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区議会質問
 
2012年第3回定例会(2012年9月26日) 森 とおる議員の一般質問

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して「くらし、福祉、防災など区民の切実な願いに応えよ」と題し、次の6点について一般質問を行います。
 第1に、消費税増税について
 第2に、原発ゼロをめざすことについて
 第3に、区民負担の軽減策について
 第4に、防災・震災対策について
 第5に、コミュニティバス導入について
 第6、JR板橋駅改良・バリアフリー化について
 区長の明快な答弁を求めます。

●第1の質問、消費税増税への反対についてです。
 民主、自民、公明の3党が消費税増税法の成立を強行しました。国民の多数が反対する中で、密室談合をくり返し押し通したもので、議会制民主主義にもとる行為です。民主党の公約違反の10%への消費税増税は、すべての国民の暮らしと、中小零細業者の営業を脅かし、脆弱な内需に壊滅的な打撃を与えます。
 民主党政権は、「消費税増税は社会保障の充実のため。税収はすべて社会保障にあてる」と説明してきました。しかし、社会保障と税の一体改革に盛り込んだのは、年金給付の削減、支給開始年齢の引き上げの検討、医療・介護の負担増などです。3党は実施までに低所得者対策や軽減税率の導入について検討するとしていますが、先送りされ見通しも立ちません。さらに増税法案には法人税のいっそうの引き下げを検討する条項や、公共事業に投入する条項まで盛り込まれているのです。一体改革の名称は、「社会保障切り捨て・解体、税収は公共事業と大企業減税に」と改めるべきなのです。消費税を倍増して13.5兆円もの負担増を国民に押しつけ、社会保障のためなどの口実も総崩れしている以上、増税の強行に何の道理も大義もありません。先月行われた毎日新聞の世論調査で、消費税が「暮らしに影響する」と答えた人が、「大いに」と「ある程度」を合わせて92%にも達しています。消費税増税が国民の暮らしに深刻な影響を及ぼすことを浮き彫りにしています。
 そこで質問します。
 これまでわが党は、区民の立場に立ち、消費税に反対するよう求めてきましたが、区長は反対の意思を示しませんでした。しかし、国会で可決後も多数の反対の声が上がっています。区民から暮らしていけない、商売もやっていけない、これ以上の増税はやめてという多くの声です。区長はこの声をどう受け止めているのでしょうか。お答えください。
 増税の実施は2014年からです。増税を許さない闘いはこれからです。今からでも遅くはありません。消費税増税に反対を表明すべきです。答弁を求めます。

●次に第2の質問、原発ゼロ宣言の実施についてです。
 福島原発事故は、人間社会と原発は共存できないことを明らかにしました。国民の運動の結果、5月5日に泊原発が停止し、50基ある全ての原発が停止しました。しかし、政府や電力会社は夏を前に、「原発が動かなければ停電になる」とか日本経済が大混乱になる」などと不安をあおり、大飯原発3、4号機の再稼働を強行しました。ところが、今年の夏は猛暑が続きましたが電力は不足することなく、東京では計画停電の声は全くありませんでした。関西電力管内では原発なしでも余力がありました。政府と電力会社の目論みは、原発再稼働ありきだったということです。
 今月、政府は「エネルギー・環境戦略」を決定しましたが、原発が2030年代まで存続するというものであり、廃止期限があまりにも遅すぎます。この夏の結果をみれば即時原発ゼロが可能です。さらに看過できないのは、まがりなりにも原発ゼロを目指すというのに、新たな核燃料をつくりだす核燃料サイクル政策を温存するという矛盾です。当面は原発に固執し、さらなる再稼働容認の立場を示したものに他なりません。これまで政府は、「原発を止めたら電力の大幅値上げが避けられない」と脅していましたが、そのコスト試算には被災者への賠償や除染、廃炉にかかる費用など不十分なままでありごまかしであることは明白です。安全対策が不十分なまま、政府が原発に固執することは国民の生命を危険にさらすことです。今も16万人もの福島の人々が故郷を追われ避難を余儀なくされ、不安ややり場のない怒りに苦しめられている実態に背を向けてはならないのです。毎週、行われている首相官邸前の抗議行動や、各地で取り組まれている脱原発デモ行進、先月は「原発反対ブクロデモ」が行われ、原発ゼロを求める声は区内にもひろがっています。政治が決断すれば即時原発ゼロは実現できるのです。
 そこで質問します。
 区長は、政府に対する抗議行動など、空前のうねりを直視し、原発ゼロの立場を表明すべきと考えます。
 また、区として、原発ゼロ宣言を行い、豊島区から全国に向けて発信すべきですが、いかがでしょうか。合わせて答弁を求めます。

