私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされています第3号議案、豊島区立豊島区役所構内駐車場条例を廃止する条例、後ほど提案されます第11号議案、豊島区立豊島公会堂条例を廃止する条例に対し、可決に反対の立場から討論を行います。　
　第3号議案は総務委員会で、第11号議案は子ども文教委員会で審査されました。両議案は、その跡地を民間活用するために廃止するという内容であることから、あわせて私が討論します。

　わが党は、老朽化した公会堂などを建て替えることについては、早晩、必要だと考えます。改築や必要のなくなった施設の廃止に反対するものではありません。今回の提案は、単なる建て替えのための廃止ではないのであります。

　では、なぜ、今議会で廃止をするのでしょうか
　今後の新ホール整備スケジュールでは、区はこの３月末に基本計画を策定し、現庁舎地活用事業者の募集要項を公表します。11月ごろに優先交渉権者を選定します。来年10月末に公会堂の使用を終了し、11月に定期借地権契約を締結します。そして、解体・本体工事を開始し、2019年3月には竣工の予定です。

　委員会で私が、公会堂の廃止は来年の10月、なぜ今議会に条例廃止を提案したのかと質問すると、区は、事業者の公募選定は契約の一種とみなされ、地方自治法の規定により、私権の設定とか貸し付けができない行政財産を廃止し、普通財産にする必要があると答弁しました。つまり、民間事業者の公募・選定をすすめるにあたって、この時期に施設の廃止を決めておくことが絶対条件であり、極めて重要なのであります。本日の議員協議会の報告・説明でも、募集要項の公表が待ったなしであることがはっきりしました。

　さて、この間の経過を振り返ると、2008年9月の新庁舎整備方針では、豊島公会堂は800席17億円の計画でした。それ以来、公会堂の検討については、報告がありませんでした。昨年の第2回定例会で、区長の招集挨拶で、突如1200席、6000�uに変更された報告を受け、その後短期間に、1200席から1355席の新ホール、建設費も50億円と大幅に増えたのであります。これまでの経緯から、わが党は高野区長のトップダウンのやり方を批判し、公会堂のあり方や区民の意見を集約することを求めてきました。

　区は、現庁舎地跡地活用、周辺整備についての区民説明会を3か所で行いましたが、私も参加した東部区民事務所での説明会では、区民から「1355席をいっぱいにする興行、行事がどれほどあるのか」、「池袋にはすでに東京芸術劇場などがあるのではないか」、「きちんと市場調査はしたのか」、「現庁舎地周辺がにぎわっても、他のところが沈没して、池袋全体の活性化にはならない」などの意見が相次ぎましたが、区は「にぎわいと街の回遊性をたかめる」「将来への投資」などと繰り返すのみでした。

　委員会で私が、これらの説明会での意見を、どう検討したのかと質すと、区は「今後もできる限り十分な説明責任を果たしてまいりたい」と答弁しましたが、区民の意見を反映させる姿勢はみられませんでした。
　また、区長は、100％の利用率、100万人の来街者などと言っているが、どう実現するのか、と質すと、現在のアウルスポットの利用率がほぼ100％、100万人の集客は新ホールと新区民センターの両方で確保したいと答弁しました。利用料金やランニングコスト、新ホールを運営する団体や事業者の力量も重大なポイントになりますが、直営にするか、指定管理者にするかは、次年度以降の運営計画の中で検討していくということです。このように、公会堂の在り方についても、区民の意見も聴かずに、市場調査もせず、50億円、1355席の新ホール建設計画が先にありきです。しかも、建設職人の人手不足や人件費の高騰で、建設コストが急騰し、50億円で済む保障が全くありません。
　この間の経過をみても、区長の答弁でも明らかなように、破綻した新庁舎建設資金計画を取り繕うために当初、17億円の公会堂が50億円の新ホール建設に変わり、周辺整備などに総額で、約114億円も税金を投入せざるを得なくなったのであります。区は池袋全体の価値が思うほどに低いので「にぎわい創出の拠点」を形成するとしていますが、巨額の税金を投入したからといって、その保障はありません。バクチ同然のやり方はやめるべきです。
　以上、本条例は、新庁舎建設資金計画の破綻を取り繕うための50億円の新ホールをふくむ114億円の「現庁舎地の活用及び周辺整備」を進めるものであり、わが党は到底認めることはできません。
　よって、第3号議案　豊島区立豊島区役所構内駐車場条例を廃止する条例及び第11号議案、豊島区立豊島公会堂条例を廃止する条例を可決することに反対をします。以上で討論をおわります。ご清聴ありがとうございました。