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区議会質問
28陳情第27号について(政務活動費問題)本会議 賛成討論(儀武さとる)

2017/10/27

 私は、日本共産党区議団を代表しまして、28陳情第27号、河原弘明議員が専務取締役を務める会社へ自民党豊島区議団及び所属議員のうち吉村辰明、里中郁男、本橋弘隆、村上宇一、竹下ひろみ、河原弘明、磯一昭、星京子、細川正博、池田裕一、松下創一郎、有里真穂、藤澤愛子の各議員及び堀宏道前議員が、経費支払いに用いた政務活動費の自主返還と政務活動費の在り方の検討を求める陳情について、採択することを求め討論を行います。

 28陳情第27号が求めるものは、以下の3点であります。
 自民党豊島区議団及び所属する各議員が、河原議員が専務取締役を務める印刷会社に政務活動費で支払ったことについて、豊島区議会政務活動費取り扱い指針に抵触する疑いがあるので、支払行為を見直す必要があるとして、
 第一に、自民党議員が河原弘明議員の関係会社に政務活動費から支払った経費分(平成23年度〜27年度)について各議員分を含めて見直し、支払い者が公費たる政務活動費からの支出分を自主的に返還すること。
 第二に、政務活動費の在り方に関して区民の意見の聴取にも努めながら、区議会において精査、審議する検討会を設置すること。
 第三に、政務活動費の収支報告書及び領収書等の関係資料の速やかな公開が行えるシステムの実現に努力すること、であります。
 なお、当時の自民党区議団のうち、里中郁男、河原弘明、星京子、細川正博の4区議は、現在は都民ファーストの会豊島区議団であり、本橋弘隆区議は現在都民ファーストの会の都議会議員となっております。

 まず改めてこの間の経過を述べます。
 昨年10月、自民党豊島区議団の政務活動費不適切な使用は、テレビや新聞等で大きく報道され、全国的にも、兵庫県議など政務活動費の不適切な使用など地方議会で相次いで起こり、国民、区民の厳しい批判の目が向けられている最中でありました。
 わが党は、10月31日の正副幹事長会で、この間、マスコミ等で自民党の当時の幹事長であった河原議員が専務取締役を務める印刷会社に政務活動費で支払ったことについて、「豊島区議会政務活動費取扱指針に抵触する疑いがあるのでは」との報道に対し、河原議員に説明を求めました。しかし河原議員は「コメントは差し控える」と一切答弁がありませんでした。そこでわが党は豊島区議会として対応すべきと求め、合わせて自民党豊島区議団へ事実を明らかにするために資料要求をしました。その結果、ようやく11月18日に自民党区議団ニュースが各会派に配布されたのであります。28陳情第27号が提出されたのは2016年11月の第4回定例会です。同時に区民から以下述べる通り2件の陳情が提出されたのであります。
 28陳情第24号「自民党豊島区議団・河原弘明議員の不適切な政務活動費使用疑惑に関する陳情」28陳情第26号「豊島区議会政務活動費取り扱い指針を逸脱した支払いを関係会社に5年間で1080万円余を受けた河原弘明議員の辞職勧告決議を求める陳情」が出され、あわせて議会運営委員会で審査されました。
 2016年12月6日、議会運営委員会で28陳情第24号を審査した際に、まず配布されたニュースはごく一部であること等を指摘し、同時にわが党は独自の調査で自民党より配布されていなかった「里中郁男議員の自由民主党区議団ニュース45号」を示し、「里中いくお後援会へのお誘い、連絡先、里中いくお後援会」となっていることを明らかにし、問題点を指摘しました。

 区議団ニュース等は各会派で5年間保存するという点です。今回の自民党区議団ニュースは5年間の全員分が確認できず、わが党は緊急に議長申し入れを行い、今後保存について条例通り行う事が徹底されました。さらに驚いたことに、区議団ニュースと称して後援会活動ニュースが印刷されていたこと、そして後援会の封筒までもが政務活動費で印刷されていたことです。これらはわが党が指摘するまで一切明らかになりませんでした。
 また、陳情の記書きの2「他に同様の事案がないか今回の事案を契機として区議会として可能な限り政務活動費の会計を精査するとともに、その後は適切な監査システムというような指摘」もあることをただし、印刷費以外の資料請求を行い、次回の9日までに提出することを強く求めました。また、それに先立ち、日本共産党区議団は、議長の主導で一刻も早く疑惑解明を開始すること、また、全議員に今回の疑惑に関する自民党豊島区議団の資料を公開することを強く求めたのであります。