●第3に区民負担の軽減策についてです。
 区民は、給与、売り上げ、年金などの収入が減り続けている中で、今年は、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料の値上げや、9月からは東京電力の一方的な値上げなど、様々な負担増がのしかかっています。一人暮らしの高齢者Aさんは、元々少なかった年金が、さらに減らされ、「貯金が底をつきそうだ」と言って、この猛暑の中でエアコンもつけず食事などの費用を削り耐えしのんでいます。大学を卒業したBさんは、就職先が無く、家賃を払えずに途方に暮れ、「どうしたらいいのかわからない」といいます。そこへ消費税増税が社会保障の大幅削減とともに実施されようとしているのですから、区民の不安と怒りは増すばかりです。

 1点目は、国民健康保険についてです。
 本区の国保加入世帯数は昨年3月末時点、60127世帯、そのうち所得が200万円以下の世帯は、46,122世帯と77%を占めています。所得のない世帯については24,034世帯、全体の4割にも上ります。元々、国民健康保険制度は、国が低所得者や退職者などを対象としてつくった制度ですが、あいつぐ負担増と長期不況のもと、自営業者の経営難、低賃金の非正規労働者や失業者が著しく増加しているのです。にもかかわらず、国保料は毎年のように値上げされ続けます。昨年度は、23区が、旧ただし書き方式に移行したため、低所得者を中心に各種控除を受けている世帯の保険料がはね上がりました。その保険料があまりにも高く、激変緩和を取らざるを得なくなりましたが、わずか2年間の経過措置で、今年度までで終了です。終了すると給与所得者4人世帯では、年間182,200円の国保料が、来年度は93,000円もの大幅値上げとなります。さらに今年度は、保険料率の改定が行われ、全世帯が値上げされました。このように収入が上がらないのに保険料が上がり続けるのは、国の予算削減が原因です。国保の総会計に占める国庫支出の割合は、当初50%だったものを半減してしまったからです。今、区民には様々な負担増がのしかかっており、保険者である区が責任を持って国に国庫負担の増額を求めるなど、軽減策を講じなくてはならないのです。
 そこで質問します。
 今、あまりにも高すぎる保険料に、区民から悲鳴が上がっています。今定例会に、国民健康保険事業会計から一般会計に6億6千万円が繰り入れられる補正予算案が提案されています。こういう時だからこそ、こういうお金を使い、保険料を引き下げるべきですが、いかがでしょうか。
 今年度終了する予定の経過措置は、来年度も継続すべきです。区長は、前回定例会で「低所得者や非課税者に、何らかの措置をすべきと考えている」と答弁しましたが、どのような措置を行おうとしているのでしょうか。お答えください。
 
 短期証、資格証についてです。
 国保料が高すぎるために払えない区民が増えています。収納率が低下しているのに、制度を維持するといって国保料を上げる。まさに悪循環です。本区では収納率が70%台に落ち込んでいますが、あいつぐ負担増により、滞納世帯がますます増えることになります。滞納するとペナルティとして正規の保険証が取り上げられ、代わりに短期証、資格証が発行されます。本年8月末時点の発行数は、短期証が5,907、資格証が2,553です。他区と比較して極めて多いのです。Kさんは国保料を滞納し、月々3千円を分納することになりました。しかし3千円を払うことができなくなりましたが、短期証がなければ困るため、なけなしの千円を払いました。あまりにも冷たいやり方です。資格証になると病院の窓口で全額医療費を立て替えて支払わなければなりません。そのために医者にかかることを我慢し、症状が悪化し、最悪の場合、命に関わるといった事例が、全国であいついでいます。区民の医療を受ける機会を奪ってはなりません。
 そこで質問します。
 わが党は、生命にかかわる資格証の発行はやめるべきと言い続けてきました。他区と比較して、こんなに多く発行している区はありません。区長は、セーフコミュニティ国際認証都市だと声高に言いますが、それならば、資格証を減らす努力をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 短期証についても、区民の生活実態を勘案し、正規の保険証を発行するよう努めるべきと考えます。答弁を求めます。

