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区議会質問
 
平成20年 第4回定例会(12月2日) かきうち信行議員の一般質問

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、「黒字財政は区民のくらし、福祉、営業の充実に」と題し、次の5点について一般質問を行います。
第一に、消費税の増税など国の悪政から区民を守ることについて
第二に、来年度予算の編成方針について
第三に、区民生活を保障する施策の充実について
第四に、住宅対策の抜本的拡充について
第五に、その他として長崎3丁目児童遊園についてであります。
 区長の明快な答弁を求め早速質問に入ります。

 自民党の「選挙の顔」として選ばれたはずの麻生首相が、「解散」を決断できないまま右往左往を続けています。また度重なる暴言に批判が相次いでいます。就任時の内閣支持率は4割台、福田前首相就任時を下回りました。しかも、時が経つにつれ下降がつづき、いまや「支持しない」が「支持する」を上回っています。やるたびに悪くなる世論調査に、自民党内では、「引き延ばしても展望が開けるわけでない」とか「冒頭解散をやればまだしのげる可能性があったが、先のばしすればするほど選挙は大敗する」「進むも地獄、退くも地獄になっている」と、大臣経験者が語っております。
 一方、政権交代と意気込む民主党に対して、「不満」「期待していない」との声が、世論調査にも表れております。著名な政治評論家は、「いまの自民党を支えているのは、ある意味、民主党だといえる。今国会では、解散のために、後期高齢者医療制度存続を前提とした与党の補正予算にまで賛成し、新テロ特措法は、「一日、一時間でいい」と協力し、解散がないと「対決路線」に戻るなど、まったく一貫性がないと指摘しております。
 麻生内閣が右往左往する根本には、自民党政治にたいする国民世論のかつてない批判があります。雇用や高齢者医療などで強い批判や怒りがあるのに、その路線の転換ができず、経済の悪化にも打開の手が打てない状況に陥っているからであります。
 私たち日本共産党は、景気悪化から、暮らしを守ることを最優先にした対策こそ必要だと考えます。雇用を守り、中小企業を応援する、社会保障を充実させ福祉を向上させる、消費税の増税をやめ、庶民減税を行うことです。こうして日本経済の6割を占める家計をあたためることこそ日本経済を活発にすることができるのです。
 さて、自民党・麻生首相は、支持率を少しでも回復したいとの思いか、政府・与党の追加経済対策を打ち出しました。2兆円規模の「給付金」支給を売り物にしていますが、看過できないのは、首相が「経済状況を見たうえで、3年後に消費税の引上げをおねがいしたい」と明言したことであります。
 今後3年は、減税を先行するとしたうえで、消費税を含む「税制抜本改革」を2010年代半ばまでに段階的に実行することを表明。景気が「好転」すれば、3年後から消費税率を段階的にひきあげていく考えであります。「減税先行」といっても「給付金」支給は一年限りで、減税のなかには、財界が要望していた設備投資減税、海外子会社の利益の非課税化や一部高額所得者に恩恵が偏る証券優遇税制の三年延長も盛り込まれています。これらの大企業・大資産家減税の穴埋めを、3年後からの消費税増税に求めることになるのですからたまったものではありません。
 あわせて、混乱と不評を招いているのが、追加対策の目玉の定額給付金であります。
総額2兆円、標準4人家族で約6万円を一回ぽっきり支給するというものですが、喜んで受け取ったら飛んで来るのが大増税パンチです。消費税が今より5%引き上げられると、新たな税負担は、毎年12兆円以上、4人家族のサラリーマン世帯で年16万円にもなるのですから、「バラマキ一瞬、増税一生」ということになります。
 また給付金の所得制限について、各自治体の判断に任せることで合意したことも無責任の極まりであります。自分達でまとまらなかったから自治体が勝手にやってくれと、すべての混乱と負担を自治体に押しつけ、責任を放棄するもので、まずは白紙撤回すべきです。 自治体の長からも総スカンで、「こんなことでは国滅ぶ」という市長もいます。
 給付金がまじめに景気対策を考えたものでなく、選挙対策という党略的な思惑から出発した産物だということを証明したものであり、結局、麻生内閣というのは、自分達でこうしたいというものを何一つ持っていないという一つの象徴で、すでに政権はボロボロで末期的な症状を示しているのであります。
 そこで、最初の質問です。
 政府の庶民増税と増税計画について、区長は、昨年の私の質問に対し、「政府の税制改正は理解できるので、撤回を求めることはしない」と答弁をしました。
 いま首相が、時期も明確にして、消費税の引上げを示唆したことは重大であり、区民生活に大きく影響する大問題であります。区民生活をまもるうえで、区長は、きっぱりと消費税の増税については反対を表明すべきですが、いかがか答弁ください。
 また、バラマキ定額給付金についてでありますが、現場では、このまま受け入れたら大変なことになる。人手も必要だし、金もかかると早くも不安の声が上がっています。
 景気対策にもならず、混乱をもたらす天下の愚策の給付金については、区長として反対を表明し、区長会あげ白紙撤回を求めるべきと考えますが、見解をお答えください。


