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区議会質問
 

「区議会の議場に国旗掲揚を求める」請願の不採択に賛成する討論
(小林ひろみ議員)

 私は日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題となっております、20請願第1号区議会の議場に国旗の掲揚を求める請願の不採択に賛成の立場から討論します。

 この請願に反対する理由は次の三点です。
 第一に、区議会の議場は、区民のために、さまざまな意見をかわす場であり、中立公正が求められるのです。だからポスターや絵画なども飾らない、余計なものをもちこまない、シンプルな議場になっているのであります。その議場に、日の丸掲揚せよ、というのは偏った考え方を導入するものであり、認められません。この請願は、豊島区として区議会議場に、日の丸を掲揚するかどうかであって、それは国旗国歌法に賛成したか否かできまる話ではないのであり、あとでものべますが、豊島区議会には日の丸掲揚の義務は一切ないのであります。

 第二に、そもそも「日の丸」については、議会の中でも国民の中でも意見が違っているのであります。「日の丸」は侵略戦争の旗印であったのです。あの戦争当時、日本は朝鮮半島を植民地にした、その象徴が日の丸であり、支配された側からみれば抑圧の象徴なのです。区民の中には、韓国、中国の人もいるのであります。
 日本国民の中にも、「日の丸」をふって若者を戦地に送った、肉親をなくした、財産を失った、という苦しい思いを持つ人もいるのです。
 堀議員は、「愛国心があるのか」と問いかけましたが、日の丸に対する考えによって愛国心があるとかないとか、決め付けるのは間違っています。私も、自分の国を愛する心をもつていますし、どうしたら日本の国がよくなるか、区民がよりよく暮らせるか、いつも考えて行動しているのです。日の丸を踏み絵に「愛国心」をためすことなど絶対にしてはならないのです。憲法では、思想・良心の自由、内心の自由を保障しております。教育の現場で「日の丸・君が代」を押し付けることは、これに反するのであります。

 第三は、議場のあり方を含め議会の運営については、これまで正副幹事長会で協議して決めてきたのに、それを意見が違うとわかっているものを、自民党の十人中議長と議運の委員長を除く、八人がずらっと紹介議員になってだしてくるというやり方の問題です。委員会の中で、堀委員が「正副幹事長では、1会派でも反対するとできない。だから議会運営員会できめる」と発言しましたたが、これこそ、数を頼みに少数意見を押しつぶす、民主主義とは相容れないやり方であります。
 99年8月、国旗国歌法は当時の自自公と民主党の一部の賛成で、数の暴力で成立させました。当時も日の丸、君が代に対する評価は二分されており、「侵略戦争の旗印として使われた日の丸は日本の国旗としてふさわしくない」との意見が出され、また、法制化についても多くの国民が必要ないと考えていたものです。また法律審議のときに、さまざまな問題点が明らかになるとともに、政府答弁で当時の小渕総理も「押し付けない」といい、野中官房長官も、「法制化によって一人一人の考え方を変えようとは思わない」と言明した、つまり強制はしない、となっているのです。法制化によって、なんらかわらないはずなのです。この法律自体はシンプルで、国旗が日の丸であり国歌は君が代である、ということだけなのです。

 あらためて、申し上げます。そもそも、豊島区議会の議場に、日の丸はもちろんのこと、豊島区の区旗も飾られていないのです。それは、区議会の議場は、区民のために、さまざまな意見をかわす場であり、中立公正が求められるのです。

 以上のことから、この請願は不採択とすべきであることを述べ、討論を終わります。