 区民負担の軽減策の2点目は、保育園待機児童解消策についてです。
 まず、子ども子育て新システムについてです。
 これまで区は、新システムについて具体的なことが示されないので反対しないとか、内容を全否定すべきではないなどと、態度をあいまいにしてきました。そうこうしているうちに、 国会では、国民からの批判にさらされたことにより若干の修正はあったものの、消費税増税のための取引材料として民主、自民、公明3党により強行されました。
 その危険な中身は変わりません。現在は、認可保育所に入れない場合、無認可施設に入所しても、空きが出た場合は入所の優先順位が高くなりますが、新システムでは、優先されることにはならず、認可保育所へ移ることは困難になります。
 株式会社の参入を促進するための、客観的基準を満たしさえすれば原則指定しなければならなかった「指定制」は撤回されました。しかし現行では、自治体が保育所運営にふさわしくないと判断し、営利企業を認可しないことも可能でしたが、不法行為をおこなっていなければ、待機児がいる状態なら基本的に認可しなければならないとされ、保育の質は保証されません。また、運営費である給付金から生まれた剰余金を株式配当や、他の事業に回すことについて制限する規定もなく、もうけを出そうとすれば削られるのは人件費です。このように新システムは、最重要課題である待機児童解消に名を借りて、保育に企業の参入をすすめて、もうけの対象とし、国と自治体の責任による保育から、保護者の自己責任に変え、これまで築き上げてきた児童福祉と保育の歴史を根底からくつがえそうとしています。何よりも一番のしわ寄せをこうむるのは子どもたちです。
 また、実施義務規定の改変をみると国の補助金の扱いがあり、これまでは私立認可保育所の新設、修理、拡張などに、国が二分の一、区市町村が四分の一で補助していましたが、施設整備費は施設型給付費、地域型保育給付費の中に含めて支給することになり、施設補助の規定はなくなります。わが党が以前から指摘してきたこの点も修正されませんでした。そのため、「全国1万か所以上の私立保育所を担ってきた社会福祉法人がすべてつぶれてしまう」と声が上がっています。
 そこで質問します。
 今でも厳しい運営を強いられている私立認可保育所は、新システムによってさらに補助金が削減されることになれば、やっていけなくなることは明らかです。区はどう対応するつもりでしょうか。
 また、現行の補助水準を維持するように、区が支援すべきと考えますが、合わせてお答えください。
 子どもたちと保育園を守るために、公的保育を後退させる新システムを撤回するよう、国に求めるべきです。明確にお答えください。

 次に保育料についてです。
 今定例会に区は、保育料を改定する条例を提案しました。その内容は、税法改正による増税分の負担軽減をはかるとともに、所得に応じた見直しをするとして、所得上位階層の細分化と高額階層の新設を行なうというものです。所得上位階層などと言いますが、3歳児は前年分の保育料算定所得税額が232,500円以上の世帯、4歳児以上は同じく112,500円以上の世帯が値上げとなります。これらの世帯は、決して裕福な世帯とは言えません。先ほどから述べているように、収入が上がらない中、あいつぐ負担増で区民の暮らしは深刻です。特に子育て世帯は、年少扶養控除の廃止や、高い住宅費、ローンを抱えるなど、出費が多いことの認識に欠けているのではないでしょうか。
 そこで質問します。
 保育料の値上げはやめるべきです。いかがでしょうか。答弁を求めます。