 つぎに来年度の予算編成方針についての質問に入ります。
 本区は、これまで国や都の路線方針に忠実に従い、財政難を口実にしたリストラ、合理化、住民犠牲の行革を進めてきました。財政健全化計画、新生としま改革プラン、行財政改革プラン2004、2005で区民サービスを大幅に削減し、区民に犠牲を強いてきました。また「公共施設の再構築、区有財産の活用」で区民の財産である施設や土地を売り払い、学校の統廃合、また人減らしを目的として、指定管理者の導入、保育園の民営化、児童館やことぶきの家を廃止し、区民ひろばとし、学童クラブを子どもスキップに統廃合するなどしてきました。
 高野区政になってからの10年、区民にとって切実な福祉関係費を年間ベースで8億円、教育関係費は1億2000万円も削減しました。商工関係の予算は、ピークの半分まで減らされました。とくに行財政改革プラン2004、2005による削減は、区民から悲鳴が上がりました。区民の暮らしや福祉、教育、営業に大鉈をふるう一方で、2005年度には財政調整基金を37億円も積み増しし、2006年度からは決算剰余金の半分は自動的に積み立てる条例改正を行い、2007年度末には、財政調整基金は74億円にもなりました。さらに借金返済は、2007年度の当初予算で62億円、それに補正で土地開発公社について3億円前倒しして返済、旧街づくり公社の25億円の借金返済も行いました。 そして今年には、土地開発公社の借金のうち125億円を3年で返済することをきめ、第2回定例会の補正予算では、31億円も前倒し返済したのであります。
 このように高野区政は、目の前で困っている区民を見捨て、くらしや福祉より、基金積立、借金返済優先の財政運営をすすめています。
 「削った福祉は元にもどすべき」というと、今後の財政が不安、23区と比べ財政健全化指数、将来負担比率が悪いといって、健全化判断比率からみて、まったく心配のないのにやろうとしない、一方で、やれ再開発だ新庁舎だ、東西デッキだ、LRTだと区長のやりたいテーマは、池袋グランドビジョンなどと勝手に名づけ、金がいくらかかろうが、独断専行区政と批判されようが、強いリーダーシップですすめるといいはります。
 4年連続の黒字決算、基金積立、そして多額の借金返済ができる財政運営なら、いま困っている区民の救済、削った福祉の復元こそ区民の一番の願いでありませんか。

