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区議会質問
 
2011年第2回定例会(6月28日) 垣内信行議員の一般質問

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、「区民のいのちと暮らしを守り、安全な豊島区政を」と題し、
   1、区政にのぞむ区長の基本姿勢について
   2、いのちを守る防災対策の抜本的強化について
   3、区民の願いに応えた施策の拡充について
 大きく3点について質問します。区長の明快な答弁を求め、早速質問に入ります。
 去る4月23日に投開票された豊島区議会議員選挙では、定数36名にたいし、53名が立候補する多数激戦のもと、わが日本共産党は、6名の区議候補全員が当選。自民、公明に続く第3会派になりました。また、区長選挙では、我が党推薦の嶋田紀子候補が、15082票を獲得し善戦・健闘いたしました。
 今回の選挙戦は、東日本大震災と福島原発事故のもと、被災者救援・原発事故の危機回避という問題と、豊島区政を「福祉・防災の街づくり」に転換することが問われました。我が党は、マンション庁舎計画をはじめとした池袋東口巨大開発を転換し、福祉・防災の豊島区をつくることと合わせ、区民アンケートにもとづく6大緊急プランによる区民要求実現を訴えました。これらの訴えが区民の中に共感を広げることができたと確信しています。区長選挙では、支持政党の力関係から見て、オール与党の推す現区長の支持率の後退は、いかに高野区政に対する批判が強いものであったかを重く受け止め、真に区民の立場、目線に立った区政運営をすべきであります。
 さて、改選後はじめての定例会ですので、まず区政にあたる区長の基本姿勢について伺いたいと思います。
 区長が、今回の選挙戦の中で、配布したマニュフェストには、健全な財政が「頼れる」行政をつくるとし、文化と品格を誇れる価値あるまち、安全・安心を創造し続けるまちをスローガンに「セーフコミュニティ」の認証取得を実現しますとあります。
 そして、最大で872億円、基金の22倍にのぼった巨額の財政赤字は、高野区政のもと平成26年度には実質的借金がゼロになる見通しであり、これによって生まれる新しい政策が、まちの価値を高めるというのです。
 高野区政の改革があたかも財政悪化を立て直し、未来に明るい展望をもたらすかのようにいっているのですが、政治というのはそんなものではありません。
 端的にいえば、区財政を区民のために使わず、借金返済にまわし、基金に積めば、財政は健全化していくことになるのでしょう。しかし、問題はこのために区民にいかに犠牲が強いられてきたかということであります。あなたが、区長に就任して以来、さまざまな行革の名のもと区民サービスの切り捨てと負担増、見直しがされてきました。おむつ、入浴券、障害者のタクシー券の削減、敬老入浴デーの有料化など、お年寄りの楽しみを奪う、障害者の移動の自由を奪う、寝たきりのお年寄りからおむつを取り上げる、攻めの姿勢でやってきたのが、福祉や区民サービスの削減が中心でした。また民間委託・民営化をすすめ、職員は750人以上も削ってきました。効率的な行政といい、保育園の民営化をすすめ、児童館をなくし、学校を減らし、区民の施設を奪い、挙句には区有地の売却など区民の財産を投げ捨てるやり方で、財源を確保したのであります。また特別養護老人ホームは、ここ6年間は一箇所も建設されず、誘致さえできずにとうとう待機者は1200名を超えるまでに増大してしまいました。保育園についても認可保育園を一箇所減らし、十分な計画がないため、待機児童は増える一方であります。
 一方、池袋副都心には多額の資金を投入し、ゼネコンが進めてきた東池袋4丁目再開発事業に140億円も投入し救済するなどゼネコン、大企業には生活に苦しむ区民をよそに逆に守ってやる結果になりました。そしてさらに新庁舎建設を起爆剤に都市再生に熱中し、東西デッキやLRTなどの導入を進めていくというのです。
 そこで質問です。