 認証保育所等利用者の保護者負担軽減補助の拡充についてです。
 わが党は、認可保育所の待機児童を抜本的に解消するために、毎回の議会で取り上げてきました。本年4月の待機児童数は、171人から129人へと減ったと言いますが、認可保育所に入れない子どもたちは、昨年同様291人だったのです。認可保育所に入りたくても入れずに、やむを得ず認証保育所等に入っている子どもたちがたくさんいるということです。 
 わが党の議案提案をきっかけに、昨年度からようやく認証保育所等に預ける保護者への補助が始まりました。しかし他区では、差額を全額補助し、6万円を超えるなどしているのに、本区では、差額に応じて1万円か2万円です。前回定例会にて補助の拡充を求めましたが、区は、「昨年と比較して認証保育所の入所者が増加し、認証保育所の利用の促進という目的は相当程度達成されたので、当面現行の水準を維持する」という答弁でした。認証保育所の利用が増えたことにより、保育料の助成を見合わせるという認識は間違っているのです。
 そこで質問します。
 認可保育所に入れずに、認証保育所等に預けざるを得ないのは、区の責任です。認可保育所との差額分は全額補助すべきですが、いかがでしょうか。
 また、増加している認可保育所への入所希望に応えられる保育計画に抜本的に見直すことが必要です。そのためには認可保育所の新設をふくめた大幅増設に軌道修正すべきですが、区長の考えをお示しください。

●第4に、防災・震災対策についてです。
 東日本大震災から1年半が経過しました。マグニチュード9の地震と巨大津波によって、15,000人を超える死者を出し、依然2,800人以上が行方不明です。さらに福島原発事故による放射能汚染という未曾有の被害も重なり、東北3県を中心に未だに34万人以上が避難生活を強いられています。東日本大震災は、あらためて被害を未然に防ぐことの重要さを示しました。今、日本は地震の再活性期に入ったとされており、首都直下地震の切迫が指摘されています。
 まず、災害を未然に防ぐ予防対策を地域防災計画に盛り込むことについてです。
 防災対策の基本は、あらためて言うまでもなく予防が第一です。自治体として公の責任を果たすことが今こそ問われています。かつて東京都は、防災対策の基本である予防原則を第一にした「震災予防条例」を制定し、防災の取り組みを前進させてきました。ところが石原都政になって2000年に条例を改悪し、防災対策を大きく後退させたのです。ついでこの流れを、構造改革を旗印とした当時の小泉首相が、国の防災計画に持ち込んだのです。そのため自助、共助を軸とした自己責任論が横行することになり、公助という公の責任を果たさせる上で障害となっているのです。
 東京都は今月、地域防災計画の修正素案を公表しました。その中身は、都民に自己責任を求める一方、切迫する首都直下地震による大災害を防止する都の責任はあいまいなままです。被害想定の死者数を6割減らすとしていますが、「木密地域不燃化10年プロジェクト」は、道路整備ばかりで、耐震化の助成制度など盛り込まれていません。これまでの木造住宅耐震化助成は2006年度から2010年度までの5年間に、わずか301件と、静岡県が8,943件を助成したのとは比較になりません。このように都は、「耐震化は自己責任」だとして、住宅倒壊から人命を守るという基本的姿勢を放棄しているのです。その一方で、総事業費1兆数千億円もの外郭環状道路建設をはじめとした、オリンピック招致の名による大型開発には大盤振る舞いなのですから、多くの都民から疑問と批判が相つぐのは当然です。今、求められている防災対策は、耐震・耐火への助成制度の確立や、延焼を遮断するというならば道路整備だけでなく、ひろば・公園など空地を確保することが大事なのです。区の地域防災計画は、都の計画と整合性を図ることになりますが、このままでは区民の生命と財産を十分守るものにはなりません。
 そこで質問します。
 東京都に対し、公の責任を明確にした、予防重視の実効性ある計画に抜本的に修正するよう、働きかけるべきと考えます。
 その上で、本区の地域防災計画の見直しにあたっては、東日本大震災の教訓をふまえ、予防と公助を柱にした、住宅施設の耐震・耐火への助成、安全対策、災害弱者救済など、区民の生命と財産を守ることを盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 今、区は、木密地域不燃化10年プロジェクトで道路をつくり、燃えないまちを進めるとしていますが、日本一の高密都市というならば、何より防災に必要なのは、ひろば・公園です。それを確保することが、区長の責務だと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

