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区議会質問
 
平成22年 第2回定例会(6月22日) 渡辺くみ子議員の一般質問

 私は日本共産党豊島区議団を代表しまして「区民のいのちと暮らしを守ることを区政の柱に」と題し、
第一に緊急に改善すべき区政の課題について
第二に池袋副都心整備と新庁舎建設問題について
第三にその他として雑司が谷図書貸し出しコーナーの拡充について
一般質問を行います。

  自公政権のもとで行われてきた「構造改革」は、国民経済の悪化と貧困・格差の拡大、地方の疲弊、そして深刻な社会不安への不満を増幅させ、国民の怒りが政権を交代させました。
 しかし国民の大きな期待の中で誕生した鳩山政権は、普天間基地問題、区長は「政治とカネ」、暮らしの問題などで、自らの公約を破り、国民の批判に追い込まれ、わずか8ヶ月余で退陣、その後菅新政権が誕生しました。しかし菅政権は「政治とカネ」問題は鳩山氏と小沢氏が辞任したことで決着済みとし、普天間基地問題でも鳩山前首相が国民と沖縄県民の民意を裏切り、辺野古への移転を決めた日米合意をそのまま受け継ぐとしています。さらに重大なことは、菅氏が17日に行った参議院選挙の公約の記者会見で、消費税増税に関して、自民党が提案している「10%という数字を参考とさせていただきたい」と明言、参議院選挙公約では「早期に結論を得ることをめざして・・協議を超党派で開始する」としており、消費税増税に向け、自民党とともに足並みをそろえた形になったことです。さらに民主、自民ともに法人税率引き下げを示しています。
 これでは、財界にとっての『強い経済』であり、庶民にとっては痛めつけられる以外の何物でもありません。大企業には優遇措置を続け、国民には新たに増税するなどとはとんでもないことです。ますます国民生活を窮地に追い込み、消費を冷えこませ、日本経済をダメにしてしまいます。
 国民の願いに真正面から応える政治を実現するためには、基地問題ではアメリカに、財政問題では財界・大企業に正面からものを言うことが必要です。
 
 さて、このような政治のもとで区民の生活は厳しい状態が続いています。区民の生活実態を直視しその改善に取り組まなければなりません。先日、我が党は区長に直ちに対策をとるべき課題として、国民健康保険の無保険問題、特養ホーム増設などの介護保険問題、認可保育所増設、新庁舎建設問題等について緊急申し入れを行いました。今回改めて、緊急に改善すべき課題として3点質問します。
 
 初めに国民健康保険についてです。
 今年3月12日東京新聞を始め、各紙一斉に「国保料滞納で無保険」「受診遅れ33人死亡。保険証保持者10人も」の記事が掲載されました。これは医療機関の団体である全国民主医療機関連合会が行った2009年の国保など死亡事例調査結果の報道です。無保険、資格証、短期証で受診できず33人が死亡、保険証があっても窓口負担が払えず受診遅れで10人の方が亡くなったというものです。同団体は高い保険料と窓口負担がこのような悲惨な事態を生んだと解説しています。
 豊島区の国保加入世帯は3月31日現在60841世帯、このうち短期証は10254世帯、資格証は3357世帯で、昨年4月からの11カ月間で300世帯も増えています。
 このようななかで、今年度の国保料は加入者一人当たり93750円で、約1万円の大幅値上げが行われました。給与収入100万円で子ども2人の世帯では均等割りが5割減額されても、介護保険料を含めて年間保険料は91800円です。一か月10万円にも満たない収入で毎月1万円近くの保険料となっているのです。  
 さて、この間、我が党の小池あきら参議院議員は国会で資格証、短期証発行は直ちに止めるべきと主張し続けてきました。その結果、高校生まで、短期証ではありますが、厚労省に発行を認めさせ、本区でも中学生以下は今年4月現在で110世帯、高校生は今年7月から61世帯に発行されることが決まりました。また支給方法も窓口に来られない場合は書留郵送が行われるようになり、ごく一部ですが改善しました。さらに資格証発行について、我が党の質問に長妻厚労大臣は自治体に対して「(資格証発行は)慎重に対処するようお願いしている」と答弁しています。
 国民健康保険制度は、自民党政治のもとで1984年国民健康保険法が改悪され大幅な国庫負担削減が始まりました。1986年に資格証明書が導入され、1997年に当時の小泉厚生大臣の下で義務化されました。
 国民健康保険制度は社会保険ではありますが、社会保障制度です。本来、資格証、短期証などは発行すべきではありません。区長は「セーフコミュニティー」を声高に訴えていますが、セーフコミュニティーに一番求められることは区民一人一人のいのちを守ることです。払える能力を超える保険料を設定し、払えなければ保険証を出さないとは、区民のいのちをとることと同じであります。まして低所得世帯である減額世帯へ資格証の発行は絶対に行ってはなりません。
 そこで質問します。
 今年3月31日現在、減額世帯の短期証発行は4075世帯、資格証は70世帯となっています。資格証の70世帯については正規の国保証を直ちに送るべきです。そのうえで、連絡が取れないなどがあれば、訪問するなど生活実態を調査し、必要があれば援助をすべきです。答弁ください。
 また、減額世帯の短期証発行は4075世帯で減額世帯の25%にもなっています。これらの世帯の給与所得は年間100万円までで、保険料が減額されても支払いが困難な世帯です。そこで質問します。減額している世帯の短期証世帯に対しては、正規の2年間保険証を発行すべきです。答弁を求めます。
 