 区民に犠牲を強い、切実な要望に応えず、「財政危機を乗り越えた」「財政再建が目前」といっても決して胸をはることはできません。財政健全化をすすめたというなら、区民の福祉や介護、営業、教育などあらゆる分野において、削ったサービスを復活・拡充させ、区民生活の向上と両立させてこそいうべきではありませんか。今後、区民生活向上に向け、区長としてどういう基本姿勢で臨むのか。また特養ホームや保育園などの待機者をゼロにするなど切実な願いに応える区政運営に改めるつもりがあるのかどうか、区長の見解を求めるものであります。

 次に区長選挙において看過できない問題について質問します。
 豊島区町会連合会が発行している「としま町連だより」のbT9 23年・5月号に高野区長4選の記事が掲載されてます。
 ここには「4月25日午前11時より、高野事務所で当選報告会が開かれ、選対本部長の中村会長の挨拶に続き、4選された高野之夫区長から御礼の挨拶がありました。町会長の皆さんのご支援にご協力ありがとうございました」とあります。また掲載された写真では、当選御礼の張り紙と「皆様のご支援ご協力に感謝申し上げます。高野之夫」と事務所に張り出し、乾杯している区長が写っているではありませんか。
 公職選挙法では、選挙期日後に挨拶行為に制限を設けております。
 制限内容としては、当選または落選に関し、選挙人に挨拶する目的で、以下の行為をしてはならない 1選挙人に戸別訪問すること。2自筆の信書、当落の祝辞や見舞いに対する答礼のための信書以外の文書図画(とが)の配布や掲示。3新聞や雑誌の利用。4放送設備を利用して放送すること。5当選祝賀会やその他の集会を開催すること。6自動車を連ねたり、隊列を組んで往来するなどの気勢を張る行為。7当選に関する答礼のために当選人の氏名または政党その他の政治団体の名称を言い歩く行為。
 以上の7点です。こうした行為は、当選無効はないものの、罰金30万円の罰則規定があります。
 ところが、高野区長は、公職選挙法に抵触する当選報告集会開催し、事務所に当選御礼を掲示する行為を行っていたのであります。
 区長はこの事実を認めますか。認めるなら公職選挙法に抵触する行為をしたことについてそのまま済ますつもりなのか。責任は取るのかどうか、お答えください。
 もうひとつの問題は、町会連合会の位置づけであります。選挙の前の4月15日には、高野事務所で役員会を開いて定期総会についての会合がもたれていることが掲載されています。なぜ、高野事務所で町会連合会の役員会がもたれているのでしょうか。いうまでもなく町会の組織は、高野区長の後援会組織ではありません。町会の皆さんは、清掃や防災、街の行事、区から委託された仕事など日常、一生懸命にボランティア精神でがんばっています。思想、信条、政党支持の枠を超えて組織された団体です。こうした町会の連合会を選挙支援として利用することは許されるものではありません。見解を求めるものであります。

 次に第二の質問、いのちを守る防災対策の抜本的強化について質問します。
 3月11日に起きた東日本大震災は、国難ともいうべき未曾有の大災害となりました。6月23日現在、死者15482人、行方不明者7472人となっております。今なお、8万人を超える方たちが、苦しい避難生活を余儀なくされています。被災された方たちに心からお見舞い申し上げるとともに被災地域の一日も早い復興を願ってやみません。
 また、福島の第一原発事故は、わが党が指摘したように二重の人災であります。第一に今回のような事故が起こることをわが党などが警告していたにもかかわらず、一切無視して安全対策を怠ってきたことであります。再三にわたり、津波によって冷却機能が失われる危険性を指摘し、直接東京電力に対策を求めてきたのに、まったく耳を傾けなかったのです。第二には、「日本では重大事故は絶対に起きない」という安全神話に乗っかって安全対策を怠り、避難計画もまともにたてられていなかったということです。こうした原子力によるエネルギー政策を進めてきた歴代の政府の責任はきわめて重大であります。
