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区議会質問
八ッ場ダム決議 反対討論(小林ひろみ)
2013/10/25

 私は日本共産党区議団を代表し、ただいま議題となっております議員提出議案第12号 「八ッ場ダム建設推進を求める意見書」について、反対の立場から討論します。
 
 この決議は国や政府に対し、八ッ場ダムの建設工期を4年延長する計画変更手続きを早急に進めること、予算措置を遅滞なく行うとともに、コスト削減に取り組み、一日も早く完成するよう最大限の努力をすること、住民の生活再建事業の充実などを求めるものです。
 
 八ッ場ダム計画は、1947年のカスリーン台風を機に構想が浮上し、52年に住民に計画が示されたものです。地元は反対運動の末、85年にダム建設を受け入れましたが、その後も補償交渉は難航し、03年に総事業費は4600億円に倍増し、国内最高額のダムになりました。09年度予算にダムの本体工事費が計上されましたが、当時政権交代した民主党政権が事業の凍結を決定。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権は、その象徴として八ツ場ダム事業をあげていました。
 
 そういうなかで豊島区議会では2011年第四回定例会で、わが党が提案者となった議員提出議案第15号 八ッ場ダム事業の「検証作業」を抜本的に見直し、ダム建設の中止を求める意見書が、自治みらい、みんな・無所属刷新の会、当時の減税日本、そしてわが党の賛成多数で可決されたのであります。
 ところが、11年末に民主党政権は路線を転換。新幹線や外環道など大型開発復活路線に舵を切り、八ツ場ダム建設も継続することを決定しました。この問題をはじめ普天間基地問題、消費税増税など次々と公約違反を重ねた結果、昨年12月の総選挙で国民は「民主党政権ノー」の審判を下したのです。

 総選挙で自民党は「国土強靭化」を掲げ、10年間に200兆円というばく大な公共投資を行うとして、不要不急の新規事業を推進しています。
  今年7月太田国交大臣が八ッ場ダムの完成予定年度が遅れることを認めました。参院選が終わり、工期延長に必要なダム計画変更手続きをいよいよ具体化するための布石でした。そして国土交通省は8月27日発表の2014年度予算概算要求で、八ツ場ダムの本体工事費を5年ぶりに盛り込みました。さらに凍結による八ツ場ダム事業の遅れを理由に、完成時期を15年度から19年度に延期するとしました。総事業費は約4600億円のままとしていますが、増額は必至です。たとえば、関東地方整備局は2011年の八ッ場ダムの検証において、地滑り対策などさらに約183億円の増額が必要と示しており、その他にも代替地の整備費用の負担や東電への減電補償の増加、工事中の地滑り対策などが増えるといわれています。

 そもそも、八ッ場ダムは、過大な水需要予測と治水目標流量に基づいて計画されたものです。わが党は、これまでも、また、これからも、莫大な事業費をかける無駄な公共事業である八ツ場ダムは建設を中止し、住民の生活再建対策をより踏み込んで進めることこそ必要との立場であります。

 よって、議員提出議案第12号「八ッ場ダム建設推進を求める意見書」に反対することを表明し、討論とします。