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区議会質問
 
2013年第4回定例会           儀武さとる議員の一般質問

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して「大型開発をやめ、くらし、福祉優先の区政へ」と題し、一般質問を行います。
第一に、来年度予算編成と財政運営について
第二に、特定整備路線補助81号線(巣鴨、駒込地域)の見直しについて
第三に、公契約条例の制定について
であります。区長の明快な答弁をお願い致します。

 第一に、来年度予算編成と財政運営について質問します。
 最初に、財政運営についてです。
 この間の財政運営を振り返ってみると、区は「行革」で、くらし、福祉、教育など区民サービスを削り、剰余金を生み出し、基金に積み増しするとともに3年間で125億円の借金返済を優先してすすめてきました。2011年度には財政を立て直したと胸を張ったのであります。2012年度予算編成時には56億円も財源不足、「お金がない」がないと言っていましたが、決算では、20億1500万円の剰余金を出し、財政調整基金は前年度末53億円から64億円へと、11億円も積み増ししました。
 区長は「財政再建」をしたとして、胸を張っていましたが、やるべきことをやってこなかったのであります。例えば、保育園の待機児童は4月1日現在、270人、昨年に比べて141人も大幅に増えました。厚労省の発表によると、待機児童が前年同月比で100人以上増えた自治体は、杉並区233人、江東区163人に次いで、本区は、全国ワースト3に入るほど待機児童が増えました。  
 特養ホームの待機者も、今後も待機者が増えることは必至です。特養ホームの増設、認可保育所の増設は待ったなしの課題です。
 その一方、区長は「都市間競争に打ち勝つ」として「魅力あるまちづくり」で来街者を増やし、土地の価値をあげ、金持ちが住むようになれば税収が上がり歳入確保につながるという構想に基づき、「豊島区の価値をあげる」ため大型開発などの先行投資に突き進んでいるのです。その一つが新庁舎建設であり、西部複合施設建設計画などであります。
 さて、10月8日の議員協議会では、新公会堂、新区民センターの整備と現庁舎地周辺整備等の経費見通しの報告・説明が行われました。説明によると、新ホール、新区民センター、産業プラザ大規模改修、周辺区道整備、中池袋公園など、5年間で事業費総額が113億9100万円です。約114億円の莫大な税金を投入するものです。
 わが党が「財政の見通し、返済計画の落とし込みはどうか」と質すと、区は「来年度予算編成と合わせて示したい」と答弁しました。
 さらに、11月14日、副都心調査特別委員会で、池袋駅及び駅周辺整備事業について報告がありました。その内容は、豊島区とJR東日本が覚書を10月10日に締結し、当面、東西連絡通路いわゆる南デッキの新設、中央地下通路再整備を対象に事業化に向けて調査を開始するというものです。わが党が「事業費はいくらになるのか」と質すと、区は「覚書を締結し、第一歩を踏み出したばかりなので、財政の落とし込みは無理だ」と答弁を繰り返すのみでした。
 
