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一般質問
2025(令和7)年第2回定例会 一般質問を行いました 森とおる【7/1(火)】
2025.07.02

 日本共産党、森とおるです。会派を代表して「希望ある未来の豊島区へ」と題し、一般質問を行います。
 第1に、物価高騰対策について
 第2に、戦後80年を迎えて
 第3に、不登校対策について
 第4に、保育について
 第5に、マイナ保険証について
 第6に、民泊について
 第7に、性感染症対策について
 第8に、再開発についてです。

●第一の質問、物価高騰対策についてです。
 6月22日投開票の東京都議選で、日本共産党は「物価高騰対策として消費税減税を東京から切り開こう」と政策を掲げ、米倉春奈都議会議員が4期目の当選を果たしました。
物価高騰はあらゆる商品、公共料金やサービスに及んでいます。消費税を5%に減税すれば、平均的勤労者世帯で、年間12万円の減税になります。所得税・住民税非課税の方も、子どもから高齢者まで、誰でも減税になります。食料品だけを非課税にした場合と比べても、2倍の効果があり、税率が一律になることでインボイス制度も無くなります。財源は、赤字国債に頼らず、大企業優遇税制や、所得が1億円を超えると、税負担率が下がる「1億円の壁」を見直すことなどで、必要な15兆円は確保できます。
共同通信社が行った世論調査で、自民党が物価高騰対策として参院選公約に掲げた、一律2万円給付について反対は、過半数を占め、消費税減税・廃止を求める回答は73.2%となりました。
 そこで質問します。
(問)昨年、第2回定例会で儀武さとる議員が一般質問で、消費税減税を取り上げたところ、副区長は、消費税法第1条では、消費税の収入について、「制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てる」と規定されているので、消費税率を引き下げた場合、社会保障財源が確保できなくなるといった答弁でした。しかしこの規定は、消費税が導入された時はなく、20年以上経った消費税率を5%から10%に段階的に引き上げた時に、増税の言い訳として持ち込まれたもので、実際には大企業、富裕層への税優遇に使われたのです。改めて伺いますが、国に対し消費税減税を求め、多くの区民の願いに応えるべきです。所見を伺います。

◎次に、区長の政治姿勢について伺います。
 区民から、私に寄せられる声は「賃金が上がらないので食事を減らしている」とか「小学生の子どもの体重が減った」とか「もう限界、生きていくのが辛い」という高齢者など深刻な事態です。
日本共産党は、予算編成時から、区民の暮らしと営業を守るための施策の実行を、強く求めてきました。ところが当初予算では、前進どころか、昨年度に行っていた施策さえも見送り、削減したため、予算委員会で徹底追及しました。そして、改めて5月29日に、区長申し入れを行いました。
そこで質問します。
(問)物価高騰が、とどまる事なく続き、区民の暮らしと営業は深刻です。長引く物価高騰について、どのように考えていますか。また、どのような手法で、区民生活の実態の把握を行っているのか、お聞かせください。
(問)これまでの物価高騰対策等の取り組みについて、どのように総括しているのか。これまで以上の努力が必要と考えますが、いかがでしょうか。
(問)エアコン設置助成の復活や、今定例会の補正予算に、いくつか物価高騰対策や、都の補助を活用した施策などが盛り込まれました。しかし、当初予算から、それらの施策を盛り込むことは、できたのではありませんか。
(問)この間、国と都の動向を見守るという答弁が、多く見受けられますが、これまで国と都に対し、何をどのように求めてきたのでしょうか。
(問)今まさに、区民の命と暮らしを守るという政治姿勢が、何より求められています。区民救済策が、遅れるなどあってはなりませんが、いかがでしょうか。所見を伺います。

