私は日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされました認定第1号、2023年度豊島区一般会計歳出歳入決算の認定について、認定第2号、2023年度豊島区国民健康保険事業会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、2023年度豊島区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、2023年度豊島区介護保険事業会計歳入歳出決算の認定について、反対の立場から討論をいたします
23年度は、高野前区長が当初予算を編成し、高際区長が9次にわたる補正予算を組み執行した初の決算です。当初予算に盛り込まれなかった学校給食無償化や子供応援給付金、介護・障害・保育サービス事業所、公衆浴場への補助などが補正予算が組まれました。加えて、高際区長が掲げる「誰一人取り残さない豊島区」このSDGSに基づく区政スローガンについて日本共産党区議団は、重く受け止め、今定例会の一般質問でも取り上げて参りました。
今の日本は、長い間続いている自民党政治の下、発達した世界の国ぐにの中で、30年以上経済が停滞しているといわれ、格差社会が一段と広がり、多くの方が低賃金、過密労働に加え、増税や社会保障の相次ぐ改悪などで、苦しんでいます。
こうした国の悪政に対峙して、その防波堤となり、国がやろうとしない課題でも区民のために頑張る、区民生活を守り前進させていく、これが地方自治の原点であります。
日本共産党区議団は、本決算に当たり、大きく次の2点の観点で審査に臨んできました。
第一の観点に、区民生活を守り、需要を満たすために全力を尽くす執行を進めてきたかどうか。そのために国や都が本来やるべき事業であっても、取り組まない姿勢を正し、 率先して、できる限りの支援をしようとしてきたかどうか。
第二の観点に、区民にとって不要、不急の事業を進めていないかどうか。であります。
それでは、第一の観点 から順次、述べます。
第1に、防災対策です。
避難場所の確保についてです。
避難所となる学校は39ありましたが、開発や売却で統廃合により減らしてきた結果、収容面積が狭められてしまったのです。児童、生徒の増加で教室が不足し、備蓄物資を置く場所も縮小されたところもあります。区は、計算上、想定される避難者の86%、補助救援センターを開設してもすべての避難者を受け入れられない可能性もあるといいます。
また、東京都が示した本区の最近の被害想定によると、死者55人、負傷者1362人となっています。地震は防げないが、被害は出さないことはできますが、その対応が不十分です。圧死を防ぐ家具転倒防止器具のあっせんはしていますが、以前に実施していた設置補助について区は、やめてしまった経過があります。わが党の指摘で来年度の復活を検討しているようですが、本決算年度の予算は見送ったことは認められません。
第2に、公園の拡充についてです。
本区は、日本一の高密都市であり、かつ一人辺りの公園面積は、座布団一枚にも満たず、公園や広場などについては、その拡充のために格段の努力と目標を据えて取り組む必要があります。避難場所を確保する観点からも気候温暖化など環境面からも、公園や広場の確保を一層推進しなければなりません。ところが、区は、公園面積を増やすということについては、みどりの基本計画にうたっているものの具体策がありません。
副区長は、過去に取り組んできた公園の増設について「負の遺産」とまで言いました。確かに多額の投資や負債の問題はありましたが、増やす取り組みがなかったらもっと低いままの公園面積になっていたでしょう。認められないものです。
第3に、低所得者対策についてです。
誰一人取り残さない豊島区政を推進するうえで、生活弱者とされる生活保護利用者や低所得者に対する支援は光を最も当てなければならないところです。
わが党は、一般質問や予決算審査で毎回取り上げてきましたが、区の支援は極めて不十分であります。昨年は、23年間一円も上がらない生活保護の住宅扶助基準額の見直しを求めました。今定例会では、かきうち議員が生活保護費削減は、違法と断じた裁判結果も引用して、実態に見合わない低い額の保護費について区の見解を聞きましたが、結局国の制度だからひどい状況と認識しても区の判断の入る余地はないというのです。
