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区議会質問
 

平成19年 第4回定例会(11月27日) 小林ひろみ議員の一般質問

No.26 小林ひろみ
 私は日本共産党豊島区議団を代表して「区民のくらし福祉第一の区政に転換せよ」と題して、
1.来年度予算編成に対する基本姿勢について、
2.子育て支援策の抜本的拡充について、
3.区民需要にこたえた住宅施策について、
4.首都高速中央環状新宿線整備に伴う山手通りの整備について
の四点について一般質問を行います。

 九月に発足した福田内閣は、「構造改革」路線や「日米同盟」絶対論など「自民党政治の基本的枠組み」では従来の政権と変わりがありません。しかし、国民の審判、世論とたたかいによって民意無視の政治ができなくなり、「国民の世論が、政治の動きに直結する時代がやってきた」のであります。テロ特措法は期限切れとなり、海上自衛隊はインド洋から撤退し、日本に帰ってきました。先日自民・公明政権が、後期高齢者医療制度の一部凍結、見直しを合意しました。負担増の先延ばしではありますが、これも世論が政権をおいつめて政治を実際に動かす可能性がひろがっていることをしめしています。
 さて、次の選挙で必ず政権交代をといっていた小沢一郎民主党代表が、突然福田首相と会談、密室の中で自民党、民主党の「大連立」をうちだしたかと思えば、民主党役員が言うことをきかないから、といって辞表をだし、また、撤回するとう騒動がありました。大連立については、「テロ特措法を通せ」というアメリカの圧力があった、とか、財界から「国会のねじれ」を解消すべきといわれた、とかいわれていますが、今の国会の「ねじれ」は国民にとっては不都合がおこっているわけではありません。「被災者生活再建支援法」は衆参両院で全会一致で成立するなど、いい法律はとおりやすくなっているのです。「今後は、連立という方法をとらない」と小沢氏はいってはいますが、財界は大連立構想を歓迎していますし、自民党も連立を模索していく構えであり、どうなるかわかりません。とくに問題なのは、この間の党首会談で話し合われたといわれる、自衛隊派兵のための恒久法作り、さらには政府税制調査会答申等でだされた消費税増税路線です。憲法違反の自衛隊派兵、庶民いじめの消費税増税は絶対に許してはいけません。
 
 さて、国民生活はどうでしょうか。10月30日に総務省が発表した九月の完全失業率は前月より0.2ポイント悪化し、4.0%と二ヶ月連続で上昇しました。
 いま、働いても生活保護基準以下の収入しかえられていないワーキングプア世帯は、450万世帯とも600万世帯ともいわれており、生活保護世帯の5倍以上にもおよびます。そこには、不安定で極めて低い賃金を強いられている非正規雇用の広がり、とりわけ携帯やメールで日給仕事を得る「日雇い派遣」など、派遣労働者の深刻な実態があります。「アパートの更新料がはらえず、家賃を滞納して追い出される」人も少なくありません。また、この間特に高齢者に対し、老年者控除の廃止、公的年金控除縮小等で、課税強化がおこなわれ、「住民税が10倍にもなった」と悲鳴が上がっています。年金は減らされ、そこから引かれる介護保険料も値上げされ、ただでさえ少ない年金の手取りはさらにへらされているのです。国民年金だと満額保険料をおさめても、受け取れるのはわずか月6万6000円、「せめて生活保護並みの年金がほしい」という声がでるのも当然です。
 障害者自立支援法は、障害者とその家族に重い負担をおしつけ、サービスを削る人もでていますし、また、施設の収入がへらされ、その運営を困難にしています。
 こういうときだからこそ、身近な自治体として豊島区が区民の命とくらし、安全を守るために全力をつくすのは当然のことではないでしょうか。

 この間、豊島区は、財政逼迫を口実に、「行革」を推し進めてきました。特に、「行財政改革プラン2004」「同2005」では、大規模な福祉切捨て、民間委託・民営化の推進、そして職員の2000名体制を推し進めてきたのであります。このことにより、区民生活は大きな負担を押し付けられ、また、指定管理者の導入で、区立体育館のプールで監視員が一人しかいない状況が放置されるなど、安心・安全の面でも後退しています。
 2006年度は、区民サービス切り下げと増税による区民負担増で、3年連続黒字の決算となりました。また、2005年度からは、決算剰余金の半分は議会の議決を経ずに自動的に財政調整基金に積み立てるようにし、2004年3月に7億円だった財政調整基金は、いまや74億円まで増えたのであります。その他、住宅基金3億8000万など合わせて347億円の基金が積み立てられています。

