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区議会質問
議員提出議案第4号「竹下ひろみ議長の議長不信任決議」 賛成討論 (渡辺くみ子)

2017年5月25日

 私は日本共産党豊島区議団を代表し、只今議題とされました議員提出議案第4号「竹下ひろみ議長の議長不信任決議」に対し、賛成の立場から討論します。

 決議案に示されているように、昨年の第一回定例会の3月17日の最終本会議で、28陳情第3号「18歳選挙権付与を前に、豊島区内における公正な選挙確立に向けての陳情」が採択されたことに基づき提案された議員提出議案第8号「豊島区における公正な選挙の確立を求める決議」に関して、当時、公明党幹事長高橋佳代子議員は賛成討論で、議案に全く関係ない日本共産党への誹謗中傷発言を行いました。これに対し、正副幹事長会では全会派一致のもと削除を決定しました。
 ところが竹下議長はこの決定を実行せず1年間放置し、今回、会議録を作成するとしています。これは高橋佳代子議員の不当な発言をそのまま容認するもので、議長の責任は重大であり、辞職にあたいするものであります。

 改めて経過を振り返ってみます。
 当時、幹事長であった私は2016年3月18日の正副幹事長会で、当時の公明党幹事長高橋佳代子議員の発言は「区議会会議規則の第53条(発言内容の制限)、すなわち、発言はすべて簡明にするものとし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。」に該当するとして、議案に関係ない部分の削除を強く求めました。
 そして当時の村上宇一議長は、私の「正式な議事録で確認したうえで削除を決定するというふうに素直に受け止めてよろしいですね」との質問に「はい」と答弁し、他会派からの発言はなく「全会派一致で会議録削除」が決定したのであります。
 その後わが党は、削除の実施を議長に求め、今議長の竹下ひろみ議員が正式に引き継ぎました。
 わが党は引き続き、削除を求め、竹下ひろみ議長からの「公明党区議団との話し合いの席に」という提案も受け入れてきました。しかし公明党区議団の拒否の下、話し合いもなされず、結果、議長権限で会議録を作成することが今回占めされたのであります。

 以下、議長の不信任の理由について3点述べます。
 第一は、今回のような異常な決着がまかり通るなら、今後、「議案と全く関係ない発言を自由にしてよい」という事になり、区議会会議規則の形骸化を議長自ら行い、最悪の前例、状況を豊島区議会に残したという点です。これは豊島区議会として最大の汚点であります。
 私は先に示した3月18日の正副幹事長会でも発言しましたが、案件への可否あるいは賛否はそれぞれの会派、議員の主張があるのは当たり前で、委員会等でそれぞれが主張、発言をしながら進められてきました。
 ところが公明党高橋佳代子議員の賛成討論の後半の発言は、3月17日以前の正副幹事長会、議会運営委員会では全く触れられておらず、議案であった「決議」とも全く関係ない、まさに区議会会議規則53条に示されている「議題外」の発言を一方的に行い、議長がこれを追認したという事であります。

 第二は、議題と全く関係のない、公党に対する誹謗中傷であります。
 討論の中で、高橋議員は、突然「私ども我々のホームページについて、先ほどうそつき呼ばわりされました。」と切り出し、議題である決議ともそのもととなった陳情とも全く関係のない、日本共産党豊島区議団のホームページについて「じっくりと拝見させていただきました」と発言を始めたのであります。本会議中のどこで、じっくりホームページをご覧になったのかわかりませんが、当時の発言の中では、ホームページの内容を読みあげ、間違っているから、「訂正すべきだと思いますが、いかがでしょうか」、または、「ホームページからの記事の訂正と削除をされたらいかがでしょうか」あるいは、「ただちに文言の削除を求めます」「即刻ホームページから削除すべきです」などとしたのであります。

