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区議会質問
26陳情第20号豊島区の学童クラブの充実を求める陳情
26陳情第21号豊島区の待機児解消と保育の質を求める陳情
26陳情第22号子ども・子育て支援新制度をすべての幼い子どもと保護者を支える制度とするための陳情(小林ひろみ)
2014/7/4

 私は日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題となっております26陳情第21号豊島区の待機児解消と保育の質を求める陳情、26陳情第22号子ども・子育て支援新制度をすべての幼い子どもと保護者を支える制度とするための陳情の不採択に反対しただちに採択すべき立場から、また、後程議題となります26陳情第20号豊島区の学童クラブの充実を求める陳情について継続審査とせず、ただちに採択することを求め討論します。

 これらの陳情は、2012年8月当時の政権与党民主党と野党であった自民党、公明党の三合意で消費税増税とだきあわせで強行された「子ども子育て関連三法」が、来年4月から施行が予定されていることで、学童クラブの充実や保育園待機児解消にあたっても、保育の質の維持向上と合わせて認可保育園を増設することなどを求めて出されたものです。
 子ども子育て関連3法に基づく子ども子育て支援新制度の実施主体は、市区町村であり、区に改善を求めていくのは当然のことです。実際に、市区町村が決めなければならない基準や手続きなどがたくさんあり、自治体の準備が大変です。にもかかわらず、国の数字が出るのが遅れているため、自治体の作業がますます大変になっています。これに対し、保護者や子育て関係者から「学童保育はどうなるのか」「保育はどうなるのか」「安心して預けられる保育園に入れるのか」「性急にきめてしまって水準が下がったりするのではないか」などの心配の声がでているのです。

 まず、26陳情第21号豊島区の待機児解消と保育の質を求める陳情、についてです。
 この陳情は、今後とも保育の質を維持しながら待機児解消をめざす豊島区の保育施策を継続し、認可保育園の増設での待機児解消で、保育の実施義務を守っていただきたいとして、「1保育実施義務に基づき区立および社会福祉法人立の認可保育園の増設」「2区長が表明した認可保育園の5園の早期具体化」「3保育職員処遇の改善を豊島区として進め、国や東京都に求めること」「4認可保育園増設に欠かせない国有地都有地を低廉な賃借料で活用できるよう国と東京都に求めること」「5子ども子育て支援事業計画策定については利用者や保育関係者などの意見を十分に聴き、現行の保育水準を守りさらに充実を」と求め、2656名の署名とともに提出されたものです。
 今年4月、豊島区の認可保育園に入れなかった子どもは、563名にもなりました。この間の「保育計画」や待機児童対策緊急プランで、認可保育所の改修による受け入れ枠の拡大、保育ママ、スマート保育、認証保育など小手先の対応では限界だということがはっきりしています。そして、これらの施設に入所した場合、3歳になれば新たな施設を探して移らざるをえず、これはこどもにとっても保護者にとっても大変な負担です。認可保育園に入りたいという区民の願いは切実です。
 区長は、ようやく私立認可保育所を5か所増設したいと表明しました。現在、具体的になっているのは保育園改修のための仮園舎としてつかっている北大塚の施設について来年4月からの開設のみ、です。保育園5園誘致は、これまでの姿勢からすると、1歩前進ですが、具体的はまだまだです。
 また、これまで豊島区では、保育園は区立または社会福祉法人立でした。私は、一般質問でも指摘しましたが、横浜市の実態は株式会社経営で保育士が退職してくるくる変わったり、高架下や産業廃棄物置き場のとなりにあったり、など、とても「質の高い保育」とは言えない状況であり、株式会社に反対だと申し上げてきました。
 保育の質の問題では、施設基準とともに職員の処遇改善が必要です。その責任の重さや忙しさに比べ給料が安いのが大問題です。かつて、東京都は公私格差是正事業や二階建て保育士加算など、独自の待遇改善策をとってきました。給与だけでなく、たとえば豊島区独自に、お散歩に行くときのための臨時職員をつけるなどすれば、子どもの安全のためにも保育士の労働条件をよくするためにも、効果があります。その気になればできるのです。保育職員処遇の改善を豊島区として進め、国や東京都に求めることは十分できます。
 今年度中に子ども子育て支援事業計画を策定するにあたり、利用者や保育関係者などの意見を十分に聴き、現行の保育水準を守りさらに充実をさせるのは当然のことではありませんか。