 わが党は、東日本大震災にあたっての提言を菅首相に提起しました。「被災者救援、原発事故の危機収束――二つの緊急の大問題に取り組む」「戦後未曾有の災害の復興に、国の総力を挙げて取り組む」「原子力行政、エネルギー政策の抜本的な転換を」という三つの柱で、節々で政府に行ってきた要請・提案を踏まえて、被災者・被災地の立場に立ったことを提起したもので、この実行が求められています。ところが、民主・自民・公明の3党は、被災者の生活再建に国が責任を持ち、上からの押し付けを許さないという大原則に反した復興基本法案を成立させました。この法案は、被災者の生活基盤の回復より、『新成長戦略』と称して進めてきた財界・大企業主導の政策が優先され、国が復興の「基本的な方針」を定め、地方自治体はこれを踏まえ「措置を講じる責務を有する」という復興計画を上から押し付ける逆立ちしたものになっています。また、復興構想会議に法的なお墨付きを与え、復興を口実にした庶民増税や上からのモデルを押し付けようとしていることも大問題です。
 上からの押し付けという点では、漁港を「集約化」し、株式会社を参入させるという「水産業復興特区」構想の押し付けに対し、宮城県漁協などが猛反対しているなど矛盾と軋(きし)みを引き起こしているように押し付けは真の復興とはいえません。復興支援は、被災者の声に耳を傾け、被災者・被災地の立場になって復興支援を進めるべきと、わが党は、現地には対策本部を設け、今党をあげて、支援・ボランティア活動を強化しているところです。
 私たち日本共産党区議団は6月1日から3日間、宮城県石巻市に救援・復興の支援に行き、支援物資の配布、津波で被害にあった家屋の泥だし作業などを行ってきました。多くの被災者が、「長い間住んできた土地を離れるわけには行かない」「押し付けは困る」「みんな力を合わせて街を復興させていこう」という思いが強く感じられました。
 そこで質問です。区長として、「復興基本法案」は被災者・被災地の声を反映した法案に見直すように国に求めるべきです。また震災復興を口実にした庶民増税に対しきっぱり反対すべきです。さらに、福島原発事故を教訓に原発依存のエネルギー政策から脱却し、自然エネルギーへの転換を進めるべきと考えます。原子力発電をドイツ、スイスでは撤退することを決めました。イタリアでも国民投票の結果、原発ノーという声が9割を超えました。福島原発事故を期に原発撤退が世界の流れになりつつあります。わが国でも国民の世論も原発反対が多数になっています。区長の見解を伺うものであります。
 次に豊島区の防災対策の抜本的強化についてであります。
 今回の大地震で、本区も被害を受けました。震災時、ちょうど区議会は、予算特別委員会の最終日で、意見開陳が行われていたところでした。私は、区民センターで行われていた竹岡健康学園の退園式に参加していましたが、5分近くも大きく揺れ、参加者は中池袋公園に避難しました。来庁者や職員の多くも一時避難したことを鮮明に覚えています。さらに庁舎に戻ってからも余震が続きました。区内では、どこでも公園や広場を中心に避難者が殺到しました。あらためて大都市での災害時の避難場所の確保の必要性が迫られた時でもありました。
 私は、区役所から地元に戻り、被害状況を見て回りましたが、万年塀が崩壊したり、壁が崩れた家や屋根の瓦が崩れた家もあり、聞くところ多くの家で、ものが落下したり家具が転倒するなどの被害がありました。
 その後、交通機関や電話などの通信の麻痺が続いていたので、私は、防災服を着てあらためて区役所に戻ったのです。これほどの災害ですから、おそらく地域防災計画に基づく対策本部が設置され、区議会議員として何らかの行動をしなければならないと思ったからであります。自転車で区役所に来たのですが、すでに池袋駅は、帰宅困難者であふれ、庁舎には人がごった返していました。帰宅困難者で混乱したことは、議会への報告のとおりで、区長も認識しているはずです。
 にもかかわらず、本区はなぜ地域防災計画に基づく災害対策本部を設置しなかったのでしょうか。
 4月16日の産経新聞は、豊島区が23区では唯一、災害対策本部を設置しなかったと報道しています。この新聞記事によると、本区以外の全区で、区長が地震発生と同時に災害対策本部の設置を指示、同日中に設置されたといいます。本区が対策本部を設置しなかったのは、@区の設置基準は震度5強だが、豊島区は5弱だったA救援センターを区内に開設し、被害は甚大でなかったことなどから「午後5時ごろ総合的に判断した」というものであります。