 区長は、第三回定例会の所信表明で「財政健全化にひとつの区切りをつけることができた」「来年度の予算編成にむけては、今後四年間の中で確実に成果を生み出すべき施策に重点を絞りつつ、そこに財源を集中しながら、積極的に新たな事業展開を図る」「ビルド・アンド・スクラップの考え方にもとづく事業再構築をすすめる」などと言っています。決算審議でもあきらかになったように、黒字になっても、削った福祉を戻さないで、「借金返済」「基金積立」を優先する、さらには一方で、東池袋四丁目再開発に多額の区民の税金をつぎ込んだことを反省もせず、文化だ、都市再生だといって今後は東西デッキやLRTにも税金をつぎ込もうとする姿勢は問題であります。
 日本共産党区議団は、区民各層と来年度予算要望のための懇談をしてまいりました。障害者、高齢者、商店街、風呂屋さん、子育て中の方などから、それぞれ切実な要求が出されました。この間削られた福祉を元に戻してほしい、という声は大変強かったのです。
 また、区内で特養ホームに入れないでまっている方は1000人を超え、そのうち緊急度の高いAランク待機者は281名、増加傾向にあります。住宅については後でも述べますが、「安い住宅さえあれば何とか生活できるのに」という声が多いのに、福祉住宅の増設もなく、住み替え家賃助成も切り下げられたのです。

 また、予算編成にあたっては「枠配分方式」にも大きな問題があります。部内で予算枠がきまっており、何か新規事業をしようと思えば、別の施策を見直す、つまり削らなければならない、こういう中で、「予算がないから公園清掃は、業者に安い金額で委託するため、区民から苦情がたえない」「トイレが壊れていても気がつかない」などという状況が起こっています。これだけ黒字になった現在でも、現場では「金がない」といって区民からの切実な要求を拒否しています。「枠配分」については、区も「やりにくいところもある」「正すところがあれば正す」と答えています。
 そこで質問します。
 私どもは、「今こそ、困っている区民の緊急かつ切実な要望にこたえるべき」「積み立てた基金の一部を使えば、削った福祉を元に戻すこともできるし、施策充実もできる」、と求めてきたのです。あらためてお伺いしますが、まず、区民にとつて切実な介護や住宅、障害者、教育などの施策の整備・拡充、低所得者への施策充実を最優先にすべきと考えますが、区長の見解を伺います。
 また金を削るために作った仕組「枠配分」方式は、やめるべきです。決算委員会では、副区長は「あらためるべきはあらためる」と繰り返し答弁しました。どことどこに問題があり、どう改めるのか、明確にお答えください。

 第二の質問は、子育て支援策の抜本的拡充についてです。
 11月に発行された2007年版少子化白書では、国民の「子どもを持ち、育てたい」という希望と、それができない実態との乖離に焦点をあて、「障害」を取り除くための施策の必要性を説いています。10月末に少子化対策について政府と国民との対話集会が開かれ、「子どもともっとかかわりたいが今の働き方では無理。でも、生活のためには仕事をやめるわけにもいかない」「不妊治療で授かった命を六ヶ月で早産、受け入れ病院がなかなか見つからなかった」なと、切実な思いがだされました。
 豊島区では子ども医療費無料化については、この10月から中学生まで入院・通院とも無料になりました。喜ばれています。しかし、まだ、入院給食費は自己負担となっています。
 妊産婦検診は最低でも10万円以上かかります。超音波など特別料金のものもやればさらに費用が増えます。出産にも40万円かかるといわれています。読売新聞(9/18付)によると、最近「出産まで一度も医者にかかっていない」「検診もしていない」という妊婦が陣痛や腹痛を覚えて初めて救急車を呼んで医療機関に駆け込み、いわゆる「飛び込み」で出産する事例が増えている、未受診妊婦は救急搬送されても妊婦・胎児の健康状態が把握しにくいため、受け入れを拒否されることが多い、と報道されています。専門家は「未受診妊婦を減らすためには、無料健診をさらに拡充するほか、若いころからの健康教育を充実させる必要がある」「赤ちゃんと自分の健康のためにも、妊婦健診を受けて」と呼びかけています。
 お金の心配をせずに妊娠、出産ができるように、妊産婦検診、出産費用の無料化が必要です。
 第二回定例会でわが党議員の質問に、副区長は「現在、妊婦健康診査の公費負担のあり方については、東京都と区市町村、東京都医師会等で検討がなされておりますので、その結果を踏まえてさらに積極的に取り組みたいと考えているところであります」と答弁しています。
 豊島区では今年から前期、後期各1回分の補助券に加え、後期一万円の補助ができましたが、まだ足りません。他区では次々と施策が充実されています。先日「妊婦健康診査の公費負担のあり方に関する検討会」が報告書をまとめ、その中で自治体独自施策の動向を紹介しています。台東区では10月から妊婦健診14回分(1回6000円)補助することになりました。渋谷区、北区は後期受診の後に5万円補助、杉並では前期、後期各一回にくわえて最大12回6万円まで補助しています。豊島区の「後期受診に1万円補助」は少ないほうになっています。
 また、他区では独自の対策として、出産祝い金(中央、江東、渋谷、練馬)、誕生記念品(新宿、中央)、タクシー券(中央、荒川)、買い物券(文京、子ども一人につき5000円)などの事業をやっています。豊島区でも以前は出産祝い品(アルバム)をだしていましたが、この間の行革でカットしてしまいました。出産、子育てには何かとお金がかかるものです。少しでも補助があると大変助かります。