 このように、区長が池袋を中心とした街の価値を上げるようと、次々と莫大な経費がかかる大型開発を打ち出していますが、区財政に大きな影響を与える様々な課題が押し寄せてきています。
 その一つが、投資的経費が増大することです。
 区は、今年度予算を編成するにあたって、当面する投資的経費は、学校改築、特養ホーム増設、保育園の改築や改修、区民ひろばや勤労福祉会館の改修等、この3年間だけでも576億円としていました。さらに、区民の需要にみあった保育園、特養ホームの増設など、必ずやらなければならない課題が山積しており、不要不急な大型開発は入る余地はないのであります。
 二つ目は公共事業費の高騰であります。
 いま全国で、公共事業が入札の不調で、公共工事がストップし、被災地でも震災復興事業が遅れています。アベノミクスによる公共事業のバラマキで、これに拍車がかかっています。先の定例会では、西部地域複合施設建設の入札が不調になり、建築資材、労務単価の高騰などで16億円の上積みをする債務負担行為の補正が行われ、11月18日に再度入札をおこないましたが、また不調となりました。さらに、東京オリンピックの7年後の開催で、東京では開発が相次ぎ、人手不足から労務単価や資材がますます高騰するのではないか、と危惧されています。
三つ目に、総務省が地方税である法人住民税の一部を国の地方交付税に繰り入れて再配分する案を示したことです。限られた地方税による調整では、地方財政が直面している問題の根本的な解決にはつながりません。税収減となる都と23区にとっては、今後の議論の進展によって、重大な影響を受けます。区財政に大きな影響をあたえる財政調整交付金も不透明になっています。
そこで質問します。
 第一に、将来の財政見通しについてです。
 先ほども述べたように、わが党は、今後の財政運営を考え、区長の無謀ともいえる現庁舎地の活用及び周辺整備計画について、「将来の財政見通し、いったいどのように区財政に影響をあたえるのか」と質すと、区は「来年度予算編成時に示す」と答弁しました。東西デッキについて質すと、区は「第一歩を踏み出したばかりなので、財政の見通しは示せない」と答えました。
 財政の見通しも示さないのに、このような莫大の経費のかかる事業をすすめても、「さほど大きなものではない」とか「大丈夫」という認識は無責任です。
 落とし込みもできないのに、何を根拠に「大丈夫」といっているのでしょうか。明確にお答えください。
 
 第二は、こんな大型開発をすすめたら、必要な区民需要が圧迫されてしまうことであります。
 これまで、財政難を口実に区民サービスを削り、黒字に転換すると、基金に積み借金返済を優先し、結局区民に犠牲を押し付けて来たのであります。
 区民の切実な願いである認可保育所、特養ホームの増設、小中学校の改築、老朽化した橋梁の大規模改修など、どうしてもやらなければならない必要ものが山積しています。
莫大な経費のかかる劇場ホール、東西デッキなどを無理にすすめたら、また区民サービスを削ることになるではありませんか。そうしたことにはならないというなら、その根拠がどこにあるのか、お答えください。
 第三は、このような大型開発は一度はじめたら、後戻りができず、結局財政がにっちもさっちもいかなくなってしまうことについてです。
全国の自治体の多くで都市間競争、街の活性化を口実に大型開発開発を進める計画を民間主導で進めてきた結果、事業が頓挫すると、結局後戻りできず自治体がその責任を負うはめになり、財政に大きな付けを負うケースが見受けられます。本区でも東池袋4丁目再開発で、大火傷を負い、また、再開発という新庁舎建設の資金計画も破綻し、今度は「西部地域複合施設」の再入札も不調となりました。ところが、区長の招集あいさつでは「これまで進めてきた財政再建、いわば守りの行財政運営だけではとても足りません。思い切って、未来のための投資をすすめることも必要であり、一時的に起債残高が増えるといったことも覚悟しなければなりません」と述べています。区長あなたの挑戦は無謀な計画です。このまますすめたら、結局、莫大な税金を投入せざるを得なくなります。そうなったらどう責任をとるのでしょうか。答弁を求めます。
 次に、新庁舎資金計画と密接な関連のある現庁舎地活用及び周辺整備計画についてです。
 区は新庁舎整備をするにあたって「税などの財源を使わない」「新たな借金をしない」で新庁舎建設をするといってすすめてきました。その手法は、市街地再開発事業により、旧日出小学校等の資産活用をして分譲マンションとの合築です。権利変換で権利床を確保するとともに、現庁舎地を50年の定期借地権を設定し、25年分の貸付料を一括でうけとり、整備費に当てる資金計画でした。しかし、資金計画は、2008年の整備方針では10億円の黒字、2010年の新庁舎整備推進計画では37億円の赤字となり、資金計画の危うさが当初から明らかになりました。わが党は、市街地再開発の手法による整備計画では、将来、建て替えが困難であること、景気や不動産市況に左右される資金計画は止めるべきと指摘してきましたが、区は財政状況が厳しい中「この方法しかない」といって強行したのであります。 
 先の決算特別委員会で、わが党が改めて資金計画を質すと、区長は現庁舎地活用で「141億円確保することは至上命題」「現庁舎は、その価値というものが、我々の想像以上に池袋全体が低い」ので、この地域の価値をいかに高めるかが重要な課題だという趣旨の答弁をしました。ということは、現状では、民間企業の誘致は、区の思う通りに行ってないということです。わが党が指摘してきたことが、まさに現実のものになりつつあります。
 そこで質問します。
 新庁舎建設の資金計画は、破綻しています。民間事業者を誘致するために「現庁舎地の活用及び周辺整備」計画が急浮上し、約114億円も税金投入しようとしています。このまますすめると、民間事業者に足元を見られ、大幅に値引きされる可能性があります。今こそ決断すべきです。このような資金計画は直ちに凍結し、区有財産を守り、区財政に影響が少ない、あらゆる方法を検討すべきです。答弁を求めます。