 そこで来年度予算の編成方針について順次、提案を含め質問して参ります。
 まず、第一に基金積立優先の財政運営を改め、ただちに区民に還元することについてであります。23区の基金の積立を見てみますと、その総額は、19年度末で1兆2千6百50億円とバブル期を超え、過去最高になっています。トップの港区では1220億円で、うち財調基金401億円です。住民のために予算を使わずにいわゆるため込みに奔走する自治体は、財政難を口実に行革で、区民サービスを削り、削ったサービスは財政が好転しても復活しないで基金に積むやり方をとっています。そのやり方は本区も同様です。
 本区の基金積立総額は、19年度末で、特定目的基金、財調基金あわせて368億円でありますが、そのうち庁舎建設基金については、192億円を運用したために実質基金は、176億円となっています。わが党は、基金について、すべてを否定していません。将来にとって必要・不可欠な基金の積立はむしろ必要であるという立場は、これまでも主張して参りました。
 しかしながら、本区の財政運営をみてみますと、今、困っている区民に光をあてる、削った福祉をもとに戻す、生活と営業をまもるといった……やるべき仕事をやらずに、基金は積むのであります。とくに目的のない、財調基金は、今年度で59億円と見込んでいます。
 この一部を取り崩すだけでも、削った福祉や教育をもとに戻せるではないかと我々は、繰り返し主張しているのであります。
 区民の要望に応えるためにも、今こそ、基金は、需要に振り向ける、すくなくとも削った福祉8億円、教育1億2000千万円についてはただちに復活するよう求めます。
 いかかが答弁ください。
 第二は、借金返済の見直しについてであります。
 自治体の債務負担には、様々なケースがありますが、財政運営上、後年度に負担が影響しないためには、それこそ借金をしないで済めばいいし、過去の借金も、早く返せるものなら返した方がいいに決まっています。
 いうまでもないことですが、自治体では、限られた予算において、必要な土地や建物の取得や修繕、改修を求める場合など単年度では、どうしてもできないので、借金という形をとるのが財政運営上一般的な考えであります。
 しかしながら、過去の負の遺産の解消とか、利子の支払いを軽くするといったメリットのみを強調し、借金返済を優先させるというやり方は、正しくありません。
 基金の積立のところでも述べたように、今、困っている区民に光をあてる、削った福祉をもとに戻す、生活と営業をまもるといった、やるべきことをやらないで、年間で30億も40億円も返すのはこれは無謀というものです。
 まずは、区民の需要に見合った財源をあてがい、それと平行して、借金返済についても無理なく返済していく、こうしたように区民生活を守りながら、財政を立て直していくという観点が、区長には欠落しているのであります。
 黒字財政、収支均衡のとれた財政運営というなら、借金返済より、削った福祉を戻す、暮らし応援の区民サービスを優先させる財政運営をすべきです。答弁を願います。

 三つ目は、枠配分方式の予算の見直しについてであります。
 2004年9月当時、助役名で依命通達がだされ、予算編成の一部は各部局ごとに配分された額でやることが示され、2005年度予算からいわゆる枠配分予算方式が取られることになりました。
 このことが、これまで区民の切実な需要を削りに削り、職員を減らし区民サービスを低下させてきた要因の一つであります。
 とくに福祉分野での影響は大きいものがありました。行革計画で、福祉はもう削るところがなく、何かを拡充しようとすると別の施策を削らなくては予算化できないのです。
 例えば改悪介護保険制度で軽度者のベッドの取り上げが行われました。当時の介護保険課は、利用者にとって深刻な問題として、区が独自に必要なベッド確保をする対応をしたのですが、枠配分内でやりくりを余儀なくされました。
 また、オムツの取り上げに批判が相次ぎ、翌年には削る前の水準に近付けるまで予算を付けました。その予算を捻出するために別の事業を削っておきながら、拡充と言うので、批判したことも思い出します。
 需要に応じた拡充をためらう一つの要因がこの枠配分予算で、「拡充したら別の予算を削らなくては」という悩みが各課につきまとうのです。そこで質問です。
 区民ニーズに応えようと、新規拡充事業のために別の必要な事業を削らなくてはならないような枠配分方式予算は、きっぱり廃止すべきです。また、区長の政策判断による新規予算枠は、区長のお気に入りがチョイスされ、まさに依怙贔屓になりかねないので、これもやめるべきです。答弁願います。
 予算編成に関する質問の最後は、職員体制についてであります。
 区は、人件費抑制のため引き続き職員数を削減し、17年度から6年間で600人の人員を削減し、22年度には2000名体制を目指すとしております。
 本区の職員は、4月現在、清掃職員を除き2092名となり、1993年のピーク時から実に1012名が削減されました。ピーク時からの削減率は、23区でトップのマイナス25.4%と異常な削減率となっています。
 急激な人員削減で、業務量に必要な人員が配置されず、人手不足が常態化し、ぎくしゃくしたり、心をやんだり、やる気を欠落させることさえ生じています。また、質の高い行政サービスを維持・発展させていくためには、職員の知識や経験を継承していくことが欠かせません。結局、区民サービスの低下を招くことになっていくのです。
 現に、度重なる区民への通知のミス、議会への資料提供のチェックミスや文書が期日まで仕上がらない、区民からの苦情など人減らしが影響しています。そこで質問です。
 派遣職員や非常勤職員、アルバイトで対応しているということは、すでに人手が足りない証しです。定員管理計画にもとづいて毎年、職員削減をすすめる、退職不補充の方針とすれば、もう来年度には、清掃職員を除くとほぼ2000名体制になってしまいます。区民の需要に応え、増える仕事量に見合った職員配置はどうしても必要です。
 2000名体制などといって、さらに職員を減らしていく計画は撤回すべきであり、来年度には、仕事量に見合った職員採用を行うべきです。また、社会問題となっている派遣労働による職員不足の穴埋めをするやり方は改めるべきです。答弁ください。
 具体的に増員について伺います。
 生活福祉課のケースワーカーの担当件数も増え、その対応についても不十分との声が区民から寄せられているだけにただちに増員すべきです。また、子どもスキップの職員体制は、常勤職員一名というのはひどすぎます。児童館では、複数体制とっていた職員をスキップになったら減らす…児童館の看板は外すが中身は変わらないというのはまったくの詭弁だったのです。ただちに常勤職員を増やすべきです。答弁を願います。


