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区議会質問
第85号議案 電気バスの買い入れについて (儀武さとる)

2018年12月10日

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております第85号議案 電気バスの買い入れについて、可決することに反対する立場から討論を行います。
 本議案は、随意契約で電気バス7台を税込で2億1814万2718円で株式会社シンクトウギャザーと契約するものです。
 区は、電気バスの買い入れは東アジア文化都市、オリンピック・パラリンピックを見据えて「ハレザ池袋」と4つの公園を回遊し、来街者を増やすためのツールであるとしています。電気バスは区民にとって必要ありません。以下、反対理由を3点述べます。

 第一に、区民の生活の足でなく、来街者を呼び込むためのツールの一つとしているからです。
 今回、買い入れしようとしている電気バスは、昨年、試乗した電気バスを改良・改善したものです。区民、議会などの意見を反映させたとして、ドア、窓、ガラスの設置、車体材質と乗車定員を16名から22名に増やしました。そのためにブレーキ性能の向上、池袋大橋を19qで走行するために出力のアップや走行距離を1日60q確保できるようにしました。区議会や区民の指摘でバスを改善・改良したと言っても、1日80便、熱い日も、寒い日もエアコンがなく、運転手や乗客の快適性、安全性の確保も十分と言えません。交通量の多い六つ又交差点や大橋などを走行する際、もし追突された時、乗客の生命、安全を確保できる車両の安全性は本当に大丈夫なのか、不安をぬぐえません。
 区長は、高速バスを運行するWILLER株式会社が、訪日外国人を呼び込むために、羽田空港や成田空港から池袋に直行便を導入したいと言っていると何度も答弁しました。私が、市場調査をしたのかと問うと、区は、「訪都外国人は1300万人、豊島区は2割の約300万人が訪れる」と何の根拠もなく繰り返すのみです。年間に約300万人、池袋に訪れたとしても、訪日外国人が電気バスに乗る理由が見当たりません。これまで何度も指摘しましたが、今、区民が求めているのは、電気バスでなく交通不便地域や区民の足となるコミュニティバスの導入です。
 日本共産党区議団のアンケートには、2,423人の回答者がありましたが、電気バスの運行については、賛成15% 反対56%です。税金は、区民のためにこそ使うべきです。
 第二に、この事業を進めれば、さらに税金投入になるからです。
 電気バスの購入費は、当初税込みで1台2241万円、10台で約2億3千万円でしたが、今回の買い入れでは、1台3116万円、7台で約2億2千万円(税込)となっています。当初の計画より1台当たりの購入費用が大幅に増えています。先ほども述べましたが、区は、豊島区仕様eCOM-10に仕上げたので1台あたりの費用が5,774,760円増えたと説明しました。また、車両が、7台だと東西を循環するルートでは、1台で1時間に1本になります。電気バスを利用して、ハレザ池袋などに行く人がいるでしょうか。区は7台で足りなければ3台増やすことも検討すると言っていますが、仮に車両をあと3台確保すると、9300万円費用がかかります。
 11月15日の副都心委員会でも指摘しましたが、当初、イニシャルコストは今年度予算で2億8千万円見込んでいましたが、来年度は、新たに充電設備整備費、バス停整備費、デザイン委託費なども含めて8000万円かかることになります。今年度予算で5000万円残りますが、差し引き3000万円増えることになり3億1千万円になります。これに、仮に車両を3台確保する9300万円を加えると、約1億2千300万円も増えることになります。また区は、運行経費については、運賃等の収入により賄い、補助金は出さないと言ってきました。しかし、利用料金が100円の場合、車両10台で約1億円の赤字になり、今回の総務委員会では、7台では、約1億6千万円の赤字になると説明しました。私が赤字になるとどうなるかと問うと、区は「一般会計からの持ち出しになる」と答弁しました。つまり、年間で1億6千万円の補助金を出すことになります。料金が200円の場合では、乗客が減ることも予想され、乗車料金については、いまだに、検討中です。維持管理料は、車検、保険料を含めて、1台あたり200万円です。7台で年間1400万円、車両保管場所は、庁舎の地下2階になるので、庁有車は地下1階の時間貸し駐車場に3万5000円、7台では年間約300万円の負担増です。イニシャルコストも大幅に増え、ランニングコストもさらに赤字が増えることになります。絶対やめるべきです。

 第三に、芸術文化劇場、としま区民センターのオープンに間に合わせるためのスケジュールありきで、議会無視、区民無視だからです。
 区は、まちづくり団体、運営事業者と基本的な事項について12月に協定を締結するとしています。
 まちづくり団体は、運営事業者へ無償で貸与する電気バスを活用し、商業・観光等に関するプロモーションやイベントなどを企画・開催することにより、商業・観光等の活性化に資する事業を行います。その候補として、一般社団法人としまアートカルチャーまちづくり協議会を選定しました。
 まちづくり協議会の提案概要によると、豊島区内全域観光拠点やイベントを回遊ツアーの企画・運営し、主に土日祝日に実施し料金は1000円を想定しています。池袋エリアは主に、平日の外国人旅行者を対象に料金を500円で運行予定です。当該事業には区の補助金の支出は行わない、ということですが、催事やにぎわいを創出する団体には補助金を出すこともあるのか、と質すと、区は「お祭りにバスを使うのか、お祭りの費用の中で使えるのか、使えないのか、主管課の判断」と答弁しました。運営事業者には補助金は出さないが、催事やにぎわいを創出する団体には補助金を出す可能性あるということです。また、一般社団法人としまアートカルチャーまちづくり協議会との協定書案、運営事業WILLER株式会社との協定書案を、なぜ議会に出さないのか、と問うと、「今、協議中」「日々動いている」ので出せないと言いつつも、本会議で議決したら、すぐにも協定を行うと答弁しました。協定案が固まらないのであれば、この議案は来年の第1回定例会の議案を提出し、協定案を議会に出すべきだと質すと、区は、同じ答弁を繰り返すのみでした。芸術文化劇場、としま区民センターのオープンに間に合わせるためのスケジュールありきで、議会無視、区民無視であり、認めるわけにはいきません。
 よって、第85号議案 電気バスの買い入れについては反対するものです。
 以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。