 また、「現庁舎地の活用及び周辺整備」計画は、基本計画にないものです。至上命題の141億円を確保するために、街の価値をたかめるとして急浮上したものであり、白紙撤回すべきです。答弁を求めます。
 さらに、公会堂建設費は当初17億円でしたが、50億円の新ホールに計画変更されています。あまりにも唐突で、莫大な資金を投入する計画です。公会堂のあり方をも含めて、区民の意見を集約し区民合意が必要と考えますが、いかがですか。

 次に、来年度予算編成についてです。
 わが党区議団は9月から各種団体と予算要望懇談会を開いてきました。そこでは、区民の実態、意見交流をおこない、切実な要望がだされました。国の「構造改革」や区の「行革」区民サービスの切り捨てなどにより、区民の暮らし、営業はますます深刻です。区は、「平成26年度予算編成について」の依命通達で、歳入は、財政調整交付金の増額の見通しに至っていないこと、その原資となる法人住民税の一部国税化の検討が、国や全国知事会で行われ、それが実現したら、財政調整交付金の大幅な減収が避けられないとしています。
 一方歳出では、「新庁舎への移転準備のための26年度新規・拡充事業予算は、総合防災システムや総合窓口などの構築経費をはじめとする新庁舎関連事業等で、既に概算で21億円の見込みとなっている」として、いっそう全事業の「総点検」と「予算枠配分方式」の徹底を各部局に求めています。
 そこで質問です。
 先の定例会の一般質問で、わが党は、区民の置かれている深刻な実態を例にあげ、その救済を求め、「深刻な状況を解決する具体的手立てをする決意があるか」と質しました。
 これに対し、区長は、「区政のすべての分野にわたってバランスを取りながら、これまでも区民生活を守る強い覚悟をもって施策を具体的に推進してまいりましたし、これからも推進していく」と答弁しました。
 しかし、今区長が多額の財政を投入して進めようとしているのが、先ほどらい指摘しているような大型開発です。その一方で、依命通達で、全事業の「総点検」「予算枠配分方式」の徹底を求めているということは、結局、区民サービスを削るということです。
 来年度予算編成においては、区民の置かれている状況を正確に把握して、暮らし、福祉、教育、営業など区民生活を守ることを最優先に、福祉向上に最大限振り向けるべきです。
 答弁を求めます。

 次にこの立場から、直ちに予算に反映すべき具体策について順次質問します。
 最初に、商店街支援についてです。
 来年4月から消費税増税が実施されます。商店街では、こんな景気が悪いときに消費税が増税されたら「価格に転嫁できない」「店をたたむしかない」と悲鳴が上がっています。景気が良いのは、ほんのひとにぎりの大企業と富裕層で庶民にはなんの恩恵もありません。商店街にとって、消費税増税中止が一番の景気対策であります。区の不況対策支援事業の一環として、毎年好評だった10%のプレミア付き区内共通商品券助成は、大変好評で、毎年即日完売ですが、今年度の発行はありませんでした。区は高齢者祝い品を区内共通商品券として発行したといいましたが、あまりにも冷たいではありませんか。近隣区を見ても、練馬区、杉並区の11億円、板橋区は6億6千万円、台東区で2億円、荒川区でも1億円発行しています。
 そこで質問します。
 来年4月から消費税が8%に引き上げられたら、家計消費はますます低迷し、個店、商店街はますます深刻になります。区民の暮らしを応援し、商店街の活性化のために、10%のプレミア付き共通商品券を復活し、補助額を大幅に引き上げるべきです。答弁を求めます。

