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区議会質問
第25号議案 としま産業振興プラザ条例 討論(かきうち信行)

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております第25号議案 としま産業振興プラザ条例について、可決に反対の立場から討論をおこないます。
 本案は、としま産業振興プラザの新設に伴い、同施設の設置、管理及び使用料について必要な事項を定めるほか、附則において、豊島区立勤労福祉会館条例を廃止するとして区長から提出されたものであります。
 現在、大規模改修工事されている勤労福祉会館は、来年四月のリニューアルオープンの際は、生活産業プラザが担っている「中小企業の振興」の機能を統合し、名称も「としま産業プラザ」として、中小企業の振興や勤労者の文化、教養の福祉の向上の拠点としたいといいます。
 条例改正においても、その目的を「主として中小企業の振興を図り、地域経済の発展に寄与するとともに、中小企業で働く勤労者の文化、教養、及び福祉の向上を図ることを目的とする」としました。
 これまでの中小業者に対する支援策や勤労者の福利、厚生などが、更に発展するならいいのですが、統合の結果、とくにこれまで勤労福祉会館が果たしてきた役割と機能、そして区民サービスが後退することから、条例可決には、賛成できるものではありません。
 以下反対の理由を3点について述べます。

 第1は、これまで比較的安価で利用されてきた会議室などの貸室が、和室も含め計五室、述べ床面積にして、224平米も減らされることです。
 生活産業プラザの機能を、改修後の勤労福祉会館に移転するため、豊島区商店街連合会、豊島産業協会が、生活産業プラザから移ります。また、区民活動センターが東部区民事務所から移転します。加えて、区の関係団体として民間ビルにあった東京商工会議所豊島支部事務所に131平米を貸し出すことにしています。
 勤労福祉会館の四階部分は、ほとんどが区の関係団体の専用スペースになり、玉突き移転となるなどで、結局、区民利用の会議室が減らされることになります。
 区は、新区民センターの改築により、貸室は増えるので、その分は、補えるといいますが、もともと池袋西側のにあったものを東側の区民センターに増やすからといっても、勤労福祉会館の代替施設にはならないのであります。
 さらに使用料についていえば、勤労福祉会館会議室の使用料は、勤労者の文化、教養、福祉の観点から区民センターの70%で設定されてきた経過があります。この条例でも現区民センターの70%の額を「午後の使用料」すなわち基準額として午前、夜間の利用料を設定しているのです。
 新しく区民センター改築された際には、この利用料となるのかとの質問に対し、理事者は「まだ決まっていない。これから検討する」というように勤労福祉会館並みの料金体系で借りられる保障はどこにもありません。
 結局、比較的安価でなおかつ利用率の高い会議室を、中小企業の拠点にするといいつつ、区の関係団体に貸し出すことを優先にするために会議室を減らすことに道理はありません。
 本当に中小業者の振興や地域経済の発展の拠点と位置づけるのであれば、男女平等センターエポック10や、区民ひろばを独立した施設とすれば、少なくともその分、スペースは確保できるではありませんか。
 代替施設の確保を強く求めるものであります。

 反対理由の第2は、区長の独断先行の進め方であります。
 昨年9月7日に区は、勤労福祉会館大規模改修に関する説明会を開催しました。それ以降、区民説明会は、開催していないとのことでした。
 この説明会では、勤労福祉会館リニューアル後の新産業プラザの計画が示されたのですが、その時の四階部分は、定員38名の第一会議室が確保されていたほか、城北勤労者サービスセンターが産業プラザから移るとされています。
 今回で、もっとも大きく変更されたのが、予定していた第一会議室をなくし、そっくり東京商工会議所豊島支部の事務所に専用貸し出しするというのです。区は、豊島支部からではなくて、東京商工会議所の上部組織の東京都段階からぜひ、区の施設に入れてほしいとの要望を受け、検討結果、昨年末に決めたとのことでした。
 区との関わり合いのある団体は、数多く存在するのですが、格安で貸し出す以上は、責任ある説明が求められることはいうまでもありません。これまでもわが党は、どうして勤労福祉会館にゼファー池袋や池袋西口商店街連合会・西地区開発委員会に貸すのか、質してきた経過があります。
 商工会議所が中小企業者に対する支援や地域経済の発展に寄与していることは言うまでもありませんが、区の関係団体として施設を貸す以上は、十分な説明が不可欠です。
 以前に、私が渡辺前会長と懇談した際、商工会議所は、全国レベルの団体で、それなりの財政力もあり、区とは密接な関係もあるが十分独立した運営がされているとお聞きしたこともあります。
 区民の使用する施設を減らすという重大な変更を住民にも議会にも示さないで、区長の独断先行的なやり方は改めるべきです。
 反対の第3の理由は、区の関係団体の事務室使用料についての根拠があいまいであるということであります。
 委員会審査で、としま産業振興プラザに入る区の関係団体の事務室使用料が、いったいいくらになるのかを議論しました。
 利用率の高い会議室を減らしてまでも、関係団体の事務室の貸し出しにはそれなりの根拠が必要であると思います。
 区の施設を関係団体に専用利用させる場合、その使用料は、行政財産使用料条例によりものであります。減免制度もあり、その使用料単価については、東京都標準建物予算単価により算出されております。
 現在、生活産業プラザにある豊島産業協会は、38.50平米で減額率50%の、月額25872円、豊島区商店街連合会は、41.30平米で、減額率50%、月27753円、勤労福祉会館にあったゼファー池袋は15.52平米、月9288円、池袋西口商店街連合会・西地区開発委員会は、減額率はなく7.64平米、9145円で区は貸しています。
 さて、新しくなる、としま産業プラザでは「いくらで貸すのか」と私が問うと、「まだ決めていない」という答弁でした。
 使用料がいくらになるのかわからないのに借りるほうも不安でしょうが、貸すほうも貸すほうで、いくらで貸すのか決めないままに条例提案しているのです。あまりにも、いい加減というしかありません。
 私の要求で、条例に基づくやり方で、貸すとしたらいくらになるのかという資料が出されました。資料によると、東京商工会議所は、131.37平米に減額率50%とするとなんと、月81252円で貸すことになります。
 こんな低価格で貸し出すことを、区民にどう説明するのでしょうか。さすがに副区長が答弁にたって、「内部でもこの商工会議所に貸し出すのは格安ではないかと議論もありまだ、決まっていない」とのことでした。
 今後の検討といいますが、あまりにも無責任すぎます。
 以上三点にわたり反対の理由を述べてきたのですが、区民の利用してきた施設を減らしてまでも、区の関係団体の貸し出しを優先させる区長の独断先行は認められません。よって第25号議案 としま産業振興プラザ条例については、可決に反対するものです。以上で討論を終わります。