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区議会質問
第73号議案、豊島区立保育所条例の一部を改正する条例(儀武さとる)
2013/12/06

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされています第73号議案、豊島区立保育所条例の一部を改正する条例、並びに第74号議案豊島区立学校設置条例の一部を改正する条例に対し、可決に反対の立場から討論を行います。
 最初に、第73号議案、豊島区立保育所条例の一部を改正する条例についてです。
 この議案は、区立西巣鴨保育園を廃止し、社会福祉法人豊島区社会福祉事業団に土地、を無償で貸し付け、民営化をするものであります。
 以下反対理由を順次述べます。
 
 反対理由の第1は、民営化の目的が経費削減であり、結局、保育の質を下げることになるからです。
 自公政権は、構造改革、三位一体改革による地方財政の圧迫、公立保育所運営費の一般財源化などを進めてきました。そのため、自治体では公立保育所の廃止、民営化を進め、保育所建設が抑制されてきました。豊島区もその流れに乗り、民営化を進め、保育所の統合で保育定数を減らしたのです。その結果、待機児童が大幅に増えているのです。
 豊島区は、これまで南池袋、駒込第三、雑司が谷など7園を民営化してきました。
 わが党はこれまで、一般質問、委員会や決算特別委員会などで待機児解消の緊急策と認可保育所の増設を求めてきましたが、区は抜本的な解決策をとってきませんでした。待機児を解消するために認可保育園を増設するのではなく、民営化をゴリ押しした結果、待機児が激増する一因になり、今日の深刻な事態を招いているのであります。これは区民サービスの低下であり、区の責任は重大であります。また、民営化を進めた結果、区は何年も保育士の新規採用をしなかったのであります。このままだと、今まで営々として築き上げた経験や蓄積を継承することができません。区には保育の継続性、公共性、専門性を果たす役割がありますが、これではその責任を果たすことができません。民営化はもともと経費節減を優先させ、安上がりの保育行政を進めるものであり、これ以上の民営化はきっぱりとやめるべきであります。
 
 反対理由の第2は、保育体制、保育環境の後退になるからです。
 西巣鴨第二保育園は、その事業者に社会福祉法人豊島区社会福祉事業団に決定され、民設民営で施設改築をすすめています。2014年4月から西巣鴨さくらそう保育園となり、定員は108人から128人へ、20人増やします。私が、歳児別に何人増えるのかと質問すると、区は、0歳児は4人、1歳児は7人、2歳児は6人、3歳児は2人、4歳児は1人と答弁しましたが、常勤の職員は23人から24人へと、わずか1人しか増えないのです。本来なら、保育士の配置基準からすると、0歳児1人、1歳児1人、2歳児1人、少なくとも常勤で3人増やすべきです。課長は「基準を満たしている」、「非常勤で5人増やしているので大丈夫」と答弁しましたが、職員の体制が弱まり、保育サービスが低下するのは明らかであります。さらに、待機児童対策として将来150人受け入れ可能な大規模な保育園の建設を優先したことで、園庭が327uから197uと狭くなります。常設のプールも撤去し、組立式プールに変更されるなど保育環境が後退します。本来、1階にあるべき調理室も3階にもっていかざるを得ません。公設公営の施設ならありえない計画です。
詰め込みを優先し、民営化をゴリ押しした結果、保育体制、保育環境の後退は明らかであります。

 これまで、自公政権は、深刻化する待機児童問題をはじめとする国民の保育要求の高まりに対して、認可保育所増設の願いに背を向け続け、定員以上の子どもの「詰め込み」などの「規制緩和」路線を進めてきました。子ども・子育て支援新制度の全面実施で、こうした路線をさらに突き進め、保育に対する国・自治体の責任を大幅に後退・縮小させ、保育を「営利化」、「産業化」する公的保育制度の歴史的大改悪を強行しようとしています。そうなると、民営化にいっそう拍車がかかります。
 このような「新制度」では、国民、父母が切実に願う待機児の解消も、子供たちの健やかな成長と安心して預けられる保育の質の向上もできないことは明らかです。改めて申し上げますが、民営化をきっぱり止めるべきです。
 よって、第73号議案、豊島区立保育所条例の一部を改正する条例を可決することに反対します。