年金受給者に物価高騰でわずかな給付金が支給されましたが、これも取り上げられてしまうのです。物価高騰で介護利用者の食事負担も引き上げられています。現金給付ができないもと、法外援護の拡充を求めましたが、区は踏み出そうとしていません。生活保護利用者の実情を踏まえ拡充を強く求めます。
高齢者などの低所得者にとって、コロナやインフルエンザのワクチン接種の自己負担も重いものです。これまで無料で受けられてきたコロナワクチンも有料、コロナ対策も削減とは認められるものではありません。
第4に、住宅対策についてです。
誰一人取り残さない区政実現の上で、住まいは人権の立場で推進しなければなりません。特に安価で良質な住宅の提供は、区政の柱に位置付ける必要があります。東京都が新規都営住宅建設を拒み続ける中、公営住宅を希望する区民は増えています。
それは、区営住宅、福祉住宅の応募状況からみても明らかです。ところが区が支援する公営住宅は、空き家募集のみで、新規建設を拒み続けています。特に高齢者、障がい者、一人親家庭などの社会的弱者に対する住居支援は新規建設しなければ需要に応えられないのです。建設コストは、国や都の補助金があるので、土地さえ確保すれば建設することは十分可能です。
また、立ち退きなどを要求されて住まいを追い立てられた方への「安心住まい提供」事業は拡充が求められます。区内全体で、需要は満たされていると区は言いますが、長崎・南長崎地域のように、受け入れられる住居が一戸もない地域もあります。住み慣れた地域で住み続けられるように一刻も早く確保するよう強く求めておきます。
第5に、中小企業支援についてです。
わが党は中小企業支援については、直接支援や消費税5%減税、新たな増税であるインボイス中止など国へ求めるべき、と繰り返し求めてきましたが、これまで区は拒否してきました。
今、円安、物価高騰のもとで企業の倒産が増えています。区内の中小企業、中小業者の倒産は、2022年度が42件、23年度は55件、ですので、13件ふえています。24年度も8月まで47件ですので全体的に増加傾向です。それにもかかわらず、販路拡大売上拡大サポート支援事業をみると、前年度22年は、事業費2億9299万円から23年度は事業費7206万円と大幅に減らしています。中小企業からは「燃料代が上がった」「資材が高騰してその影響が大きい」「価格に転嫁ができない」それから「値上がり分で利益が出ない」と悲鳴が上がっています。この声に応えるためにも、中小企業・中小業者に家賃や固定費を直接支援すべきと質すと、区は「区内には約1万9000の事業所があり、固定的な経費を支援するということは現時点では考えておりません」と背を向けました。一方で、ファーマーズマーケット事業には、7000万円の予算も計上し、実績が3326万円となっています。パークPFI、コンソーシアムによる事業者を選定して、公園の整備から、維持管理、自主事業と一括でやることでメリットがあると言っていました。区は数年後に自主事業化させると言っていますが、本来、指定管理者の自主事業ですので、直ちに止めるべきです。
第6に、特養ホームについてです
特養ホームの待機者数は、2023年度末は434人、今年の4月から一部運用を変えて、有効期限を導入したり、一度、施設側から案内があったときに辞退された方は一旦名簿から外すなどしました。それでも8月までの待機者数は、453人で、19人増えています。後期高齢者が増える2025年問題もあり、さらに待機者数が増えることは必至です。にもかかわらず、西巣鴨地域への特養ホームの建設は、本来なら2022年度に完成して供用開始する予定だったのですが、跡地を民間に貸し付けたり、学校改築の仮校舎とする案などで、大幅に遅れています。わが党の質問に対して、区は、「特別養護老人ホームの整備計画の具体的な整備スケジュールは、確定しておりません」と答弁し、学校改築のスケジュールは全く見通しがありません。区の責任は重大です。
第7にヘルパーへの支援についてです。
