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区議会質問
豊島区議会の定数を削減しないことを求める請願討論(森とおる)
2014/10/24

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております26請願第6号豊島区議会の議員定数の削減を求める請願については、不採択とする立場から討論を行います。なお後ほど上程されます26請願第7号豊島区議会議員の定数を削減しないことを求める請願については継続審査とせず採択すべき立場から合わせて討論を行います。

 この2つの請願は、いずれも豊島区議会議員の定数についてであります。26請願第6号は、豊島区議会の改革のために行動する会の前区議会議員、古坊知生氏を代表として提出されたもので、第一に議員定数のあり方について議会で真剣に討議し、結論を得ること。そして第二に、現行の36名を最低でも4名を減らすことを求めたものであります。そして、同請願第7号は、豊島区議会の定数を考える会から提出され、議員の定数を削減することなく、現行の条例定数36名を維持するよう求めたものであります。
 現在、地方議会の議員定数は、それぞれの地方自治体が条例で定めることとされ、豊島区は、現在36名となっています。地方自治法が改正される前は、人口割合から38名以内となっていましたが、現在は、上限数もなく条例で定めることができます。そもそも住民の意思や声を民主的に行政に生かすには、本区の場合、27万人区民が一堂に集まって区政に関することを決められればよいのですが、それは現実的にもできないので、選挙で選ばれた議員がその代りをするわけであります。すなわち議員は、区民の声を区政に反映させるうえで大きな役割を果たし、区民と区政を結ぶパイプ役であります。これを減らすことは、パイプを細くすること、つまり、区民の声を地方自治に届かなくすることであり、民主主義の根本にかかわる重大問題なのです。
 以前に、「区議は半分いりません」と主張していた議員がいましたが、仮に半分になったとしたら、委員会などは、4人とか5人とかのごく少数の議員で、条例や請願・陳情を審査することになりかねません。ごく少数の議員で、議論し、決めればよいという考えは、議会制民主主主義の原則を否定する主張と言わざるを得ません。効率性というなら独裁が一番効率的ということになりますが、それは民主主義とは相いれないのは、人類の歴史がはっきり示しているのであります。                                                 

 定数を削減しないことに賛成する第一の理由は、今も述べたように定数を減らせば、その分だけ住民の意思が議会に反映できなくなるからです。
 区議会議員は、区民の声を区政に反映する上で、大きな役割を果たすもので、区民と行政を結ぶパイプ役なのです。議員の定数が減れば、その分、区民の声が行政に反映しにくくなります。現在、区民の区政に対する要望は、日に日に強まると同時に、多岐にわたり、議員の果たす役割はますます大きなものになっています。したがって、議員数が減れば減るだけ、区民の声を減らすことになるということです。

 第二の理由は、行政を監視する役割が弱まってしまうことになるからです。
 区議会は、区長がすすめる行政執行を監視する役割を担っています。定数を削減してしまうと、強大な権限をもつ区長との関係で議会の役割が弱められることになります。区長には、予算編成権、条例提出権、地方税の賦課徴収、分担金、使用料・手数料の徴収、過料処分、決算の提出、財産の取得、処分などのほか、議会の招集権、解散権、専決処分、職員の指揮監督・指名権など強大な権限があります。議員の数が減れば、議会の力は小さくなり、具体的には、審査時間が減り、委員会の数が減るなど、結局、行政へのチェック機能が弱まることになってしまうのです。

 第三の理由は、人口が増えているのに減らす理由はないということです。
 現在、豊島区の区議会議員の定数は、条例で36名となっていますが、地方自治法が改正される前は、人口割合から38名以内となっていました。過去を振り返りますと、定数は、48名から出発し、様々な法改正や議論があって、44名、40名、38名、36名と減らされてきたのですが、法定数44名のときの豊島区の人口は、24万6千人(1995年の国勢調査)でした。それから比べても現在の人口は、2万6千人以上も増えております。区議会の定数は、それぞれの地方自治体が、条例で定めるとされ、いま地方自治法の上では、上限数はないのですから、増やすことはあっても、減らすという道理は全くないのであります。 

 さて、審査のなか、古坊知生氏の主張は、意見陳述においても道理のないことが明らかになりました。
 他の自治体と比べて豊島区議会の定数は、人口や面積、当選に必要な票数などを考慮すれば多いという主張ですが、そういう論拠となれば、人口の少ない市町村の自治体では議員が、ほとんどいなくてよいことになります。また面積が広ければ議員の数は多くなり面積が小さいと少なくするという議論はあまりにも滑稽というしかありません。36名いた議員が、現在、欠員が3名生じていいて33名で構成されているが、欠員が生じていることで不都合が生じているとは思えないということについては、古坊氏は「自分がいなくても不都合が生じない」と言っていることと同じで、自らを貶めてるわけです。自らを必要としないといった立場で選挙に出るのであれば、それこそ有権者に対し、失礼ではないでしょうか。

 よって26請願第6号豊島区議会の議員定数の削減を求める請願を不採択とし、同請願第7号豊島区議会議員の定数を削減しないことを求める請願については継続審査とせず直ちに採択すべきことを表明して討論を終わります。