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区議会質問
74号議案  豊島区立学校設置条例の一部を改正する条例(儀武さとる)
2013/12/06

 つづいて、第74号議案、豊島区立学校設置条例の一部を改正する条例についてです。
 本議案は、池袋第二小学校と文成小学校を統合し、現在の文成小学校地に池袋本町小学校を設置し、新校舎が完成した目白小学校を元の場所に、池袋第三小学校を改築するために仮校舎、真和中跡地に位置を変更するものです。
 新校舎の目白小学校、改築のための池袋第三小学校の位置変更については賛成しますが、問題は、池袋第二小学校と文成小学校は統廃合であり、位置変更については反対であります。以下反対理由を順次述べます。
 反対理由の第一に、学校統廃合によって、教育条件、児童の生活条件が悪化するからです。11月現在、文成小学校の児童生徒数は314人、池袋第二小学校は171人、あわせると485人にもなります。児童生徒数で同じ規模の朋有小学校の敷地面積は7425uです。池袋本町小学校の敷地面積は4891uです。朋友小学校の敷地と比較すると、いかに狭いかは明らかです。狭い敷地、校舎に子どもをいっそう詰め込むことになります。通学距離が伸び、地域の目も行き届かなくなります。
 また、学童クラブ児童数も、子どもスキップ池袋第2学童クラブ23人、池袋本町児童館学童クラブ51人、会わせると74人に大幅に増えます。現在の児童館の受け入れ限度人数は50人ですので、児童館を改修して、学童クラブ室を増設しなければなりません。そのため、現在2階にある読書室を3階の運動・遊戯室の隣に移設することになります。児童生徒には、伸び伸びと思い切り遊び、運動をさせてあげたい、また、読書室では、じっくり読書や宿題をするなど静かな環境を整えたいと考えるのは至極当然ではないでしょうか。運動系の遊戯室と読書室が隣では、双方の思いを実現できるでしょうか。また、職員体制は施設長、児童指導が正規職員の各1人、学童指導員は非常勤の5人です。児童生徒が大幅に増えますが、非常勤の学童指導員が2人増えるだけです。統廃合で一つの学童クラブになるので、様々なことに対応できうる為にも職員を増やすべきです。

 反対理由の第二に、この後に、校舎併設型小中連携校になることについてです。
  区は2008年7月、豊島区立小・中学校の適正化第二次計画及び豊島区立小・中学校改築計画を発表しました。その中では、池袋本町地区の小・中学校について、まず池袋第二小学校と文成小学校を統廃合し、現在の文成小学校を仮校舎にし、あいた池袋第二小学校の跡地と防災ひろばの土地に池袋中学校の校舎を建て、その後、池袋中学校跡地に新小学校の校舎を建てる計画でした。ところが、2010年11月、区は新小学校と中学校を併設で建てる計画変更を決定しました。これは、教育基本法及び学校教育法の改正、学習指導要領の大幅な見直しにより、教育振興基本計画・豊島区教育ビジョン2010を3月に策定し、小中一貫教育連携プログラムを重点事業として位置づけたのであります。これを具体的に推進、実践していく学校として、校舎併設型小中連携校に計画変更したのです。
 区は、校舎併設型小中連携校の建設によって小中連携による中1ギャップの解消、小中一貫教育連携プログラム実践の場、建設費の削減などができるとしています。
 しかし、私が「今後の学校改築はこの方式ですすめるのか」と質問すると、区は「やりません」と答弁しました。なぜ、この学校だけなのか、公立学校の公平性、学校間格差の問題から見て疑問が残ります。また、中1ギャップの解消といいますが、本当に可能でしょうか。池袋本町小学校から池袋中学校に入学する生徒は教育の連携はありますが、池袋第1小学校からの入学生には不安が残ります。中1ギャップの解消は、教師が生徒と向き合い、自身の力で乗り越える力をどう引き出すか、きめ細かく対応し、援助することが必要です。そのためにも、少人数学級の導入、教師の多忙化を解消するために教師を増やすべきです。この方法でこそ、すべての学校で実践できるのであります。
 この計画変更は、あまりにも突然で、地元の5人の町会長の連名で「池袋本町地区校舎併設型小中連携校の建設計画の見直しを求める陳情」が440人の署名を添えて、昨年の第一回定例会に提出されました。陳情の内容は「当初の計画どおり、それぞれの学校が独立して建設する」ことを求めるものです。地元は、当初の計画を4年間かけて、準備し積み上げたものを、突如、変更されたのですから、地元の怒りは至極当然です。区は何度も話し合いを重ね、説明をおこなったと言いましたが、結局、教育委員会は聞く耳を持たずにゴリ押ししたのであります。
 よって、第74号議案、豊島区立学校設置条例の一部を改正する条例を可決することに反対をします。以上で討論をおわります。ご清聴ありがとうございました。