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2024(令和6)年度 豊島区決算案に反対しました 小林ひろみ【本会議討論10/24】
2025.10.27
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 私は、日本共産党豊島区議団を代表してただいま議題とされました2024年度決算、すなわち認定第1号令和6年度豊島区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号令和6年度豊島区国民健康保険事業会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号令和6年度豊島区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号令和6年度豊島区介護保険事業会計歳入歳出決算の認定について、反対の立場から討論いたします。

 さて、参議院選挙がおわって3か月、ようやく21日開催の臨時国会で首相指名が行われました。物価高騰への対策としての消費税減税は先送り、裏金問題をはじめとする政治とカネの問題や企業団体献金禁止は、議員定数削減にすりかえられ、日本維新の会が支える自民党政権が発足しました。「連立政権合意」では、社会保障では、「社会保険料を下げる」を名目に「医療費年4兆円削減」を掲げる「自・公・維3党合意」の実施とその第2段階を提起し、いっそうの患者・利用者負担増、サービス供給体制の切り捨てなど医療・介護を破壊する内容です。くらし福祉を支える自治体の役割発揮がより一層もとめられることになります。

 第1に物価高騰や社会保障の改悪等で苦しむ区民生活を支えるものとなっていないこと、についてです。

☆物価高騰対策として消費税減税については、一般質問でも「国に、地方財政に影響がない形での消費税減税を求めるべき」と質問し、総括質疑でも取り上げましたが、区は拒否しました。これでは区民生活を守ることができません。
 また、総括質疑では、物価高騰策について区は、昨年度の物価高騰策のうち区独自のものは約10億円で一般財源は約6億円と答弁しました。いただいた資料によるとそのうち3億円は学校給食無償化にあてられたことがわかりました。もっと区独自の支援策をすべきであります。
 以下個別にのべてまいります。

☆エアコン設置助成事業についてです。
「熱中症対策」として一年限りとされ、今年度は予算に盛り込まれなかったが、事実上今年も実施をされています。24年度の実績は、生活保護世帯は 67.08%でしたが、高齢者世帯は、執行率17.7%と大変低かったです。高齢者世帯の対象は世帯全員が75歳以上、かつ住民税非課税ということで厳しすぎるのです。
 併用が可能という東京ゼロエミポイントは来年3月までで実施されます。実質8万円値引きできますが、対象エアコンの価格が高く、多額の自己負担がでます。他区では上乗せで7万円まで補助し、実質自己負担ゼロとしているところもあります。豊島区は、併用はできるといっても、75歳以上のみ世帯だけです。一般質問で儀武議員が紹介した事例70代と40代の親子などエアコン設置の支援が必要な人が、対象からもれています。
 8050問題や7040問題は解消されたわけではありません。困難を抱える世帯、障がい者や住民税非課税などにエアコン設置助成対象を広げることが必要です。誰1人取り残さない、という点でも重要です。

☆福祉施設への支援についてです。
物価高騰は、水光熱費、食料品だけではなく、様々な資材・材料や家賃、そして人件費も上がっています。医療や介護、保育では、勝手に値上げできないものが多く、収入である診療報酬や介護報酬、公定価格の引き上げが物価高騰に見合わず、経営が困難になっています。自治体独自の支援が求められます。
24年度当初予算に盛り込まれた「施設系・居住系介護サービス事業者支援事業」は、施設系では、職員採用の紹介業者経費などとして、また、グループホームでは施設改修のために支出されたということで、施設関係者からは本当に助かったといわれました。しかし、25年度予算には盛り込まれませんでした。
施設系・居住系介護サービス事業者支援事業の継続や、さきほどエアコン設置補助の継続や条件拡大も区独自の物価高騰対策として位置づけ、継続的な支援をするとともに、今からでも補正予算を組んででも実施すべきです。