以下、個別の施策について具体的に伺います。
◎1つ目は、住まいの問題、家賃助成についてです。
 23区の新築マンションの平均価格は1億円を超え、10年間で1.7倍に。中古マンションも1.7倍です。それが賃貸マンションに波及し、1.4倍に上昇したとされています。「豊島区には住めない、住み続けられない」という声が寄せられます。住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台です。安心して暮らせる住まいの提供は、政治が果たすべき責任です。
そこで質問します。
(問)多世代近居・同居支援事業は、引越し代と改修工事費に、最大20万円の助成のみですが「これだけでは豊島区に帰ってくることはできない」という声が寄せられます。他区が実施しているような、家賃助成をセットにした制度に改善すべきと考えます。
(問)本区は、住宅対策としてセーフティネット住宅を拡充したといいますが、「部屋が狭い、家賃が高い」などの声が寄せられます。杉並区は、今年度から低所得者に対し、区営住宅の優遇抽選に落選した、ひとり親、多子世帯を対象に、1年間30万円の助成と、安い家賃の住宅へ転居を希望する際、賃貸契約費用と引越し代に、単身世帯15万円、2人以上世帯20万円の助成といった新しい制度を始めました。本区においても区民の声を反映し、新たな家賃制度を創設すべきですが、いかがでしょうか。

◎2つ目は、生活保護対策についてです。
 低所得者ほど、物価高騰の影響を強く受けています。利用者は「食べることに困っていて、今日一日をどう乗り切るのか必死」と言います。国は生活扶助に現行の特例加算、月千円に、10月から500円を上乗せしますが、焼け石に水です。
 そこで質問します。
(問)物価高騰が生活保護世帯に大打撃を及ぼしていることについて、憲法25条「健康で文化的な最低限度の生活」に照らし、どう考えますか。
(問)国に対し、生活扶助費の引き上げを強く求めるとともに、港区が行なっている夏季・冬季見舞金を実施すべきです。
(問)先月、利用者から「12月から家賃が1万円値上げされるので、ケースワーカーから引っ越すように言われて困っている」と相談がありました。どこでも家賃が上がっているのに、住宅扶助費が上がらないのはおかしい。妥当な上限額に改めるよう、あらゆる手立てを尽くすべきですが、いかがでしょうか。

◎3つ目は、教育費負担軽減策についてです。
 日本共産党は、憲法26条「義務教育は、これを無償とする」に照らし、保護者の費用負担軽減、無償化の実現に、一貫して取り組んできました。物価高騰のもとで困窮する子育て世帯への支援の拡充が、23区で進められています。昨年9月、葛飾区が小中学校の修学旅行費と、移動教室の無償化と、教材費の一部を補助することを表明。その後、足立区は、補助教材費の無償化に加え、来年度に向けて、小中学校の新一年生全員に、ランドセルや制服、体操着などの購入費用として、一人10万円の入学準備金を支給する方針を示し。品川区は、中学校標準服の無償化を実現。給食費の無償化についても新宿、文京、中野といった隣接区が、私立やインターナショナルスクール等への支給拡大を行なっています。
 そこで質問します。
(問)教育費負担軽減策は、他区に遅れをとることなく、先進的にすすめることが求められますが、検討状況をお聞かせください。
(問)就学援助の認定基準額の引き上げを、繰り返し求めてきました。この間、足立、杉並、墨田区が引き上げています。現行の生活保護基準の1.2倍を1.5倍にするなど、大幅に引き上げることを求めます。
(問)経済的理由で、大学等への進学を断念せざるを得ない、退学せざるを得ないなど深刻な声が相次ぎます。給付型奨学金制度について、港、足立、品川区などが実施し、他区でも今後の実施に向けて検討を進めています。改めて、給付型奨学金制度の実現を求めますが、これまでの検討状況を含め、お答えください。