 つぎに第三の質問、区民生活を保障する施策の充実について質問致します。
 さる11月14日、わが党区議団は、高野区長、水島副区長に会い、金融危機・物価高などから生活と営業を守る緊急の申し入れを行いました。
 昨年来の原油高、諸物価高騰に加え、米国発の金融危機の影響によるリストラ、単価引き下げ、貸し渋り・貸しはがし、消費きり詰めなど、区民の暮らしと営業は一層苦境にたたされており、緊急な対応が求められております。
 そこで、区として、来年度予算を待つことなく、補正予算を組むなどして、緊急に取り組むべきことについて、15項目にしぼって申し入れたものであります。
 先程もふれましたが、財政は4年連続の黒字決算になり、昨年度決算における実質収支は31億円余で、その半分は基金へ積立られ、半分の15億6千万円は繰越金となりました。繰越金は補正1号で約1億5千万円使いましたので、残りは14億円ということになります。区民のために使うべきなのに、使わずに繰り越したお金ですから、ただちに還元すべきで、14億円あればかなり区民サービスに向けることが出来るではありませんか。 緊急申し入れも、この立場で早期実現を求めたものであり、区長は、「承った」とのべ検討することを約束したのであります。
 ところが、今回の補正予算を見てみますと、総額のうち繰越金の歳出は7億1千万円で、まだ7億円は手をつけないまま、そして中身は、ほとんどが池袋駅周辺の整備や開発関連の事業の補正で、区民向けの緊急経済対策といったら商工融資事業が251万円が計上されただけ。雀の涙程度というか、情けない限りではありませんか。
 ここ数か月の深刻な景気の悪化に対し、このところテレビや新聞などで、区内共通商品券の発行や緊急融資など自治体の支援策が報道されました。
 大田区では、緊急の経済対策として区内中小企業の資金繰りを懸念し、期間限定で無利子の融資の斡旋をおこなうとしました。11月から二か月間、一千万円を限度として運転資金として受付し、返済は7年以内、本人負担は3年間までは0%というものであります。 中野区では、どんな職種でも融資する制度をつくり、大変好評と聞いております。
 そこで質問します。
 今定例会の所信表明で、区長は、商工融資事業の拡充を目玉のようにいっていますが、こんな程度の支援策では不十分です。中小企業や商店、さらに区民に対して、景気悪化による影響の認識が甘すぎるのではありませんか。まず答弁をください。