 次に、首都直下地震が発生した際の被害想定についてです。
 東京都は4月に「首都直下地震等による東京の被害想定」を公表しました。最大震度7、死者9700人、木造密集地域に被害集中などというもので、2006年に策定した被害想定の見直しです。前回の被害想定は、被害の過小性が指摘されていたため、今回の見直しでは是正が課題とされていました。しかし、文部科学省の研究プロジェクトのデータを元にしているのですが、文科省自身が、「今回の試算は多くの仮定に基づいている」と異例のコメントを付し、携わった研究者が、「仮定に仮定を重ねたもの。震度は中央防災会議で決めること」と記者会見で発言しました。しかも、策定過程と使用されたデータが十分に明らかにされていないため、被害想定の是非を検証できないなどの欠陥があります。本区のデータを見ても、死者が77人から121人へ増加していますが、全壊棟数は2,540棟から1,679棟へと大幅減少しています。また、これまでマグニチュード7.3規模の地震が発生した際の避難者予想数も約57,000人から34,000人に減らしたと言います。いったいなぜこのような数字になるのか、区民から、その根拠や信憑性について疑問が出るのは当然です。
 そこで質問します。
 東京都の被害想定は、信憑性に乏しく正確性に欠けています。これを鵜呑みにしたのでは、いざ震災時に想定外となりかねません。区独自に検証し、最悪の事態を想定した、より詳細で、科学的に裏付けのあるものを練り上げ、防災・震災対策に活かしていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

 続いて、避難所対策についてです。
 34,000人程度と下方修正した避難者予想数ですが、本区の避難所救援センターの概算収容人員は約21,000人しかなく、なお不足しています。救援センター自体が被害に遭い使用できなくなること、帰宅困難者の受け入れも想定しなければなりませんので、数字以上に大幅に不足していることになります。
 そこで質問します。
 救援センターを大幅に増加しなければならないことは明らかです。現行の補助救援センターは、「救援センターで避難者を収容しきれなかった場合に開設する」とされていますが、救援センターが不足している現実をふまえ、施設ごとにできるところから順次、まずは緊急避難できる態勢づくりを進めていくべきですが、いかがでしょうか。
 特に補助救援センターである帝京平成大学は、地下部分を区民に集会室として開放しています。直ちに、この集会室を緊急避難できるように設定すべきです。合わせて答弁願います。
 また、不足している福祉救援センター機能整備拡充に、大至急取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

