ができれば当然、交通量も増えます。保育環境が悪くなるのは明らかです。子どもの育ちを考えると、土踏まずは柔らかい地面を素足で歩いたりすることで形成されます。地上の園庭は子どもの育ちに欠くことのできないものです。最初から子育ての環境が悪くなることを承知の上で道路建設を優先することは認めるわけにはいきません。区長の見解を求めます。

 さらに、幅員10m前後の道路が現在あります。もし特定整備路線81号線が整備されるとなると並行して道路が走り、その間には中洲ができてしまい、現在の静寂な環境が壊されてしまいます。特定整備路線の目的は延焼遮断帯の形成ですが、この区間は、染井霊園一帯の広域避難場所と防災公園の「みんなのひろば」があるので、すでに延焼遮断帯は形成されています。その理由は成り立ちません。この区間は「特定整備路線」候補区間から除外すべきです。答弁を求めます。

第三の質問、住宅政策についてです。
 先日、NHKスペシャル番組で「終の住処はどこに、老人漂流社会」が報道され、住む所のない一人暮らし高齢者が人生の最後に居場所を求めて転々とし、漂流先の一つが無料定額宿泊所に辿り着き、死亡する」という実態が取り上げられていました。また、私の生活相談にあった事例ですが、20代後半から、非正規、アルバイトなどで12年もウイクリーマンションを転々と短期賃貸契約を繰返してきたが、収入が減ってきたので家賃10万円の負担に耐えられず、相談に来た若者や池袋派遣村の相談で、非正規労働者切り捨てによって仕事も住居も失った青年など住宅問題は大変深刻です。住宅は、生存と生活の基盤です。格差と貧困をなくすためにも、住まいの不安をなくし、安心できる居住環境をつくることが求められています。しかしわが国の住宅政策は、憲法に保障された生存権につながる居住の権利は保障されず、一貫して住まいの確保は自己責任とされ、自力による持ち家建設に委ねられてきました。ですから、都営住宅、区営住宅の応募倍率が30倍近い高倍率で、宝くじを当てるようなものだと言われています。住宅の確保をもっぱら自己責任とするなど、住宅政策の市場化を進めたことが今日の深刻さを生んでいるのです。今こそ住宅政策の転換が求められています。
そこで質問します。
 わが党は、これまで区営住宅、福祉住宅の増設を繰返し求めてきましたが、区は「土地代については国や都から交付金や補助金の対象でない」「維持管理費も一般財源から拠出する」として消極的な態度でした。2012年度の区営住宅の空き家応募倍率は25倍、福祉住宅は8倍です。8月都営住宅募集の平均倍率は9.9倍、豊島区は106倍です。23区の中でダントツです。区民は、良質で安価な公営住宅を切望しているのです。これまで区民の願いに応えてこなかった責任は重大です。この深刻な実態をどう認識し、どう応えようとしているのか、区長の見解をお伺いします。 
 また、区の住宅マスタープランでは2013年度に55戸の区営住宅の供給目標をかかげていますが不十分です。マスタープランを見直し区営住宅の増設計画をすべきです。
 さらに、都に対して都営住宅の大幅建設を求めるべきです。あわせて答弁を求めます
 
次に空き家対策についてです。
 平成20年住宅・土地統計調査」によると、豊島区の住宅数は168,250戸であり、このうち空き家は21,680戸となっており、住宅総数に占める割合は12.9%です。区は、600万円をかけて空き家の利活用を図るとして抽出調査を行いました。昨年7月に「豊島区居住支援協議会」を設立し、「低所得者などの住宅確保要配慮者の民間住宅への円滑な入居の促進を図る」として、空き家を利活用しモデル事業を行う予定でした。しかし、空き家を利活用するには、建築基準法、消防法などクリアしないと、実際に活用することはできません。この方式でモデル事業をおこなったものはありません。空き家調査は無駄で役に立たなかったということです。そのため、今年度は、既に市場にある物件を活用してモデル事業を行う予定です。
 今回の抽出調査の対象になりませんでしたが、住宅供給公社やUR住宅などには空き家がたくさんあります。
 駒込1丁目にある住宅供給公社に住んでいるAさんは、当初、家賃は3万円でした。建物が老朽化したため6年前に改築後の家賃は4万円、その後、傾斜型家賃でどんどん上がり、今では7万円です。逆に年金は減り続け、約13万円です。家賃を払うと生活が苦しいので、都営住宅を何度も申し込んでも当たらない、と訴えています。この住宅では家賃が高くなり負担に耐え切れず、次々と転居者が相次いでいるそうです。近傍同種の家賃だと14万円もするので入居する人がいません。北大塚2丁目のUR住宅も同様です。
そこで質問します。
 このように公的な住宅でさえ、家賃が高くて出ていかざるを得ません。駒込住宅を調べてみると、なんと空き家が多いことか、3割以上になります。改築して間もないというのにこういう状況です。UR住宅、住宅供給公社の住宅は、国や都の責任で家賃を引き下げ、家賃補助を拡充することを求めるべきです。いかがでしょうか。

 次に区民住宅について伺います。
 区民住宅は2015年3月から20年の契約満了期間を迎える住宅が出てきます。区は、借り上げ期間契約満了の区民住宅については、契約期間満了後にはオーナーに返還する方針です。その後は、オーナーに対する支援措置として、子育てファミリー世帯の住み替え家賃助成の対象住宅として空き室の解消を図るとされています。入居者に対する支援措置として、オーナー契約家賃と入居者負担額が1.2倍以上の乖離がある場合に、1.2倍後の計算家賃とオーナー契約家賃との差額を1年間助成し、次年度以降も同様の計算を繰り返し、1.2倍以上の乖離が解消するまで家賃助成を継続する案を出しています。しかし、それでは、不十分です。今でさえ、空き室が増えているのですから、助成額を減らすと、居住者負担が増え、負担に耐え切れない人は転居を余儀なくされます。そうなると、ますます空き室が増えます。20年もその住宅で生活していると、町会、防災など地域との深いつながりも出来てきます。誰も長年住み慣れた地域を離れたくありません。契約期間満了後は引き続き契約更新し、安心して定住できるように、少なくとも従前同様の家賃補助をすべきです。
 また、区が借り上げるやり方で区営住宅に転用するなら区民の願いに応えた供給ができるではありませんか。合わせて答弁を求めます。
 
 最後に、住宅リフォーム助成制度について伺います。
 これまで、わが党は繰り返し住宅リフォーム助成制度の復活を求めてきました。2012年第4回定例会で垣内議員の復活を求める質問に対して、区は「新たなリフォーム助成事業をモデル事業として2013年度から実施する」と答弁したのであります。
 2013年度予算案で新規事業として、住宅の修繕工事を行う低額所得者に対し、モデル事業として、助成対象経費の30%以内かつ10万円を限度に助成する住宅修繕資金助成事業300万円が計上されましたが、十分とは言えません。
 そこで質問します。
 この事業は2001年度に行なっていた住宅リフォーム資金助成事業と同様なもので実施するのでしょうか。
 また、低額所得者に限定せず、対象の拡大と予算を大幅に増額することを求めます。あわせて答弁を求めます。
 以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。