 そして記事は、「帰宅困難者が急増し、区は、庁舎に流入する帰宅困難者に対し、鉄道の運休を張り紙で伝える対応に追われたこと。情報が一元化する対策本部がなかったために池袋を通過する帰宅困難者が向かう周辺各区や市部と、豊島区が連絡調整することはなかった。区の施設の開放も遅れ、公会堂が受入始めたのは夜9時前。防災無線の使用も広報車の出動もなく、先に救援所として開放された広域避難場所の立教大学や都立高校、帝京平成大学への誘導は、主に池袋署が行った」としています。
 さらに最後には、「高野区長は、同日夜、帰宅困難者が滞在した区立西池袋中、池袋第3小、帝京平成大学へ視察に出かけ、庁内の職員からは連絡は取れなかった。非常時にトップ不在で決断ができるのか不安もあり、区長の対応に疑問も残る」という批判で締めくくられています。
 先日開催された防災対策特別委員会では、私の質問に対し、理事者から記事の取り上げ方や評価については、異論はあるものの事実経過について報道のとおりであると答弁がありました。
 この日の各区の震災時の対応を聞きますと、救援センターとなっている学校を直ちに開放し、地域と連絡を密にして炊き出しも行った、日頃の防災訓練が生かされ、帰宅困難者の受入もスムースにでき、備蓄物資も配布してくれた。広報車が回り、情報を正確に伝えてくれたことが助かった。など地域防災計画に基づく対策本部の果たした役割は大きなものがあったといいます。本区の対応とは格段に違います。セーフコミュニティの認証取得といっても掛け声ばかりで、災害に対する認識と機敏な対応がかけていたといわざるをえません。
 そこで質問です
 震度5弱であっても本区以外すべての区が対策本部を設置して対応したのに、なぜ、あなたは本部の立ち上げを決断しなかったのか。お答えください。その結果、あとでも触れますが、帰宅困難者の対策が不十分になったことをどう認識しているのかをお答えください。また、どこの区でも区長が本部長となり、陣頭指揮にあたって様々情報をつかんで的確な指示をしたのが評価されていますが、あなたは、視察に出かけてしまいそれも連絡も取れないでいたということですが、予算特別委員会が終了したあと、あなたは、いったいどこで何をしていたのか。時系列にあなたのとった行動とその理由をあわせて答弁ください。

 次に、地域防災計画の見直しについてであります。
 一つが災害対策本部のあり方についてです。
 災害対策本部を立ち上げなかった理由を区長は、本区は震度5弱だったからといいますが、マスコミからも指摘されているように本区のような交通結節点をかかえた大都市においては、交通機関の麻痺が決定的となります。そのために帰宅困難者対策が不十分だったとことに象徴的に現れました。
 本区の今回の震災においての問題点と教訓はなんだったのか、反省すべきことはなんだったのか。
 その認識にたって地域防災計画は、どう見直すつもりなのか、そして災害対策本部の立ち上げの基準は改めるべきです。いかがでしょうか。
 二つ目は、避難広場の確保、救援センターの拡充についてであります。
 先ほどもふれたように地震直後は、この庁舎周辺では、中池袋公園に一時避難者が殺到したように大きな地震が来た場合、避難所の確保は不可欠であります。ところが高野区政のやってきたことは、「自分たちの身は自分で守れ」と対策は、震災が起きた後をどうするのかに重点が置かれてきました。
 そして高密度な都市を目指すとすすめられてきたのは、学校の統廃合や区民施設の廃止、縮小で救援センターや避難場所が減らされてきたことであります。
 豊島区の一人当たりの公園面積は、東京で最低、座布団一枚程度です。日本一の高密な都市というなら命と安全を守る避難所や広場をふさわしい規模で作ることではないでしょうか。今回の震災を教訓に区長はどう取り組むつもりかをお答えください。

 三つ目は、学校を中心とした救援センターについてであります。