 次に、生活保護受給者の入浴券の拡充についてです。
 政府は、8月から生活保護費の引き下げを行いました。保護費を3年かけて総額670億円(6・5%)も削減する計画は、生活保護制度発足後一度もありません。減額されるのは受給世帯の9割以上にのぼり、人数が多い世帯ほど減額幅が拡大します。夫婦子ども2人世帯で月2万円もカットされるところまであります。先の通常国会で、全会一致で成立した子どもの貧困対策法の理念にさえ完全に逆行します。
 今回減額される生活扶助費は、食費や光熱水費などにあてられる受給者の日常生活をささえる、まさに命の土台です。すでに受給者は、「アベノミクス」による食料品の値上がりなどによって四苦八苦しています。きびしい猛暑のなかエアコンなしには熱中症の危険すらあるのに節約のために使わない世帯も少なくありません。これ以上の節約を求めることは、健康と命を削れと迫るのに等しいものです。
 生活保護受給者の入浴券については、周辺区では年間60枚を交付しているのに、豊島区では母子家庭は60枚、2005年度から30枚に削ったままです。わが党は繰返し60枚に戻すことを求めてきましたが、区は「入浴代は生活扶助費に含まれているものと考えております」と答弁し、あまりにも冷たい態度です。
 そこで質問します。
 今年の夏は猛暑で、10月の中旬ごろまで暑い日が続きました。大人がお風呂に3日に1度入ったとしても月に4500円もかかります。生活扶助費の削減と食料品等の物価の値上げでこれ以上の節約は無理です。心身の健康と命を守るためにも入浴券を直ちに60枚へ復活すべきです。答弁を求めます。

次に、就学援助制度の拡充についてです。
 生活保護基準の引き下げは、就学援助の支給費や最低賃金額、住民税の非課税限度額の目安など、国民の暮らしにかかわる制度に連動します。政府の「影響が及ばないようにする」などというごまかしも成り立ちません。
 わが党は、就学援助を受けていた児童へ影響がないようにすべきと、繰返し求めてきました。区は影響を受ける小学生14人、中学生7人、合計21人ですが、来年度予算で旧基準を適用して救済すると表明しています。教育委員会の対応は当然です。しかし、それだけでは不十分です。学校教育法では「義務教育はこれを無償とする」としていますが、2012年度の私費負担は小学6年生が107142円、中学3年生が153931円です。親の教育費負担は年々増えています。先の定例会でも、区民から就学援助制度の拡充を求める陳情が提出されました。切実な区民の願いに応え、子どもが安心して学べる機会を保障することは、国、自治体の責任です。
 そこで質問します。
 国は生活保護基準をさらに6.5%まで引き下げることを明らかにしています。現在、就学援助の認定基準は生活保護基準の1.2倍のままです。このままでは、本来、就学援助の対象となる児童・生徒が外れることになります。区は、来年度はとりあえず対策を講じていますが、根本的に対応するためには就学援助の認定基準を大幅に引き上げるべきです。答弁を求めます。