特養ホーム待機者が多く、順番待ちで、あるいは入所施設の経費が高くて払えずに、施設に入れない、そういう方たちを支えているのが在宅の施策です。中でも介護ヘルパーについては、この間様々な改悪が行われる中で、人手不足が深刻です。政府は、ヘルパーの基本報酬も引き下げてしまい、介護事業所の倒産件数も増えています。一部の大手事業所は、サービス付き高齢者住宅などで集中的に訪問回数を増やし、異常な高利益で収益の平均を押しあげています。しかし、小規模の事業所は赤字が4割です。
第二回定例会で、私が、実態調査を行うこと、具体的な待遇改善を求めましたが、令和4年11月の調査をもとに答弁し、また、国や東京都が支援をしているとして、引き続き、「介護事業所の実態把握に努め、支援してまいります。」と具体策はありませんでした。
今、介護現場から切実な声が寄せられています。
今年6月の衆院厚労委員会では、介護などの事業者の処遇改善に関する決議が全会一致で可決され、その中で政府に改善策の検討を求め、訪問介護事業者の意見を聞きながら改定の影響を検証し、「必要な措置」を講じるべきだ、としました。しかし、具体的な動きはありません。あらためて、区に介護事業所の実態調査を求めたところ、区は、「来年の次期介護保険事業計画の策定にあわせ、その中で、介護人材の確保等についても、深くアンケートした調査項目を考えていきたい」と答弁しました。来年の調査でなく、今やるべきです。また、区として独自に支援をすることを検討すべきです。
第8に、障がい者施策についてです。
まず、重度障害者の住まいの場を確保することについてです。要町1丁目未利用地における重度障害者の住まいの場については、ようやく11月に公募をすることになりました。なかなか進んでいません。また、私が第2回定例会の一般質問において、「保護者から重度の障害者が入所できる施設を東部地域にも建設して欲しい という強い要望がある。区有地以外も含めて土地を確保し建設を」と質問、区は、「区有地活用に限らず様々な方策を検討している」との答弁でした。その後の検討状況を確認したところ、また、「様々な方面での検討はさせていただいております」と、検討、検討で進んでいません。
障がい者施設での職員確保のための豊島区独自事業として、研修の項目があると答弁がありました。他の区では5つあるところもある、少なすぎます。あらためて、独自策の一つとして、一般質問でも取り上げた東京都の障害者福祉サービス等職員居住支援特別手当事業が対しようとしていない地域活動支援センターに、対象とならなかった職員が31名いるという調査があることを示して改めて豊島区独自の支援を求めましたが、実施するとは言いませんでした。東京都がやらないなら、早急に豊島区がやるべきです。
第9に、保育についてです。
日本の保育士配置基準は本当に低く、今年四月から、保育士の配置基準の変更がありました。基準改善は行われたが、4~5歳児25人を一人の保育士、3歳児15人、1~2歳児6人、0歳児3人に保育士一人です。緊急時の避難について、こんな基準では無理、ゼロ歳の子どもを三人抱えられないといいます。これまで区としても改善を求めてきたし、独自の支援もしていますが、まだ足りません。 実際保育現場では、基準を超える職員を配置してきました。しかし、それでも保育士が昼食をとったり、研修を受けたり、有給などの休暇をとったりするには足りない、正規を採用できないときには、短時間のパートの人もお願いしてきたけど足りない、子どものいのちを預かる、教育もおこなう仕事なのに給料も安い、だから、もう続けられないと、やめてしまうのです。
私立保育園の減収補助を年度末まで支給すべきと質問したら、「他区と比べて充実しているので見直す予定はない」とのことでした。区長は補助の在り方は考えていきたい、と答弁しましたが、私立保育所の経営の実態に見合っていないのです。ですから、ぜひ充実する方向で検討していただきたいと考えます。
第10に、教育費についてです。
学校給食無償化については、高際区長になってから補正予算が組まれ、実現したことは、繰り返し早期実現を求めてきただけに、区民から喜ばれ評価したいと思います。
23区では、すべての区が無償化を実施し、東京都も補助することを打ち出しました。国の制度として取り組むと自民党の国会議員も言い始めています。
このように自治体が住民要望を受け止め、実施に踏み切り、広げることがいかに国や都を動かすかを示したいい例です。
