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区議会質問
区民集会室・区民ひろば反対討論(森とおる)
2013/07/03

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております、第38号議案「豊島区立区民集会室条例の一部を改正する条例」ならびに、第39号議案「豊島区地域区民ひろば条例の一部を改正する条例」について可決に反対の立場から討論を行います。
 第38号議案は、区民ひろば池袋の耐震診断を行なった結果、コンクリート強度不足であることが判明したため、併設されている池袋第一区民集会室を廃止するというもの。
 第39号議案の1点目は、区民ひろば池袋を池袋第二児童館に移転させ、児童館そのものを廃止するというもの。廃止後は、後ほど上程される第42号議案「豊島区立子どもスキップ条例の一部を改正する条例」により、池袋小学校校舎内に子どもスキップを開設することになります。
 2点目は、区民ひろば仰高を新設するというものです。
 
 区民ひろば仰高の新設については賛成しますが、委員会審査で指摘したとおり、施設の使い勝手をさらに良くするためにエレベーターの設置を早急に求めるものであります。
 しかしながら、池袋第一区民集会室の廃止、ならびに区民ひろば池袋の移転は到底認めることはできません。以下、反対の理由を述べます。
 
 第一の理由は、区民集会室の廃止です。
 すでに区民ひろば池袋は、本年4月より使用が中止され、4月からは、池袋第二区民集会室の一室に事務所を仮移転し、事業が実施されています。ところが、池袋第一区民集会室は、すでに休止されており、代替施設すらありません。
 区民集会室は、区民に集会の場を提供し、福祉増進および文化生活の向上に寄与するとされ、厳しい条件もなく、安くて誰もが安心して利用できる施設です。ところが、これまでの10年間で、区内に38か所あった区民集会室が、池袋第一区民集会室の廃止で29か所になります。最も多かったときは43か所ありましたので3分の1もの大幅削減です。
 委員会審査で理事者は、「近接の池袋第二、第三区民集会室でカバーできる」から問題ないというものでした。しかし、池袋第一区民集会室の過去3年間の利用率は、いずれも50%を超えており、多くの人が利用していたのです。私が委員会で指摘したように、先日公開された施設白書を見ますと、区民集会室は多い、利用者は少ないといった、減らすことが前提だと言わんばかりの記述が満載されていますが、とんでもないことです。これまでに自民党からも借りにくいという意見が出ているほどではありませんか。理事者から、「当初は利用者から戸惑いの声があったが、今は特にない」などという答弁がありましたが、それこそ区民の声、議会の声を反映していないと言うことです。区は今年度中に区民ひろば池袋の跡地活用を決定すると言いますが、ここに新しく区民集会室機能を有した福祉施設にするとか、それまでは代替施設をつくるなどすべきです。減らすなどあってはならないのであります。

 第二の理由は、池袋第二児童館を廃止し、子どもたちの居場所が縮小されることです。
各小学校に子どもスキップ設置が進められる中で、池袋小学校は設置がなかなか進みませんでした。それは2005年に現在の池袋小学校地にあった池袋第五小学校と大明小学校を統合したことで児童数が多くなり、子どもスキップを開設するための空き教室がなかったからです。ところが区は、区民ひろば池袋の移転先を探している中で、急に子どもスキップ開設を決定しました。子ども課長は、開設する理由について、「東日本大震災の教訓として子どもの安全の確保」とか「都条例による帰宅困難者対策の強化」などを挙げ、教育委員会もそれに同意して実現に至ったと言います。しかしそうであるならば、小学校、児童館両方あった方が、災害時の児童の安全の確保にしろ、区民の避難場所の確保にしろ有効です。しかも、児童数が減ったわけでもないのに、英語活動室を無くし、メモリアルルームと教材資料室を半減してまで、詰め込むやり方は間違っています。
 今回の区民ひろばの移転は、児童館を廃止する。そのため無理矢理に、子どもスキップを設置したということではありませんか。池袋第二児童館は、学童クラブ室など広々として、児童遊園も隣接しており、2階には体育室もあり雨の日でも伸び伸びとできます。子どもたちの居場所として最高とも言える大事な施設です。たとえ子どもスキップを開設したとしても、児童館廃止などあってはなりません。

 第三の理由は、区民ひろば池袋の移転先があまりにも遠すぎ、これまでの利用者にとって不便になることです。
 区民ひろば池袋から、移転予定地の池袋第二児童館までの距離は、議案資料では850メートル、徒歩10分とされています。これはあくまでも最短のコースをたどった場合です。ここは以前、ことぶきの家でした。10分でたどり着くことができる高齢者が果たしてどれだけいるでしょうか。地理に詳しくなければ、アゼリア通りから劇場通りを通ったりするなどしなければなりませんが、その場合1500メートルにもなります。委員会審査の視察でマイクロバスを使いましたが、このルートだとバスでも8分以上かかりました。この距離について委員会で質すと、「新しい場所の近隣の方には便利になる」から良いんだというもので、これまで利用していた方への配慮は全くありませんでした。仮に区民ひろばを移転したとしても、やはり近辺に、同等の施設をつくるべきです。これまでの利用者に支障をきたすようなやり方は認めることはできないのであります。

 よって、第38号議案「豊島区立区民集会室条例の一部を改正する条例」ならびに、第39号議案「豊島区地域区民ひろば条例の一部を改正する条例」について可決に反対します。
 以上、討論を終わります。