 次に、私道舗装、私道排水助成の全額補助についてです。
 私は8月から10月にかけて、私道舗装と下水補修ついて3件の相談をうけました。
 私道の舗装と下水補修は権利者全員からハンコをもらい、補修費を分担しなくてはなりません。住人の高齢化、金もかかることから、誰も積極的に改修のための音頭を取る人がいません。音頭を取る人がいても、権利者が住宅だったところを駐車場にして、地方へ引越ししているケースもあり、連絡を取り調整することは大変な労力です。また、補修費の分担金を払わない人もいて、人間関係もギスギスするケースもあると訴えられました。私道といえども権利関係者以外に、人も車も自由に通行します。まさに公道と同じです。
 2012年度決算を見ると、予算が2000万円、実績は私道舗装助成事業3件、排水設備事業は11件、合わせて14件で約800万円です。執行率は40%と大変低いではありませんか。 毎年相談者が100人以上いますが、役所で相談すると、私道舗装が8割、排水助成が5割の補助であり残りは権利者が負担しなくてはならないことを知り、最初から諦めたケースも少なくないようです。文京区は、今でも10割給付しているではありませんか。
 そこで質問します。
 区は、現庁舎周辺の区道整備に16億8000万円をかける予定です。また、防災を口実に特定整備路線の整備を2020年まで完成させるとしていますが、毎日歩いている私道がデコボコでは、高齢者は安心して歩けません。安全・安心のセーフコミュニティ国際認証取得を自慢するのなら、ただちに私道舗装、私道排水助成を10割に復活して、生活道路の補修をすべきです。答弁を求めます。

 次に、違法貸しルーム、いわゆる「脱法ハウス」問題について質問します。
 いま、居室が極端に狭く、建築基準法に違反する「脱法ハウス」の存在が明らかになり、大きな社会問題となっています。長引く不況のもとで、雇用の不安定で低所得者が増え、敷金、礼金が要らない、保証人がいなくても入れる住まいとして「脱法ハウス」が受け皿となっています。区内で脱法ハウスの疑いのある住居は、52件442室あります。
 私は、8月に「脱法ハウス」―問題の分析と解決に向けてのシンポジュウムに参加し、入居者から話を伺う機会がありました。入居者の訴えは「派遣の仕事で収入が安定しない、転々として派遣先の職場に近いところで入っている」「突然閉鎖を通告され、不安の日々を過ごしていたが、弁護士を紹介され裁判で勝利し半年間は住み続けることができるようになったが、問題は解決されていない」「低所得者なのでアパートに入るための初期費用を貯めることが困難」などでした。住まいの貧困は大変深刻です。
 そこで質問します。
 本年9月6日に国土交通省より脱法ハウスについての判断基準が示されました。
 是正指導に伴い、退出を迫られる脱法ハウス入居者に対して、区が総合相談窓口を設置し、事業者が転居先を確保するよう指導するなど、きめ細やかな対応をすべきです。さらに、脱法ハウスに入居しないで済むように、転居の際の費用や初期費用の貸し出し、家賃補助、公的保証人制度の創設等により安全・安心の住まいを確保できるようにすべきです。答弁を求めます。