☆生活保護についてです。
 本年10月から、国は生活扶助を一人当たり月額500円増額するとしていました。1日あたり16円程度、これでは物価高騰に全く見合いません。そのうえ、経過的加算が減額されるため、実際には500円上がらない、あるいは1円も上がらない世帯がほとんどです。それを区が通知しましたが、受け取った利用者の気持ちを考えると、いたたまれません。いのちの砦裁判の最高裁判決は国の大幅引き下げは違法と断じましたが、国は謝罪すらしない上、このような利用者を騙し討ちするような態度は許せません。
 区は夏季見舞金について国に意見を上げているとするだけ、またお米券を対象にしたとか、児童生徒への補助など努力したと言いますが、厳しい物価高騰に対し、それだけの施策では救済できないことは明らかです。理事者が言及した歳末給付金は、この年末、必ず実行し、来年度予算では、弱い立場の人に寄り添いあらゆる手立てを尽くすこと。国に対しては態度を改めるまで声を上げ続けるなど、毅然とした態度で臨むべきです。

☆高齢者の補聴器助成についてです
 補助金額の引き上げ、一度きりではなく買換えの補助の拡充など何度も取り上げてきました。第一回定例会では儀武議員、また、第二回定例会では森議員にこたえて、「検討している」としていましたが、改めて検討状況をきくとまだ検討中とのこと。早急に拡大することを決断し、実施すべきです。

☆障害のある方の支援策についてです。
 日常生活用具は、物価高騰で基準額を超えて自己負担が増えているのに、長期にわたり見直しされてきませんでした。ようやく本決算年度に5種目が見直されましたが、引き続く物価高騰に対し、まだまだ不十分です。ストマ装具を取り上げましたが、全体の大幅な拡充が必要です。
 福祉タクシー券は、2009年から3300円のままです。これを放置してはなりません。早急に改善すべきです。
 区が発送する文書の封筒に、担当課名、電話番号を点字で記す部署が増え、それに伴い利用する区民も増えました。さらに文書についても点字対応を増やすべきです。
 物価高騰が、障がいのある方、ご家族の生活を脅かしています。その救済策が不足しています。
 障害福祉課は例年残業が多い職場となっています。①ケースワークで丁寧に対応している、②虐待通報が増えた、③重度障がい者グループホームの検討が入ってきたなど、大事な施策に対応するためとのこと、デジタル化や職員間の協力も大事ですが、専門的な業務で仕事量が多いのですから、職員を増やすべきです。
 また、ニーマのような重度障がい者グループホームの増設は、喫緊の課題です。早期に土地をみつけて設置に着手すべきです。あわせて、精神障がい者の「親なきあと対策」も重要になってきています。区は、現在も拠点コーディネーターまかせきりではなく連携している、連携強化で対応するとの答弁でしたが、今後大きな課題となっていくと考えますので、知的や身体と同じく、身障センターの基幹相談支援に、精神障害者に専門的に対応できる職員を区の責任で配置すべきです。

☆教育費の負担軽減策について3点のべます。
1つ目は、奨学金制度についてです。物価高騰で、大学、専門学校等の学費値上げが相次いでいます。親に頼ることができない。進学を諦めた。入学したがアルバイトで睡眠と学習の時間が削られた。こうした声は低所得世帯だけでなく、幅広い世帯の親と子どもから寄せられます。給付型奨学金制度を実施している区は6区と増えました。検討している区もありますが、相変わらず、区独自の制度創設は考えていないとの答弁。考えを改めるべきです。
 今回、返還支援型の奨学金支援制度の提案をしました。中小企業や介護、保育分野などの人手不足解消にもなります。早期実現が求められます。
 2つ目は、就学援助についてです。繰り返し認定基準の見直しを求めてきました。この間、足立区、杉並区、墨田区が引き上げています。第二回定例会で森議員の質問に検討するとしていましたが、質疑では基準額の引き上げ、支給費の引き上げを議論していると答弁がありました。大幅な引き上げを求めます。早期に決定し、来年度実施すべきです。
3つ目は、私費負担についてです。各区が、移動教室、修学旅行の全額助成、教材費など学用品への助成、標準服の無償化、10万円の入学準備金など、様々な対策を打ち出している中、完全に立ち遅れています。各区は、都の給食費無償化の補助を活用して対策していますが、本区は全額、給食費に充ててしまっている。こうした考えでは支援策は広がりません。保護者のみなさんから実施してほしいと、たくさんの要望が寄せられています。こうした声に応えるべきです。