◎4つ目は、高齢者補聴器購入費助成についてです。
 年齢を重ねると、だんだん聞こえにくくなると加齢性難聴になります。すると、コミュニケーション能力の低下、認知症やうつ病、孤立といったリスクが増えます。区民から「会話の聞き間違えが多い」とか、家族の方からは「父に何回電話しても出ないので心配した」などの声が寄せられます。
日本補聴器工業会の2022年の調査資料によると、世界16カ国の補聴器普及率は、デンマーク55%、英国53%、フランス46%、オランダ、オーストラリア、韓国と続きます。一方、最下位は中国10%、これに次いで低いのが、日本の15%です。その要因に、補聴器購入の費用助成率が、諸外国は60%から90%台であることに対し、日本は8%しかないからという指摘があります。
都は「高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業」を実施し、住民税非課税者144,900円、それ以外は72,450円を上限とし、2分の1の補助を行っています。この事業を最大限活用する区が増えています。江東区は、今年4月に所得要件を撤廃し、助成額を3万円から72,450円に増額し、助成回数も5年を過ぎると、再度、助成が受けられるようになりました。他にも葛飾、中央、千代田、文京、港、品川区が増額しました。また、全国では、年齢を18歳以上としている自治体が目立ってきており、新潟県の市町村の多くが実施しています。
本区は、65歳以上、住民税非課税者は上限5万円、課税者は2万円を、1回限りの助成で、立ち遅れています。
 そこで質問します。
(問)補聴器の重要性をしっかり周知することで、もっと多くの方に補聴器を使用してもらうことができます。助成制度を活用した方に、使用した感想を求めるなど、調査に協力してもらい、結果を公表してみてはいかがでしょうか。
(問)補聴器は片耳で10万円程度から30万円以上するものもあり、低所得者にとっては、買いたくても買えないという問題があります。本区も制度の拡充が必要です。助成額の引き上げや、5年経過したら再度利用できるようにすることや、対象年齢の拡大、そして生活保護利用者が、利用できるように改善していただきたいと考えます。
(問)また、大幅に制度を拡大するため、国に対し補助制度の実施を求めるべきです。

◎5つ目は、高齢者エアコン設置助成についてです。
 昨年度、実施していた事業を復活し、助成金額を10万円に増額した点は評価いたします。しかし、対象が75歳以上であり、75歳未満の方から「利用できるようにしてほしい」という願いが寄せられます。昨年度の利用件数は38件にとどまりましたので、さらなる条件の見直しが必要です。
そこで質問します。
(問)他区では、対象年齢を設けていない区や、65歳以上にしている区があります。また児童扶養手当を受給していることを、対象にしている区もあります。多くの区民に利用してもらえるよう条件を緩和し、補正予算を組んででも改善すべきです。明確にお答えください。

◎6つ目は、シルバーパス負担軽減策についてです。
 都は、10月から住民税課税者の、年間20,510円を12,000円に引き下げることを決定しました。それを受けて、荒川区が、11,000円を補助し、非課税者と同じく千円に軽減することを決定しました。元々シルバーパスは無料だったのを、知事と与党が大幅に値上げしたことが問題です。
そこで質問します。
(問)荒川区の決断は、物価高騰対策に加え、高齢者の外出機会を増やすことで、健康や利便性の向上、地域の活性化につながり、支出以上に多大な効果が見込まれます。本区においてもシルバーパス負担軽減策を実施すべきです。見解を求めます。

◎7つ目は、高齢者紙おむつ等支給についてです。
 私は昨年、第4回定例会一般質問で、住民税非課税という条件を緩和し対象を広げることと、上限額7千円を引き上げることを求めました。今年度から8千円に上がったことは評価いたします。ところが、9月から実施のため、利用者から「おむつが4月から値上げされて、3千円が持ち出しになり困っている」という相談がありました。
そこで質問します。
(問)4月から上限額を変更していたら、自己負担は少なくて済みました。なぜ5か月もかかるのでしょうか。ただちに実施すべきです。また、千円相当の引き上げで、物価高騰に見合っていると言えますか。明確にお答えください。

◎8つ目は、公契約条例についてです。
 物価高騰を上回る賃上げが必要です。区民からは期待が寄せられ、実効性ある内容にすることが求められています。事業者の経営環境を改善しながら、地域経済全体の底上げ等の丁寧な制度設計が必要不可欠です。
そこで質問します。
(問)公契約条例を対象とする事業は、どれだけあると見込んでいるのでしょうか。その効果について試算した内容をお聞かせください。
(問)先行自治体では、労働報酬下限額を見直し、賃金引き上げをすすめています。杉並区1400円、新宿区1438円、渋谷区1426円、世田谷区1460円と、1400円台が軒並み増えています。後発の本区としては、それ以上の金額にすることが求められますが、いかがでしょうか。所見を伺います。