 帰宅困難者対策として、区長が対策本部を立ち上げなかったため、警察などが誘導したのは大学などの東京都の指定するいわゆる広域避難場所であります。そのため、立教大学や学習院、そして帝京平成大学に帰宅困難者が殺到したのであります。また、先の防災フォーラムでは、ホテルメトロポリタンの防災担当部長が報告していたように民間施設でも帰宅困難者のために懸命になっていたことがわかりました。
 一方、救援センターとなっている学校はどうだったでしょうか。避難者の報告が、学校ごとに掲載されている資料が議会に示されましたが、これは、防災課の職員が、帰宅困難者を調査し記載されたものと伺っています。学校によっては、帰宅できずに最終的に翌日まで宿泊した人しかカウントされていないために実態とはかけ離れている数になっています。
 報告によると、池袋小には、一時は、500人以上の帰宅困難者が殺到したのですが、区の指示がなされないために開放は、遅れに遅れました。各救援センターに備蓄した物資は、区内在住者の分しかないと折角確保している食料も毛布も配らないという態度をとったところもあると聞きます。
 自治基本条例では、区内に在勤、在学している人も区民としているのに、いざ災害が起きたときには、別扱いするのはおかしいではありませんか。災害が起きたときのための救援センターが機能していなかったのです。いくら広域避難場所に行ってもそこには、備蓄物資はありません。
 そこで質問です。帰宅困難者対策を教訓にまずは、各救援センターには、帰宅困難者の想定数に見合った備蓄物資を確保すること、いざ災害が起きたときの各センターのへの誘導、支援、体制を立ち上げること、受け入れする学校においても臨機応変に対応できるように学校関係者並びに学校開放指導員の強化、地域防災組織の拡充と支援をすすめ、万全な対応をすべきです。いかがでしょうか。
 四つ目は、緊急対策の具体化であります。
 石原知事就任以来、都の防災計画は、震災予防条例が改悪され、「自分の命は自分で守れ」と災害が起きる前の対策より、災害が起きた後をどうするかに重点が置かれてきました。区の防災計画は、都の防災計画と整合性を図るため、都にならって見直しがされてきました。
 「地震は防ぐことはできないが、被害は防げる」この基本的な観点を貫く必要があります。この観点が欠落しているためか、本区は、他区と比較してもお粗末な耐震補強工事助成になっています。
 先の臨時区議会で、区長は、震災対策として3億6千万円余の補正予算を計上しましたが、その大部分は庁舎の移転費用などで占められ、震災対策として区民が必要とする対策としては決して十分とはいえません。そこで、わが党区議団は、あとでも取り上げますが、区民アンケートに基づく緊急プランの実現に向けて、「区民のいのちとくらしを守り、安全な豊島区を実現するための緊急申し入れ」を去る6月6日、区長に申し入れをしたところです。
 さて、本区の耐震に関する今年度当初予算は3250万円で、都内でも最低レベルでした。
 とくに一般区民に向けた木造簡易診断補助は10万円を15件分で150万円、木造改修補助は50万円を7件分350万円、耐震シェルター助成は90万円など微々たるものであります。木造改修補助は、昨年度9件分の予算を組みましたが実績が少なかったために減額したものです。
 臨時会での補正予算では、耐震関係経費として7150万円、木造建築及び緊急輸送道路沿道建物耐震診断で、2050万円、ブロック塀等の改善工事助成経費1950万円をあわてて増額したのですが、もともとが、お粗末な予算でしたから他区と比べても決して十分とはいえません。今回の震災で、耐震補強について区民の問い合わせ、申し込みも多くなってきています。区民の実情に見合うよう耐震補助事業については内容も規模も拡充すべきです。いかがでしょうか。
 もう一点が、今回の震災で被害のあった家屋の修繕、リフォームについてであります。
 隣の北区では、屋根の改修を含め、緊急に修繕工事を実施する必要が生じた区民に対し、3月11日から6月15日の間に工事を着手、または完了している場合も応募ができるようにと、住宅リフォーム助成制度を前倒しで申請できるようにしました。本区は、この住宅リフォーム制度を実績が上がらないとやめてしまったのですが、震災で被害を受けた住宅の修繕についても適用できる制度に拡充することとあわせ、事業の早急な復活を求めますがいかがでしょうか。答弁願います。

