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区議会質問
沖縄辺野古/陳情討論(清水 みちこ)
2016/03/16

 私は日本共産党区議団を代表して、ただいま議題となっております28陳情第4号「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設は沖縄の民意に沿った対応をする事を求める陳情」を不採択にせず、ただちに採択することを求め討論します。合わせて、27陳情第26号「沖縄の米軍普天間飛行場代替施設建設の早期実現、沖縄米軍基地の整理縮小及び負担軽減を求める意見書の採択を求める陳情」は不採択とすべきことを求め討論します。

 28陳情第4号は、昨年12月4日豊島区議会が可決した「米軍普天間飛行場の辺野古移設を進めるとともに、正確な情報発信を丁寧に行うことを求める意見書」(以下「12月4日意見書」といいます)について、「辺野古移設か普天間固定化かの2者択一は不適切、辺野古に代わる選択肢は多様にあるはずという沖縄の民意に耳を傾けるべき、沖縄ではこの意見書が豊島区民の総意であるかのように思われ誤解を生んでいる。沖縄の民意を無視し、辺野古移設を同じ地方自治体の豊島区が言うのは異例で地方自治の立場からも不適切」として、12月4日意見書の撤回と、沖縄県知事選、衆議院沖縄選挙区の選挙で示された民意に沿った対応を求める意見書提出を求めるものです。
 27陳情第26号は名護市議会議員より、「普天間飛行場の辺野古移設は普天間飛行場の危険除去が原点」「平成9年から三代の名護市長、また、稲嶺県知事や前仲井眞県知事が国と協議、合意してきた」「地元辺野古区、隣接する豊原区、久志区では条件つきで政府と協議中」「オスプレイ等の着陸帯の代替施設への移設で騒音及び危険性が軽減する」「全国の在日米軍専用施設の73.7%が沖縄に集中しており基地の整理縮小を全国の自治体で検討してほしい」として、普天間飛行場代替施設建設の早期実現、米軍沖縄基地の整理縮小及び負担軽減を求める意見書の採択を求めるものです。

 さて、「12月4日意見書」は自民党から提案され公明党も賛成し、可決されたものです。その議決にあたっては、わが党区議団は対案として名護市辺野古の米軍新基地建設工事の中止を求める意見書を提案、沖縄出身の儀武議員が討論を行いました。わが党の沖縄基地問題についての主張は、すでにここに尽くされているところでありますが、その後の状況も含め述べたいと思います。

 沖縄県と政府は今月4日、名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐる訴訟で、福岡高裁那覇支部が提示した「暫定和解案」で合意し、安倍首相はただちに工事中止を指示しました。一時的なものであるとはいえ、新基地建設を許さない県民の世論と運動が日米両政府を追い詰めた成果です。
 今回の和解に際し福岡高裁那覇支部は、県と国に示した和解勧告文で、国が今後も法廷闘争で「勝ち続ける保証はない」などと指摘しました。法制度を悪用・乱用した安倍政権の手段を選ばないやり方が、司法の場で通用するものでないことを示したものといえます。

 安倍首相や米政府が「辺野古が唯一の選択肢」などと繰り返すことは、まったく筋が通りません。首相があくまで新基地建設推進の姿勢を崩さないというのでは、訴訟を取り下げ、「円満解決」へ協議をする前提そのものが成り立たなくなります。「辺野古が唯一」「この道しかない」という思考停止をやめるべきです。

 国が当初拒否していた工事中止を含む和解の受け入れを決めた背景に、本年6月の沖縄県議選や7月の参院選での影響を避ける思惑があったと伝えられています。それこそ新基地建設の強行が、沖縄県民にはとても受け入れ難いものであることを示すものです。県民世論に逆らう新基地建設強行の行き詰まりと破綻はいよいよ明白です。埋め立て中止だけでなく、新基地建設計画の撤回こそが、県民の願いにこたえる道です。

 「12月4日意見書」が出た後、わが党区議団にも、「なぜ豊島区議会は辺野古基地建設を進める意見書をだしたのか。恥ずかしい」との区民の声が寄せられました。70年前に「銃剣とブルドーザー」で、ふるさとから追い出され、米軍基地を作られた沖縄県民の痛みを、またその後の基地があるゆえの米兵による事件、事故の危険、騒音や振動に悩まされてきた沖縄県民の痛みがわかるなら、これ以上の痛みを押し付けることなどできないはずです。

 2014.11の県知事選挙、12月の衆議院選挙で、基地建設反対派が勝利したのは間違いなく県民の民意です。また、2013年1月の「建白書」では、沖縄県議会、全市町村、議会の連名で、「オスプレイの配置をただちに撤回すること」「普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること」とあり、これこそオール沖縄の民意であります。

 27陳情第26号には、地元と「条件つきで政府と協議をしている」とあります。名護市辺野古、豊原、久志の久辺3区と国は、3区の振興策に関する懇談会を行い、政府は、新基地に反対する名護市の頭越しに補助金を交付することを決めました。政府の狙いは地域の分断です。
 この間政府は、補助金など利益誘導で言うことを聞かせようとしてきました。あまりにも県民を馬鹿にしているではありませんか。絶対に許すことはできません。しかし、そういうやり方はもう通用しないのです。

 よって、28陳情第4号「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設は沖縄県民の民意に沿った対応をする事を求める陳情」を不採択でなくただちに採択し、27陳情第26号「沖縄の米軍普天間飛行場代替施設建設の早期実現、沖縄米軍基地の整理縮小及び負担軽減を求める意見書の採択を求める陳情」は不採択とすべきことを求めます。
 以上で討論をおわります。ご静聴ありがとうございました。