●第2の質問、戦後80年を迎えて。
 5月3日、自民党の国会議員が、ひめゆりの塔をめぐり「歴史の書き換えだ」などと事実誤認の発言をしたことが大きな問題になり、沖縄の人々を始め、多くの批判が相次ぎました。私は宜野湾市に住んでいたとき、数多くの犠牲者が出た事実を、戦争体験者から聞きました。実相を認識せず、歴史を修正し無かったこととして、戦没者や戦争体験者の尊厳を踏みにじる姿勢に怒りが込み上げます。戦後80年の節目を迎えた今こそ、事実を正確につかみ、語っていくことが重要です。その結果、平和な次の時代が始まるものと考えます。
 そこで質問します。
(問)戦争の記憶、原爆の記憶を次世代に繋いでいくことについて、どのように考えますか。
(問)区長は招集あいさつで、今年の平和事業の展開について述べました。戦後80年の節目にふさわしい充実した内容にしていただきたいと考えますが、戦後80年経った今、区長の戦争と平和への思いを、ぜひお聞かせください。
(問)47都道府県中、非核平和都市宣言を行っていないのは、東京都を含め、わずか5都県です。都に対して宣言を行うよう求めるべきです。
(問)また、広島や沖縄、大阪など各地には、公立の平和祈念館などが設置されていますが、都では建設計画が、四半世紀を超えて凍結されたままです。直ちに着手するよう強く求めるべきです。
(問)都には、横田基地など7つの米軍基地があります。戦後80年経つのに、いまだに巨大な外国軍の基地があること自体、世界からみても異常です。横田基地で発がん性が指摘されるPFAS、有機フッ素化合物汚染水の漏出事故が発生し、立ち入り調査で、浄化を行った後のサンプルを分析した結果、日本の暫定目標値を下回ったとされ、雨水排水路に放出されています。過去には、浄化措置を取らずに放出していたと見られていますが、社会問題となっているPFASに、区民から不安の声が寄せられます。区民の命と健康を守る立場として、この問題をどのように捉え、どう取り組んでいるのか。見解を伺います。
(問)6月21日、アメリカ、トランプ大統領が、イランの核施設を空爆しました。各国から国連憲章違反だと、批判の声が上がりますが、この問題についてどのように考えますか。核施設への攻撃は、ジュネーブ条約などで明確に禁じられており国際法違反。放射性物質の漏出や、環境汚染をもたらす危険性があります。これにトランプ氏は、広島と長崎への原爆投下と本質的に同じことだとし、戦争を終わらせたと主張しました。決して許されぬ言動です。これまで区長は、核兵器の使用を示唆したプーチン大統領宛に、臨界前核実験を行ったトランプ大統領などに、要請書や抗議文を出しています。今回の問題についても、至急、抗議すべきです。所見を伺います。