 特に見過ごすことができないのは、私の2015年第二回定例会の一般質問を取り上げ、「ホームページから削除すべき」としていることについては、このまま放置するわけにはいきません。
 まず一点、「国際平和支援法案」「平和安全法整備法案」、わが党は戦争法案と呼びますが、これに対するわが党の見解について、「でたらめな内容をホームページに流し、国民、世界市民不安に陥れている」「まったくのうその記事」などとして、「直ちに文言の削除を求めます」と発言しました。
 しかし「戦争法案」の内容は一般質問でも指摘したように「集団的自衛権行使等が憲法を蹂躙し、また自衛隊が海外で武力行使する道をひらくことは、多くの知識人、国民も認めていることです。また自民党の重鎮だった野中、古賀両氏はテレビ番組で、安倍首相の発言に、『戦争できる国』づくりに『死んでも死に切れない』『恐ろしい国になっている」と厳しい言葉を連ねています。さらに元自民党の幹部の山崎、亀井、藤井、武村氏らも反対を表明、自民党の現職議員も反対を表明するなど自民党内部からも批判の声があがっています。」また当時の世論調査でも「朝日新聞世論調査では、法案賛成29%に対し反対は53%、今国会で成立させる必要はないは65%を占めています。この間の様々なマスコミの世論調査でも、今国会での『戦争法案』成立に反対の声は8割を超えているのです。」と指摘をしているのです。
 その後、実際に2016年11月、南スーダンに派遣された11次隊は「駆けつけ警護」の任務が付与され、さらに2017年2月には、公開された防衛省の日報で「戦闘」という言葉が使われていることが明らかになり、稲田防衛大臣は「国会答弁をする場合、憲法9条上問題になる言葉はつかわない」と答弁していることは皆さんのご記憶にもあると思います。
 そもそも、考え方は各党、会派いろいろあるのは当然のことであります。しかしそれが自分たちと違うから「削除しろ」などとは公党の議員の発言とは思えないことです。
 そしてもう一つ、今度は憲法9条についての私の質問の中の「日本は戦後70年間、不戦を守り続けてきました。これは日本に憲法9条があるからです」という発言を取り上げ、憲法制定時にわが党が憲法草案に反対したことをもって、あたかもわが党が改憲政党であるかのように決めつけたのです。
 しかし、これほど荒唐無稽な理屈はありません。我が党が反対した理由の一つは、当時の吉田茂首相が「憲法9条の下で自衛権は無い」との立場をとり、窮迫不正の侵害から国を守る自衛の権利を否定したからです。その後、戦争を放棄し、戦力の不保持を定めた憲法9条の下でも自衛権を持っていることが広く認められるようになり、以来、わが党は憲法9条を積極的に擁護する立場をとってきたのです。それを「即刻ホームページから削除すべき」「世界市民を惑わす記事として即刻訂正し、削除し、謝罪すべき」と言うなどとは、言語道断であります。
 その他にもわが党のホームページや森議員の一般質問等を、勝手な基準で一方的な批判するなど、公党に対する、まさにルール違反であり、品位がかける発言、態度は許しがたい行為であります

 第三に、会議録署名の問題です。
 議長は会議録作成において、公明党が削除に応じる話し合いにつかないことを口実にまともな削除もせず、本会議で議長自ら指名した議員の会議録署名もとらないまま、議長職権で会議録作成を行うとしています。議長の署名があればよいといいますが、そんなものではありません。
 当然ですが、わが党は会議録等、情報は区民に提供すべきで、一刻も早く会議録を作成すべきとの立場です。
 しかし昨年3月18日の正副幹事長会で「正式な議事録で削除する」ことが確認されているにも関わらず、議長は1年間も放置し、決定事項も守らず会議録を作成するということ、また不当な高橋佳代子議員の発言をそのまま容認するということであり、竹下ひろみ議長の対応は、議長自らその役割を放棄し、約束事も遂行せず、豊島区議会の歴史に大きな汚点を残す重大問題であります。
 以上、議員提出議案4号「竹下ひろみ議長の議長不信任決議」を直ちに可決することを強く求め発言を終わります。