 国民健康保険の第2の質問は保険料の減免に関してです。
 40代半ばのAさんは職場を雇い止めとなり、毎日ハローワークに行きますが仕事が見つからず、朝、短時間のアルバイトで何とかやりくりしている状態です。高齢の親と子どもがいるので、とにかく保険証は必要と月1000円を必死で払い短期証が発行されています。しかし今、新たに父親の医療費の負担が深刻になっています。
 このように失業や非正規雇用の増大が多量の無保険者を生み出し、高すぎる保険料が払えない状態を作っています。こういう中で保険料の収納率も全国平均では88%台に落ち込み、豊島区ではすでに82%前後が5年以上続いています。まさに政治が無保険者をつくり、国保階保険制度そのものを壊す構図となっています。
 このような社会状況の下で、今年度から均等割り額の7割、5割減額に加え2割減額が導入されました。また非自発的失業者の保険料算定にあたっては前年度の給与所得を3割とする減額措置を作り、対象を2010年1月以降の失業者とするなど不充分さを残していますが一歩前進と言えます。
 さて、国民健康保険制度はその性格上、小規模の事業所や自営業などが多く加入しています。景気悪化で収入が激減している区民は多くいます。
 国保条例の24条の一項には「災害その他特別の事情により生活が著しく困難となった者」に対し、区長が必要であると認めれば、保険料の減額免除が行えます。 ところが、区の保険料減免状況をみると失業、休廃業等、すなわち事業不振での保険料減免は05年度から09年度の5年間で0件です。制度があっても適用していないということです。我が党は以前から、自営業者が事業の縮小等、急激な収入減の場合、区長は「特別な事情」として保険料を減免するべきと、再三質してきましたがいまだに認めていません。
 そこで質問します。今年3月に国保条例が改正され、解雇等での収入激減者に保険料減額を認めることになりました。自営業者の経営が苦しくなっていることは誰もが認める状況です。自営業者が事業の縮小等、急激な収入減の場合は、区長が「特別の事情」として認めれば、多くの自営業者、中小業者を救済できます。区長は直ちに、「特別の事情」の適用の申し出があれば、これを認め保険料の減免制度を活用するべきです。答弁を求めます。
 