●第3の質問、不登校対策についてです。
 小中学校の不登校は、この10年、全国で3倍に急増し、35万人近くになりました。これまで少なかった、小学校低学年でも増えています。本区の区立小中学校において、担当課に確認したところ、2015年から2023年の8年間で、小学校は26人から156人に増え、出現率は1.68%と、4.8倍に増加。中学校は83人から218人に増え、出現率は7.8%と、2.5倍に増加しています。
不登校の子どもの多くは、さまざまな理由で心が折れた状態にあり、学校や社会のなかで違和感を抱え、傷つき、がまんにがまんを重ねたすえに、登校できなくなります。「学校に行けない自分は生きる価値がない」と自分を責め、深刻な場合には医療支援を必要とすることもあり、まさに子どもの「いのち」の問題です。
ところが国の不登校対策は、不登校経験者の反対を押し切って制定された、教育機会確保法のもとで、学習活動への支援が中心です。「COCOLOプラン」では、タブレット端末による不登校気味の子どもを早期発見し、行き渋り傾向の子どもを、あの手この手で登校させることに重点が置かれています。2023年に行なった、不登校当事者ニーズ全国調査によると、子どもの最も嫌だったことは「登校強制・登校刺激/望まぬ干渉・接触」の44.7%です。子どもは「不登校を認められる・理解される」ことが一番うれしかったと言います。子どもの権利を土台に、子どもの心の傷への理解と、休息・回復の保障を基本にすえることが大事です。
 そこで質問します。
(問)学校に行きづらいと感じている児童・生徒が、どのようなことに困難を抱えているのか、相談体制はどのようになっているのかなど、アンケートを実施し、実態を把握することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
(問)学校以外にも、学習に限定しない居場所の整備が必要です。本区は、小学生は、原則、校内の子どもスキップに、中高生は2カ所の中高生センタージャンプにしてしまいました。全ての児童館を廃止したのは間違っていたのではありませんか。まずは、図書館、区民ひろばの活用が重要ですが、早急に体制を整えるべきです。区民ひろばについては、児童館機能を復活し、子どもたちが、いつでも安心して利用できる施設に整備し、人員体制も充実すべきです。見解を伺います。

◎次に、親への支援についてです。
親は子どもの不登校にとまどい「育て方に問題があるのでは」という自己責任論に傷つくこともあります。多くの人が問題を抱えきれず「不登校離職」などで収入が減り、食事や外出、学びなどの支出が増え、経済的困難に直面しています。母親だけが対応に疲弊するジェンダー格差もあります。これらは社会の問題として、捉える必要があります。
そこで質問します。
(問)都は昨年度から、フリースクール等の利用者に、毎月2万円を上限とした助成金を支給していますが、十分ではありません。また、昼食代や、子どもによっては交通費等がかかるケースもあります。義務教育は無償です。国に対し、助成制度の創設を求めるべきです。当面、区が独自に、他区が行っている助成制度や、昼食代の補助を実施すべきです。
(問)厚生労働省は、本年1月、介護休業制度を見直し、不登校についても利用できる旨を明示しました。不登校は介護休業の対象であるということを、広報、ホームページ等で広く周知すべきです。
(問)また、不登校の子どもを抱えている区職員が、介護休業制度を利用できる体制を整えているか、お答えください。

◎次に、子どもを大切にする学校に改革することについてです。
 不登校の急増は、学校での競争と管理を、エスカレートさせてきた国の責任です。当事者ニーズ全国調査では、子どもの「学校に行きづらいと思い始めたきっかけ」の、上位三つは「先生との関係」「勉強はわかるけど授業が合わない」「学校のシステムの問題」とされ、少なくない子どもが「学校が嫌い」と言います。そして、子どもの36.9%、保護者の69.8%が「学校が変わってほしい」と望んでいます。ところが文科省は、不登校の要因は「個々の状況によって多様」というだけで、政策への反省がありません。不登校への対策として、こうした教育政策そのものの改革が必要です。
 そこで質問します。
(問)2020年度から始まった学習指導要領により、忙しすぎる学校になったと考えますが、いかがでしょうか。
(問)学力テストが、学校間を点数競争に巻き込み、教員、子どもの双方にプレッシャーとストレスを与えていると考えますが、いかがでしょうか。
(問)この間、子どもだけでなく、教員も追いつめられてきました。長時間労働が止まらず、精神性疾患で病休となる教員も急増し、教員不足が社会問題になっています。子どもと教員の温かい触れ合いを増やすことが、不登校対策の一環ですが、どのように考え、どのような対策を行なっているのでしょうか。
(問)長時間労働の解消策と、不登校対策として、30人以下学級が有効ですが、どのように考えますか。国に対し、教員定数を抜本的に増やすことと合わせて、強く求めるべきです。見解をお聞かせください。
(問)学校は、権利の主体としての子どもの育ちを保障しなければなりません。そのためには子どもの声を大切にする学校が必要です。子どもの人権学習を行うなど、現在の不登校対策を、子どもの個別救済制度から、学校全体の制度改善をすすめる検討をしてみてはいかがでしょうか。所見を伺います。