 委員会審議では、自民党は、「認可保育園を作る努力をしている」「区長が表明しているので」といいつつ、「他の記書きが納得できない」、公明党は「豊島区が独自に保育士の待遇改善することについては、区がやらないと言っている」、社民党は「陳情文の、今後とも保育の質を維持しながら認可保育園の増設で待機児解消をめざす豊島区の保育施策を継続することには賛成だが、この五項目には納得できない」、みんなの党は「株式会社の参入を認める立場」などといってこれらの陳情を不採択にしてしまったのです。
 子ども子育て支援新制度は、子どもの保育について、必要度を認定し、必要なサービスは保護者が選べるといって、直接契約にしていく、株式会社の参入をすすめるなど、行政・自治体の保育をする責任を放棄しようとするものです。それでも少しでも豊島区の保育をよくしたい、安心して認可保育園に子どもを預けて働きたい、という保護者や保育関係者の切実な願いに応え、応援するのが議会の役割ではありませんか。
よって26陳情第21号豊島区の待機児解消と保育の質を求める陳情は不採択にせず、採択すべきです。

 次に、陳情第22号子ども・子育て支援新制度をすべての幼い子どもと保護者を支える制度とするための陳情について討論します。
 この陳情は子ども・子育て支援新制度の検討導入実施に当たって、何よりも子どもの権利保障を最優先に、子育て会議当事者の意見を踏まえ、十分な議論を行い、あわせて国に対して必要な意見表明をするとして、「1性急な実施をしないこと、国に性急な導入実施をしないよう意見書を提出すること」「2現行水準の認可保育所の増設」「3すべての子どもと保護者に平等な保育と公平な待遇を」と求めたものです。どれも当然のことであります。
 ところが、わが党以外は「実施をしないように、というのは納得できない」「この制度をやらないと待機児童を解消できない」「国が遅れているが、豊島区は準備している」などとして不採択にしてしまいました。
 実施時期については、説明された資料の中でも「早ければ27年4月に本格スタート」とか「スタートを予定」とあります。当初国は第二回定例会で条例制定するように言っていたのに、それができなくなったのは国の準備がおくれたからです。国のせいで自治体でのさまざまな検討や手続きが遅れているわけですから、国に意見を言うのは当たり前のことではありませんか。拙速にすすめるべきではないのです。
 よって26陳情第21号豊島区の待機児解消と保育の質を求める陳情を採択すべきことを重ねて申し上げます。

 引き続き、後程議題となります26陳情第20号豊島区の学童クラブの充実を求める陳情について討論します。
 この陳情は、4月に厚生労働省が「放課後児童健全育成事業の設備および運営に関する基準」を省令できめたところから、今後豊島区がこれに沿った条例を制定することを求めものであります。
 この省令では、学童クラブを常に向上させること、低下させてはならないこと、となっています。また、専用区画を児童一人につきおおむね1.65u以上、一つの支援の単位を構成する児童の数はおおむね40人以下とするなどとなっています。
 子ども・子育て支援新制度は問題点が多いですが、学童クラブについて国が省令で「最低基準」「参酌基準」を定め、自治体が条例を制定することになったことなどは一歩前進な面です。今回、「基準」についての解釈では、児童一人あたりの面積について、全児童クラブではコアスペースだけでなく、セカンドなども参入してよいなどといっているなど、ごまかしもありますが、それでも区が法令順守し「基準に沿って条例を制定する」のは当たり前、これを求める陳情を採択するのは当然のことではありませんか。
 ところが、与党会派は「子ども・子育て会議をやっている。その推移をみる」などとして継続審査にしてしまったのです。
 よって、26陳情第20号豊島区の学童クラブの充実を求める陳情を採択すべきです。
 以上でわたくしの討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。