☆小中学校のタブレットは全児童・教職員に配布することが必要です。臨時職といえども教員にタブレットが配布できないというのは、改善すべきです。同時に、保護者から「低学年にはタブレットが重すぎる」との声がわが党にも届いています。機種の変更ができないというなら、学習のための道具の一つであり必ずしも毎日持ち帰る必要はないので、改善策を検討すべきです。

☆命をまもる観点から2点のべます。
 防災についてです。
 能登半島地震から2年が経とうとしていますが、被災者救済、復興は遅れたまま。日本の災害対策が、いかに整備されていないかが明らかです。
 地震発生直後は、避難できる場所を求める人が最もあふれかえります。ところが、区の防災計画では、救援センター開設前は、公園等の一時(いっとき)避難場所しかなく、近くの区有施設を利用するという視点がありません。発生直後、多くの区民が雨露、寒さをしのぎ、情報を収集し、必要であれば救援センターを案内する場所として、区の屋内施設等を開放することも準備しておく必要があります。
 自動体外式除細動器AEDについてです。
 2018年にファミリーマートと提携し、24時間使えるAEDは、84台にとどまったままです。昨今、人命救助への意識の高まりからドラッグストア、コンビニでも設置が増えています。設置台数の確認、無いところへは設置の働きかけを行うなど、民間との連携が大事です。また、区有施設における、24時間使えるAED設置が求められていますが、増えておりません。区民の命を守るという視点が不足しています。早急な対策が必要です。

☆子どもスキップについて
学童クラブ職員の正規二名体制ができたこと、産休育休がとれるような採用の継続もするとのことは、評価します。予算でも指摘した、正規3名体制も要望します。
しかし、もう一つの問題、スペース確保についてはまだ不十分です。学童クラブの待機児童がゼロとなっているのは、学童の子どもの居場所である「コア」だけでなく、教室やホールなどを「セカンド」「サード」として利用面積に加え、定員を増やしているからです。しかし、利用しているのは学童クラブの児童だけでなく、一般利用もいるので、すし詰めになっているところもあります。
利用者が増えている学童クラブの「コア」の確保ができていないのは、認められません。

☆保育についてです。
 会計年度職員の時給が、保育士資格者では 時給1651円、周辺区である新宿区が1951円、文京区1955円と比べ低すぎます。この改善をもとめましたが「上げるつもりはない」とのことでした。改善が必要です。
来年四月からの「こども誰でも通園制度」について、豊島区では、「こどもつながる定期預かり事業」としています。ゼロ歳の子どもが泣きっぱなし、でも三か月たてばなれる、というのは、利用できる6か月のうち半分が泣きっぱなしということで、担当する保育士の心理的負担だけでなく、子どもの最善の利益になるのか、他の子どもへの影響はなど、「こどもまんなか」の理念とはかけ離れています。最低でも、保育士の配置基準を改善し、区立園では、専用室の確保と正規職員の配置、私立園では、施設整備支援、定員定額制での補助などが必要です。

☆住宅についてです。
 物価高騰は食料品だけでなく、家賃も高くなっています。23区平均で単身用賃貸マンションは10万円を超え、世帯用と思われる50㎡程度で16万円、70㎡で24万円などと報道されました。住宅相談の内容でも「高額家賃の負担」が昨年度は年間642件、今年は4月から8月までで既に573件となっています。
拡充した子育てファミリー家賃助成も8月まで新規は7件しかありません。結果、現状は165件の助成となっています。実態に合っていないのであります。
 資料をいただいたセーフティーネット住宅への家賃補助、「家賃低廉化助成件数」は、24年度20件にふえ、また今年8月末現在は40件に増えていますが、そのうち24件は高齢者向け優良賃貸住宅(ベラカーサ南池袋)がセーフティネット住宅に移行した分の補助であり、家賃補助をうけている世帯が増えているわけではありません。
 公営住宅の増設と住み替えでない家賃助成の創設が必要です。