教育における私費負担軽減は、喫緊の課題です。国の調査でも育児支援の最重要政策は何かという質問に対し、日本では、「教育費の支援、軽減」との回答が7割と高いものでした。希望する子どもを産み育てるには、子育てや教育にお金がかかるから」というものです。
修学旅行、移動教室の無償化など先進自治体の取り組みを評価し、今後さらなる私費負担の軽減の拡充を推進すべきです。また、切れ目のない子育て支援として、区独自に学費補助、給付型奨学金などの支援を求めてきましたが、やる気がありません。
教員不足の実情は現在、新規採用教員が休むとか部活の負担などと合わせ厳しい状況にあり、大きな課題と区長も認識しています。現在、様々な手当をしていますが、生徒・児童にしわ寄せがないように教員の確保に取り組むことと合わせ、学校行事、研修研究会の在り方、区の行事などへの参加、部活の指導の負担、取り組みについてとか、学校施設の点検など教員の負担軽減について、もっと教育委員会もつぶさに把握し、早急に対応すべきです。
第11に、公契約条例についてです。
本区も、ついに公契約条例の制定に向けて、検討を始めました。わが党は、これまで、一般質問や予算、決算委員会などで、繰り返し公契約条例の制定を求めてきました。遅きに失したとはいえ、やっと踏み出したことは評価します。23区で16番目に実施の表明になります。区は、今年4月から公契約条例の検討を開始したと言っていますが、3月の予算審議の際、わが党が条例の制定を求めていましたが、区は「制定は考えていません」と答弁をしていました。なぜ、3月に表明できなかったのか、とただすと、区は、4月から働き方改革関連法の実施で、建設労働者も対象となること、人手不足の解消、23区で条例制定が広がっていること、区が発注する公共事業の質の担保などと言って、明快な答弁はできませんでした。条例制定の「検討会議体」を設置することになっていますが、区内事業者や関係団体にも入ってもらい、納得がいくいい条例の制定を求めます。
第12に、職員体制について です。
2023年度、月に45時間以上の超過職員数は延べ371人います。特に多いのが児童相談所74人。子ども若者課26人、総務課25人などとなっています。正規職員は、2023年度が2016人、2024年度は2094人です。新規採用181人ですが、実質増えたのは78人となっています。児童相談所は、正規職員を5人増やし、改善を図ったとのことです。しかし、今年度4月から6月までの45時間超過職員が延べ159人で、前年度116人よりも43人増えています。 児童相談所は、延べ20人もいます。「区財政の推移と現状」をみると、新規・拡充事業は増え、事業費、投資的経費も増えているにも関わず、人件費はほぼ横ばいです。つまり、業務量に見合った必要な職員が配置されていないことが、長時間労働の要因となっているのです。正規職員を増やし改善すべきです。
会計年度任用職員について本定例会で、一般質問に対して、4回更新について、「今年度から更新限度を撤廃する」と答弁しました。これは、これまでわが党が、繰り返し求めたものであり、評価したいと思います。区は、その判断に至った経緯をいろいろ述べながら、「会計年度任用職員の継続的な任用や安定的な組織運営がこれまで以上に見込まれると判断しました」とのべました。そうであるなら、もっと早く決断すべきでした。子どもスキップでは、職員の欠員が続き、今年も学童指導員12人、スクールスキップサポーター12人、合わせて24人の欠員が発生。10月1日現在、11人採用したが、依然として13人の欠員です。子どもスキップ運営指導員補助は、一日7.5時間、16日働き、月額15万円です。この低賃金をもっと引き上げる必要があります。また、何年働いても、賃金の昇給がありません。待遇を改善すべきです。
以上、第一の観点、区民生活を守り、需要を満たすために全力を尽くす執行を進めてきたかどうか。そのために国や都が本来やるべき事業であっても、取り組まない姿勢を正し、率先して、できる限りの支援をしようとしてきたかどうか、主な問題点を指摘してきましたが、この観点からみて、認めることはできません。
次に第2の観点、区民にとって不要、不急の事業を進めていないかどうか、について述べます。
