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区議会質問
 
2011年第4回定例会(2011年11月29日) 小林 ひろみ議員の一般質問

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して「区民要望にそった来年度予算編成とするために」と題し、一般質問を行います。
第一に 来年度予算編成について
第二に、安心して介護がうけられるようにするために
第三に、池袋本町地区・校舎一体型小中連携校について です。

第一に 来年度予算編成についてです。
 3月11日に発生した東日本大震災・福島第一原発事故災害は、日本社会と国民に甚大な被害をもたらしました。今なお、先のみえない不安と苦しみの生活が続いています。とりわけ、福島原発事故は、未だ収束の見通しもたたず、放射能汚染は豊島区にも影響を及ぼしています。
東日本大震災と原発事故は、これまでの政治のあり方を根本から問うものとなり、国民・住民の命と暮らしを守ることこそ、政治と行政の最大使命であることが示されました。一刻も早い被災地の復興と原発事故の収束、原発からの撤退、社会保障の充実や暮らしの安定が求められています。
ところが、9月1日に発足した野田政権は、「財界直結」「自公との事実上の大連立」、そして「社会保障と税の一体改革」の名による社会保障改悪と消費税大増税の道をつきすすもうとしています。「一体改革」は、憲法25条のいう国や自治体の責任を放棄して、公的扶助を削減・縮小して国民の「自助努力」に置き換えることをうちだしているのです。また、社会保障の「重点化・効率化」を強調し、「機能の充実」は「給付の重点化」と「同時に行う」という考え方が原則だとしています。
そもそも憲法は平和のうちに生存する権利と社会保障を重視しています。そして憲法は税金は能力に応じて支払うもの(応能負担原則)としており、国税、地方税、目的税といえる社会保険料などは、すべて応能負担によって課すことになっているのです。その使い道も平和と社会保障のために使われることを前提にしているのです。今回の社会保障と税の一体改革は、憲法の視点が全く欠けています。国民が安心して生存できるためには、憲法の理念に合致する税・財政の実現が重要です。

 この立場から豊島区来年度予算編成について、みてみます。
 豊島区は、来年度予算編成の依命通達で、来年度は財政調整交付金も特別区民税収入も大きな増加は見込めないなどとして「最新の収支見通しでは、最大56億円程度の財源不足が生じると見込まれており、更なる経費の大幅な圧縮や各種基金取り崩しなどの財源対策の実施を迫られることは必至である」とのべています。
 わが党は、2010年度決算について、やるべきことをやらずに前倒しで借金返済を優先し、国や都のいいなりで補助金削減を容認し財源確保をしてこなかったこと、区民の切実な要求に応えるものになっていなかったこと、不要不急の大型開発をすすめ、区民にしわよせをしてきたことから、認定に反対しました。こんな財政運営をしていたら、区民生活も豊島区財政も明るい展望は見えてきません。

 そこで、質問します。
 まず、来年度予算編成にあたっては、自治体の本旨である「福祉の増進」を第一にすえ、区民の実情をよくみて特養ホームや保育所の待機者をなくすなど、こまっている区民の要望にこたえる施策を最優先に取り組むべきです。答弁ください。そして、必要な財源は、区長自らかけあってでも国や都に求めてしっかり確保することが区長の責任です。不当な国や都の財源圧迫をはねのけるべきです。区長の見解をおきかせください。
 
