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7陳情第21号「消費税率引き下げとインボイス制度の廃止を求める陳情」採択を求める討論をしました 儀武さとる【最終本会議10/24】
2025.10.27
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 私は、日本共産党区議団を代表して、ただいま上程されました7陳情第21号、消費税率引き下げとインボイス制度の廃止を求める陳情について、不採択とすることに反対の立場から討論をおこないます。

 この陳情は、近年の急激な物価上昇によって、区民のくらしと中小企業の経営が圧迫され、中小企業、業者は、赤字であっても納税義務をかされており、企業の経営負担は限界に達していることから、消費税率引き下げとインボイス制度の廃止を求めるものです。

 消費税は、買い物をするたびに課税されます。1989年4月1日の導入時、3%だった税率は3度引き上げられ、現在は10%です。食料品や日用雑貨など生活に必要な商品にも消費税がかかり、所得の低い人も富裕層も税率は同じです。そのため、年収200万円以下の人の負担は10.5%。ところが、年収2,000万円を超えると負担は、わずか1.8%です。逆進性が強く最も不公平な税金です。

 区の社会保障費の伸びの資料をみると、
 社会保障費の伸びを平成25年度決算と令和6年度決算を比較すると、社会保障費の伸びは、一般財源で約125億円増え、地方消費税交付金の社会保障財源分は、約45億円にとどまっています。区の持ち出しは増えています。特別会計繰り出し金は、約5億3,000万円減っています。特別会計繰り出し金が減っていることは、国保の法定外区繰り入れの解消などで、区民の負担が増えていることになります。つまり、消費税を10%に増税しても、区の持ち出しと区民の負担が増えているのです。

 では、国の社会保障の負担は、どうなっているでしょうか。
 消費税が導入される前の1988年と2023年の現在を比較しますと、医療では、サラリーマン本人窓口負担が外来で、当時は1割負担でした。現在は3割負担。それから、70歳から74歳の窓口負担、外来は800円の定額負担でしたが、現在では2割から3割負担です。それから、75歳以上の窓口負担は、外来で定額の月800円でした。現在では、1割、2割、3割と負担が増えています。年金を見ますと、厚生年金の受給年齢では、男性60歳、女性は56歳、現在では65歳です。国民年金の保険料月額で7,700円だったものが、現在では、16,521円。それから介護を見ますと、介護は2000年に開始されておりますので、保険料の徴収は40歳からですが、65歳以上の全国平均は、基準額で2,911円、現在では6,216円です。利用料は一律1割から、現在では、1割から3割と。滞納すれば、制裁措置もある。サービスについて言うと、介護は措置制度から認定制度になった。それから障害者福祉は、自己負担は応能負担だったのが、税率で1割負担。生活保護の老齢加算は当時はあったんですけれども、現在はなしです。

 社会保障は良くなるどころか、医療、介護、年金、障害者福祉、生活保護も全ての分野にわたって改悪の連続です。消費税は、「直接税と間接税の比率を見直して、法人税を引き下げてほしい」という財界の要望に応え、導入されたのです。消費税は「社会保障を守るため」と増税されてきましたが、社会保障のために必要だというのはまったくの嘘です。社会保障費の自然増分がありますが、この10年間で、1兆6,400億円も減らしているのです。つまり、国は社会保障費を減らして、国民の給付を削減し、負担を増やす。それから区の持ち出しも増えているのです。

 それでは、消費税はどこに使われたのでしょうか。
消費税導入後35年間で、消費税税収は539兆円にもなります。一方で、法人三税は318兆円減税、所得税・住民税は295兆円減収です。合わせて613兆円の減収です。消費税は、大企業や富裕層減税の穴埋めに使われたのです。

 インボイスについても触れます。
 インボイス制度というのは、これまでの免税事業者も登録申請して、承認されれば、インボイスが発行できます。政府は、インボイスがなければ仕入れ税額控除ができないようにしたため、免税事業者にとっては、インボイス発行事業者になることで、増税になります。取引先はインボイスを求めますので、発行しなければ、消費税分を値引きさせられることも考えられます。ランナーズ(株)の調査を基にした試算では、増税額は、1兆円にも上ります。1事業者の増税額は年間15万4,000円となり、大きな影響がでます。そもそも、年間の売り上げが1,000万円以下であれば、法律で消費税の納税が免除されています。免税点制度が設けられたのは、小規模事業者の実務負担に配慮することと、消費税導入時、中小企業団体の声を抑えるためでした。消費税導入時は、売り上げが3,000万円以下だった免税点制度は1,000万円に引き下げられました。税率をあげなくても新たな増税です。中小業者にとっては、本当に重い負担となっています。ですから、このインボイス制度に反対する政党は、日本共産党、立憲民主党、社会民主党、国民民主党、れいわ新選組など広がってきています。

 先の参議院選挙では。自民党や公明党を除いて、ほかの野党は何らかの消費税減税を公約に掲げていました。ですから、早く臨時国会を開いて、この問題、野党が一致すれば消費税減税、これが実現する可能性があります。しかし、自民党の総裁選でなかなか。国会が、臨時国会が開会できません。参院選が終わって、ほぼ三か月になろうとしています。一刻も早く国会を開いて、この消費税減税について、きちっと議論して実行することが求められています。

 委員会審査では、公明党、都民ファーストの会・国民、自民党、維新・無所属、無所属元気の会は、「陳情者の願意に沿うことが出来ない」とか「現段階で賛成することは難しい」などと言って、不採択としました。
 立憲・れいわは、「インボイスについては廃止すべき、しかし、税率の引き下げは、どこまで引き下げるかは、この陳情では分からない」と言って、継続審査を主張しましたが、継続が否決され、採択としました。

 よって、7陳情第21号、消費税率引き下げとインボイス制度の廃止を求める陳情について不採択とすることに反対します。 

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