第二に、特定整備路線補助81号線について質問します。
 東京都と区は、巣鴨5丁目から北区西ヶ原3丁目の「都市計画道路補助81号線」の事業及び測量説明会を11月6日、朝日小学校を皮切りに西ヶ原小学校、駒込小学校体育館で行いました。説明会は全体で1時間30分、最初に職員紹介、挨拶、事業及び測量説明で30分程です。質疑応答は1時間です。三つの体育館で合計480人が参加しましたが、質疑応答時間が短すぎます。住民から形式的で、血が通っていない、と批判がでたほどです。
 3箇所の説明会での住民の発言は、圧倒的に反対の立場からのものが多かったのが特徴です。主なものをあげますと、一つ目に巣鴨5丁目から駒込7丁目付近の防災公園、みんなの広場までは既に延焼遮断帯は形成されている、二つ目に補助81号線は当初、白山通りから本郷通りまでの区間だったのが、谷田川どおりまでになった。北区側は特定整備路線から外れたのに、なぜ住民の意見を聞かないのか、三つ目にこの地域に住み続けたい、街を壊さないでほしい、四つ目に都市計画道路81号線、特定整備路線を見直し、巣鴨5丁目児童遊園前の幅員10mの区道を活かして行き詰まり箇所を解消してほしい、などです。これに対して、都と区は、道路を整備することで、延焼遮断帯の形成、地域の防災力の向上、アクセス性の向上などと、ひたすらご協力とご理解をお願いしますと何度も、何度も繰り返したのであります。
 私が、第1回定例会で「補助81号線は特定整備路線から外すべきと」と質したら、区は「補助81号線に限らず、すべての特定整備路線について候補区間から除外する考えはございません」と答弁しました。しかし、この地域では、反対運動が大きく広がっています。「防災というなら耐震補強、難燃化の促進をすべきだ」、「現道を活かして道路を整備すれば、白山通りへのアクセス性を向上させることができるので、補助81号線は必要ない」として住民運動がすすんでいます。3月26日、豊島区長に染井商店街振興組合理事長と住民代表名の署名1769人を提出、7月25日、駒込7丁目町会長、はじめ、住民代表8人が区長に対して、要望し、懇談を行ってきました。地元区議会議員も同席しました。東京都に対しては、10月21日、巣鴨地蔵通り商店街振興組合理事長、駒込商店街振興組合理事長、駒込町会長などを代表者とした都市計画道路補助81号線の見直しを求める署名を2347人分添えて提出しました。
 そこで質問します。
 住民代表が区長に要望した際、区長は“本日の会合を区と住民との話し合いの始まり、そのようにさせてほしい≠ニいう旨の発言をしましたが、いきなり「事業及び測量説明会」の開催をすることは住民との約束を反故にするものであります。当然、住民側は話し合いが続くものであると期待をしていました。現況測量が始まる前に住民側との話し合いを持つべきだと考えますが、いかがですか、お答えください。
 また、東京都が延焼遮断帯のシミュレーションをおこないましたが、巣鴨5丁目から防災公園「みんなの広場」まで、現道でも焼け止まりになっています。ということは、既に延焼遮断帯は形成されているのです。改めて伺います。区長がその気になれば、都市計画道路補助81号線は特定整備路線から外すことは可能です。きっぱりと見直すべきです。答弁を求めます。

第三に、公契約条例の制定について質問します。
 公契約条例は野田市、川崎市、多摩市に続き、23区でも、渋谷区、足立区で制定され、全国で大きな流れとなっています。公契約条例は公共事業に従事する労働者の賃金が、その地域の標準的な水準を下回らないように条例で規制し、労働者の生活賃金の保障をおこなうとするものです。同時に安心安全な公共施設の建設を担保するものです。安かろう悪かろうでは区民の安全を守ることができません。良質な公共施設は区民にとっても大きな財産になります。安全で丈夫な構造物は、メンテナンス費用を抑え、寿命を延ばします。結果として税金の負担軽減にもつながります。
 今、全国各地の自治体で公共工事の入札不調が相次いでいます。設計労務単価や資材の高騰などにより、応札する建設業者があつまらないからです。豊島区でも西部地域複合施設請負工事の入札の不調により、先の定例会で、債務負担行為の限度額を引き上げるために、16億円上乗せする補正をおこないましたが、11月18日、入札が再度不調になりました。異常な事態です。しかし、区内の建設職人に話を伺うと、まだまだ「賃金は上がってない」のが実態です。国土交通省が平成25年度公共工事設計労務単価について前年比15.1%引き上げたにもかかわらず、現場の労働者の賃金に反映されていません。
 足立区では、2011年11月に庁内に検討委員会を設置し「依然として下請け業者や孫請け業者のもとで働く労働者の賃金が最低賃金を下回っているという現状があるため公契約条例の必要性は大きい」と報告書をだし、今年9月に全会派一致で公契約条例を可決しました。
 そこで質問します。
 わが党区議団は、これまで繰返し公契約条例を求めてきましたが、区は「労働基準法等の関係法令に反しない限り、個々の労使間で取り決められるべき」と答弁してきました。しかし、個々の労使間の取り決めに任せたから、賃金が下がり続けてきたのであります。
 これまで、公共事業の低受給競争により、建設職人の賃金が下がりつづけ、離職者が相次ぎ、人手不足を招いた理由にもなっています。このまま放置するなら、建設職人の技術・技能の継承ができません。それどころか、区内の災害時の対応やインフラの維持、更新にも支障をきたす恐れもあります。直ちに公契約条例を制定すべきです。答弁を求めます。