●第4の質問、保育についてです。
 来年度から、「こども誰でも通園制度」が実施されようとしています。国は、就労要件を問わず、時間単位で利用でき、保育所等に通っていない子どもも含めて、全ての子どもの育ちを応援し、良質な成長環境を整備するとしています。しかし、日本共産党は、第一回定例会の一般質問で、小林ひろみ議員が取り上げたように、事故のリスク、保育の質等に問題があると考えています。
 本区では、都の事業「多様な他者との関わりの機会の創出事業」を活用し、2023年度から「こどもつながる定期預かり事業」を始めており、3園で実施していた区立認可保育所では、7月から4園を加えて7園に、私立認可保育所・地域型保育事業では、25園で行われています。
 そこで質問します。
(問)こども家庭庁が、今年3月「こども誰でも通園制度」の実施に関する手引きで、制度の概要を示しました。来年度から実施予定ですが、こども基本法の基本的な考え方である「こどもまんなか」を体現するものでなければならないと考えますが、どのような認識を持っていますか。
(問)また「こどもつながる定期預かり事業」との整合性をどのように図り、制度を導入していくのか、お答えください。
(問)「こどもつながる定期預かり事業」において、保育現場からどのような意見が寄せられているのでしょうか。改善すべき点などの声が届いていたら、お聞かせください。また、区が、問題や課題として捉えている点についても、お聞かせください。
(問)私に寄せられる声は「慣れない場所に連れてこられた子どもたちは、ずっと泣いていることが多く、在園児ともに現場にストレスの連鎖反応が生じている」とか、「子どもとの信頼関係を築くには、1年くらいかかるが、日替わりの受け入れでは厳しい」とか「事故の危険性が増す」などです。こうした声をどのように受け止めていますか。また、今のままで子どもたちの安全が守られると考えているのでしょうか。お答えください。
(問)現場からは「特に0歳児は、ずっと泣いている子どもが多く、専用室と、専用の保育士が必要」という声が上がっています。こうした声を聞くべきです。区立認可保育所において早急に部屋を確保し、私立認可保育所・地域型保育事業所に対しては、確保するための支援が必要ですが、いかがでしょうか。
(問)保育現場の負担感や緊張感などに、配慮が必要です。区が、早急に保育士を増員するための支援策を確立すること。国に対し、保育士の着実で継続的な賃上げと、職員配置基準の引き上げ、常勤職員の増員など改善を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。

●第5の質問、マイナ保険証についてです。
 健康保険証の発行停止から半年が経過しました。昨年12月、停止直後のマイナ保険証の利用率は28.29%でしたが、今年4月時点でも28.65%と低迷したままです。一方、解除申請は、約98,000件にのぼります。本区における解除申請は、6月後半の時点で142件です。
利用が増えない最大の理由は、トラブルの多発です。全国保険医団体連合会が5月に発表した調査結果によると、全国9741医療機関のうち、9割近くが「何らかのトラブルを経験した」と回答しています。昨年と比較して2倍以上に増加したとのことです。私もエラーのケースを度々見かけます。
 マイナカード本体は10年、カードの電子証明書は5年、それぞれ更新する必要があります。総務省は、今年度に電子証明書の期限切れは約1580万件、マイナカード本体の更新が必要となる約1200万件と合わせると2780万件が更新時期を迎えるとしています。来年度以降はさらに増えるとのことです。
そこで質問します。
(問)医療機関における、カードリーダーの不具合などのトラブルについて、問い合わせ内容の集約や、実態調査を行うなどして、状況を把握されているのでしょうか。
(問)多くの国民健康保険証は、9月に有効期限切れとなることで、窓口における電子証明書の更新、トラブルへの対応等の事務作業の増加が予想されますが、いかがでしょうか。
(問)渋谷区、世田谷区は、有効期限切れに伴う混乱を回避するため、マイナ保険証の有無に関わらず国民健康保険に加入する全員に、資格確認書を交付することを決定しました。これに対し、厚生労働大臣は「自治事務なので、自治体の判断ということになる」と国会で答弁しました。このことについて、どのように考えますか。本区も同様に、区民全員に資格確認書を交付し、混乱を回避すべきと考えますが、いかがでしょうか。
(問)資格確認書は、見た目も内容も、健康保険証と変わりありません。任意と言いながら、マイナ保険証取得を強制して、国民に混乱をもたらしている国に対し、健康保険証の存続を強く求めるべきですが、いかがでしょうか。所見を伺います。