 つぎに、補正予算をあらためて組み直し、繰越金や基金を使い、早期に取り組むべき課題についてであります。
 高齢者、子育て支援に関しては明日、渡辺議員がとりあげますので、私は、中小業者への支援策、低所得者対策にしぼって質問したいとおもいます。
 まずは、中小業者の融資についてであります。
 私は、昨年の改選後初めての定例会で、中小企業への支援策を取り上げ、その時も批判したのを思い起こします。高野区長就任前の平成11年度の約53億円あった予算は、実に8分の1近くに減らされたのです。この削減は、商工融資の預託金40億の全廃が占めていますが、これを除いても平成11年度の半分の予算であります。
 一番目のかたきにされたのが融資で、05年度には、13種類から6種類に整理統合し、大変好評だった緊急特別資金も廃止したのであります。
 以前本区は、バブル崩壊後、区内の中小業者の願いに応え、区が損失保証する、低利の不況対策特別資金、緊急特別資金を創設し、全国的にも注目されたほどでした。この融資で救われた業者が大勢いました。
 さて、さきほどふれたように今回の補正予算には、商工融資事業のうち、信用保証料補助率の引き上げと、小企業資金の利子補給を0.3%から2%に引き上げるために251万円が計上されました。唯一区民向け支援策ということでしょうが、他区のように注目を呼ぶ支援がなぜできないのでしょうか。
 融資というなら、職種にとらわれず、信用保証料全額補助、無担保、無保証人、金利ゼロなど大胆に、借り手の立場にたった柔軟な緊急の融資制度を創設し、支援強化を進めるべきではありませんか。区長の答弁を求めます。

 つぎに中小企業への直接の支援策についてです。
 第一に地域商店会への支援についてです。昨今中央区や板橋区の共通商品券発行が注目されました。10%のプレミアの商品券発行は、1万円で1万1千円の買い物ができるのですから消費者にとってもありがたく、発行と同時に即売されたと聞きます。
 本区の商店街連合会の幹部の一人は、懇談の中で「こうして区民が並んで、買い求める」というのが商店街の活性化を呼び、商売にも意欲が出るといっております。「豊島区には、こうした思い切った支援がない」とこぼしています。
 本区の区内共通商品券発行については、印刷経費のみが補助されていますが、5%のプレミア分は区商店街連合会の負担になっています。仮に1億円の共通商品券発行の10%分を補助しても1千万円です。せめてこれくらいの支援は、すぐにでも実施すべきではありませんか。商店街支援策について、区の緊急に取り組むべき課題についてもあわせて答弁ください。
 また、区有施設について総点検を行い、小破修理の仕事を中小企業に発注したり、必要な物品を購入するなど、中小企業の仕事を増やし、営業を応援すべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。

 次に、公衆浴場に対する支援についてであります。
 公衆浴場は、このところ、また2軒廃業となり現在36軒にまで減少しました。公衆浴場は、区民の公衆衛生の役割のみならず、地域コミュニティの核ともなる健康増進、安らぎ、憩いの場としても必要不可欠の存在であり、とくに都心部での公衆浴場に対する支援は、存続を左右するものになっています。財政が好転した今、浴場への直接支援とあわせ、銭湯でのぬくもりある区民サービスの拡充、とくに生活保護の入浴券支給についてはただちに60枚に戻すべきです。公衆浴場に対する支援について区長の答弁を求めます。

 次に、低所得者への支援策についてであります。
 区民の暮らしが深刻化する中、生活保護をうける世帯が増大しております。今年度直近の統計で、7月現在の本区の生活保護世帯は4262世帯、保護人員4840人、18.7パーミルと相変わらず高く、ここ4年間で約1000名も増えているのです。
 我々のところに来る相談の多くが、生活苦によるものが大変多くなってきています。
 生活保護受給者に対する老齢加算廃止、母子加算の段階的廃止が強いられたうえ、ここにきての物価高騰は生活をますます苦しめています。こうした中で、区が独自に実施してきた法外援護の復活、拡充が求められます。区長に福祉に対する温もりがあるなら、せめて今年の冬には、見舞金を特別に支給すべきと思いますがいかがでしょうか。
 さて、保護率の増大の原因のおおもとは、自民党政治による庶民いじめにあることは明らかですが、区の低所得者への支援策削減も拍車をかけています。
 預貯金がなくなれば、それこそ保護を受けたほうが、いまよりも生活が楽になる人が大勢います。それでも生活保護は受けないよう、安いアパートに住み、生活費を削りながら頑張っている高齢者の話を聞く度、胸が痛みます。
 実際には、生活保護以下の生活をしている人に、介護保険料だ、後期高齢者医療保険だとわずかな年金からも取り立てるのですから本当に自民党政治はどうかしています。
 また、若い人達の中にも、ワーキングプアが増え、一生懸命働いても年収200万円にも満たないとか、非正規雇用や派遣という形での仕事で、所得の低い人も増えてきています。こうした低所得者の貸付の制度といえば、いま社会福祉協議会の斡旋する福祉資金くらいですが、審査や条件が厳しいうえ、簡単には借りられません。以前のように応急小口資金のような制度がどうしても必要です。ぜひ、低所得者むけの生活を応援する貸付制度を創設すべきですがいかがでしょうか。区長の決断を求めるものであります。

