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区議会質問
議員提出議案第18号 賛成討論(渡辺くみ子)
2013/12/06

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただ今議題となっております、議員提出議案第18号 「秘密保護法案の強行採決に反対する決議」について可決に賛成の立場から討論します。

 昨日の参議院国家安全保障特別委員会で、野党側の猛抗議の中、政府・与党、自民党・公明党によって秘密保護法案が「強行採決」されました。法案に関して国民の意見をきく地方公聴会を4日に開いたばかり。国会周辺では市民や団体による反対・抗議行動が展開される中、国民の不安や怒りを一顧だにしない与党の横暴な姿勢が極まっています。法案は昨日の本会議に緊急上程され、本日の本会議で採決がおこなわれようとしています。またたった2日間の会期延長の情報もあります。
  昨日の委員会での強行採決の様子をテレビで見ましたが、ひどいものです。その現場にいたわが党の志位委員長は、「動議の声も聞こえなければ、委員長の発言も聞こえないまま、自民、公明の議員が起立して採決をやったと言っている。自公による暴挙は絶対に認めるわけにはいきません」と厳しく抗議しました。
  国民の目、耳、口をふさぎ、基本的人権も民主主義も破壊して「戦争への道」を突き進む、危険な法案の強行成立は許されません。

   「『秘密保護法絶対阻止!』の『絶叫戦術』は、『テロ行為』とその本質においてあまり変わらない」―自民党の石破幹事長が自らのブログで発信したこの言葉ほど、国民の声に追い詰められ、成立を急ぐ、推進勢力の焦りを示すものはありません。石破氏はその後一部を取り消しましたが、発言そのものは撤回していません。安倍政権とその与党の自民、公明が国民の批判の高まりをどれほど恐れているかはこれを見ても明らかであります。

 秘密保護法案は、「行政機関の長」が「安全保障」の妨げになると判断すれば、軍事、外交、スパイ防止、テロ対策などの行政情報を「特定秘密」と指定し、公務員や国から仕事を請け負う関連事業者が、故意であれ過失であれ、それを漏らせば、最高懲役10年もの重罰を科す弾圧立法であります。
 秘密保護法案の危険性は、なにが秘密かそれ自体が秘密で、「行政機関の長」の判断で「特定秘密」がどこまでも広がる危険があります。さらに「特定秘密」の保全を義務付けられる公務員だけでなく、なにが「特定秘密」に指定されているかを知らされていない国民も、行政情報を知ろうとした場合、「人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により…」「特定秘密」を取得しようとしたとして、重罰に処せられる恐れがあります。未遂でも、共謀・教唆・扇動しただけでも処罰の対象です。逮捕され、裁判にかけられるときにも、どんな「特定秘密」を取得しようとしたのかは公開されません。
  まさに「暗黒政治」「暗黒裁判」をねらうものであり、「秘密保護法反対」の声を「テロ」と同列視する石破氏の発言は、法案の危険な本質を先取りしているのであります。

 秘密保護法「反対」は、「朝日」50%、「毎日」59%、「日経」50%―。いずれも各メディアの直近の世論調査です。世論調査での「反対」は、法案の国会審議が進み、秘密保護法の中身と問題点が国民に知られるにつれ増加しています。過半数の「反対」は、文字通りの世論です。政府・与党が採決を急いだのは、このような国民の声を恐れたからなのは明らかです。
  秘密保護法に対する反対の声明は、憲法学者や刑法学者、弁護士など法曹界、ジャーナリストやその労働組合、出版関係者や演劇人、映画人など、およそ国民の「知る権利」や言論・表現の自由に関わるあらゆる分野といっていいほど、広がりました。「1960年の安保改定反対闘争に匹敵する」という声さえ上がったほどです。批判は国際的にも広がっています。

 衆議院では、一部野党が与党と密室での「修正協議」を行いましたが、四党修正案はわずか2時間しか審議されませんでした。中央公聴会は開かれず11月25日に福島市でおこなわれた地方公聴会では与党推薦の2名を含め7名の公述人が法案に反対もしくは懸念を示し慎重審議を求めました。ところが、その翌日の26日衆議院国家安全保障特別委員会で与党は採決を強行したのであります。
 そして11月27日の参院本会議での審議入りからわずか1週間余。理事会で野党に発言させないまま一方的に委員会を開いて公聴会開催や総理出席質疑を決めるなど、まさに強行に次ぐ強行の末の “採決劇”です。
   特別委だけでなく、この間の与党の議会運営は横暴を極め、5日未明の参院本会議では内閣、経済産業両委員会の民主党の委員長を強引に解任し、自民党の委員長に差し替えるという国会史上初の暴挙まで行いました。

 重ねて申し上げます。
  秘密保護法案反対の声は、法曹界やジャーナリストなど、立場の違いを超えて急速に広がっています。
  国会周辺での緊急抗議行動をはじめ全国各地の集会やデモ、宣伝活動などに多くの国民が参加しています。「秘密保護法はいらない」「強行採決は許されない」―憲法の基本原則を踏みにじる希代(きだい)の悪法を、議会制民主主義を踏み破って成立させようとする安倍政権への怒りそのものであります。批判の声は政治的立場や政党支持の違いを超えています。
  安倍政権は国会審議の最終盤になって、国会答弁や一部の野党との協議で、「特定秘密」の指定や解除を監察する機関を首相官邸や内閣府に置くと言いだしました。国民の批判がこたえたのでしょうが、法案の根幹を変えないただの口約束に、何の保障もありません。

 4日の夕方、日本共産党の志位和夫委員長など野党7党の党首らが東京・有楽町駅前で合同演説会を開き、与党が強行採決を狙う秘密保護法案の慎重審議を求めました。
 志位委員長は「国民多数の声を踏みつけにした法案の強行は断じて許してはなりません」と訴えました。
 駅前では各党がそれぞれのビラを配布。7党の代表が宣伝カーの上に勢ぞろいして演説すると聴衆は膨らみ、「その通り」との声援や拍手がわきました。
 民主党の海江田万里代表は「私たち7党がしっかりスクラムを組んで強行採決させないという一点で力をあわせて頑張る」と表明。「そう思って今日は志位さんの隣に立っている」とも述べ、志位委員長と握手しました。
 志位委員長も「私たちは廃案を求めるが、この国会での強行を許すなの一点で海江田さんたちとも力をあわせて頑張り抜く」と語り、全員で手を結んで頭上に上げました。

 この日、日本維新の会の小沢鋭仁(さきひと)国会対策委員長と、みんなの党の浅尾慶一郎幹事長はともに「慎重審議を求めていく」と表明。生活の党の鈴木克昌代表代行は「国民全員が心配している法案。体を張ってでも止めていく」と訴え、社民党の福島瑞穂副党首は「みんなの力で廃案に追い込もう」、そして新党改革の荒井広幸代表はと「与党は国民の疑念に答えるべきだ」訴えました。
  法案に対する考えは違っていても、強行採決はゆるされない、絶対に許してはならないとの思いは一つではないでしょうか。

 以上、議員提出議案第18号 「秘密保護法案の強行採決に反対する決議」 について可決に賛成の討論とします。
  ご清聴ありがとうございました。