 国民健康保険の第3の質問は国、都への財政負担を求めることです。
 この間、毎回指摘していますが国保財源の厳しい状態の原因は医療費の増加だけではなく、1984年以降国庫負担45%だったものが38,5%まで削減したことです。
さらに都も調整条例を廃止してしまいました。
 国保はその性格上、低所得の人が多く加入しており豊島区でも均等割りのみの世帯は約4割を占めています。国庫負担なしには成り立たない医療保険制度です。国庫負担を大幅に増やすことは緊急の課題です。
 しかし区長は今年の区議会第一回定例会で我が党小林議員への答弁で、「国、都に要望を出していくことは重要と認識している」としていながら、「共同事業交付金などの新たな財源措置が講じられている。」「一概に国等の負担が減少しているともいえない」との認識を示しました。また、区の一般財源繰入でも、04年度19,79%から08年度11,20%と下がっています。
 そこで質問します。
 今、国庫負担を増やさなければ本当に国保制度は解体してしまいます。何としても国庫負担を増やさせること、当面45%の負担に戻すよう強く求めるべきです。また国庫負担増が実現するまでの間、必要ならば一般財源を繰り入れてでも対応すべきです。区民の負担を軽減すべきです。答弁ください。

 国民健康保険についての第4の質問は、2011年度から導入が予定されている賦課方式の変更、すなわち、住民税法式から、旧但し書き方式への変更についてです。
 我が党は、この変更により所得から控除されるのは基礎控除のみとなり、所得が低く扶養家族の多い世帯などの保険料が引き上げられることなどを指摘し、変更に反対をしています。
 区長は旧但し書き方式導入に関して小林議員の質問に「たび重なる税制改正による保険料への影響、広域化への流れなどを踏まえ早急に移行すべき」と答弁しています。
 しかし今、国保で一番問題なのは、先程来指摘している通り、高すぎる保険料と、高すぎて払えず保険証が発行されず医者にかかれないということです。    
 民主党政権は都道府県を単位とする広域化を提案、保険料の標準化を行うとしています。保険料等が標準化されれば、23区の保険料は青天井に上がることになります。
 今回の賦課方式の変更の背景には、全国の多くが実施している旧但し書き方式に変更し、国保を中心に医療制度を広域化することにあります。国保が後期高齢者医療のように都道府県単位に広域化されたら、区議会と切り離されるため、区は決定を伝えるだけになり、区民の声もどこにも届かなくなります。
 そこで質問します。一方的な賦課方式の変更予定はまず作業を中止して一旦白紙に戻し、区は保険者として被保険者である区民参加で徹底的に検討しなおすべきです。答弁ください。
 
 緊急に改善を求める第二の問題は介護保険についてです。
 2000年から始まった介護保険は10年を経過しました。
 「介護の社会化」などの大宣伝で導入されましたが、現実は介護を受ける側も、介護する側も大変深刻な事態が続いています。そこで緊急に改善すべき点として3点質問します。
 介護保険の第一の質問は特別養護老人ホームの建設についてです。
 「どうにもならないので有料老人ホームに一旦入れていただいた」「費用が大変」等同様の相談が3人の方から続きました。また「夫が有料ホームに入っているが、入所時と処遇が全然変わった。移りたいが補償金は戻らないのであきらめざるを得ない」と深刻です。
 待機者は1000人を超え、Aランクは300人を超えたまま。区長もやっと千川小跡地に100床の特養建設の予定を明らかにしました。しかし予算委員会でも指摘した通りこれでは足りません。
 さきの一般質問で、さらなる増設計画を求めた我が党森議員の質問に、副区長は「千川小跡地で整備しても充足できるとは考えていない」としながら、「現時点で将来の構想を描くことは大変難しい」と答弁ました。この答弁では、保険者としては失格です。保険料を取り、必要な介護を提供することが保険者である区の役割です。利用者のニーズに応えられないとわかっていながら対応しない。これはあまりにも無責任です。今回の千川小跡地の建設予定に関しても計画をたて具体化するまでには2年や3年はかかります。区が責任を持って建てなければいつまでたっても建設されません。また需要に見合った増設計画を立てなければ待機者の解消はできません。
 そこで質問します。
 千川小跡地に特養ホームはいつ建設されるのでしょうか。具体的な建設計画を示してください。
 また「千川小跡地整備で充足できるとは考えていない」という認識があるならば、まず待機者を解消するために、具体的な増設計画を立てることを区政の最優先の課題にしなければならないはずです。答弁を求めます。
 