 つぎに第四の質問、住宅対策の抜本的拡充について質問します。
 さる11月14日の副都心特別委員会に、現在住宅審議会に諮問されている住宅マスタープラン(素案)についての説明がありました。
 今回の見直しは、そもそも、あと5年の計画期間のある住宅マスタープランをわざわざ見直し、2009年から10か年を計画期間とするプランに改めるものです。
 策定の目的として、国や東京都の住宅政策の見直しにより、その動向に対応して施策の再構築を図り、これからの豊島区民の住生活を見据え、区民や事業者と協働しながら、住宅政策を総合的かつ計画的に推進していくために策定するとしております。
 わが党区議団は、プランの見直しにあたり、区民にとって真に必要な住宅対策と計画となるよう、審議会でも議会でも議論に臨んでおります。
 前定例区議会では、審議会委員にもなっている森議員が一般質問に立ち、マスタープランにもかかわらず、従来あった公営住宅等の供給目標も示していないこと、前期5年間区民に約束していた供給計画を、ほとんどすすめなかった区長の責任、さらに区民に必要な住宅対策について具体的に示し、その実現を求め区長に質問致しました。
 その後、指摘を受け、十分とはとても言えませんが、10月27日の住宅審には、公営住宅等の供給目標量が提案されました。しかし、家賃補助・住宅改善等や新規対策については項目だけをあげ、目標量や数値は示されませんでした。
 このまま、区民へパブリックコメントを求めるのは無責任とのわが党委員の指摘も受け、再度、住宅審を11月10日に開催したのであります。
 ここでは公共住宅等の供給量と家賃助成・住宅改善等、計画期間の10年のうち「前期5年」の目標量が示されました。これが副都心委員会で説明されたマスタープランです。 私は、委員会でも質しましたが、今回の公営住宅等の供給計画が余りもお粗末すぎるのに驚きました。区営住宅についていえば、ほとんどが都から移管される数をそのまま掲載しただけで、建替えによる増床はわずか2戸、福祉住宅も、移管された住宅の建替えで、13戸、区民住宅はゼロ。家賃の高い高齢者向け優良賃貸が50戸。安心すまい提供事業は9戸といったように区民の実態に見合った供給にまったくなっていません。
 おかしな行政計画であります。居住水準を満たし、家賃の安い福祉住宅や区営住宅は、募集倍率も高く、これこそ住宅に困っている区民が必要とする住宅なのです。
 財政が逼迫していた時には、金がないといって計画を見送り、金が黒字になっても、需要に応じた計画すらたてようとしない…こんなプランはとても行政計画とは言えません。 同じ都市整備部が、すすめている路面電車(LRT)や池袋駅の東西デッキを含むプランは、あくまでも構想であって、行政計画ではありません。積極的に進めたいものは、構想であってもスケジュールを示し、何十億もかかろうが積極的に取り組むといい、行政計画の住宅計画には消極的とは、まさにご都合主義でありませんか。そこで質問です。
 区の行政計画の住宅マスタープランに、区民需要を反映させないのは無責任の極みであります。区営住宅や福祉住宅などの公営住宅については、需要に見合った建設計画をマスタープランに盛り込み、増設に踏み切るべきです。いかがかお答えください。

 次に住宅マスタープラン(素案)に示された家賃助成・住宅改善等について質問します。 本区の住宅対策は、これまで述べたように公営住宅の建設計画の後退のみならず、区民に必要な家賃助成についても削減してきました。とくに高齢者等住み替え家賃助成については、東京都の制度打ち切りとあわせ、助成額の削減、助成期間の設定を行うなど後退させてきました。ファミリー世帯の住み替え家賃助成は休止したままで、財政が好転しても復活しようとしません。
 さて、プラン(素案)では家賃助成・住宅改善等について、21年から25年の5年間の累計で1460件の助成や支援を行う施策と目標数値が示されました。
 これで、十分とは言えませんが、今年度の実績見込みの42件から見れば、前進であります。施策の中には、これまでなかった高齢者世帯へ家賃支援、子育て世帯への家賃助成、子育て区民住宅への家賃助成、木造住宅耐震診断助成、分譲マンション耐震診断補助といった項目が掲載されました。
 先の副都心委員会での質問に、これらについて「来年度からやっていきたい」と都市整備部長が答弁しましたが、これらの制度の新規事業なのか、内容はどいうものなのかお答えください。子育て世帯への家賃助成とは、休止しているファミリー世帯の住み替え家賃助成とは違う内容を考えているのかもあわせてお答えください。