☆バイク駐輪場についてです。
 昨年、第4回定例会で、森とおる議員が取り上げたところ、答弁は、充実している公共交通を利用すればいいであるとか、特段の要望は寄せられていないというもので、区民の声を聞く態度が全くありませんでした。国でさえ、長年、都内は設置要望が多いとしているにも関わらず、区民の声は完全に無視されてきました。
 本定例会で、「豊島区にバイク駐輪場を増やすことについての陳情」が、(都市整備委員会で)全会一致で採択されました。今回の質疑では答弁が変化し、要望がたくさん届いていることを認めました。これまで何も手をつけてこなかった態度を改め、スピード感を持って、できることから順次実行すべきです。

☆公園について
今年度高松3丁目に公園を作る計画が明らかになりました。千川中学校プール跡も公園になる予定で、この地域に公園が増えることは評価します。しかし、一人当たり公園面積には、影響が出ないほどの少ないものであり更なる拡大を求めます。かつては、放課後の子どもの見守りの「公園指導員」がいましたが、行革で廃止してしまいました。保育園からは、午前中の公園で子どもを遊ばせるときに子どもが飛び出さないように、見守ってくれる方が欲しいと要望が出ています。ぜひ、配置すべきです。

 以上のことから、物価高騰や社会保障の改悪等で苦しむ区民生活を支えるものとなっていないということであります。

 なお、もうしあげます。以下の三点については、区の対応を大きく評価しつつも、さらなる対応を求めるものです。

☆平和問題として、本年8月、長崎市で開催された平和首長会議の核兵器廃絶に向けた取り組みの推進について、核兵器禁止条約に署名・批准を強く要望した要請文と、区長の考えが同じであることが分かりました。この立場で国に対し要望することが求められます。
☆民泊についてです。
 ホテル・旅館を営業するには、手数料を収めて許可をとることが必要ですが、それでも、住居専用地域には設置できません。一方同じく宿泊料を受けて人を宿泊させるものであっても、「民泊」は届け出制で手数料もありませんし、住居専用地域にも設置できることになっています。
 豊島区では、2018年に「住宅宿泊事業にかかわる条例」を制定しました。その際、わが党は、他自治体で実施しているように住居専用地域や学校保育園近くでは設置を制限するよう求めましたが、当時の区は制限をかけないままで、わが党は反対しましたが、賛成多数で可決されてしまいました。
 2019年になって区は苦情が多いため一年前倒しで改正を検討すると表明したものの、2020年コロナ禍がきて、それどころでなくなった経過があります。
 現在、急増する民泊についての苦情をうけ、民泊条例の改正が検討されています。高際区長は住民の声を大事にして「区民の生活環境を守る」「規制すべきは規制する」という姿勢であり、これにはわが党も賛同します。そもそも旅館業が禁止されている住居専用地域に民泊という宿泊施設を設置し営業するのに「届出制」でよいなど国自体がインバウンド優先で規制緩和をしているのが間違っている、結局その後始末を自治体がやらされているようなものです。また、民泊への苦情などをめぐり、外国人への差別排斥の気分が醸成されることはあってはなりません。そういう意味でも、国の制度設計が間違っていることを強く主張すべきです。

☆南池袋葬祭場についてです。利用率が下がっているので、利用時間の柔軟化とか葬祭組合への周知をするなどしているとのことでした。最近は、落合などの火葬場を式場とすることも多く、遠くて参列しずらい、という声もあり、また、お通夜はやらずに葬儀だけ、という場合もある、など葬儀のスタイルが変わってきています。さらに改善して、区民に使いやすい施設とするよう要望します。