 12月9日の議会運営委員会に、「自由民主党豊島区議団ニュース」と「政務活動費収支報告書について(修正)」の資料が提出されました。資料をみると、星議員の巣鴨商人祭りの会費、東京よさこいサポーターズクラブの会費、民謡連盟の会費などが修正されていました。当時議長の竹下議員、星議員、村上宇一議員の自由民主党区議会議員連絡協議会、あるいは自由民主党都連の女性連絡協議会も修正願いが提出されていました。吉村議員は、靖国神社に参拝する全国地方議員の合同研修会費です。これらを指摘すると、星議員は「領収書が混入してしまった」と答弁しましたがあまりにもいい加減であります。政党活動、宗教活動などへの支出は政務活動費取扱指針に照らすと、明確に支出できないのであります。
 そもそも、取扱指針は、条例改正を行い、政務調査費を政務活動費に名称変更した際に、2013年3月27日、村上宇一議長が議会議長訓令甲第1号として、政務活動費について定めたものであります。その村上宇一議員自身が自ら訓令をだしたにもかかわらず、政党活動などに支出することは、絶対に許されるものではありません。
 そして、陳情の一番のポイント、河原弘明議員が専務取締役を務める三朋印刷への支出が取扱指針に抵触するかどうかについてです。

 取扱指針では、政務活動費として支出できない経費は、議員個人及び関係者の資産形成つながる経費として、例示の@自己所有・家族所有の事務所の賃借料、改修経費等、A3親等以内の親族への賃金・給料・手当等の支給、B不動産、高額備品の購入、Cその他、議員個人等の資産形成につながるおそれのある支出となっています。わが党は、一貫して、議員個人及び関係者の資産形成つながる経費に抵触すると主張してきました。これについて、自民党区議団は、「適切な価格」であり「通常の商取引で資産形成に当たらない」との主張を繰り返すのみでした。議員自らの会社で印刷したこと自体が問題なのであります。
 このような審査の結果、28陳情第24号は、全会派一致で採択され、28陳情第26号については、審議未了となりました。

 そして、本案件28陳情第27号については、議会運営委員会では当事者である自民党と都民ファーストの会豊島区議団の両会派議員は「除斥」となり出席できないなか、公明党は「どうしても返さないといけないという立場にはありませんけれども、自民党のほうで今後様々な協議がされるということでございますのでその辺の良識を期待して、本陳情についても採択という立場をとって、自民党に再度の反省と今後の透明性に努めていただくことを強く要望するという意味でも一応採択という立場」などと主張しました。わが党は「実態の解明は不十分。改めて資料請求と調査が必要である」ことを強く求め、継続審査を主張、結果、議会運営委員会では日本共産党と民主ネットは継続とし、継続審査となりました。本会議でも日本共産党、民主ネットに加え、刷新の会、無所属元気の会、社民党も継続審査に賛成し、多数で継続審査となりました。


 重ねて申し上げますが、わが党は、この陳情に関し、調査をしっかり行い、区民の前に内容を明らかにし、きちんとした対応が必要との立場から「継続審査」としてきたのであります。その後、この問題については、採択された28陳情第24号の「内容や総額面を明らかにし、取り扱い指針に抵触するか検討すること」との項目にそって議会として検討をすることになりましたが、28陳情第27号の議会運営委員会の審査では、当事者である自民党も都民ファーストの会も出席できないため、もっぱら正副幹事長会で議論されてきたのです。

 わが党は、疑惑を解明するために、様々な資料請求を行い、提出を求めてきました。その後の正副幹事長会において、本橋議員は明治神宮崇敬会、長崎招魂社護持会会費に支出していたり、堀宏道氏は、自家用スクーターのガソリン代や使途不明のタクシー代の数々等、政務活動費の使用に関する「指針」以前から当然使ってはならないとされていることに使用されていることが明らかになりました。本当に唯々驚くばかりであります。あまりにも杜撰な誤った使い方が明らかになり、これらの分として修正された総額は483万円、返納されたのは303万円、そのうち三朋印刷分については、877,399円しか修正されず、全額返納したのは、河原議員個人分、557,370円だけに留まったのであります。