 来年度予算編成について、必ずやるべきことについて4点伺います
 まずは保育園の待機児解消についてです。
 保育園の待機児童は、増え続けています。保育指数が満点である20点でも入れない状況が出ています。これ自体大問題なのです。
 区は待機児解消のため、第一次保育計画、第二次保育計画を作ってきましたが、待機児童は減るどころか毎年増え、今年4月は171名となりました。10月1日現在は、0,1,2歳を中心に219人になっています。待機児童の解消がうまくいかないのは、現在の保育計画が認可保育園の増設には全く消極的で、唯一の認可保育園の新設も、民間まかせ、それもJR大塚駅ビルの中につくるというものだからです。さらに緊急策も保育ママや認証保育所といった小手先の対策であり、これでは、真の待機児解消はできません。わが党は以前から根本的な解決である認可保育園の増設を求めてきました。第三回定例会で区長は、「保育計画を見直し」、「速やかな待機児童解消を図っていきたい」としましたが、認可保育園をつくらずに一体どうやって待機児解消するのでしょうか。認可保育園をつくるにはお金がかかりますが、豊島区のこどもたちを健やかに安全にそだてる、子育て支援のためには、必要な税金をつかうのは当然のことではありませんか。緊急策としては、未利用地の活用では、巣鴨第一保育園の前の土地をつかって分園とすることがきまりましたが、もつと早くやっておくべきだったのです。
 一人ひとりの保護者にとって、保育園にはいれないことは切実な問題です。産休明けや育休明けに保育園にはいれなければ、正規社員の仕事を失うこともあります。失業中の人にとっては働けない、生活の糧をえることができないということです。また1歳児も5年もたてば小学校に入学してしまうのです。5年計画では遅すぎますし、現在の保育計画、認証保育所なども含めた300人分の受け入れ枠の拡大では足りないのはあきらかです。
 そこで、質問します。
 現在も219人もの待機児童がいます。来年は認可保育園の定員が40名程度増えるときいていますが、まだ足りません。いったいどうするつもりなのか、具体的な緊急策についてお答えください。
 区長は、基本計画で待機児ゼロを掲げましたが、本気でゼロにするなら認可保育園をつくるしかないのであります。国有地、都有地を含め未利用地をさらに活用し認可保育園増設を基本とした保育計画に抜本的に見直すべきです。答弁ください。
 民主党政権は、「地域主権改革」をかかげ、待機児解消のためだといって、公的責任をなげすてる「子ども・子育て新システム」をすすめようとしています。これは待機児解消にも役立たないばかりでなく、長年豊島区の保護者や保育関係者、区民の運動で積み上げてきた保育水準を低下させるものです。ところが政府は来年の通常国会に、法案を提出するつもりです。保育というのは、子どもを育てることであって、単純にあずかればよいというものではありません。豊島区の保育の質を下げ、待機児解消にもつながらない、「子ども・子育て新システム」に明確に反対すべきです。答弁ください。

 必ずやるべきことの二つ目は特別養護老人ホームについてです。
 現在豊島区は、区内二か所で特養ホームをつくることを検討しています。千川小学校跡地と旧中央図書館用地です。千川小学校跡地には、特養・保育園・その他をつくるために「考える会」で検討を進めています。ところが来年度から始まる第五期介護保険事業計画案には具体的な特養ホームの増設はありません。今後3年間特養ホームができないということです。
 9月末現在特養ホームの待機者は1238名、区が緊急度が高いと認めたAランクは445名です。点数の付け方があり、要介護度4とか5でも同居で介護をする人がいるとAランクになりません。寝たきりの妻を介護する高齢の夫は「自分がいるからAランクにはならないので、特養に入れない」となげいています。タクシー運転手をしている息子が一日おきに介護している高齢者もAランクにはなりません。老老介護や家族介護の大変な状況に打つ手がありません。困ったときに区に相談にいくと、ケアマネージャーや包括支援センターに相談するよういわれますが、結局特養にははいれないのです。「施設の利用ができるかどうかはケアマネージャーの腕次第」などという話がありますが、とんでもありません。施設自体が足りないのが問題なのです。
 第三回定例会の質問に、区は、「まずは現在取り組んでいる200床を整備することが最大の課題と認識し、これが実現したのち、あらためてその後の整備方針について検討」すると答弁しています。そうこうしているうちに、特養に入れないまま、多くの高齢者が困難な生活をしながら、亡くなっていくのであります。特養建設は1年、2年かかることを考えると、先を見越して具体的な土地を探していく必要があります。たとえば、南大塚の巣鴨母子寮跡地について、わが党は保育園の増設を求めてきましたが、特養ホームについても検討する必要があります。
 
 そこで質問します。現在計画中の特養ホーム二か所について、第五期介護保険事業計画に盛り込み、直ちに具体化すべきです。答弁ください。
 また区は、特養だけでなく、グループホームや小規模多機能を進めていくのだといいますが、これまた思うようには増えていませんし、機能も違うのです。1200人を超える待機者のうち、せめて区が緊急度が高いと認めたAランクの人たちが入れるためには特養ホームは最低でも400床は必要です。いかがかお答えください。
 そして、早期に土地をみつけて具体化をすすめるべきです。答弁ください。
 さらに、特養ホームが足りないから必要な人たちが入れないのです。区は保険者として区民に必要な介護サービスを提供する責務があります。特養ホームに入所できないで困っている方々に対し、区として親身になって相談にのり、必要な施設を紹介するなど具体的に援助することを求めます。いかがかお答えください。