 そこで質問します。
 都内でも少子化が顕著な豊島区だからこそ、他に先駆けて力をいれて子育て支援に取り組む必要があります。妊婦検診の無料化、出産費用の無料化について、早急に実施すべきです、お答えください。さらに、子育て支援として具体的に出産祝い金、子育て応援手当のような制度をつくつたらどうでしょうか。答弁願います。
 また、豊島区には、医師会にはいっている小児科専門医は2軒しかありません。いざというときに、たよれるお医者さんがなければ安心して子育てできないではありませんか。都立大塚病院は東京都地域周産期母子医療センターとして比較的高度な周産期医療のできる病院と位置づけられており、また、平日準夜の小児救急診療を12月3日からスタートすることになり、ますます重要になっています。第三回定例会でわが党議員の「都立として存続させ、充実をはたらきかけよ」との質問に区長は「存続について積極的に働きかけていく」と答弁しています。早期の対応がもとめられています。存続についての働きかけの結果はいかがか、答弁願います。

 子育て支援の二番目は、ひとり親支援についてです。
 最近、母子家庭の方の生活相談がたいへん増えています。
 49歳の女性は、突然夫が自殺し、19歳の大学に入ったばかりの息子と二人、何から手をつけていいやらわからない、教育ローンはどうしたらいいか、退職金がはいるまで何か公的なお金をかりられないか、と相談にきました。また、夫が借金をし、どうしても自己破産はできないから、もう生活の面倒はみられないといって離婚されたタイ人の女性は、2歳のかわいい盛りの男の子と二人で相談にきました。アパートがちょうど更新の時期だが、更新料が払えないので出て行かねばならないと途方にくれていましたが、幸いにも生活保護を受けることができました。6歳と7歳の子どもをかかえ、飲食店でパートをし家のローンを返している41歳の女性は、パート代に児童手当や児童扶養手当などをくわえて、苦しい中でも生活しています。