 次に大きな第三の柱として、区民の願いに応えた施策の拡充についての質問に入ります。
 冒頭述べたように、日本共産党区議団は、区民の皆さんにアンケートを実施し、多くの皆さんから回答をいただきました。アンケートの回答は、生活が苦しくなったと答えている方が6割を超えました。そして、高い国民健康保険料や介護保険料を引き下げて欲しい、必要な介護が受けられるようにして欲しい、認可保育園に入りたい、家賃助成を充実して欲しいなど、ぎっしりかかれていました。
 そこで、われわれは、区民アンケートに基づく区政における6大緊急プランを発表し、区民に訴えてきました。
 第一は、防災対策の抜本的強化、第二は、国民健康保険料の引き下げ、三つ目は、特養ホームの増設、四つ目は、認可保育園の増設。五つ目は、公営住宅の増設、そして第六に子どもの医療費の拡充と各種ガン健診の無料化であります。
 六つの緊急プランは、すべてやっても年間費用は、約18億円、予算のわずか1.8%を振り向ければ実現可能なものとして、具体的な数値、内容も上げて示しました。
 そこで、区民の願いに応えるべき緊急課題として、直ちに実現することを求め、順次質問します。
 第一の防災対策の抜本的強化については、先ほど質問したとおりであります。また、国民健康保険料の引き下げ、特養ホームの増設についての質問は、明日渡辺議員がとりあげますので、私は、3つの緊急課題について取り上げます。
 はじめに保育園の待機児童解消についてであります。
 わが党区議団は、月日を追うごとに増え続ける保育所の待機児童を抜本的に解消し、ゼロにするために区が責任をもって認可保育園の増設を基本にすすめるべきと機会あるごとに質してきました。
 3年前、新年度の待機児童が50名を超えため、区は、保育計画の策定を迫られ、「5年間で300名の定員を増やす」という計画を作りました。日本共産党区議団は、この保育計画は、認可保育所は園庭もない大塚駅前の駅ビルに一箇所のみ、保育料の高い認証保育所の誘致、緊急策がほとんどないなど保育計画の不十分さを指摘し、認可保育所の増設と緊急打開策を盛り込んだ計画に改めるよう要求してきました。
 しかし、区は「金がかかる」「適当な場所が見つからない」「保育ママなど別な施策で対応する」と後ろ向きの姿勢でありました。
 そのために、保育計画策定を迫られた2008年4月に58名だった待機児は、09年4月は122名に、10年度4月は161名、そして今年度は171名と、待機児童は減るどころか、さらに増加してしまいました。
 この数は、新年度の保育所入所が決定した時点ですから、もっとも待機児童数の少ない数字です。これから、月日を追うごと増え続け、昨年度末には、実に300名以上が入れない状況になっています。
 そこで質問です。区長のマニフェストでは、保育所の待機児童を解消するため、施設の新設、改築や保育ママ事業の拡充などにより受入枠を拡大します。とあります。
 待機児童を解消するという公約は、いったい、いつまでに解消するというのでしょうか。解消というなら待機児ゼロということです。年度末には、300名を超えている待機児童を公約どおり、四年間の任期中、どう解消させていくのかを具体的に示してください。
 われわれが、指摘しているように今の保育計画では、不十分なことは明らかです。本気になってゼロにするというなら区が責任をもって認可保育所を増設することです。区が独自に認可保育所を建設した場合の建設費用は、定員100人規模の場合約1億6千2百万円です。健全財政というならここにこそ財源を向けるべきです。いかがでしょうか。

 次に住宅対策についてであります。
 わが党が実施したアンケートでは、6割を超える方が、「以前より生活が苦しくなった」と答えており、その要因の一つとして住宅費の負担を訴えています。「家賃さえもう少し安ければ、生活保護を受けなくてもすむ」「今の収入では、豊島区で住み続けられるのは難しい」と景気の悪化の影響で、収入の低い世帯ほど高齢者世帯も子育て世帯も安価で良質な住宅を求めています。