 特養ホームの2つ目の質問は「施設建設は民間を誘致」という問題です。
 今年の第一回定例会で、我が党森議員の質問に、副区長は「民間が整備すれば区の負担が少なく整備できる。質の高い、安定的なサービスが提供できる社会福祉法人が育っている」「区が直営でやる必要性は薄い」と答弁しています。
 先日、副区長が理事長の社会福祉事業団の昨年度の決算が行われました。4つの特養ホームのうち3か所が赤字決算となっており、事業団評議委員会で、私の質問に事務局長は「介護報酬では運営はきびしい」と答弁しています。昨年の介護報酬3%の引き上げはあまり効果がなく、事業団では、施設改修などに区の補助があり、また様々な事業を行っているのでやっと全体では黒字になっているのです。副区長もよくご存知と思いますが、区の団体である事業団でさえ経営は厳しいのです。民間の事業者であればもっと大変です。
 都内のある民間の特養ホームでは「3%の報酬改定で収入が実質2.4%分増えた。だが、土地と建物の借金返済があり、職員への還元は1人約6000円」と経営の厳しさが新聞で報道されていました。これが実態です。だからこそ、「民間に誘致」と言い続けても建設はできなかったではないですか。「区が直営で行う必要性は薄い」などと言う区の認識自体間違っています。
 そこで質問します。特養ホームの建設は、区が行う以外にありません。なぜやらないのですか。その理由を明確に示してください答弁ください。
 また民間に誘致というのであれば一定の補助を行うべきです。答弁を求めます。
 
 特養ホームの3つ目の質問は国や都に建設、運営補助への働きかけについてです。
 区長はこの間、国や都の補助の削減をそのまま受け入れ、容認してきました。このような区の姿勢が現在のような補助の大幅削減を生み出してきたのです。区長は国や都に、区長会、市長会を通じて施設・設備整備補助、用地費関連を要望していると言いますが、実際には減らされる一方で、今年度、都は用地取得費を全廃したではありませんか。「区長会で要望している」だけではだめです。これでは弱すぎます。区長は、区議会、区民にも訴えるなど、あらゆる手段を使い国や都に補助金の復活、増額を求めるべきです。答弁を求めます。
 
 介護保険の第2の質問はホームヘルパーの病院内の介助に関してです。
 2003年の介護報酬改定時に様々なサービスが削減されました。こういう中で我が党はこれまで区独自のホームヘルパー派遣に関し条例提案等を行うなど改善を求めてきました。
 現在改めて大きな問題となっているのが病院内介助です。介護保険による通院のヘルパー介助は当初院内介護も認められていましたが、2003年の介護報酬改定時に「院内の介助は病院スタッフ」とする通知を厚労省が出し保険外となりました。しかし多くの医療機関では医療スタッフは対応できないとし、そのため自費でヘルパー介護を受けている人や、院内介護分は介護報酬を請求しない事業所など対応がまちまちとなっています。また通院介助のヘルパーさんにとっても、通院介助で病院まで付き添い、帰りに自宅までの介助が必要な場合、病院で待たざるを得ないなど、多くの矛盾が出されてきました。このような批判の高まりに今年4月厚労省は「院内介助であることで一概に介護報酬を算定しない取り扱いはしないように」とする通知を出しました。
 そこで質問します。
 この通知に基づき、本区においても介護報酬で院内介護を認めるべきと考えますが、対応について示してください。答弁を求めます。
 
 介護保険の第4の質問は認定調査の体制についてです。
 4月に介護認定調査を依頼したAさんは4月末に区から「調査員が不足のため調査は6月になる」というはがきが届きました。通常でも認定調査後、判定されるまで1ヶ月かかります。ところが今回のように調査が2ヶ月後になれば、それから判定となり、ケアプランが作られることになり、3ヶ月から4ヶ月後でなければ介護はうけられません。とんでもないことです。区は3月の認定申請が多かったためと説明していますがあってはならないことです。
 そこで質問します。
 まず調査員に正規の職員を増やすべきです。答弁を求めます。
 また区は2000人体制などとして職員削減を進めていますが、実施にあたって区長はサービス低下にならないと言っていました。しかし今回の件は重大なサービス低下です。介護は区民のいのちを守ることであり保険者としてその責任は重大です。区民儒要にあった体制を確立するためにも職員を増員すべきです。答弁ください。
 