 必ずやるべきことの三番目にがん検診の無料化について伺います。
 決算特別委員会で、理事者は、「来年度からすべての検診項目を無料にするために予算計上する予定」と答弁しました。無料化にむけ大きく前進しました。まず、具体的にいくらの予算で行うのかお聞かせください。また、受診率向上のためには、無料化とともに、身近な医療機関で受診できることが大事です。がん検診を身近な医療機関でうけられるようにすべきですが、いかかでしょうか。
 さらに、現在乳がんと子宮頸がん、前立腺がんの検診は2年に1度となっています。今年度は子宮頸がんは20歳以上で偶数年齢の区民、乳がんは40歳以上で偶数年齢の区民ということです。ある方から、「せっかく検診をうけようと思ったが、来年までできないと聞いて受ける気がそがれた」と言われました。これらのがん検診を毎年うけられるようにすべきですが、いかがでしょうか。答弁ください。

 必ずやるべきことの四番目は、東日本大震災、福島原発事故による放射能対策です。わが党の要求で、放射能対策が地域防災計画の中に盛り込まれることになりました。
 保護者が心配している学校、保育園給食の食材については、豊島区は保育園9園、小学校9校、中学校3校を年内で測定しますが、わが党の「全園、全校ですべき」との指摘に、実施状況を見て判断すると答弁しています。
 またこの間、わが党は豊島区に対し、きめこまかく放射能測定をするよう求めてきて、ようやく、全小中学校、全公園、全保育園での測定が行われるようになりました。しかし、各学校、公園の真ん中1か所で測るやり方であり、マイクロスポットといわれる、雨どい、側溝、遊具周辺、落ち葉のたまった場所などでの測定はしていません。現在わが党区議団は、公園などを中心に独自に測定を行っています。幸いにもまだ特別高線量のところありませんが、やはり、側溝や落ち葉のたまった場所で線量が高い傾向があります。11月16日に豊島区がおこなった放射能に関するセミナーで 、講師の日本大学歯学部准教授の野口邦和氏も、「これからは、公園の真ん中ではなく、線量が高いといわれる場所を測定することが大切」と話されたそうです。世田谷区では原発由来ではないが区道や民有地で高い線量が測定され、他の区でも年間累積被曝量が1ミリシーベルトを大きく超える地点が存在していることから、保護者や区民の不安は解消されていません。現在23区では、いくつかの区が放射線量測定器の貸し出しを行っています。

 そこで質問します。まず、豊島区として、全小・中学校、児童館など、また保育園や幼稚園(私立も含む)など子どもが利用する施設を中心に、詳細に測定し、高線量ポイントの発見に努めるべきです。その際、年間累積線量が1ミリシーベルト以上の場所については、情報公開するとともに即座に適切な除染措置を取ることが必要と考えます。答弁ください。また、豊島区として放射線量測定器を購入し、区民への貸出しをすべきですが、いかがでしょうか。
 さらには、給食の放射線量測定については全小中学校、保育園でおこない、また、一度きりではなく、回数もふやすべきです。その際、費用面や結果が早くわかることも考えれば、区で測定器を購入することを検討すべきです。答弁ください。

第二に 安心して介護がうけられるようにするために、区がやるべきことについて質問します。
 今年6月に成立した「改正」介護保険法は、「医療と介護の連携強化」「介護人材の確保とサービス質の向上」「高齢者の住まいの整備等」「認知症対策の推進」「保険者機能の充実」「保険料の上昇の緩和」をうたっています。一見よさそうにみえますが、高すぎる利用者負担問題・要介護認定問題・支給限度額問題・不足している特養ホーム・介護労働者の処遇改善さらには公費負担割合や国庫負担の引き上げ、といった制度の根本的な問題解決には着手していません。

