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区議会質問
第67号議案「豊島区立自転車等駐車場条例の一部を改正する条例」について反対討論((森とおる)
2015/10/26

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております、第67号議案「豊島区立自転車等駐車場条例の一部を改正する条例」について可決に反対の立場から討論を行います。

 本議案は、有人管理の14施設の自転車等駐車場の当日利用について、始めの3時間が無料であることを、無人管理のコイン式自転車等駐車場の2時間無料に合わせるというものです。その理由としては、1つに、無料時間を設定して自転車等駐車場の利用を促し、自転車放置防止策を行っているが、昨年度の放置自転車数は、最も多かった1999年度に比べ、17分の1まで減少しており、3時間の優遇策はなくなった。もう1つに、無料時間に差異があるため、利用者から「分かりにくい」との意見があり整合性を図るというものです。
 本議案は区民にとって到底理解できる内容ではありません。以下、反対理由を述べます。

 反対理由の第一は、自転車利用者に対するサービスの後退だからであります。
 3時間を2時間に変更するということは、利用者の負担が増えるということです。区は3時間の優遇策はなくなった、買い物などは2時間で十分と説明しますが、無料制度が導入されたのは1990年の条例改正からです。当時、自転車対策課長だった水島副区長が委員会で次のように述べています。「3時間以内は無料。これは買い物などで一時的に短時間の駐輪をする自転車利用者に対するサービスである。他区に例がなかったが、現場の経験で必要性を感じた」と。
 ここから3時間無料制度が始まったのです。この優遇策を無くし、2時間を超えると有料にするなど、区自らが培ってきた経験をないがしろにするもので、自転車利用者に対するサービスの後退以外、何ものでもありません。

 反対理由の第二は、自転車の利用を低下させるものだからです。
 区のこれまでの自転車対策は放置自転車をいかに減少させるかという課題に集中して取り組んできたといっても過言ではありません。その結果、駅前の放置自転車数は大きく減少しました。このことは大いに評価できるものです。これからの自転車施策は、健康に良く、環境に優しい乗り物として、マナーの向上を進めながら、自転車利用を高めていく、このことが区民から求められているのです。ところが利用者は、これまで以上に時計を気にしながら慌ただしく用事を済ませなければなりません。せわしい思いをするくらいなら、今日は出かけるのをやめようとなってしまうのではないでしょうか。
 区民のみならず、来街者に対しても、豊島区ならではの3時間無料制度を大いにアピールして自転車で来てもらう、こういった姿勢が必要だと考えます。

 反対理由の第三は、区民の声が元となった条例改正だと言うが、事実、何も聞いていないということが明確だからであります。
 無人管理の2時間無料と、有人管理の3時間無料があって、「利用者から分かりにくいとの意見がある」としていますが、これは調査を行った結果ではありません。放置した自転車を撤去された方から出された意見であり、アンケート調査を行った事実もなく、聞き取り調査を行った結果でもありません。このことが委員会質疑で明らかになりました。私自身、利用者から「分かりにくいので2時間に短縮してほしい」などの意見は一度も聞いたことがありません。
 また、豊島区自転車等対策協議会では、これまで事業者の付置義務の条例や、新たな駐輪場設置について、区は事前に報告し、委員の意見も聞いて反映しているのです。しかしながら、今回の条例改正については全く報告がありませんでした。区民の声など聞こうともしない区の姿勢が明確なのであります。

 以上、反対理由を述べましたが、本議案が提出された背景にあるのは、区民サービスを削減し続けている、区の姿勢そのものだということです。
 区は、今定例会の決算特別委員会でも財政を立て直してきたことを、ことさら強調しました。しかし、わが党が指摘してきたように、区自らが「お金がないので我慢してほしい」と削ってきた施策は復活させようとはしません。今やっていることといえば、強引ともいえる借金返済と急激な財政調整基金の積み増し、その分を旧庁舎跡地の開発、豪華劇場ホール建設、池袋駅東西デッキ、LRTなど、池袋駅周辺に集中した大型開発につぎこもうとしているのです。区民に対しては、サービスの向上どころか、搾りきったゾウキンを引きちぎらんばかりの行革をいまだに続けているということです。2時間3時間が分かりにくいというのであれば、3時間に統一して区民サービスを拡充すべきではありませんか。本議案は、行革を続けている区の姿勢そのものだということです。
 今、区民は、消費税増税や社会保障制度改悪など相次ぐ負担増、区のサービス削減により、10円でも1円でもと、節約を余儀なくされています。そこに、さらに追い打ちをかけ、冷や水を浴びせるような議案を、どうあっても認めることはできません。

 よって、第67号議案「豊島区立自転車等駐車場条例の一部を改正する条例」について可決に反対します。
 以上、討論を終わります。