●第6の質問、民泊についてです。
 住宅宿泊事業、民泊は、2020年、東京オリンピックを見据え、インバウンド需要が拡大することを想定し、整備されました。年間180日を超えない。苦情があった場合は保健所が速やかに現地確認し、是正させるなどが制定されています。他にも、区域を定めて実施する期間を制限することを、条例で定めることができますが、本区においては、日本共産党が制限を求めたにもかかわらず定めませんでした。
 この間、届出数が増加し、現時点で1500件を超えています。地域別には池袋駅から大塚駅の北側エリアが多いとされ、2024年度の宿泊者数は76,138人。国籍別では日本16.6%、中国15.6%、アメリカ10.6%、香港、韓国、台湾、フランスと続きます。
民泊が増えるに伴い、苦情も増加しています。そのほとんどが、騒音とゴミ、タバコの問題です。私に寄せられる声は「ある日、突然、民泊が営業を始めたが、事前に説明はなく、通知がポストに入っただけ」「怖くて不安で夜も眠れない」「深夜にキャリーケースを引きずる音、大声や笑い声」。また「狭い路地裏に、火のついたままのタバコが捨てられていて恐怖を感じた」などです。早急な対策を多くの区民が求めています。
 そこで質問します。
(問)こうした区民生活を脅かす事態を招いているのは、法整備した国の責任と、所管する区の責任ですが、どのように考えているのでしょうか。
(問)第一回定例会で、小林ひろみ議員が一般質問しましたが、担当課の増員、国へ規制強化を求めることなど、対応するといった答弁が、いくつかありましたが、その後の経過についてお答えください。
(問)先月、各町会長宛に民泊アンケートを実施しましたが、区民全体にアンケート調査を行うべきです。
(問)民泊専用の苦情窓口を設置し、広報、ホームページを活用し、区民の声が速やかに届く体制強化が必要です。
(問)年内の条例改正が目標とのことですが、改正内容について、現時点においてどのように考えているのでしょうか。
(問)条例に、民泊事業者は、事業開始前に住民説明会を開催することを盛り込むべきです。その上で、特に家主不在型を無くすことが1番の解決策です。管理者常駐を義務付けるなど規制を盛り込み、区民の声を積極的に反映することが重要ですが、いかがでしょうか。
(問)その上で、国に対し、抜本的に制度を改めるよう強く求めるべきです。所見を伺います。

●第7の質問、性感染症対策についてです。
 近年、梅毒が激増し、深刻な問題になっています。特に20代前半、女性の感染報告が著しく増えています。1948年から、全数報告が開始されて以降、1967年の約11,000人を最多とし、その後は減少傾向でしたが、2010年から増加に転じ、2023年、24年ともに約14,000人に達しています。
都における患者報告数は、2014年からの10年間でみてみると、男性は420件から2462件へ5.9倍に、女性は87件から1298件へ14.9倍に増加しています。区内の医療機関からの届出数も、10数件程度だったのが300件を超えています。感染して治療せずに放置していると、脳や心臓、血管など様々な臓器に、障がいを起こすことがあり、妊娠時に感染すると、死産や早産になったり、胎児にも感染したり、先天梅毒により生まれることがあるとされています。また、淋病やクラミジアなども増加傾向です。
そこで質問します。
(問)梅毒が、調査が始まって以降、最多を更新し続けていることを、どう考えますか。
(問)性感染症の適切な予防や治療につなげることが重要ですが、これまでどのような対策を行なってきたのか、今後の対策強化について、どのように考えているのでしょうか。
(問)現在、池袋保健所では、「HIV(エイズ)・性感染症の検査・相談」を実施していますが、実施状況についてお聞かせください。
(問)包括的性教育は、性感染症に関する知識とスキルを、身につけることを位置付けています。学校教育で学ぶことが重要ですが、教育委員会は、性感染症が増加していることに対し、どのような対策を行なっているのでしょうか。所見を伺います。