 まず、高すぎる保険料の引き下げについて、伺います。
 厚生労働省は昨年11月、第五期介護保険料の基準値が月額5000円を超えそうだとして、さまざまなサービスの縮減を検討しました。今回法律にもりこまれた「介護予防・日常生活支援総合事業」はとくに軽度の利用者のサービス切捨てにつながる内容です。
 10月31日、厚生労働省は、「『公費は5割』の大枠は守りながら、プラスアルファの公費を投入」して、低所得者の保険料を軽減する制度を新設する意向を示したそうですが、制度の抜本的な改善でない上、軽減には厳しい条件がついて全額免除もしないなど、限定的な見直しにとどまっています。
 保険料がとめどなく上がるという制度の根本的な欠陥に対し、国の負担をせめて30%に増やすなど国が財政負担をすると同時に、自治体も一般財源をつかって保険料をさげなければなりません。
 豊島区の基準月額保険料は現在3867円です。これが5000円になったら、1200円もの大幅値上げとなります。多くの高齢者は介護保険料を年金から天引きされるので、実際の生活費がへるということです。高齢者のおかれている状況は大変深刻です。年金はあがらないで下がる、住宅費は高い、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料はあがりつづけ、さらには医療費の負担も増える、そんな状況にさらなる介護保険料の値上げは過酷すぎます。高すぎる保険料を払えない高齢者には、利用料負担がふえるというペナルティが課せられます。
 そこで質問します。
 まず、現在のところ保険料は、いくらになると見込んでいるのでしょうか。最大限、介護給付費準備基金や財政安定化基金を活用するのは当然のことであります。答弁ください。
 高すぎる介護保険料に悲鳴があがっています。国に対し、介護保険の国庫負担分を増やすことを強く求めるべきです。答弁ください。また、今こそ一般財源を使っての豊島区独自の保険料減免制度を実施すべきときです。答弁願います。

 介護の質問の第二は、サービスの低下をゆるさないことについてです。
 民主党政権は、自公政権が国費でつくった介護労働者の賃上げのための交付金、介護職員の処遇改善交付金も廃止し、賃金維持の財源は、保険料と利用料アップで国民に転嫁しようとしています。それでも財源が足りないと、利用者への不十分な給付をさらに削減する方向を打ち出す始末です。「高額所得者」なるものの介護保険サービスの利用料を二割に引き上げる、介護保険施設(特養ホームなど)の相部屋の入所者の居住費の値上げなど、大幅な利用者負担増が検討されています。また、高齢者の在宅生活を支える生活援助について、基本的な提供時間を現行の「60分未満」から「45分未満」へと25%も切り縮める動きも浮上しています。政府は時間短縮の「根拠」として、“洗濯は平均16・6分”などの調査をあげていますが16分で終わる洗濯機はないのです。机上の計算です。生活援助の公費負担をふやさず、利用者や国民の負担増とサービス削減でまかなうやり方は許せません。
 区は、第二回定例会で我が党の質問に、介護職員の処遇改善交付金は24年度の特別区長会としての国への要望で取り上げている、と答弁しました。区長会でやっている、といってはいたものの、結局政府は、交付金を廃止する方向ですすめているのであります。

 そこで、質問します。処遇改善交付金については、区長の責任であらゆる手立てをとり存続させるべきです。答弁ください。
 生活援護のヘルパーの基本的な提供時間の短縮は、高齢者へのケアがますます難しくなると同時にヘルパー の働き甲斐をうばい、離職を加速させることにもつながります。このようなサービス低下に明確に反対を表明すべきですがいかがでしょうか。

 介護の質問の第三は第五期介護保険事業計画についてです。
 現在豊島区では、第五期介護保険事業計画の策定にとりかかっています。介護保険事業計画推進会議で検討された内容が、11月14日の保健福祉審議会に「素案」としてだされました。内容をみますと、介護予防サービスについての今後の見込み量や地域密着型サービスの見込み量が入っていません。特養ホームの利用者数見込みは現在の暫定値ということですが、増えていないし、具体的な特養数もはいっていません。そして、多くの区民に関係のある介護保険料の金額がでていないのであります。
 今後の予定では、12月に介護保険事業計画推進会議で計画素案を検討し、その後地域保健福祉計画についてパブリックコメントを行うことになっています。ただでさえ、パブリックコメントは意見が少なく、また、いくら意見をいっても区の考え方は変わらない制度で問題ですが、今回のように、区民にとって一番関係がある介護保険料や特養ホームなど具体的な内容のない『計画』について意見を求められても、意見のいいようがありません。保険料がきまらないのは、厚生労働省が介護報酬などの数字を出すのが遅いから、というのが区の主張です。しかし暫定の保険料をだしている区もあるではありませんか。
 区民にとって第五期介護保険事業計画がどうなるかは、おおきな問題です。とくに大幅値上げとなる介護保険料について、区民に意見をきかないで決めてしまうやり方は許せません。

