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区議会質問
介護保険反対討論(渡辺くみ子)
2015/3/19

 私は日本共産党豊島区議団を代表し、ただいま議題となりました第15号議案「介護保険条例の一部を改正する条例」の可決に反対の立場から討論します。
 第15号議案は、2015年度から2017年度の第6期介護保険事業計画期間における保険料の設定と、医療介護総合確保推進法に基づき第1号被保険者保険料における低所得者の負担軽減や、介護予防・日常支援総合事業の実施時期の猶予について規定する必要があるとして提案されたものです。
 
 区の提案によると第6期介護保険事業計画の保険料は、第1に介護保険料基準額は69,480円で月600円、年間7,200円の引き上げです。第2に所得段階を現在の12段階を16段階にする。第3に賦課限度額を12段階900万円から16段階1,200万円にする。第4に低所得者対策として第一段階の保険料を本則0,5から0,45と0,05引き下げるとし、財源は国、都、区で負担し、区は1,000万円を一般財源から繰り入れるとしたものです。
 また保険料の引き上げの要因として、@第一号保険者割合が21%から22%と1%引き上げられ、A地域区分の見直しで18%が20%と2ポイント増、B第一号被保険者数が3年間で約1万人増加し、事業総額は82億円増の590億円となる、C保険料軽減に今年度は基金5億円投入したが来期は3億円となる の4点を挙げています。
 
 この結果すべての階層の保険料が大幅に引き上げられることになりました。
 住民税非課税で所得が80万円以下の第1段階は、対象人数が一番多くいます。低所得者対策としての保険料軽減策をやってもわずかですが値上げとなり、月2,600円、年額31,200円の保険料となります。また住民税非課税世帯の第2、3段階では、年間それぞれ48,600円、52,080円と5期よりも5,000円以上の引き上げとなっています。これではあまりにも高すぎます。担当部長は「すべての段階で保険料負担は増えているが、賦課限度額の引き上げや基金を投入するなど行ってきた。ご理解を」と言いますが、高齢者にとっては、年金は削減され、消費税が上がり、日常生活品費が上がっている中での新たな負担増は耐え難いものです。
 
 第6期介護保険事業計画では要介護認定者数は1019人増加するとし、事業総額は82億円増としています。高齢者が増加し介護保険利用者が増えることは当然のことで、事業費総額も当然増となります。
 問題は利用者が増えれば増えるほど、また制度を拡充すればするほど保険料に跳ね返る仕組み、ここが根本的に間違っているのです。さらに国の負担割合は25%のままで、しかも実質的には21%くらいでしかありません。国庫負担を拡充すれば保険料負担を抑えることはできるのです。
 
 ところが安倍政権は、国庫負担を拡充するどころか、「総合事業」として要支援を保険給付から外す、介護報酬を大幅に引き下げる、利用者負担を引き上げる等、介護事業者と国民、利用者に次々と負担を強いているのです。
 今回の議案では「総合事業」の実施を1年猶予し2016年度からとすることも提案されていますが、要支援を介護保険給付から外し、地域支援事業に移行させることは、介護の中身が低下することは明らかで、この間も指摘してきましたが認められないことです。
 また、区は消費税10%になったら2017年度から保険料第1段階から第3段階まで公費負担で保険料軽減を行うとしていますが、10%もの消費税増税は区民の生活を根本から脅かすものです。
 
 現在、区独自の保険料特例軽減制度では、軽減額は年間40万円から50万円で、利用者は約50人です。区は一般財源を入れての保険料軽減策は「制度上できない」と言いますが、一般財源を繰り入れてでも、特例軽減制度を大幅に拡充すべきです。
 特に今回、消費税8%増額分の地方消費税交付金26億円の残り14億円の一部を使ってでも保険料軽減を実施すべきです。
 
 さて、今回の委員会審査で他の会派の皆さんは「旧来の制度では介護ができなかった。この制度は重要、存続のためには保険料の値上げは仕方ない」「(本当ならもっと保険料が上がるところを)報酬の引き下げや、基金の取り崩し等で少しでも保険料を引き下げた」と言います。しかしどんどん年金は引き下げ、反対に保険料はどんどん引き上げ、しかも少ない年金から有無を言わさず天引きする、「介護の社会化」と言って制度が作られましたが、介護給付はどんどん削減する。国庫負担は増やさない。結局、区民や介護利用者、介護事業者のみに負担を強いているということです。
 このような保険料の大幅引き上げは認めることはできません。
 
 以上、第15号議案「介護保険条例の一部を改正訂する条例案」は可決に反対し討論を終わります。
 
 ご清聴ありがとうございました。