 まず、児童扶養手当についてお伺いします。
 児童扶養手当は、母子世帯を経済的に支援するため、子どもが18歳になる年の年度末まで、所得に応じて月額9850円から4万1720円を支給する制度です。2002年に改悪され「自立促進」のためといって、受給が五年を超えると最大で半額まで削減することがきめられ、来年4月から実施を予定していたものの、参議院選挙の結果を受け、与党は16日無期限凍結を決定しました。この間、受給しているお母さんたちから、「削減はやめて」と切実な声が寄せられ、大きな運動が繰り広げられた成果です。しかし、「自立促進」という姿勢はかわらず、「就業意欲がみられないもの」への支給額は半減するとしています。そもそも、児童扶養手当をへらしたからといって自立が促進されるわけはありません。政府は、就労支援に力をいれるといってきましたが、すでに、母子家庭の八割以上が仕事をしています。「自立」できる正規雇用は難しく、派遣や非常勤、パートで、場合によっては二つ以上の仕事をかけもちする、そんな働きかたをしています。それさえも「小さな子どもがいるから」といって雇ってもらえないことはざらです。それを何の根拠もない五年という期間を設定し、削減するということ自体まちがっています。
 そこで質問します。国に対し、単なる凍結ではなく、児童扶養手当削減の廃止・撤回を求めるべきだと思いますがいかがでしょうか。
 次は生活保護についてです。
 生活保護の母子加算は、すでに16歳から18歳の子どもを養育する世帯の分は05年度より段階的に廃止され07年度で完全廃止になりました。今年四月からは15歳以下も月額23260円が15510円にさがり、三年間で段階的に廃止されます。
 「食費をきりつめている」「子どもに人並みの衣料や食事が与えられなくなった」など、深刻な事態が進んでいます。
 生活保護は、国が定めた最低生活費(生活保護基準)よりも収入が少ない場合、国がその差額を支給する制度です。現在、最低生活費は一般勤労世帯の七割弱程度の水準でしかなく、保護世帯は一般家庭よりも相当に制約された生活を強いられています。
 さらにこの生活保護基準を引き下げる動きが急におきています。一般勤労世帯との比較で算定されてきた基準を、低所得者の消費水準とのバランスによる方法に改定しようとしているのです。低い水準にあわせていくならば、ナショナルミニマムは守れず、生活保護世帯の生存権は奪われます。
 生活保護基準は、最低賃金や課税最低限の算定基準、国保料の減免や公営住宅家賃の減免基準、就学援助の適用基準や公立高校の授業料免除など、低所得者対策のさまざまな指標にもなっています。基準の引き下げは、保護世帯だけではなく、国民生活全体の水準を引き下げるものであり、影響は重大です。それを、基準引き下げ「先にありき」とばかりに、年末までのわずかな期間で結論を引き出すことは、到底容認できません。
 また、生活保護の住宅扶助基準は低くて、実態にあっていません。東京の場合、特別基準で、53700円以内、さらに高齢者や障害者、二人以上世帯など必要があれば1.3倍の69800円までが認められています。しかし、不動産屋でこの基準内で部屋を探すことは困難です。インターネットで調べてみても、ワンルームで相場は65000円、1Kで7万7000円、世帯用とおもわれる2Kだと8万3000円という数字が出てきます。さらには、最近は、火災保険料や管理費など付随して払わねばならないものもありますが、これは住宅扶助ではみてもらえません。

 そこで質問します。
 母子世帯の生活を窮乏させる母子加算減額・廃止を中止、撤回するよう国に求めるべきです。あわせて、今厚生労働省が拙速にすすめようとしている生活保護の基準引き下げを中止するよう国に求めるべきですが、いかがか、答弁願います。
 また、住宅扶助について、実態にあわせて 東京都の特別基準の金額を引き上げるよう都に要望すべきです。さらに、豊島区として独自に法外援護として上乗せを考える必要があるのではないでしょうか。答弁願います。

 ひとり親施策の充実についての最後の質問は、緊急の貸付制度などについてです。
 ひとり親世帯は、一般世帯よりも経済的に困難です。急な出費に、困ることが多いのです。特に、子どもが病気になったりすると大変で、子どもの医療費は入院・通院とも無料とはいえ、入院時の食事代は有料ですし、入院に必要な身の回りのこまごましたものもお金がかかかります。付き添いすれば仕事もいけず収入もへる、当面の生活費にも影響がでます。
 応急小口がなくなって、緊急に借りられる融資制度は、東京都社会福祉協議会の貸付のみで、これは条件が厳しすぎ、また金額も五万円が限度です。母子福祉資金貸し付けも、借りるまで一定の時間がかかり、緊急には間に合いません。そういう人が「サラ金で借りる」ことにより、さらに生活苦になることもあるわけです。
 また、配偶者がいなくなるということは、心理的に大変大きな負担です。そして、死別の時はもちろん離婚でも相手から慰謝料もとれないでこれから経済的に自立しなければならないような場合もあります。明日からの生活をどうするのか、途方にくれ、どうしてよいのか、わからない状況になるのは当然です。そんなときに、ひとり親や寡婦にはどんな支援策があるのか、どこに相談にいったらいいのか、そんなことが書いてあるのが、東京都が発行していた「ひとり親家庭のしおり」です。これには生活保護や各種手当てなど行政の施策だけでなく、利子非課税制度(まる優)など郵便局・銀行の施策ものっています。
 ところが、東京都は、「ひとり親家庭のしおり」を05年を最後に作っていません。この間、毎年組織が変わり、制度が変わり、施策がわかりにくくなっています。また、先日、ひとりで子育て中のお母さんたちとお話する機会がありました。それぞれ個別の困難な状況がだされましたが、異口同音に「ひとり親には豊島区にはどんな制度があるのか。自分はどれを使えるのかを知りたい」という要求が出されました。「使える制度があるなら使いたいが、それもわからないのに、わざわざ区役所にいく暇もない」ということなのです。子育て支援というなら、困ったら相談にきなさい、ではなく、こんな制度がありますよ、という姿勢が大事だと考えます。

