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区議会質問

2021年10月22日

第41号議案特別区道路線廃止 反対討論

21,3定(10,22)  渡辺くみ子

 私は日本共産党豊島区議団を代表し、只今上程されています第41号議案 特別区道路線の廃止について、可決に反対の立場から討論を行います。
 この議案は、豊島区南池袋二丁目 C 地区第一種市街地再開発事業の施行区域内にある区道について、一般交通の用に供する必要が無くなるため、道路法第10条第一項の規定に基づき、その路線を廃止、及び一部廃止するというものです。
 区道の廃止面積は566,47uで、反対に区道拡幅部分の面積は1125,25u、結果559,41u道路面積が増加するというものです。この拡幅部分は現行の区道42-200と42-260で、いわゆる番神通り等、現道4m前後の区道を再開発地域内で拡幅し、9m道路を造るという計画です。
 南池袋二丁目C地区の再開発事業は、2004年に東京都のしゃれまち条例に基づき南池袋二丁目地区が街並み再生地区の指定を受け、そしてC地区では2008年にまちづくり懇談会を、2010年から全体連絡会をつくりUR等事業者を入れ本格的に再開発事業の準備をすすめ、2015年にはC地区まちづくり協議会が作られてきました。当初のC地区の計画ではC地区全体をC1、C2、C3に分け、建物の高さがそれぞれ16階、23階、31階の建設計画だったものが、50階前後の2棟となりました。そして2018年、私共は「超高層建物が次々と作られる。本当に必要なのか」「住み続けたいと願う人が住み続けられるのか」等を指摘し反対をしましたが都市計画決定がなされました。
 今回の区道廃止はこのようなC地区再開発事業の中で「区道は必要ない」という事です。超高層のビルを2棟建てるために区道を廃止するということであります。

 では、これらの計画がどれだけ区民に知らされてきたのか、区民本位のまちづくりがされているかという点です。以下問題点を指摘します。

 第一の問題はこの様な経過の下でC地区の複数の地権者が「自分たちの生活を守って」と訴えていることです。
 今、マスコミでも大きく取り上げられていますが、地権者の方々は裁判を始めました。区はこの間いくつも再開発を行っていますが、このような状態となったのは初めてです。
 現在、転居できず3件の方が残っていますが、それぞれ2世代、3世代、4世代と戦前から当該地に住み続けてきた家族です。こういう方たちが「戸建てで生活をしたい」「住み続けたい」と当たり前の要求をしても具体化せず、8月24日権利変換に関して都の許可が下り、「9月25日までに明け渡せ」と通知が届きました。ひどいことです。今回の裁判闘争の弁護士さんも「再開発では、通常、できるだけ住民との摩擦が少ない手法をとるが、この組合は一貫して譲らない姿勢だった。・・非常に問題がある」と指摘しています。協議中にもかかわらず地権者への追い出しを迫るやり方は認められません。
 さらに委員会審査でも指摘しましたが、現在、生活しているのに、それを無視して解体や水道工事等が事前報告もなく次々行われています。本当に言語道断です。区に対応を求めましたが、区担当者は「きちんとやっていると思っている。・・行き届いていない点は行き届くよう説明をするよう指導している」といつもの答弁が繰り返されました。
 この間、区長は住民との懇談でも「最後は『皆がよかった』と言えるようにする」とずっと言っていました。長年、豊島区の歴史をつくり続けてくれた人たちがきちんと保障されないようなことは絶対にすべきではありません。区長「最後は皆がよかった」と言える状況を区長の責任で実現すべきです。

 第2の問題は、今回の区道廃止も含め、廃止をする理由である再開発、それに伴う周辺のまちづくりが近隣住民に全く説明されていないことであります。

 この間、再開発組合では7月24日に唯一の地域説明会を行っています。この中で地域住民の方々から「突然51階、2棟になったことについて、日照を考えると近隣に迷惑をかける。51階になったのはなぜか」等の声がだされ、いかに近隣住民を無視して推し進められているかがわかりました。
 さらに 9月の副都心委員会でも指摘しましたが、C地区に直近の番神通り側の人たちはこの間、再開発での解体で騒音、振動等、大きな負担を受け、区と再開発組合に強く申し入れ9月8日独自交渉を行いました。
 再開発地域に直近の番神通り側の人たにちは7月24日の地域説明会のお知らせすら届いていませんでした。参加者からは「再開発の一番影響を受ける住民らが無視された。法令で地元住民への説明が義務付けられているはず」「まして国、都、区からの助成金も出る(事業)」「再開発担当課長に説明会を行う旨、行政指導するよう2度連絡したが、組合事務局から説明に伺わせますとの一点張り」等行政の近隣住民無視の姿勢に対して大きな怒りが示されました。
 ほかにも区道廃止が地域住民にどう影響するのか、「この間、区道が一方的に通れなくなっていた。事前説明もない」等日常の生活からの疑問も出されました。
 さらに、工事車両の逆走が行われており、住民が問いただすと「警察から許可をもらった」との説明が繰り返されましたが、「地域にきちんと説明すべき」と強く抗議の声が上がりました。
 また振動で生活できないので転居せざるを得ないが補償はあるのか等、様々な問題も出され、組合は「検討する」と答弁。しかし、3週間後にやっと回答が寄せられましたが、「補償については出来かねます」との答弁が繰り返されています。
 さらに、今も地域では開発事業に関連して、水道管など連日何らかの工事があるという状況が続いています。「10月19日はカーブミラーが外された。再開発事業者の前田建設は警察に返した」というが「危ない。カーブミラーは区のものではないのか」との訴えがあり、区の土木課に相談。再度カーブミラーは設置されましたが、カーブミラーは区のものであることも明らかになりました。事業者のやり方はあまりにもずさんです。
 近隣住民はいろんな工事が今後行われるので、「工程表が欲しい」との要望も出していますが、無視されています。さらに、驚いたことに再開発組合ではいまだに事務局長が決まっていません。こんな無責任な組合があるのでしょうか。区の対応にも大きな問題があると言わざるを得ません。
 さらに区道の廃止後、番神通りの拡幅についても説明はありません。番神通りの拡幅工事はどうするのか、地盤が弱いところでの埋設物はどうなるのか。等々地域住民の方々から不安の声が上がっており、当然、区と組合は説明責任をきちんと果たすべきであります。
 私は都市整備委員会の審議で、区としてもっと責任を持つべきと求めましたが、担当者は、「組合に対してより丁寧な対応をと伝える」の繰り返しのみです。これでは区として区民に全く寄り添っていないではありませんか。まちづくりに対する区の姿勢を変えるべきです。区民追い出しはまちづくりではありません。今回の区道廃止もきちんとどういう街づくりをどういうテンポで進めるのか等をC地区まちづくりの地権者そして近隣住民に説明すべきです。
 委員会審査で、副区長は「管理監督として指導するのは区の役割」と言いました。指導するうえでの基本的な姿勢は、「まちづくりとは住民とともに行うのが当たり前」ということです。業者任せでは絶対にダメです。強く反省を求めるものです。

 以上、この間の区民無視で行う再開発事業、それに関連する今回の区道廃止は認めることはできません。よって第41号議案 特別区道路線の廃止について、可決に反対します。

以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。