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区議会質問
 
公園条例討論(小林ひろみ議員)

 私は日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされました第49号議案豊島区立公園条例の一部を改正する条例及び第60号議案豊島区立公園条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例について、また後ほど上程されます第51号議案豊島区立体育施設条例の一部を改正する条例について、あわせて討論します。

 これらの条例は、長崎中学校跡地に建設される公園、スポーツセンター、多目的広場等について規定するため、提案されたものです
 施設の開設は2013年4月を予定しており、現在は当該地には、建物や公園は影も形もありません。区は、スポーツセンター、自転車駐車場・公園を一体として指定管理者にまかせる必要があり、指定管理者の公募を行う前に条例を作らねばならないとして、開園まで1年3か月以上も前に条例を提案したのであります。近隣住民との説明会は4回開く予定ですが、まだ2回しか開いていないなど、細かいところがまだ決まっていないのにです。また、施設の利用料金や運営方法についていえば、いかに指定管理者の採算がとれるような内容にするか事業者から提案してもらうと同時にいかに豊島区の負担を減らすか、ということが最前提の枠組みとなっているのであります。
 
 当初提案された内容について、わが党は、11月21日の委員長会で「公園の開園時間が朝8時からというのは、遅いのではないか」と指摘してきました。また、これまでも豊島区の体育施設の料金は他区にくらべて高いことや、プール、トレーニングルームの両方を利用すると1200円になってしまうことなどをさまざまな機会に指摘、改善を求めてきました。しかし、区はこれらの意見に耳を傾けなかったのです。そこでわが党は、あらためて、議員協議会で、開園時間の問題、プールやトレーニングルームの利用料の設定、競技場の個人利用料金の設定について求めたのであります。わが党のみならず、自民党の議員からも「8時は遅い」との意見がでました。
 公園は、オープンに誰でも利用できる場所で、開園時間をもうけ利用者をしめだすのは本来の目的に沿わないものです。それも、第49号議案のままだと、午前8時からしか利用できないものとなってしまっており、朝の散歩も、ラジオ体操もできません。
 議員協議会でのわが党の追及をうけ、区はあらためて変更する意思決定を行い、その結果出てきたのか、第60号議案で、第49号議案中公園の開園時間を「午前5時から」と改正するものであります。
 今回の提案を区側は議案の修正であり事実上、一体のものと考えてほしいということです。しかし、二件の議案となっていることは、区民にはわかりにくい形です。議会では、二件の条例を一緒に審議することはできますが、採決は別々になります。区は、修正の方法として3つの方法があったが、@区民生活にかかわり深い内容であること、A議会の要望があったことを区が重く受け止めていることを、議案として提出する形にした、とのことでしたが、とても分かりにくい議案となってしまったのです。
 施設もできていない、話し合いも充分でない時期に拙速にすすめたことで、こんなに議会を混乱させたのです。
 区も、あくまでイレギュラーであると認めていましたが、こういうことは、二度とあってはなりません。

 もう一つ大きな問題は、体育施設の利用料金です。
 1点目は、プールとスタジオやトレーニングルームを使うとそれぞれ600円ずつ払わなければならないという問題です。子ども文教委員会で、わが党が、どれを使っても二時間以内なら600円ですむようにすべきと求めたところ、理事者は利用料金については、自由に指定管理者側からの提案を受けたい、としてこの点について、プロポーザルの要綱にいれない、との答弁でした。
 2点目は、競技場の個人公開についてです。他の体育館では一人につき400円という設定がありますが、この施設ではこのような設定がないのであります。理事者は、「指定管理者の自主事業として地元と協議をして個人公開すること」をプロポーザルの要綱にいれることは表明しましたが、利用料については、事業者に「おまかせ」となり、400円よりも高くなる可能性もあることを認めています。
 このように指定管理者にまかせるため、議会が「利用料を安くしたい」「区民に使い易くしたい」と要望しても、その実現を担保できないのです。
 子ども文教委員会の審査では、わが党だけでなく、他の会派からも「料金が高い」「プールとスタジオなども一緒に使えたほうがよい」という声が出ました。議員協議会でも、また、都市整備委員会でも「個人利用ができるようにしてほしい」というような声も出されていました。
 そこで、わが党は、議会の審査や他の会派の意見もふまえ、最低限これだけは担保しなければ、ということで、これら2点について、条例の修正案を委員会で提案したのであります。
 ところが、他の会派は、「条例修正までは考えていない」とか「今、しばりをかけるのはどうか」などと言って、自らの主張を担保する内容まで否決してしまったのです。いろいろ要望をだすことは結構ですが、なぜ議会としてその実現を担保する方法があるのに、やらないのでしょうか。
 審議を通じて、競技場の個人公開の実施、プールとトレーニングルームなどを使っても二時間以内なら600円とすることは議会の共通の要望であることが明らかになり、選定にあたって理事者も議会の議論を考慮するとのことでしたので、不十分な条例ではありますが、わが党は原案に賛成することにしたのであります。

 公園や多目的広場についても、指定管理者にまかせるために、問題があります。多目的広場の一般開放日は、全体の5分の1程度、としています。一方で一般開放ばかりでは、指定管理者の収益、利用料や自主事業が少なくなることになり、一般開放をふやすには事業者との協議が必要で、なるべく少年サッカーにつかってほしい、指定管理者の自主事業は5分の1と考えている、とのことでした。指定管理者の都合で、区民の自由な利用が制限されてしまうのであります。一般開放の枠を増やすべきです。
 
 以上、三点の問題を指摘しました。わが党は、区民の利用できる公園や多目的広場、スポーツセンターが作られることそのものには賛成ですので、問題はありますがこれらの条例の可決には賛成いたします。今後改善されることを強く要望するものです。

 以上で討論を終わります。