 そこで、質問します。
 区独自の緊急の貸付制度は急務です。本当に困っている方に、当面の資金を貸し付ける無利子・保証人不要の制度創設を重ねて求めます。
 また、東京都に「ひとり親家庭のしおり」の発行を求めるとともに、豊島区としても直ちに独自につくるべきですが、いかがでしょうか。

 子育て支援の三番目は、障害をもつ子どもの放課後対策についてです。
 区は、児童館を次々と廃止し、子どもスキップでの児童の放課後対策に移行しています。同時に、学童保育については指導員を非常勤化し、また、おやつの時間を5時にするなど質の低下が問われています。
 豊島区には、子どもの権利に関する条例があります。障害を持つ子どもも含めて、すべてのこどもが児童館でもスキップでも遊び、活動することが保障されなければなりません。ところが、障害児のスキップの利用については保護者が介助することが必要といわれました。移動支援でのヘルパーはダメだといわれたそうです。子どもは遊びたいのに、親が用事があると、スキップで遊べないということになります。また、小学校では学童やスキップがあるが、中高生になるとそれもなくなります。親たちが自主的に運営する中高生の学童(アフタースクール)もありますが、区の援助が不十分です。新宿区では、地域生活支援事業として「障害児等タイムケア事業(まいぺーす)」を実施しています。親たちの作ったNPOに運営を委託し、小・中・高の子どもがすごしています。  

 そこで、質問します。児童館・スキップなどを障害児が利用するときに、保護者以外の介助者(移動支援のヘルパー)でも利用できるように検討すべきです。特に、特別支援学級のある学校におけるスキップでは、早急に利用できるようにすべきと考えます。答弁願います。また、障害をもつ中高生の放課後の居場所作りを早期に区としておこなうべきです。あわせて答弁願います。

 次に大きな三番目の質問、区民需要にこたえた住宅施策についてです。
 私によせられる生活相談では、「安い住宅に入れればなんとかなる」というものが大変多いのです。
 今年3月作成された東京都住宅マスタープランでは公営住宅の供給の目標量は2006年から2015年までの10年間で区市町村住宅も含め11万3000戸となっていますが、これは新規整備、建て替え、空き家募集を合計した数であり、実際の純増は、1152戸となります。マスタープランでは、「既存ストックの有効活用をはかり、引き続き管理戸数を抑制しつつ、真に住宅に困窮する都民に公平かつ的確に供給する」として「期限付き入居制度の募集戸数の拡大」「使用承継の制限(07年8月実施)実施」「収入基準については・・・見直しをおこなうことが重要。国の基準に基づき適切に対応・・。入居資格に資産保有状況も考慮するよう、公営住宅制度上明確に位置づけるように国に要求」するとしています。つまり「都営住宅は増やさない、基準を厳しくして入居者を追いだしたり、入居期限をつけて、空き家をつくり、新しい人を入れる。さらに、入居基準の引き下げを国に要望するなどしてさらに資格者をへらす」というわけです。マスタープラン(素案)へ、都民から出された意見「もっと都営住宅を増やせ」に対し、都は「都内の住宅数が世帯数を一割以上、上回っていること、将来的には東京においても人口減少社会の到来が見込まれていることなどを踏まえ、新規建設をとりやめており、引き続き既存ストックを有効に活用し、公平かつ的確に供給していく」と答え、新規建設を進めようとしていません。これでは、家賃の安い住居を求める区民の願いに答えることはできません。
 「都営住宅に入るのが困難」「なんとかふやさねばならない」というのは、都民の共通認識となっています。今年八月23区区議会議長会では東京都に「都営住宅整備計画の新たな策定」と題した要望を出しました。「大都市の実情に即した公営住宅計画に改善し、公営住宅の建設促進を図られたい」というものです。特に、豊島区は公営住宅が少ないのですから、ふやさなければなりません。豊島区の住宅ストックを所有関係別にみると、03年の数字ですが、持家が37.7%、借家が56.9%でとりわけ民営借家が50.7%と多く、一方で公的借家は2.3%で、23区平均8.1%と比べてとても低いのです。

