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区議会質問
 

妊婦健康診査費用助成の充実を求める陳情の継続に反対する討論
(渡辺くみ子議員)

 私は日本共産党豊島区議団を代表いたしまして、ただ今上程されました20陳情第9号「妊婦健康診査費用助成の充実を求める陳情」について継続審査に反対し直ちに採択することを求め討論します。
 区は、定期的な妊婦健康診査のうち、公費負担で妊娠前期に1回、後期に1回の健診と妊娠後期に1万円の現金支給を実施してきました。
 国は07年1月「公費負担は14回程度行われることが望ましい」とする通知を出し、これに基づき、東京都地域保健事業連絡協議会のもとで、統一委託単価を設定し都内の実施委託医療機関では公費で受診できるようになりました。
 このような中で、区は来年度の予算案で現行の2回を5回に公費負担受診回数を増やしましたが、一万円の現金助成を廃止したのです。
 提出された陳情は、5回に拡充されことを歓迎しつつも、さらに14回への拡充を求め、同時に「5回に増えたが、まだ何回も通院しなければならない」として一万円の継続を求めたものです。
 2月24日付け「しんぶん赤旗」では、23区では20区が14回に拡充すると報道しました。豊島区は5回に拡充しても、23区最下位。本区の遅れは際立っていました。
 さて2月26日の区民厚生委員会の審査で、区は来年度5回の拡充予定をさらに14回に拡充する旨明らかにしました。拡充されることは大変結構なことですが、しかしなぜ予算案に反映しなかったのでしょうか。
 14回の健診助成では、里帰り健診など都外の実施委託医療機関外での健診を認め、この場合、現物給付ができないので、「健診後に現金給付を行う」と課長は答弁しました。14回に増え、現金給付も行われ、陳情者の願いが実施されることになったのです。
 委員会審査では、民主・区民の山口議員は、「現金給付は反対。このところは願意にそいかねる」とし、自民党の里中議員は「陳情者の気持ちはよくわかる。最後の5行のところが引っかかる」と言い、公明党の島村議員は「一万円の現金給付はわが党の主張で実現したもの」今回の拡充は「陳情者の願意以上のもの」と繰り返し発言しました。しかし私が採択を主張するも、他の委員は陳情の取り扱いについてだれも発言しませんでした。
 そこでこれを受け、委員長が陳情者の意向を確認することになり、各委員はこれに同意しました。
 翌日の委員会で委員長より、陳情者は採択を求めており、文章の訂正に応じるとの報告がありました。報告を受け、私が下の5行を削除する訂正文を提案すると、無責任にも「陳情より良い内容となっている。取り下げを」「ダメなら継続」と今度は口々に取り下げを発言。「陳情より良い内容となっている」のなら当然、採択すべきではありませんか。
 さらに3月5日の委員会で、陳情者より正式に「『ところが』以降全部削除し「ぜひ、早期に拡充していただきますよう、陳情いたします」との訂正文が提出されました。すると、今度は異口同音に、「一万円の現金支給の継続を求めていた陳情の趣旨が変わった。取り下げを」と発言し、継続審査としたのです。
 陳情は2回から5回に増えても「まだまだ何回も通院しなければならず」だから“一万円の支給を無くさないで”としていたもので、14回と大幅に拡充され、事実上、区民の願いである里帰り健診への現金給付も盛り込まれたわけですから、充実を求める陳情者の願いそのものであり、当然採択すべきものであります。
 陳情者の願いがそのまま実施されるのですから、議会として、採択こそすれ、継続などとはおかしなものです。ましてや取り下げを求めるなど全く言語道断です。
 この間、区が「やらない」というと採択せず、区が「やる」と言ったら、今度は「取り下げを」「継続」をなどと言って、これまた採択せず、これでは、区民はどこに願いを求めればいいのでしょうか。党利党略以外のなにものでもありません。

 以上、20陳情第9号「妊婦健康診査費用助成の充実を求める陳情」について直ちに採択することを求め討論を終わります。