 次に第2の観点、自治体本来の役割を投げ捨て大企業と来街者のためのまちづくりや無駄な開発を進めていないか、についてです。

●再開発についてです。
 南池袋二丁目C地区の北街区は、デベロッパー住友不動産によりグランドシティタワー池袋として販売され、面積は100平米以下でありながら、中心販売価格帯は、第1期が1億6,000万円、第2期が2億円、現在は2億数千万円と右肩上がりです。坪単価、畳2枚分が一千万円をゆうに超えるという、異常なまでの超高級マンションです。区は購入する方の情報はわからないと答弁しましたが、節税対策や投機目的の富裕層が購入しているといわれています。
 さらに、第1種住居地域で容積率300%しか建てられない地域なのに、建築条件を800%に緩和し、容積除外部分を含めると1000%を超える巨大な建物にすることを認めることで、販売戸数を大幅に増やし、デベロッパーの利益を後押ししています。
 しかも区は、交付金事業者として南街区を含め、本決算年度は40億円の支出、今年度は148億円を支出予定、総事業費1,279億円に対し補助金総額は337億円。補助割合は26%を投入します。区は、公共的な役割を果たす民間再開発事業の側面支援と言いますが、デベロッパーが巨額の富を得ているのに、337億円もの莫大な税金を投入するなど、もってのほかです。これまで投入した税金の返還を求めるてもよいくらいです。
 南池袋二丁目28番街区については、権利者は8人とされ、公表されていませんが、現状、都市銀行など金融機関が入っている建物もあります。池袋東口ACD地区内にある街区ですが、地区内は、多くの所有者が老朽化した建物の建て替えが困難になっているのに、28番街区に限定し、建築条件を緩和し、税金投入することになり、不公平です。今よりも2倍以上高い建物が建ち、南池袋公園などに環境悪化を及ぼすような規制緩和はやめるべきです。

 東池袋一丁目地区は、本決算年度は2億8,000万円、今年度は9億7,000万円を予定、総事業費1,370億に対し補助金総額347億。補助割合は25%。学校改築には7%から8%しか来ないと嘆く前に、国に制度設計が間違っていると是正を求めるべきです。
池袋駅西口にも再開発計画があります。
 これからますます人口減少、高齢化社会が深刻になり、在宅ワークなど働き方も多様化している中、区民と一緒に膝と膝を突き合わせて考え、人にも環境にもやさしい、まちづくりへと転換することが強く求められています。区がすすめているのは、国、都と一体の再開発は莫大な税金投入。これだけの税金があれば、区民が求める物価高騰対策が実現できます。また、学校改築の財源確保に見通しが立つことは間違いありません。そうすれば、今後、基金を積み増しを優先することなく、財源を福祉・教育に振り向けることができます。今の再開発は、まさに大企業優先の政治の極みです。

●イケバスについてです。
 8年間で区の支出総額は、本決算年度で10億円を超えました。効果としてイケバスが走っていることで池袋の価値が上がった、イメージが上がったと言いますが、多くの区民には全く実感がありません。
 運行前、黒字になる計画が議会へ示されましたが、これは立ち乗りの乗客を含めて満席の21名で試算されていました。運航当初のほとんど誰も乗っていない状況もわずかに改善されたようですが、これまでに使った10億円の税金は無駄遣いと言わざるを得ません。
 運行を続ければ続けるほど、無駄な税金が使われる事業です。来年度に見直すとしていますが、見直し内容が不明確です。運行については直ちに廃止し、区民の生活の足、コミュニティバスに舵を切るべきです。