 緊急に対応すべき第三の問題は保育園の待機児解消についてです。
 4月1日現在で、保育園待機児は161人、旧定義では217人と昨年度を大幅に超えています。
 区は今年度の待機児解消策として、認可保育園の受け入れ枠の拡大で44名、保育ママの増員で4名、池袋本町臨時保育園で17名、合計65名増員してきました。しかし待機児は昨年より多くなっています。区の責任は重大です
 この間、我が党が区長の責任を質すと、「待機児解消として『保育計画』を作成し、定員の拡大などできる限りの責任を果たしている」と言い、さらに「昨年度の待機児122人を下回るよう努力する」としていました。しかし下回るどころか、161人にもなっているのです。
 区長が責任を果たすということは、161人全員が認可保育園に入れるということではありませんか。特に今の経済状況の中で、生活のために緊急に働かざるを得ない子育て世代が急増しています。しかし認可保育園には入れない、認証保育所などでは高すぎて利用できない等、本当に深刻です。
 他区では学校跡地や区有施設など公的な施設を活用し臨時保育所とするなど様々な方法で待機児解消に取り組んでいます。
 そこで質問します。区長は、あらゆる緊急策をとり待機児解消を直ちに実施すべきです。答弁ください。
 
 待機児解消の第2の質問は、認可保育園の増設についてです。
 「保育5カ年計画」では認可保育園の増設は1か所のみです。しかも駅ビルの5階などとは保育環境として大きな問題があることは、先に森議員が指摘したところです。百歩譲って設置された場合でも、これでは保育需要に応えることはできません。計画を見直し、あらゆる手段を講じて認可保育園の増設を図るべきです。都市部では土地がないことが問題になります。我が党の国会議員団は、国有地など公的な土地の活用を求め、政府に要求しました。その結果23区では598万uの国有地があることが明らかになりました。
 そこで質問します。
 本区内にも国、都の土地があります。直ちに活用の検討を求めます。答弁ください。
 また旧中央図書館跡地を活用するなど、空いている区有地、施設等を活用し、認可保育園を増設すべきです。答弁を求めます。
 
 待機児解消の第3の質問は認証保育所に預けている保護者への助成制度の創設についてです。品川区では、認証保育所の保育料について認可保育園に入った場合の保育料との差額を支援しています。
 石原知事は、質の高い認可保育所への補助を改悪・削減し、認可基準も低すぎる国基準にしてしまいました。その一方で、企業参入を基本とした認証保育所を福祉の目玉事業として推進しています。認証保育所の多くは、ビル内などに設置され、園庭もありません。また保育料は8万円近くなっており、先日ポストに入ったビラでは、未認可保育園ですが7万3千円となっていました。
 認証保育所を利用しているあるお母さんは、「パートでの収入の大部分が保育料となってしまう。でも止めたら再就職できない。保育園に入れたい」と話していました。
 現在区内には4か所の認証保育園があり98人が入所していますが、その多くの子どもたちが認可保育園に入れずやむなく利用しているのです。
 そこで質問します。
 本区でも認証保育所利用者に対し、区独自の保護者への助成制度の実施を検討すべきです。答弁を求めます。

 質問の第二は池袋副都心整備と新庁舎建設問題についてです。
 まず池袋副都心整備についてです。
 6月15日の副都心委員会での区の説明によると、区は池袋副都心整備ガイドプランは、池袋の将来あるべき姿を明らかにし、その実現に向けて一歩ずつ段階的に進めていくとしています。そして「公民連携・協働により都市計画やまちづくりを展開していくための指針」とし、この事業計画や開発計画を進める際の参考となるよう@将来像A重点行動目標「池袋チャレンジ」Bまちづくり方針Cエリア別まちづくり方針、に分けて池袋の副都心のまちづくりの考え方の方向性を示すものとしています。
 