 その結果は、毎年行われている区営住宅、福祉住宅の応募状況から見ても明らかであります。
 わが党が機会あるごとに要求している住宅対策は、公営住宅の建設であります。石原都政になってから新規の都営住宅の建設が抑えられているだけに、本区のような都営住宅そのものの戸数が少ない区ではより一層、公営住宅の増設を進める必要があるのであります。
 土地さえ確保すれば、区営住宅一戸あたりの区の負担する建設費用は579万円、借り上げ式福祉住宅では、82万円で建設できることは、いつも指摘しているとおりであります。要は、区長が、区民の住宅事情を直視し、要望を受け止める姿勢にたてるかであります。
 わが党の緊急提案は、4年間で、少なくとも区営住宅100戸、福祉住宅100戸を建設すべきというものですが、その費用は、年間ベースに換算すると、1億6千525万円ですから決して無理な要求ではありません。区長の見解を伺います。

 提案の三つ目は、子どもの医療費無料化とガン検診の拡充についてであります。
 子ども医療費の無料化については、4年前に中学3年生までに拡充されました。わが党区議団は、子どもたちが安心して医療が受けられるようにと、一般質問や予・決算などこれも機会あるごとに取り上げ、条例改正の提出や予算の組み換え動議を行うなど、この制度の拡充には一貫して全力をあげてきました。いまやこの制度は、どこの区でも中学校3年生まで実施されるようになり、あらためて住民とわが党の粘り強い取り組みが制度の拡充になっていることが伺えます。
 この制度をさらに拡充する動きが始まっています。東京都内では、千代田区と日の出町で、今年度から通院、入院とも高校3年生まで対象を広げました。隣の北区では、入院した場合ですが、同様に高校3年生まで対象を拡大しました。
 そこで質問です。この制度の拡充は、子育て支援の柱の一つであります。子育て支援課の試算では、通院、入院、入院時の食事療養費すべて高校生まで拡充した場合の年間予算は、7818万円であります。子育て世帯の区民の願いに応え、高校生までの医療費無料化を拡充に踏み切るべき時です。区長に決断をお答えください。
 また制度を拡充する上で、少なくとも中学3年生まで、東京都の制度にすることが求められているのですが、23区の区長会あげてのがんばりが不足しているのではありませんか。知事に直談判するくらいの姿勢を示していただきたいものです。
 最後に、ガン検診の無料化の拡充についてであります。健康は、区民誰もの願いです。区長のマニュフェストでは、全国に先がけて区民の死亡率第一位である「ガン」対策に取り組みますと掲げています。ガン対策条例など先駆的に取り組んできたのは、結構なことですが、真に先がけての取り組みをするというなら、その量も質も全国トップクラスにならなくは胸を張れないのではありませんか。
 ガン対策にがんばったと区長や与党会派が実績のごとく宣伝しているので、調べてみましたが、本区の各種ガン検診で無料となっている検診は、胃がん、大腸がん、子宮頸がん、そして緊急肝炎ウイルスの4検診であり、肺がんは、1000円、乳がんは500円、そして今年度からはじめた前立腺ガンについては500円と有料であります。胃がん、子宮がん、肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がんとすべての検診項目を無料にしているところは、東京23区では、中央、港、目黒、大田、江戸川の五区、前立腺がんは実施していないが、すべて無料が、台東、渋谷、荒川の3区となっています。
 全国に先がけた取り組みをするというなら、すべて無料にすべきでありませんか。いかがでしょうか。また検診受診率を引き上げる上で、近所の指定医療機関での検診が受けられるようにすることが求められています。とくに指定された日にわざわざ健康診査センターに行くのは困難、とくに高齢者から声が寄せられています。胃がん、肺がん検診ができる医療機関でも可能となるようにすべきですがいかかでしょうか。答弁を願います。
 以上で私の一般質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。