まず、市街地再開発事業についてです。
東池袋一丁目地区市街地再開発事業は、総事業費1370億円、補助金は347.8億円です。新たな広場の造成やビル敷地内にイケバスの運行拠点を整備することで公共貢献として、区道を廃止し、4つの街区を統合するなどで、現在の容積率700%と800%の容積率を1200%に緩和されました。その結果、地上32階、地下4階の高さ173メートルのタワービルで住友不動産がデベロッパーとして推進しています。この開発により、権利変換時の地権者数は264人、転出者は200人、75.8%にもなります。借家権者は居住者が64人ですが、63人が転出し、実に98.4%にもなります。テナント等は、137人に対し132人、96.4%が転出を余儀なくされています。
南池袋二丁目C地区市街地再開発事業は、総事業費1279億円、補助金は約337億円です。権利変換時の地権者数が322名に対して149人が転出、46.3%になります。借地借家人は129名に対して121名で、93.6%が転出を余儀なくされました。
2地区の市街地再開発事業だけでも685億円の巨額な税金を投入し、地権者が349人、長年、住み慣れた地域から追い出されてしまい、地域のコミュニティが壊されてしまったのです。しかも、東池袋一丁目地区市街地再開発事業だけでも、CO₂の排出量は、従前より3.4倍も増えます。地球温暖化とヒートアイランド対策で世界の大都市では、樹幹被覆率を高める取り組みが進められていますが、区は全く取り組む姿勢がみられません。
大企業がすすめる大型開発優先の街づくりは、CO₂を大量に排出し、環境悪化を促進するものであり、認めることが出来ません。区は、こうした市街地再開発事業を、さらに進めようとしています。住民を追い出し、多額の税金を投入する市街地再開発事業は見直しすべきです。
次に、イケバスについてです。
これまで、この事業に約10億円もの区民の税金が投入されてきました。今決算年度も1.6億円の赤字で、乗車人員もますます減り続けています。
イケバスは当初オリンピック・パラリンピックの観光客を対象にしていましたが、評価委員会のホテル関係者からは「しっかりと安定した運行がなければ活用できない」と指摘もあったものの、運行開始以来赤字続き、まともな運行もできず、乗車人員も平日は数人程度、誰も乗らない時もぐるぐる巡回しています。
わが党の実施したアンケートでも、イケバスの運行について賛成は、わずか13%。反対が57%、わからないが30%でした。
区は、やっと見直しを言及し始めましたが、東池袋1丁目再開発のビルにイケバスの運行拠点整備を進めようとしています。バスの待機・充電スペースが完備され、観光案内所や待合室などのラウンジも設置予定とされ、池袋の観光拠点として、今後インバウンド需要が増えたら、多くの外国人観光客でにぎわいそうと、ネット上に絵が躍っています。
そもそも時速19キロしか出ない、区民の足とはならない、ほとんど人も乗らない、採算も取れないイケバスは、負の遺産であります。
区民が求めるのは、区役所に来る、買い物に行くなどという活用で、区民の足となるコミュニティバスを求めているのです。これ以上、イケバスに多額の税金を投入するのではなく、区民の要望に応えコミュニティバスを導入すべきです。
このように、区民にとって不要、不急の事業を進めており、認められません。
よって、一般会計決算の認定に反対するものです。
次に、三特別会計について述べます。
最初に国民健康保険事業会計についてです。
この年、2023年度の特別区の一人当たり保険料は。前年度と比較すると11,550円の大幅増額でした。さらに2024年度の一人当たり保険料は13,157円増の156,520円となり、二年連続の大幅な負担増となったのです。
わが党が行った区民アンケートでも住民税や、国民健康保険料、介護保険料など社会保障全体の負担ではありますが、重く感じるが55%、やや重く感じるが35%重く感じないが5%、その他5%で9割の方が重いと回答しています。物価高騰で食費や水光熱費をはじめとして負担が増えています。社会保険と違って、国民健康保険では均等割の負担が大きくなっています。夫婦2人4人世帯年収が400万円の比較で、24年度が61万8105円に対し、23年度は54万8439円前年度との差額は6万9666円となりました。子育て世帯の負担が重く、22年度から国の制度として就学前までは均等割りが半額となりましたが、小学生以上は対象になりません。18歳まで拡充するために必要な額は6000万円です。国がやらないなら区独自にやるべきなのに、それをやるつもりがない。認められません。