 私が、5月より、正副幹事長会に出席するようになってからも毎回、政務活動費についての議論をしてきました。自民党豊島区議団と都民ファーストの会豊島区議団からは、様々な資料は出されましたが、政務活動費から三朋印刷にいくら支出したのか、いくら返納したのかをあきらかにするような資料は中々出てこなかったのであります。
 また時には、自民党は「今後は取扱指針に則り改める」「ご理解をお願いしたい」旨の発言をして、28陳情第27号を採択と主張し、議論を終えて収束することを求めるかのようなこともありました。しかし、森議員が、陳情の採択を主張するなら「全額返金すべき」と追及。都民ファーストの会の継続との主張との不一致を指摘すると、自民党は、都民ファーストの会と同じく「継続審査」に訂正せざるを得なくなりました。

 わが党は、常に採択された28陳情第24号に即して、河原弘明議員が専務取締りを務める三朋印刷への支出が取扱指針に抵触するかどうかについて、議論をすすめることを求め、議論がその方向で進んできたのであります。繰り返しますが、日本共産党豊島区議団は、三朋印刷の印刷代への支出は、通常の商行為でも取扱指針「議員個人等の資産形成につながる恐れのある支出」に抵触すること。個人の支出でも会派としての支出になるので取扱指針に明確に抵触すると指摘してきました。したがって、総合計10,806,827円は、当然、全額返還すべきと最初から主張してきました。

 これについて、自民党と都民ファーストは、「印刷会社のこの適切な価格での取引行為であるというふうに認識している。資産形成につながる経費には当たらず、取扱指針には抵触しない」と繰り返し述べるだけで、十分な説明をすることができませんでした。たとえば、河原議員は全額返還していますが、他の議員は一部のみか、または全く返還していません。私が「なぜ河原議員は全額557,370円を返したのですか」と聞くと、里中幹事長は、「専務」で「今の指針に触れるといけない」、「自主的に返したのではないか」などと答えました。そこで「通常の商取引だから取扱指針に抵触しない」というのであれば、「返還しなくても良いではないか」と聞くと、答えられず「都民ファーストの会の発言部分の以前の議事録を出してくれ」というばかり、幹事長なのに説明もできない、お粗末な状況でした。

 また、わが党の森議員が、取扱指針の政務活動費として支出できない経費、議員個人及びその関係者の資産形成につながる経費の例示にある自己所有・家族所有の事務所の賃借料、改修経費等も「通常の商取引」なら、政務活動費から出せるのか、とただすと、自民党も都民フアーストもしどろもどろで、まともに答えることができませんでした。
 先ほども述べたように、公明党は当初、陳情の採択を主張していましたが、あまりにも杜撰な政務調査活動費の支出に、「このままでは採択できない」として、政務活動費として支出できない、取扱指針に抵触すると変化してきました。民主ネットは「通常の商取引でも、法的には問題がなくても取扱指針に抵触する」などと主張していました。

 9月13日の正副幹事長会で、森議員が自民、都民ファーストの会の両会派に対し、区議団ニュースの対価である現金というのは資産だと思うが、その点はどう考えますか、と問うと、自民党の池田副幹事長は「資産というものになるかと思います。」と明確に答えました。都民ファーストの里中幹事長は「弁護士の資格もないし、あるいは公認会計士ないし、わかりません。答えなければならないんですか」と必死にごまかそうとしましたが、最終的に里中幹事長は、その答えを19日に持ってくることになっていたのです。

 そして、ついに9月19日の正副幹事長会で、共産党、公明党、民主ネットの3会派の厳しい指摘を踏まえて、自民党豊島区議団、都民ファーストの会豊島区議団が「取扱指針に照らし、相応しくない、との考えに至り自主的に返還すること」とし、謝罪と今後はこのような支出をしないことの合意に至ったのであります。翌20日の議員協議会で自民党豊島区議団幹事長・村上宇一議員が代表して同趣旨の発言と謝罪をおこなったのであります。
 このことにより、28陳情第27号の陳情の趣旨に沿った確認が議会としてできたことになりました。よって、日本共産党豊島区議団はこの陳情を採択とするものであります。

 なお、日本共産党豊島区議団は、今回の合意は一歩前進だが、一件落着ではないと考えます。自民党豊島区議団、都民ファーストの会豊島区議団が、自主的に返還することを早期に実行することを求めます。
 また、再発防止策として、政務活動費取扱指針を遵守し領収書などのネット公開を速やかに行うことを求めるものであります。
 以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。