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区議会質問
議員提出議案第10号
豊島区認証保育所等保護者補助金の交付及び臨時保育所等の保育料の減免に関する条例(儀武さとる)
2013/10/21

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております議員提出議案第10号、豊島区認証保育所等保護者補助金の交付及び臨時保育所等の保育料の減免に関する条例に対し、直ちに可決すべき立場から討論を行います。
 本案は、認証保育所、保育ママ、臨時保育所、小規模保育所、区が委託する事業所内保育に入所している児童の保護者に対し、認可保育所に入所した場合の保育料との差額を上限4万円まで助成するもので、施行は2014年4月からです。
 待機児童が急増する中、認可保育所以外の保育施設を利用する家庭の負担を軽減する制度について、補助対象施設を増やすとともに、補助金額を増額することを目的に、日本共産党豊島区議団とみんな・無所属刷新の会の共同提案をしたものです。
 4月1日現在の待機児童数は270人、昨年に比べて141人も大幅に増えました。厚労省の発表によると、待機児童が前年同月比で100人以上増えた自治体は、杉並区233人、江東区163人に次いで、全国ワースト3に入るほど待機児童が増えました。区は認証保育所等で待機児童を解消しようとしましたが、ますます増えるばかりです。
 第2回定例会で、わが党の垣内議員が認証保育所などの保育料補助の拡充を求める一般質問に対して、区は「検討します」と答弁しました。本来なら補正予算を組んで直ちに拡充すべきものですが、区がすぐに具体化しないために、わが党は、子育て世代の切実な願いに応えるために条例提案したのであります。
 以下、可決すべき理由を2点について述べます。
 
 第一に、現行制度の補助内容が、子育て世代の実態から見ると、極めて不十分であり、拡充することが区民の切実な願いだからです。
 そもそも、現行制度は日本共産党豊島区議団が2010年第3回定例会に議案提案したことがキッカケで実現したものです。この間に、認証保育園は4箇所から9箇所、定員は110人から287人と大幅に増えています。現行の補助額は、認証保育所保育料の額から認可保育所に入所していたら支払う保育料の差額が40000円を超えていたら20000円の補助、25000円以上から40000未満は10000円の補助です。25000円未満は補助がありません。補助を実施している22区平均額は20000円、平均受給率が80%、豊島区は50%です。支給額で19位、受給率で20位です。23区でみても支給額、受給率でも大変低い方です。認可保育所に入れない保護者から、「保育料が高すぎる。不公平だ」と声が出るのも当然です。働く人たちの賃金は97年をピークに70万円も減っています。逆に、子育て世代の負担は増大しています。区は保育計画で、認証保育所などを待機児童の解消策に位置づけているのですから、支援を拡充することは当然です。
 今議会で、わが党の小林議員が認証保育所等の補助金の拡充を求める一般質問に対して、区は「対象範囲と支給額の拡大の方向を検討します」と答弁しました。また、委員会審査で、各会派の質問に対しても同様な答弁を繰り返しました。私が、いつ決定し、実施するのか、拡大の方向性の考え方を質すと、区は年内に決め、来年度予算で「25000円未満の額を引き下げる方向を検討」していると答弁しました。それだけでは不十分です。条例提案は、認可保育所との差額を4万円を上限としつつも、ほぼ認可保育所保育料と同額支給するものです。すでに千代田区や品川区では実施しています。文京区は上限5万円、中野区は上限6万2000円に拡充を実施すると決めました。本区も直ちに実施すべきです。本案の事業費は、1億5000万円です。今議会の補正予算で9億円を財調基金に積み増しし、2012年度決算は実質20億円の黒字であり自動的に財調基金に積み増ししました。ですから、やる気になればすぐにでもできるのであります。

 第二に、区民の願いにどう答えるか、議会の役割をどう発揮するかが問われているからです。
委員会審査で、与党会派は「23区は要綱でやっている」「理事者がしっかりやる」「3党で拡充の申し入れをおこなった」などと主張しました。しかし、要綱は、行政がつくるものです。今、議会としてどういう助成にするのか、対象はどうするのかを決めることができ、区議会各会派の意思も、議論の上、反映することもできるのが条例提案であります。議案提出権を行使することは議員の権利です。区に実施を踏み切らせるためにも議会でしっかり議論する必要があります。まさに区民の願いに区議会がどう応えていくのかが問われているのであります。だからこそわが党は、条例案を提出するに当たり、各会派に呼びかけ、この条例についても十分議論して各会派が合意できるように修正にも応じる立場で審査に当たりました。
 公明党は、保育料の補助対象施設の(5)区が委託する事業所保育について、事業所内保育を利用する保護者まで差額を補助すると、事業所との約束を反故にすることになるので問題だと主張しました。事業所保育は、待機児童が大幅に増えたため、区が事業所に委託したものです。区は本来、認可保育所に子どもを入れる責務があります。ですから認可保育所に入れない子どもの父母の負担を軽減することは当然であります。
 区民の願いを実現するために、私が、再三、議案全体を審査してほしいと主張しても、
公明党は、議案について、もともと「私どもは是とはしていません」と言って、事業所保育に固執する姿勢を崩しませんでした。
 また、これまでの審査で明らかなように、理事者がしっかりやるといっても、なんの担保もありません。さらに「3党で申し入れをおこなった」とも言いましたが、9月19日、本会議の前日に申し入れたにもかかわらず、拡充するための具体的なことは何も述べませんでした。 ところが、自民党、公明党、自治みらいの3会派は、「応分の負担は親がすべき」、「理事者を信頼している」、条例でなく「要綱で良い」などと言って、具体的な提案もしないで条例案を否決し、区民の願いに背を向けたのであります。 
 以上、議員提出議案第10号、豊島区認証保育所等保護者補助金の交付及び臨時保育所等の保育料の減免に関する条例は、直ちに可決し、区民の願いに応えるべきことを重ねて述べて、討論を終わるものであります。ご清聴ありがとうございました。