 つぎに来年度に関してであります。副都心委員会では、計画目標の数字はあげてみたものの、来年度からの実施は、予算編成で考えると曖昧な答弁でした。
 例えば子育て世帯への家賃助成では、600件となっていますが、実際には、40世帯を毎年新規助成した場合の延べ件数であって、助成世帯対象は5年間で200世帯です。これではお粗末すぎます。高齢者世帯も子育て世帯とももっと対象を広げた支援を家賃助成、住宅改善とも来年度より行うべきですが、いかがでしょうか。


 最後に地元地域の問題として、長崎3丁目児童遊園について質問します。
 昨年の第3回定例区議会に区は、千早けやき公園の廃止条例とあわせ長崎公園の隣地にある長崎3丁目児童遊園の一部を廃止することを提案してきました。
 その理由として、これまで無償で借りていた公園用地に、土地使用の解除が通知されたために、これを返却するというものでした。
 一人辺りの公園面積が、最も狭い本区にとっても付近住民にとっても、二つの公園の廃止、縮小は重大で、議会でも問題となりましたが、結局、自民党も公明党も、民主区民も廃止について仕方無しという態度を取りました。
 当初区は、二つの公園について、「土地所有者の金剛院が突然と返還を求めてきて、区も当惑している。話し合いに全く応じてくれない」と、あたかも土地所有者の身勝手のように説明していました。しかし、議会で私の質問のやり取りで、平成6年の契約で、契約の解除の通知があった日から3か月以内に返還する条文が合意されていたことが明らかになりました。すなわち、区も土地所有者が返却を要求した場合には無条件で明け渡すことを一緒に合意していたのであります。
 私は、「そのような事実は、区議会にも報告されておらず、当時の合意を結んだ区の対応に問題がある」と追及しました。そして「区長自ら出向いて、土地の買い上げ、代替地の斡旋も含めて交渉し、公園をまもるべき」と主張したのであります。
 同時に、付近住民の中からは、寝耳に水の話。長年利用し、親しんできたのにどうしても納得できない。地主が返してくれというのでは仕方無いという人もいるが、現行のまま存続してほしいとの声があがり、長崎3丁目児童遊園を守る会が結成されたのであります。 守る会は、今のまま、存続するためには、まずは住民運動を広げることが重要と、「ぜひこのまま存続してほしい」と、3000名近く署名を集め、私も同席して2度にわたる区長交渉、そして数度にわたり土木部長や公園課長に交渉してきました。
 守る会のメンバーは、「児童遊園は、ラジオ体操やお祭りでも使用しており、半減は困るのでは」と町会の代表にも署名の協力を呼び掛けましたが「署名は一緒にはできない」と存続運動への協力は得ることができませんでしたが、本当に必死に頑張ったとおもいます。土地所有者の働きかけや、檀家の代表にもお願いに出向きました。
 こうした運動の成果もあり、土地所有者は「区にはもう貸さない、土地は返してもらう」という態度を徐々に変えてきました。一方、区長は、土地所有者が区に譲る気があるなら買収も含め、取得したいことを、交渉の中で明らかにしたのであります。
 これが、昨年から、今日にいたるまでの大体の経過であります。児童遊園をいまのまま残すために、守る会の人たちと一緒に取り組んできた私は、最後まで、区が責任を持って、交渉を続け、これままで同様に長崎3丁目児童遊園が区民に使えるよう重ねて要求するものであります。そこで質問です。
 長崎3丁目児童遊園について、土地所有者との話し合い、交渉は、現在どうなっているのか。今後、区長として、現行通り残すために、どう対応するつもりか見解をお聞かせください。
 以上で私の一般質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。