 しかし問題があります。第一はこのプランには事業費などの記載が全くないということです。
 プランである以上は、本来なら事業費やどこに重点があるのかなど示すべきです。ところが、我が党の質問に、区は「指針であり、具体的なものを示すものでない」として、具体的な内容は答えませんでした。 
 一方「実現に向けたロードマップ」には、新庁舎整備、東西デッキなど、そして造幣局を中心とした東池袋の開発が具体的にならんでいます。特に東西デッキに関しては、2018年には南側が完成となっています。予算委員会でも指摘しましたが、こういう計画をつくるために、昨年度までに9070万円、今年度は2400万円も計上しています。ところが今回の説明では、これら具体的に示されている計画についても全く触れていません。我が党委員が行政計画かと質すと「行政計画ではない。誘導するもの」と曖昧な答弁を繰り返しました。曖昧なものは計画とは言いません。ではなんで計画でもないものに一億円以上もの税金を投入しているのですか。「ロードマップ」を見れば行政計画以外の何物でもありません。
 そこで質問します。
 すでに計画策定を含め東西デッキ計画には税金が投入されています。税金を使ってやるのならこれは行政計画です。東西デッキ計画について、具体的な事業計画、事業費、関係する事業者、税金の投入額についてきちんと示してください。答弁を求めます。
 
 第二の問題は区民不在ということです。
 区の説明によれば、「公民連携・協働」と言っていますが、区が計画を示し、それを進めれば、最終的には区の責任は大きなものとなります。新庁舎建設同様、多額の資金がかかることになります。
 まちづくりとは、住民の納得を得て、時間をかけハード面だけでなくどう暮らしていくのかの方向性を考慮する必要があるのです。ところがこのガイドプランからみると「公民連携」といっていますが、この「民」は区民ではなく、住民でもなく大企業と言うことになります。
 今、商店街は活気を失い、安売りチェーン店ばかりが目立ちます。深刻な経済状況の回復のめども立っておらず、区も税収減から財政が厳しいと強調しています。こういう中で巨額な費用を必要とするLRTや東西デッキ構想を進めること自体問題です。まして計画の性格、区の位置付けなどが全く曖昧なまま、区民には知らせない、こういうやり方で進めることは、将来に大きな禍根を残すことになります。
 今、区が最優先に取り組むべきは、大型開発ではなく、区民のいのちと生活を守ることをしっかりやることです。
 そこで質問します。池袋副都心整備ガイドプランを進めるべきではありません。直ちに計画の中止を強く求めます。答弁ください。

 次に新庁舎問題についてです。
 豊島区は、2009年11月新庁舎整備基本計画を提案、新庁舎建設を南池袋二丁目A地区市街地再開発事業で整備するとし、450戸の分譲マンションとの合築計画で進め、現在事業計画が東京都で審査中です。
 区の予定は、今年度中に新庁舎の実施設計を作成、今年7月頃には「新庁舎建設計画(仮称)」を区民に示し、9月の議会に庁舎の位置変更条例を提案、可決されれば、2011年に工事着工、2014年竣工予定としています。
 この間、我が党は機会あるごとに庁舎建設問題を取り上げ、多くの問題点を指摘してきました。
 問題点の第一は巨大分譲マンションとの合築、第二は区民の財産が大きく減らされること、第三に資金計が曖昧であること、第四に情報を未だに充分に明らかにせず、区民不在で進めていること などです。
 
 6月15日の副都心委員会で、再開発事業組合に雇とわれたコンサルタントから管理形態の考え方や、土地の評価、保留床の価格設定の考え方等についての説明がありました。
 分譲マンションは日常の管理運営、大規模改修など建物の維持管理に多額な管理経費がかかります。建て替えはもっと深刻です。さらに共有部分がどうなるのか、庁舎の管理基準はどうか、商業施設との関係はどうなるのか、など改めてこのような建物のあり方に疑問と不安が生じました。
 
