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区議会質問
議員提出議案第13号 子ども医療費の条例討論(かきうち信行)

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、議員提出議案第13号 豊島区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について、子ども文教委員会での「否決」という審査結果に反対し、直ちに可決すべき立場から討論を行います。
 本案は、子どもの医療費の助成制度について、入院・通院助成の対象年齢を中学校3年生から高校3年生まで拡大するなど、保護者等の経済的負担の軽減と児童福祉の増進を図るため、わが日本共産党区議団が提案したものであります。
 改正内容は、第一に、入院・通院とも中学3年生までの対象を高校3年生とすること。
 (就労者及び婚姻したものも含む)
 第二に、入院時の食事療養費について、乳幼児のみを小・中を含め高校生まで広げるものであります。
 
 本区は、23区でも最初に子どもの医療費無料化を実施した区であります。以来、3歳未満から就学前と拡充され、東京都の助成制度も並行して拡充されてきました。
 2007年第1回定例会で、子どもの医療費助成条例が改正され、同年、4月からは、小学校6年生まで拡充され、10月からは、中学校3年生まで無料になりました。
 この時、入院食事代の助成については、就学前の子どもには、対象とされましたが、小中学生は未実施のまま現在に至っています。
 入院した際に、食事代の補助を小学生、中学生には助成しない理由について区は、食事は、入院しなくてもとるものなので、という見解ですが、これは間違いです。病院給食は、治療の一環であり、病気やけがで、入院を余儀なくされた子どもの治療のために提供するものであり、普段の食事とはわけが違います。
 その後8年がたち、現在、千代田区では高校生まで入通院費無料化を実施。都下ではありますが、日の出町では、18歳未満のすべての青少年を対象とした独自の条例を策定し、医療費を無料にしている自治体もあります。
 今、子育て支援策として、保育園の待機児童解消、就学援助の拡充と合わせ、子育て支援の経済的支援、援助の拡充は切実に求められております。消費税増税の負担が強いられる中でなおさらであります。
 23区で、唯一消滅可能性都市となってしまうといわれた豊島区では、本当に子育て支援の拡充は、この地で生活し、子どもを産み、育てたいと願う世代にとって、不可欠ということです。
 委員会審査で清水議員が、述べているように高校生まで医療費が無料になれば本当に助かるという声は、子育て世代の根強い要望です。家族構成やお住まいの地域、職種などに関係なく、子育て世代全体からです。
 子育てにかかるのは医療費だけではありません。本当にお金がかかります。学費やクラブ活動費、塾代、お小遣いやスマホ代など、数え上げたらきりがありません。小学生より中学生、中学生より高校生、年齢が上がれば上がるほど増えていきます。
 あるお母さんは、「共働きで、フルタイムで働いているけど、自分の一か月の給料は、全部子どもの塾代に消える。夏期講習、集中講座などは高いので貯金を崩さないと払えない。でも塾に行かせないと受験は難しいから」とこぼしていることも出されました。
 また、病院には予定を立てて行けるわけでもなく、いきなり、その場で必要、いくらかかるかわからないことが多いのです。「子育て世代としては、現行の中学生まで無料というのも、助かるのですが、高校生まで無料になると本当に助かります」これが区民の声であります。
 また、区は高校生になると医療費の負担は少なくなると言っていますが、保護者の経済的負担軽減という観点だけでなく、子どもの健全育成、病気の早期発見、早期治療の観点からも、必要ということです。

 さて、本区が、高校生まで医療費を無料化するための予算は、年間で約一億百万円であります。今、豊島区は、来街者を呼び、魅力ある街づくりをすすめるとして、新庁舎に続き、旧庁舎跡地開発と称して豪華劇場ホール、池袋駅東西デッキの建設など来街者のための大型開発にまい進しています。そんなお金の一部を見直しただけでもすぐにでも実施可能な制度が、高校生まで医療費無料化です。
 委員会審査では、各区バラバラでなく統一したほうがよいとか、就学しないで働きに出る青少年を対象にした内容は前回の審査で今回は含めたことはよい、国は、ペナルティの見直しをしていることはいいことだ、住宅の家賃補助制度を広げるほうがいいなどの意見がでました。
 また、別の子育て支援策充実に区は努めているという意見もありました。
 しかし、別の支援策といっても先ほど述べたように学童クラブは値上げする、保育園待機児童解消も不十分、就学援助も増やそうとしないなど子育て支援に努めているとはとても言えません。住宅対策も広げるどころか後退です。
 今回の審査では、食事療養費負担について北区が高校生まで実施をこの10月から取りやめることについて質した自民党区議団に所属の新人議員からは、入院した人に補助すると健全な人に対して逆に差別につながるといった旨の発言がありました。また、他区がやっているからといってうちもやるというのでなく、たとえ制度が最後になっても豊島区らしさを出せばよいなどいった主張は、制度そのものを否定する許しがたい発言です。
 自民、公明、民主ネットの否決との態度に、傍聴していた区民は、「多くの親が高校生まで医療費が無料になったら助かるのに」と嘆きの声が私に寄せられました。
 医療費の無料化は高齢者とともに、高校生まで広げることは区民の願いです。区長がやる気のないなか、区民の願いにこたえ、議会が率先して制度の拡充に踏み切ることを求め討論とします。