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区議会質問
第14号議案 豊島区立公園条例の一部を改正する条例反対討論(かきうち信行)

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされました第14号議案 豊島区立公園条例の一部を改正する条例討論について反対の立場から討論いたします。
 本案は、公園予定区域等に関わる規定を設けるほか、豊島区立池袋西口公園の改修に伴い、同公園の開園時間を変更し、有料公園施設を追加する等、所要の改正を図るとともに、公園の占用料等の額を改定するために提案されたものです。
 条例改正の具体的内容は、大きく3点です。
 第一は、公園予定区域等を定めることです。
 「造幣局地区防災公園」は、民間によるカフェの設置や東京都による深井戸の設置等を開園前に行う予定としています。既に都市公園に位置付けられていれば、「設置管理許可」や「占用許可」の申請から、施設等の許可が可能となりますが、都市公園として位置づけがないことから許可ができません。
 そのために、都市公園法の公園予定区域に本公園を当該予定区域とすることで、設置管理許可等について公園条例に適合した管理ができるというものです。

 第二は、池袋西口公園の改修に伴う改正です。
 その一つが開園時間の設定で、午前5時から翌日午前一時までとし、午前1から午前5時までは、閉鎖するというもの。
 二つ目は、舞台棟の開場時間及び休場日、使用料金を定めるというものです。

 第三は、占用料の改定に伴う改正で、「固定資産税評価額」の三年ごとの見直しに伴う改正です。

 第一の公園予定区域に定めることと第三の占用料の改定についての改正内容については、了承するものです。問題は、第二の池袋西口公園の改修に伴う舞台棟の使用料についてであります。

 豊島区は、「国際アート・カルチャー都市」を実現するとして、池袋に区外からの来街者を増やす大型開発の計画を次々と進めています。池袋西口公園の劇場化は、区長が一昨年、「4つの公園構想」を打ち出したもので、当初は、事業費なども全く示されないまま突然と図面などが示されたものでした。昨年一月に議会に示された概算工事費は、26億8千万。そのうち奇抜なリング状のパーゴラだけで8億7千万円という公園というにはあまりにも多額な劇場型の公園整備に対し、わが党は厳しく批判し見直しを求めてきたところです。
 「他に類のない劇場公園」にするという区長のトップダウンで始まった事業は、精査する精査するといいながら、次から次へと引き上げられ、いつの間にか施設建設総事業費は、約30億円にまで膨れ上がりました。
 さて今回の条例に規定される舞台棟の使用料は、平日は、一日15万円、休日は20万円というもので、そのほか音響設備は、1日1万2千円、照明設備は、2万1千円にもなります。
 とても区民が気軽に利用できるような料金の施設ではありません。
 その使用料の積算根拠は、年間のランニングコストを稼働日数200日で割返して出されたもので、その額は、28万6200円です。
 所管課は、この金額を使用料のとして提案したかったのですが、あまりにも高いので、激変緩和としてこれまで舞台使用料としてきた、平日15万円、休日20万円としたこと私の質問で明らかになりました。
 では、いったい舞台棟の収入はどれくらい見込めるのかというと、実際には年間で約1750円。年間の維持管理費は、舞台棟だけでも5724万円ですからその赤字約4000万円は、区の一般会計から補てんするというのであります。区民が気軽に利用できないうえ、施設運営の赤字の穴埋めに税金投入というものです。
 野外の舞台施設だけに、真冬の寒い日も雨や風の悪条件の日もあるわけですから200日稼働できるという保証は全くありません。そうなれば赤字補てんはさらに増えることになります。
 また予算委員会では、わが党の清水議員の「いずれ使用料の見直しが必要ではないか」という質問に対し、区は「2020年度には使用料の見直しをする」「大型ビジョン、音響、照明システムなど注目度が高く、そこへ誘導したい」といっています。まさにその大型ビジョンや音響、照明システムが多額の維持管理経費を生み、多額の赤字を生むことになるのではありませんか。
 使用料を見直し、さらに高い設定になれば、一般区民の利用はさらに難しくなり、それこそ芸術文化ホール同様、区民がほとんど利用できない施設になります。見直しをすべきです。
 まさに池袋の価値を引き上げると文化・芸術を口実にした、豪華な投資事業が区財政を圧迫させることにつながる典型であり、大企業や来街者のための劇場型公園に莫大な税金投入すべきではありません。
 よって、第14号議案 豊島区公園条例の一部を改正する条例の可決に反対するものです。
 以上で討論を終わります。