 また、高松三丁目の都営住宅は06年から建て替え工事が行われており、戸数が136戸だったものが239戸に増えます。来年4月から以前入居していた方が戻ってくる予定で、東京都東部住宅事務所では100世帯程度が戻ると見込んでいます。残りは「事業用」つまり、建替えのための住宅とするとしていますが、まだ、具体的にどの住宅と決まっているわけではないそうです。
 地元わりあての問題については、私は05年8月に当時の住宅課長より、文書で報告をいただいております。「建替えに伴う都営住宅の地元割り当てについても、都区協議の中で、口頭で再三の申し入れを行っている」、今後のスケジュールは「もどり入居数が確定し、空き家数が決定されると、募集戸数が決定される。募集戸数が決定される段階で、正式に文書で地元割当を依頼する」という内容でしたので、すっかり地元割り当てがあるものだと思っていました。建て替え前はファミリー型住宅だけでしたが建て替え後は1DKもあり一人暮らしでも入居できるのではないかと、特に高齢者の方から「募集はいつになるの」と期待の声が寄せられていました。「今、都は事業用といって新規募集をしないといっている」と説明すると、大変がっかりされ、なんとかならないものかといわれます。
 そこで質問します。石原知事になってから、都営住宅の新規建設は一戸もありません。まず、東京都に対し、都営住宅の大幅増設を要望すべきですが、いかがか。答弁ください。
 また、建て替え後、都が事業用とするといっていたものでも、足立区の桜木一丁目住宅は地元の要望をうけ、05年11月一般募集されたときいています。高松三丁目の都営住宅については、今からでも遅くありませんから、地元割当をするよう東京都に強く申し入れるべきですが答弁願います。

 次に豊島区が自らおこなうべき住宅施策について伺います。
 高齢者、障害者、ひとり親世帯などから、「家賃が高くて大変」「年をとって、狭い急な階段を上り下りするのは大変」「立ち退きを迫られている」と切実な要望がでています。区営住宅のあきや募集や「つつじ苑」のあきや募集は、高倍率。だんだん倍率が高くなっています。困っている人が増えているということです。これまで、区は、池袋本町の区営住宅の建替えと同時に高齢者住宅を併設するなどして10戸だったものを20から25戸に戸数増を検討していると答えています。焼け石に水です。
 安心して住み続けるためには、住宅支援が重要です。
 以前、豊島区ではファミリー世帯の住替え家賃補助制度がありましたが、2000年度から新規募集をしなくなりました。また、最近は高齢者等の住み替え家賃補助制度も期限を付け、金額も下げてしまいました。

 そこで質問します。
 豊島区独自の公営住宅・福祉住宅の増設は急務で、特に高齢者住宅の増設を具体化すべきです。
区有地をつかえば、建設費用のみですみ、さらには補助金もつくので区の持ち出しは多額ではありません。現在の「公共施設の再構築・区有財産の活用」を見直し、その中に、区営住宅・福祉住宅の増設を位置づけるべきですが、いかがですか。また、家賃補助制度については、休止しているファミリー世帯助成については直ちに復活し、高齢者、障害者、ひとり親世帯などの賃助成制度も従前に戻すことが必要ですが、答弁願います。

 第四に、最後の質問、首都高速中央環状新宿線整備に伴う山手通りの整備について質問します。
 高速道路中央環状新宿線については今年12月22日、高速五号線(熊野町ジャンクション)から高速四号線(西新宿ジャンクション)の区間が開通することになります。
 10月8日「中央環状新宿線関係五区連絡会」が企画した、山手どおりを歩くツアーで要町から渋谷区神山町(かみやまちょう)換気所まで歩きました。
 中野区や渋谷区でも豊島区同様、高速道路の出口等の関係で交差点や横断歩道がなくなってしまったところもありました。換気塔は全部、建ちあがっていたものの、関連街路の整備についてはまだまだで、先行して整備された中野区部分のみ、広い歩道と自転車道がきれいになっていただけでした。西新宿ジャンクションを超えると、高速道路の工事自体が進んでいませんでした。