 そこで質問します。
 第五期介護保険事業計画策定にあたっては、区民の意見を幅広くきき、利用者や介護保険事業者などの実態にあわせ、よりよい介護ができるように改善していかなければなりません。まず、介護保険料の見込みをだし、また、必要なサービスを盛り込んだ介護保険事業計画案を区民に説明したあと、パブリックコメントにかけるのが筋ではないでしょうか。スケジュールを見直すべきですが、いかがか答弁ください。

 介護に関する最後の質問は、地域包括支援センターについてです
 Aさん(50代の男性)は、正規社員で働きながら、高齢の両親と同居しています。家事全般をやっていた母親が手を骨折、入院してしまいました。80代の父親は家事などしたことがなく外出もほとんどしない、Aさんも平日は朝早くから夜遅くまで働きくたくたで、たまの休みには疲れきって寝ています。食事はパンやインスタント食品を買ってきて父親にたべさせていました。Aさんは高齢者総合相談センター、つまり地域包括支援センターに行きましたが、「同居の家族がいるなら家事援助はできない」といわれてしまい、事情もきいてもらえず、父親の要介護認定の申請もせずに帰ってきてしまいました。知人から紹介されたケアマネージャーに相談、同居の家族がいても事情によって家事援助を受けられることを知りあらためて介護認定を申請し、要支援1となりました。
 わが党は、同居者のいる場合の生活支援について、何度も繰り返し質問しておりますが、なかなか改善されません。私も昨年の第四回定例会で質問しました。介護事業者、ケアマネージャー、地域包括支援センターが同じ認識に立つように豊島区が責任をもつて指導しなければなりません。
 また、「改正」介護保険法のもとでの地域包括支援センターの役割はますます、大きくなっていきます。現在各地域包括支援センター1か所あたりの高齢者人口は、5,087名から多いところは、7623名、職員数は7名から9名の体制です。豊島区は、2011年度にアウトリーチのため補助金を増やすなどしましたが、職員は2006年と比べて平均で1.62倍にしかなっていません。新宿区では、2010年度から地域包括支援センターの職員を倍増しています。豊島区でも日中独居の高齢者をふくめアウトリーチ事業は引き続き本当にきめこまやかな対応が必要となり、そのためには人手が必要です。また、調査に協力いただいた民生委員さんからは、「地域包括支援センターと協力するといっても、豊島区は12地区になっているのに、地域包括支援センターは違うのでやりにくい」などという声もでています。新宿区では、考え方として出張所管轄区域ごとに地域包括支援センターを設置しています。
 今年第一回定例会でのわが党の質問に、区は「各センターごとの高齢者人口のバランスや地域特性、またこれらを勘案した区内におけるセンターの必要数などの問題も視野に入れ、基幹的な役割を担う組織のあり方について、引き続き検討してまいりたい」と答弁しています。
 
 そこで質問します。
 あらためて、地域包括支援センターごとの対応がバラバラにならないためにもセンターを支える基幹的なセンターを区の直営で設置すべきです。答弁ください。そして相談をうける地域包括支援センターで区として明確に「同居者がいる場合の家事援助については、家族の状況を確認したうえで、活用できる場合がある」ことを明言し、相談者に対して、親身に対応していただきたい、答弁願います。
 また、どう考えても、今のままでは、地域包括支援センターはたりません。もっと増やしていくべきです。いかがでしょうか。