●特定整備路線、都市計画道路、補助73号と82号についてです。
 池袋本町を十字に通る道路計画で、昭和21年に計画決定した路線です。全国では、時代にそぐわず見直すケースがある中で、都は突然、木密地域不燃化10年プロジェクトだ、オリンピックまでに作ると「特定整備路線」を打ち出し、これには疑問や反対の声が続出しました。しかし、豊島区は7路線すべてを受け入れたのです。すでに10年はすぎたが完成せず、事業期間は2030年度末まで延長されています。
 住民からは今でも様々な意見が出ています。例えば、鉄道交差部がアンダーパスだと北池袋駅利用のアクセスはどうなるのか、特にアンダーパス部分について歩行者の横断はどうなるのか、73号線と82号線の交差部分はどうなるのか、さらには、明治通りと山手通り、川越街道から、たくさんの車が入ってきたら困るなど、住民の不安は一向に解消されていません。また、仮児童遊園がなくなり、区民ひろば本町は移転を余儀なくされるという区政の問題なども数多くあります。区民と議会に、きちんと説明し、疑問、不安を解消しなければなりません。
 理事者は、東京都は「池袋本町新しい街づくりの会」いわゆる街づくり協議会で説明している、で済ませていますが無責任です。区は、巨額の税金が使われる計画を受け入れた責任があります。区民の安全と生活を守るという責任を果たすべきです。
 一方、私道はデコボコ傷んでいるところが大変多いと相談が相次ぐのが豊島区の特徴です。助成率を100%にしているのは14区。わが党は、長年この問題に取り組んできましたが、区は助成率の引き上げをしようとしません。都市計画道路には巨額の税金、ハレザ周辺等の道路には多額の税金が使われる。税金の使い方が間違っている典型です。
 このように、区民にとって不要不急の事業を進めており、認められません
よって、一般会計決算の認定に反対するものです。

 次に、3特別会計についてです。
 最初に、国民健康保険事業会計についてです。
 1人当たり保険料は、23年度、24年度と、旧但し書き方式以来、2年連続の過去最大の値上げで、加入者の暮らしに大きな影響を及ぼしました。被用者保険に比べて、年齢構成が高いため医療費が高い、無職、低所得者が多いという、構造的な課題があるとしていながら、また、健康保険料を上げないよう取り組んでいると言いながら、23区統一保険料を理由に、独自の負担抑制策、法定外繰入を減らし、実際には保険料を上げています。
 加入者から、物価高騰の中、保険料が高過ぎて生活が苦しい、払えずに滞納している、どうしたらいいかなど、たくさんの切実な声が寄せられます。このままでは、区民の生活、命と健康、国保制度そのものが破綻することになります。
 よって、国民健康保険事業会計決算は認められません

 次に、後期高齢者医療事業会計についてです。
 22年10月から、年収200万円以上の方などが2割負担となりました。それでも「配慮措置」で23年度、24年度は、月3,000円までに負担が軽減されていましたが、10月からこれが無くなり、さらに負担が増えることになります。窓口負担2割の人数は、今年8月末時点で6,928人もいます。物価高が続く中で、負担が増え受診抑制につながる、命にかかわる問題です。
 よって、後期高齢者医療事業会計決算は認められません

 次に、介護保険事業会計についてです。
 ある高齢者の事例を上げました。年金所得が少しふえたが、保険料が第二段階から第三段階にあがったことで、(年間約1万8,000円増)、8月年金の支給の時には、4,800円だったのが、10月からは12,000円以上引かれることになりました。物価高の中、実質生活費がさらに目減りしています。
 介護保険給付費準備基金は、25年3月末で43億8,000万円、利子や決算剰余金4億9,000万円を加え、25年度取り崩す予定の2億4,800万円を引いても、46億2,200万円と積みあがっています。次期介護保険計画で引き下げるのは当然のこと、そもそも今期ももっと下げるべきでした。
 かつて、要介護度の区分変更(要支援から要介護)のときに、いわゆる「暫定プラン」の利用が厳しくて、「要介護にならなかった場合には、ヘルパー利用料は1割でなく10割全額自己負担となる」と言われて、区分変更の申請をあきらめた事例があり、これは改善されました。今回、要支援から要介護への区分変更の際、ヘルパー事業所の指定の関係で「ヘルパーは1時間3,000円以上も自己負担になるといわれてヘルパーがを断った事例がありました。仕組みが複雑になり、わかりずらい制度で、結局利用できなかったのです。
 高い保険料を払っても必要な介護がうけられない、介護保険事業会計は認められません。
 以上のことから、3特別会計の決算の認定に反対するものです。

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