◎次にAIDS知ろう館についてです。
 AIDS知ろう館は、1994年10月、エイズについて学びたいという中高生からの要望に応え、「正しく知り」「考え」「行動」できるよう学習するためのスペースとして、区民センター横にあった池袋保健所に誕生しました。2007年に都のエイズ啓発拠点事業ふぉーてぃー、2016年に鬼子母神plusを併設し、2019年に現在の池袋保健所仮庁舎と同時に移転しました。区のエイズ対策普及啓発活動の拠点として位置づけられ、一般利用や、学校および団体の利用など幅広く活用され、情報交換の場にもなっています。
 そこで質問します。
(問)池袋保健所を本移転する際、AIDS知ろう館の名称が、無くなる可能性があることに、区民から、「区は、役割は終えたと考えているのか。事業を後退させるのではないか」と憂慮する声が寄せられます。区が考えている、これからのAIDS知ろう館の役割についてお聞かせください。
(問)AIDS知ろう館は長い歴史があり、これからもAIDS対策、性感染症対策等の拠点として重要な施設です。名称を無くすなどとんでもないことです。存続し、さらに力を注いでいくと明言していただきたいが、いかがでしょうか。
(問)旧保健所は、池袋駅の近くということもあり、多くの若者が集まる立地にありました。池袋駅周辺に移転、もしくは分室を設置し、池袋保健所と連携する体制強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。

●第8の質問、再開発についてです。
 4月の副都心開発調査特別委員会で、南池袋二丁目28番街区地区の報告がありました。グリーン大通りと南池袋公園に挟まれた土地の5つの建物が建っている場所です。基本方針は「南池袋公園との一体的な空間整備、みどりと賑わいの連続性強化、安全で快適な歩行者ネットワークを形成」などとされています。
 建築概要は、1つの建物にして、低層部分が駐車場、屋内広場と店舗等、その上はオフィスです。建ぺい率、約70%、容積率、約1,150%、地上20階、地下1階建て、高さは最高限度、約110メートル、間口は、最大66メートルとされています。
 今、建っている建物の容積率は2つのビルが、約800%、他の3つは600%以下。それぞれ6階から9階建て、高さは23メートルから40メートルほどです。新たな建物は、今よりも2.7倍から4.7倍ほど高くなり、グリーン大通り北側のニッセイ池袋ビル、約94メートルよりも16メートルも高くなり、南側では高さも間口も突出します。こうした大きな建物が、グリーン大通りにどのような影響をもたらすのか、また、南池袋公園にどのような影響を及ぼすのか、課題があると考えます。
 そこで質問します。
(問)池袋駅前のグリーン大通り南側に面した、他の建物と比較して、高さも間口も突出した計画ですが、景観上の問題について、どのように考えているのでしょうか。
(問)隣接する南池袋公園は、利用者がたいへん多く、区民にとって大事な公園の一つです。それは都心の中で、芝生と広い空という自然を、人々が求めているからです。そこへ、目の前に、高さも間口も大きく、壁のようにそびえたつ建物ができることによって、空が大きく失われ、ビル風が強くなり、特に高齢者が歩きにくくなる事業が、区が掲げる「人」が主役のウォーカブルなまちづくりと言えるでしょうか。
(問)近年は異常な猛暑です。東京湾からの海風は、池袋等のビル群に阻まれ、練馬や川越市にはほぼ届かず、ヒートアイランド現象が起こっているとされます。5つの建物が、1つの巨大な建物になることで、風の道がさらに失われると考えますが、いかがでしょうか。
(問)東京の緑地比率はOECD加盟国平均の半分に満たないことを、どう考えますか。これからの再開発は、気温上昇を抑制することを前提に、できる限り緑化を推進し、ヒートアイランドから、クールアイランドの池袋をめざすべきですが、所見を伺います。

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