●次に大きな第5の質問、コミュニティバス導入についてです。
 1995年に武蔵野市がムーバスを走らせ、その後、交通不便地域にコミバスを導入する自治体が増えました。わが党の調査によると、都内では16区28市町村が導入し運行しています。コミバスは、乳児連れの家族や、障害を抱える方、高齢者など、地域住民の外出の足として、公共施設の利用や商店街での買い物、通院、また主要鉄道駅をつなぐ役割など、利用者からたいへん喜ばれています。また、高齢者の外出が増えることは、社会とのつながりを増やし、「元気」につながります。さらには地域の活性化にも貢献するという利点があります。他自治体で運行しているコミバスの活躍を見て、本区においても多くの区民が、導入を今か今かと心待ちにしているのです。
 この間の経過をみると、2008年、区はコミバス導入検討に関する区民意向調査を行ったところ、区民は交通面に不便を感じているといった調査結果が出たため、地域公共交通会議を設置し、導入検討を始めました。まずは西部地域と中央地域を優先し、2010年度中に1路線の運行開始をめざし検討を進めていました。そこに、池袋駅西口と江古田二又間の国際興業バス「池07系統」が赤字を理由に廃止することが浮上。区は池07存続のため、財政支援を決めました。昨年4月にこの財政支援を始めたことを理由に、コミバス検討をやめてしまったのです。区の説明は、「池07延伸運行開始後5年間を1つの支援期間とし3年を経過した時点で便益と補償額との比較を行い、支援継続をするか否かの判断を行う」というものでした。それに合わせて、「これまで行われてきたコミバスの導入検討は、この検証の終了後に、あらためて必要性も含め再検討するもの」とされたのです。すなわち、2011年度から2013年度までは、導入検討をストップしてしまったのです。西部地域でコミバスが検討されていたルートと池07のルートは一部が重複しているだけで別物です。西部地域のコミバスの必要性は解消されていないのです。池07は必要な路線ではありますが、検討をやめる理由にはならないのです。
 今年に入り、議会には、上池袋や、駒込、巣鴨、大塚地域から、2600名もの署名とともに、3つの請願、陳情が出されるほど、コミバスの要望が高まっています。ところが東部地域については、いまだに調査さえ行われていないのであります。わが党は区民の要望に応え、コミバスの検討を再開するように、議会で再三、取り上げてきました。しかし、そのたびに区は、「本区は交通が便利、道路が狭くてバスが通れない」という言い訳を繰り返し答弁してきました。しかし、交通が便利と言いますが、本区は池袋駅を中心にした交通網であり、周辺の整備は不十分です。またJRや東京メトロなど私鉄は、ホームまでの階段や、駅と駅の間が長く、高齢者にとってけっして便利ではありません。その点コミバスは、弱者に優しい気軽で身近な公共交通機関です。
 そこで質問します。
 池07支援継続の判断と、コミバス導入検討を、一緒にすることがまちがいです。コミバス導入検討を直ちに再開すべきです。
 また、区内は道路が狭くバスが通れないと言いますが、上池袋地域住民から要望が出ている宮仲公園通りなど、路線バスと競合することなく、コミバスを走らせることはできますが、いかがでしょうか。
 多くの住民から要望が出ている東部地域も含め、直ちに調査し、導入を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

●最後に、JR板橋駅改良・バリアフリー化について質問します。
 板橋駅は、豊島区、北区、板橋区の区境に位置し、多くの豊島区民が利用しています。ところが区内JR各駅のようにバリアフリー化されず、エスカレーター、エレベーターが無く、いまだに利用者は階段を上り下りしています。駅利用者からは、バリアフリー化を求める声がとても多く、わが党はこれまでも、JR東日本に申し入れを行い、議会でも再三取り上げてきました。
 今年度、JR東日本はようやく、「板橋駅改良・バリアフリー化検討案」を公表し、区を通して議会にも示されました。来年度、工事着手し、2015年度にバリアフリー化は完了、その翌年度に駅舎整備が完了というものです。工事内容は、東西の改札を無くして改札外通路にし、現在のホーム下に改札と駅舎をつくる。東側には高架下一体開発、西側には利活用検討中とあり、駅ビルを連想させる計画は盛り込まれていますが、わが党が以前から要望してきた、「池袋寄りの改札口の新設」はありません。「旧貨物用線路を撤去し、ホームを拡幅すること」や、「転落防止用ホームドア設置」などもないのです。そして何より驚いたのは、エスカレーターの設置が無いことです。エレベーターについては、ホームと西側の階段部分にそれぞれ1基ずつありますが、これでは工事終了しても、ほとんどの利用者は、これまでのように、階段を上り下りしなければならないのです。これでよく「バリアフリー化」などと言えたものです。板橋駅の乗降客数は約6万人です。山手線目白駅の75000人と比較しても遜色ない乗降客数です。エスカレーターはあって当たり前、無いことがおかしいのです。
 そこで質問します。
 遅きに失したとはいえ、ようやく計画に着手しましたが、エスカレーターの無い駅はバリアフリーではありません。多くの区民、利用者が快適に駅を利用できるように、この機会を逃さず、JR東日本に対して、エスカレーター設置を強く要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

 以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。