ここで、マイナ保険証について述べます。
国民健康保険については、7月時点で登録率が40.32%利用率が11.5%と大変低くなっています。政府は総点検したと言っていますが、現実医療機関薬局でもまだまだトラブルが続出しています。マイナ保険証は、国民に信頼されていないそして、現実には医療を受ける権利が侵害されることになります。来年9月までは今の保険証は使えますが、12月2日からは「保険証」は廃止、新規の保険証は発行しない、マイナ保険証でない人には保険証と同じように使える「資格確認書」を発行するといいます。また、マイナ保険証を持っている人には、「資格確認のお知らせ」が届き、マイナ保険証が使えないときにはこれを示す、というのですが、これも「保険証」があれば必要ないものです。
このまま保険証を発行し続ければ良いだけなのに、「廃止」を強調して「マイナ保険証」を押し付ける政府のやり方に従っているだけで、手間もお金もかかってしまい、区民には混乱を招いています。そもそもマイナンバーカードというのは、任意であるにもかかわらず、政府が医療現場の実態を見ない、国民の声を聞かない、患者の声も聞かないで、こうしたマイナ保険証をごり押しすることが、今の混乱を招いているのです。
よって国民健康保険事業会計決算は認められません。
次に後期高齢者医療事業会計について述べます。
マイナ保険証について、後期高齢者については7月時点で利用登録率が45.68%、利用状況が9.17%で国保同様大変低くなっています。
保険料についてです。2008年度(平成20年度)にスタートしたとき平均の保険料額が8万9300円、現在の2024年度25年度の平均の保険料は11万1356円と大きく増えました。窓口負担も増え、特に22年10月から年収200万円以上の方などが2割負担となりました。23年度はまるまる一年間負担増となった年です。窓口負担2割の人数は今年8月末時点で6351人となりました。試算ですが、一人当たりの負担額が3万4000円の増、現在は経過措置があり、2万6000円になると答弁がありました。月々の負担は2000円から3000円となりますが、年金額200万円とは余裕がある世帯ではありません。経過措置も来年9月には、なくなります。
全国後期高齢者広域連合会が国庫負担、定率負担を増やせという要望をしていますが、実現しません。こういう状況でありながら、政府は後期高齢者医療費の負担3割の拡大を検討することを閣議決定しました。現役世代に負担を軽減させるためと言って、高齢者と現役世代を分断して、対立を煽って高齢者にその負担を押しつけるというやり方は根本的に間違えています。
よって後期高齢者医療事業会計決算は認められません。
次に介護保険事業会計について述べます。
介護保険制度は、高い保険料が徴収されるもののいざ介護が必要な時の需要に見合った十分なサービスがうけられる制度になっていません。保険料は、第9期計画において、給付費準備基金を活用することで基準保険料を値上げせずに可能な限り被保険者への負担を抑制したといいますが、そもそもの基準保険料が高すぎるのです。
これに加え、介護現場を取り巻く状況は、低賃金、過密労働などでマンパワーが不足しています。結局、介護受ける人、介護を支える人にしわ寄せがきています。
本決算年度、区は、独自の介護サービス事業所に対する物価高騰対策支援金を二回にわたる補正を組み支援したことは評価いたしますが、とても実情から見て十分とは言えません。
利用者にとっても物価高騰による介護保険外の自己負担が、食費負担中心に重くのしかかっています。特に生活保護利用者にも生活扶助が上がらない中のますます重くなっているのです。介護事業者にとっても介護保険の利用者にとってもますますひどくなる介護保険事業会計は認められません。
以上のことから、三特別会計決算の認定に反対します。