 第三に 池袋本町地区校舎一体型小中連携校について伺います。
 豊島区は、2008年7月豊島区立小・中学校の適正化第二次計画及び豊島区立小・中学校改築計画を発表しました。その中では、池袋本町地区の小中学校について、まず池袋第二小学校と文成小学校を統廃合し、あいた池袋第二小学校の跡地と防災ひろばの土地に池袋中学校の校舎をたて、その後池袋中学校跡地に新小学校の校舎を建てる計画でした。ところが、昨年11月区は新小学校と中学校を一体で建てる計画変更を発表しました。池袋本町地区校舎一体型小中連携校といっています。これにより小中連携による中一ギャップの解消、小中一貫教育連携プログラムの実践の場、土地の有効活用、新校舎の仮校舎期間の短縮、建設費の削減などできるといいます。
 わが党は学校統廃合については、通学距離が延びる、学区域が広くなり地域の目がとどきにくくなる、教職員の数がへり子どもにきめ細やかな指導ができなくなる、ただでさえ校庭面積がせまいのにさらに詰め込みになる、などのことから、反対をしてきました。それと合わせて、今回の池袋本町地区校舎一体型小中連携校は、大きな問題があります。
 今年6月の地域説明会では、「池袋中学校は校舎の前に校庭がないので、教職員の目が届きにくい」「池袋第一小は校舎一体型の学校とは別の独立した小学校。連携は大丈夫か」などの意見がでています。また、7月に「かみいけ?いけほんつながり隊 地域文教部会」がおこなった「建設に関するアンケート」の中では、「小中学校の校舎を一体にする利点がわからない」「池袋第一小学校の生徒数が減少しないか」「統合小学校の生徒との間に溝ができないか」「小学校と中学校は別々に運営されるべきと考える」「小学校の校庭が今よりせまくなるのはおかしい」「学びの場として中学校へのステップアップが必要」などの意見がだされています。また小学校の統廃合について、仮校舎がせまいことや通学距離が長くなることについて心配する声も寄せられています。
 今回の池袋本町地区校舎一体型連携校について教育委員会は、「ここだけ小中連携校になるのではない。全域でやるのだ」という一方で「議論の中では、せっかく一体校舎になるのだから、豊島区のすすめる連携プログラムを引っ張っていくような学校にしようといっている」「教育委員会としてリーダー的な学校になってもらいたい」としています。
 公教育、特に義務教育は、そこに住むすべての子どものために、どの子もひとしい教育を受ける権利があるという立場に立って、行政はその条件整備に全力を尽くすべきです。
ところが、豊島区では隣接校選択制を実施しています。人気のある伝統校や、校舎を新築した学校などに子どもが集中していることは教育委員会も課題であると認識しています。ただでさえ、新校舎になれば子どもが集中する傾向がありますが、その上、教育委員会も力をいれた特別な学校、今問題になっている中一ギャップを解消するという学校なら、希望者が増えることが当然予想されるではありませんか。また、多くの人が心配しているのは、途中からはいってくる形になる池袋第一小学校の子どもたちのことです。一体どのようにして、この心配をなくしていくのでしょうか。
 一体、豊島区が検討している小中一貫教育連携プログラムとはどのような内容なのでしょうか。小学校と中学校が連携をとって教育をすすめるのは当然のことですが、いわゆる小中一貫教育となると問題があります。この間品川区で行われている一貫教育では、6.3制度ではなく、4.3.2制度をとっており、結局中学校の内容を前倒しで教え、競争をあおり、また小学校5、6年生が最高学年として成長するための生活指導が貧相になっていく、などの問題がでています。品川のある校舎一体型小中一貫校では、私立の中学へといく子どもの数がふえているというデータもあります。小中一貫校をすすめよという人もいますが、本当に子どものためになっているのか、疑問があります。

そこで質問します。
 教育委員会は、「教育ビジョン2010」の中に位置づけられている小中の一貫教育連携プログラム作成について、池袋中学校区を実践の場としていきたいとしています。しかし豊島区の他の中学校区では一体型校舎は物理的に難しいと思われます。池袋本町の一体型の校舎の実践をどうやって他の中学校区でいかすというのでしょうか、答弁ください。
 また、今回の校舎一体型では池袋第一小が途中からはいってくる形になってしまいます。ここに対する問題をどう解決するつもりなのか、答弁ください。
 今回の池袋本町地区校舎一体型小中連携校については、地域の問題であるとともに、豊島区全体の教育にかかわる問題だと思います。しかし、このような計画がすすんでいることは、知られていません。そして、このような学校は外からみれば区内でも特別の学校、エリート校としか見えません。このような校舎一体型小中連携校が地域の子どもたちにとって本当にいいものになるのか、はなはだ疑問です。今進められている校舎一体型小中連携校は、拙速にすすめず、見直すことを求めます。答弁ください。
 以上で質問をおわります。御清聴ありがとうございました。