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区議会質問
第54号議案 児童遊園条例の一部を改正する条例討論(かきうち信行)

 

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされました第54号議案 豊島区立児童遊園条例の一部を改正する条例について可決に反対する立場から討論を行います。
 本案は、駒込三丁目にある区立妙義児童遊園を廃止するために区長から提出されたものです。
 妙義児童遊園は、昭和47年4月に無償で借り受けた妙義神社境内地を仮児童遊園として区が整備を行い、平成8年に児童遊園とした際、正式に使用貸借契約を取り交わし現在に至っています。
 社殿や児童遊園地下の車庫の老朽化がひどく妙義神社造営・境内整備を行うため、本年5月に、妙義神社の側から契約の解除、児童遊園の返還の申し出があり、区はこれを了承し、児童遊園を廃止しようというものです。
 廃止に反対する大きな理由は、地元住民になんら説明もしないまま、安易に児童遊園を廃止する区の無責任なやり方です。三点にわたり問題点を述べます。

 まず、第一にこれまでの経過についてです。
 私の子どものころ、駒込地域は、まとまった面積の公園はほとんどなく、妙義神社境内は、子どもたちにとって格好の遊び場でありました。ここで、キャッチボールや野球遊び、缶けりなど夢中で友達と遊んだことが懐かしく思い出されます。
 神社の宮司さんの計らいで、境内を無償で提供されてきたことは、私は議員になって初めて知ったことでしたが、長い間にわたり区に無償で土地を提供し、児童遊園として開放してきたことに頭が下がります。
 それだけに、本区のように一人当たりの公園面積が小さい区にとっては、返還を迫られた時の対応については、さらに面積が減ることになるのですから慎重な対応が必要です。
 委員会での私の質疑で、平成8年以降、区が正式に児童遊園として条例に位置づけてからは、二年ごとに使用貸借契約を取り交わし、直近は、昨年の平成29年3月に更新し、31年3月まで二年間の契約を結んだと答弁がありました。
 条例で、廃止の施行が本年10月10日とは、契約の途中なのになぜかとの問いに、理事者は、すでに昨年の更新の際に、神社の造営・境内整備を行いたいとの表明が妙義神社側からあったこともあり、今年5月になって正式に契約解除を言われ、返還はやむを得ないものといいました。
 すでに区は、借り受けていた児童遊園は近々返還せざるを得ないことを以前から知っていたのであります。
 ところがこの間、区は何の手立てもとってこなかったのです。これが問題なのです。
 第二に、児童遊園を廃止した後は、どうなるのかという問題です。
 10月10日、廃止条例が施行された後、便所、遊具や倉庫など区の管理しているものを撤去したのち、妙義神社は、来年早々から、児童遊園敷地のなっていた境内に社殿・社務所の建設を進めるとしています。
 翌年2020年には、既存社殿が解体され、その場所に共同住宅が、建設する計画ということです。共同住宅というのは、9階建てのマンションと答弁がありました。
 階段を上がった高台に建つマンションは、実際には、10階建てと同じ高さになります。
 さらに隣接する駐車場あとには、寄宿舎すなわち学生寮の建設工事が進められています。
 最近できた駒込さくらさく保育園側から見ると、まさに、そそり立つ壁になり、環境は一気に変わり、神社、児童遊園の閑静でのどかな街が一変してしまいます。
 この保育園の園児は、この児童遊園が使えなくなると、車の行き来の激しい本郷通りを越えた駒込二丁目の児童遊園まで行かなくてはならなくなってしまいます。

 第3は、説明責任についてです。
 児童遊園の廃止についての地元住民への説明がなされてない問題です。
 廃止するというなら、住民に対して、代替地はどうする、廃止後はどうなるのか、これまで置かれてきた防災倉庫、リサイクル倉庫、公衆便所はどこに移設するなど十分な説明と区民合意が必要です。
 この地域に関係する区議は、わが党は儀武議員ですが、妙義児童遊園の廃止については、今議会まで知らなかったというように、地元に関係する議員にはほとんど説明もしなかったことが審査でも明らかになりました。
 議員にも知らせない、地元説明会もしない、ハブコメもしないこれが今回の廃止条例です。議会で可決されたら説明に入るというのですが、まさにあべこべではありませんか。
 無償で借り受けてきた公園や児童遊園用地については、これまで、例があるように返還を求められたら住民に親しまれてきたところであっても、仕方なく返還せざるを得なくなることを区長は痛いほど知っているはずです。
 長崎三丁目児童遊園については、地主から返還要求があった際、私は、廃止反対の住民運動をともに取り組み、その結果、区長は本気で用地取得に当たりました。
 土地を区が取得した結果、現在は、長崎公園に合併されて憩いのひろばとなっています。廃止条例が出される前に住民に知らせたことが、廃止反対、存続につながったのです。そのことを私は忘れもしません。
 ところが今回は、議員にも住民にも説明もせずに、廃止条例を出すとはあまりもひどすぎます。
 無償で借り受けていたとはいえ、返還するにしても区民合意をえることは最低限のことです。
 ましてや本区の一人当たりの公園面積は、座布団一枚にも満たない都内でも最低水準にあるのですから、代替地を確保するなどで、拡充すべきであり、減らすことは本末転倒です。
 以上、述べてきたように今回の妙義児童遊園の廃止についての区のやり方は認められるものでありません。
 よって第54号議案 児童遊園条例の一部を改正する条例の可決に反対するものです。以上で討論を終わります。