 さて、中央環状新宿線が開通すれば、自動車通行量はふえ、周辺環境がわるくなることは、環境アセスメントでもはっきりしています。千川中学校はちょうど自動車がトンネルから出入りする場所にあります。ここは、優先して、歩道部分を広げ緑化し、壁面緑化や土壌脱硝装置を設置するなど早期に環境改善の手立てをとる必要があります。
 また、この間、高松仮出口を設置するため歩道の一部を車道として削りせまくなって、また横断歩道も歩道との段差が大きく急角度になっており、自転車や車椅子の利用者にとっては危険ですし、通過する歩行者も通りにくくなっています。工事のため、バス停も動かされ、利用者は不便に感じてきました。
 またさらに、要町駅周辺には駐輪場が足りないため、放置自転車が多く、その上道路工事の関係で雑然としていたので、高齢者が歩きにくくて苦情がだされていました。

 東京都は、2011年度までに、要町以南の山手どおりについては、車道四車線とし歩道を広げ自転車通行帯を設けるなどして整備することになっています。要町以北については、東京都と首都高速道路株式会社が発行する「山手だより14号」には、「高松仮出口は閉鎖後撤去し歩道部は復旧する、また、車道を四車線で復旧し、歩道を拡幅する」と書いてあります。しかし、撤去時期やスケジュールはまったく具体化されていません。
 これまで、私は、一般質問などで、要町以北についても、四車線にして歩道を拡幅し緑地や自転車道をつくるよう都に申し入れよ、と求めてきました。とうとうその方向で整備がされることになったわけですが、いったいどの範囲の歩道がどのくらい広がるのか、自転車道との分離はどうするのか、緑地はどのくらい増えるのか、バス停は元の場所に戻るのか・・・など、地元の方たちにとっては関心が強いことばかりなのに、まったく情報がありません。また、工事の騒音と振動で長年苦しんできた住民にとっては、早く整備してほしい、という希望があります。
 そこで質問します。まず、12月22日の開通と同時に換気塔の排気ガス濃度の測定、周辺環境の測定について調査するよう都に求める必要があると思いますが、いかがでしょうか。また、千川中学校付近については、すぐにでも対策が必要です。東京都が関連街路について計画を決めてしまってからでは、緑地の増設も土壌脱硝装置も難しくなります。今、東京都に対し対策をとるよう求めるべきです。
 放置自転車の問題についてもお聞きします。歩道を広げ自転車道をつくるだけでは、自転車置き場になってしまう可能性があります。要町駅付近の放射36号線沿の歩道上に120台の駐輪施設をつくるといいますが、かえって自転車をよびこんでしまうのではないでしょうか。歩行者が安心してあるけるように、現在まったく対策のない池袋や西池袋側も含め、どのように対策を講じるのか、お答えください。
 また、歩道と自転車道の形状については、あらためて住民にしらせその意向を聞く機会をもつ必要があると思いますが、その点を東京都に働きかけていただきたいが、いかがか。答弁願います。

 以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

【再質問】

No.26 小林ひろみ
 1点だけ再質問いたします。いわゆるスキップと、あるいは児童館などを使う障害児の場合なんですけれども、いわゆる移動支援でのヘルパーをぜひ使わせてもらいたいというのが、障害児を持つ親御さんの願いなんですね。ボランティアだとかリボンサービスだとかというお話ありましたけれども、それが簡単にお願いできれば苦労しないんですよ。特にリボンサービスは本当に大変ですから。それがないので、障害者の自立支援のサービスである、あるいは地域支援事業である移動ヘルパーは、もっと区の裁量を生かして、そういうことで使えるようにして、本当に子どもがきちっと遊べるようにしてほしいと、こういうところに一番の願いがあるので、本当に木で鼻をくくったような返答をされると困るんですね。ぜひ検討していただきたい。移動支援のヘルパーはとても、使い勝手をよくしてもらえれば、本当に多くの方々が、家に閉じこもりな方々が出られるようになると思いますので、まず突破口としてこういうことで使えないか検討していただきたいのですが、改めてこれについて答弁をお願いいたします。

○子ども家庭部長(横田 勇)
 趣旨はわかりましたので、担当部局と相談はさせていただきいと思いますけれども、現在の移動支援ヘルパーさんの業務は先程区長が答弁した内容でございますので、その辺はご理解いただきたいと思います。