 その第1は、庁舎としての機能がきちんと担保されるかという点です。
 委員会で我が党小林議員が指摘しましたが、たとえば垂れ幕など区政として区民にアピールを決定しても、全体の管理組合で否決された場合できなくなります。様々なことが予想されますが一般のマンション、ビル管理ではなく、庁舎と言う機能がいかに担保されるかが大きな問題なのです。
 ところが、今回の説明は、一般的な分譲マンションの管理運営についてだけです。本来、議会で説明するというのであれば、区は区民のための庁舎機能をどう考えているのか、その役割をどう守っていくのか。まず最初に示すべきではありませんか。もしそれができなければこの計画はダメということです。これらを何も示さないことは大問題です。
 再開発事業は着々と進められています。しかし区のすべきことはマンションを作るのではなく、区民のための庁舎を建設することです。庁舎機能をきちんと担保できる保証がなければ進める事はできないはずです。
 そこで質問します。建物全体の中で庁舎機能をどう確保しようとしているのか示してください。また、区民が充分納得がいくまで計画を進めるべきではありません。答弁を求めます。
 
 第2は土地、建物評価についてです。
 この間、区は保留床の購入価格を112億円としています。しかしこの計算根拠について未だに示されず、またマンションの販売価格との関係もわかりません。先の委員会で我が党の質問に、一般的には住居より事務所のほうが安い、しかし、今回の計画では事務所のほうが高いと説明があり、そしてこれらの評価は開発業者自らが行うといいます。
 従前の土地、建物の評価ならびに、今後の価値評価を含め基準が一切不明です。評価の仕方、基準も開発業者が行うのでは、この「評価」が正しいのかどうかもわかりません。「市街地再開発事業にかかる権利変換等」の考え方の説明だけでは納得できません。
 そこで質問します。区有地の土地・家屋の従前の評価基準を明確にしてください。保留床購入額112億円の評価・係数を明らかにすべきです。答弁ください
 また百歩譲って「評価」するのであれば、第三者にやらせるべきです。それでなければ、公平さに欠けます。答弁を求めます。
 
 第3の問題は、このような内容を区民は殆ど知らないと言うことです。
 区が区民に庁舎建設計画を説明したのは06年と08年6月の2回のみ。しかも06年の「素案」は2棟案で、実際は08年1回のみ。区民の意見・要望は399件で、疑問、不安が多く寄せられていました。
 区民の多くは庁舎建設は知っていますが、具体的な内容は殆ど知られていません。またマンションとの合築に対しては反対の声が多く上がっています。
 そこで質問します。権利変換が行われれば、もう戻ることはできません。ここで一旦足を止め、きちんと区民の声を聴くべきです。
 答弁を求めます。
 
 第三にその他として、最後の質問は雑司が谷図書貸出コーナーの拡充についてです。
 区は、図書館の6館構想を打ち出し、現在の中央図書館建設に伴い、雑司が谷図書館を廃止しました。現在、雑司が谷地域文化創造館には、図書貸出コーナーはありますが、この間の指摘で若干コーナーが広がり、子どもの絵本がおかれ、母親の読み聞かせなどがされるようになりました。1日平均4組が利用しており、担当職員も利用は増加傾向にあるとしています。区の資料でも、貸出者数は一日平均08年度54人が、現在は60人を超えています。また平均貸出冊数は08年度27871冊、09年度では33424冊と毎年増加しています。施設管理者の未来文化財団は、貸出コーナー専属の職員を配置していますが、来室者が多いときは事務室の職員も手伝っていると言います。
 かつて雑司が谷図書館を利用していた高齢者の方から、「もう少し広いと私たちも使えるのに」「コーナーがあるのを知らなかった」との声が上がっています。
 中央図書館も遠い、他の図書館までは行けない区民に本を読む機会を提供するために図書貸し出しコーナーを中央図書館の分室としての機能に拡充すべきです。
 そこで質問します。
 地下1階のコンビニストアは昨年11月に撤退し、他の2か所の部屋同様空いています。旧雑司が谷図書館は、利用状況も高く、周辺が憩いの場になっていました。雑司が谷図書館跡は区民の施設です。もともと地域住民のための施設であり、民間に貸すこと自体問題です。しかも借り手も現れず空き室になっているのですから直ちに区民儒要に応えるべきです。
 地下1階の空き室を、中央図書館の分室としての機能を持った図書貸し出しコーナーとして拡充し、多くの住民が活用できるようするべきです。答弁を求めます。
 
 以上で私の一般質問をすべて終わります。ご清聴有難うございました。