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第3回定例会 一般質問をおこないました【儀武さとる】
2021.09.27

私は、日本共産党豊島区議団を代表して「安心して住み続けられる豊島区へ」と題し、一般質問を行います。
第一に、コロナ禍のもとでの住宅対策について
第二に、気候変動と豊島区のCO2削減対策について(SDGsの視点にたって)
第三に、プラスチック分別収集についてです。
 区長の明快な答弁をお願い致します。

第一に、コロナ禍のもとでの住宅対策について
 新型コロナウィルスの感染拡大により、「収入が減り家賃が払えない」「都営・区営住宅に入りたい」などの相談が増えています。緊急小口資金、総合支援基金などを活用し、何とか凌いでいますが、「無利子でも、いつまでも借金に頼ることができない」と不安を訴える方もいます。公営住宅に入りたい方には、申し込み書を届け、「とにかく申請してください、申請しないと当たりません」と励ます以外になす術がありません。区民からは、倍率が高くて、何年も申し込んでいるが当たらないので、何とかしてほしい、と強く要望されます。
 さて、政府は2021年3月19日、「住生活基本計画」(計画期間2021年~2030年)を閣議決定しました。国土交通省の発表では「今後は、本計画に基づき、一人ひとりが真に豊かさを実感できる住生活の実現に取り組んでまいります」としています。しかし、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」は、「住生活基本計画」には「国民の住生活にとって不可欠な課題など致命的な欠陥があるとして、次のことを指摘しています。(1)コロナ禍の下で国民の住生活の困難、困窮についての記述が一切ないこと、 (2)「国民の住生活の安定確保」の最大課題である「住居費負担、家賃負担」及びその軽減策や公営住宅の現状と課題、中心的課題を果たしていく施策の記述もないこと、です。
 わが党は、2019年3月策定の「豊島区住宅マスタープラン」の策定にあたって、区民の住生活の実態についての記載がないこと、公営住宅などの新規建設の目標などがないことを指摘し、「住まいは人権」の立場から、公営住宅の増設と家賃補助などを繰り返し求めて来ましたが、区は、区民の願いに背を向け続けてきました。一方で、鳴り物入りで「居住支援団体登録制度」「住宅セーフティネット」などと言って、喧伝してきましたが、NPO団体は一所懸命頑張っていますがほとんど両制度とも実績があがっていません。
 そこで住宅について3点質問します。
 質問の1点目は、住宅確保要配慮者の対策についてです。
 住宅マスタープランの住宅セーフティネット制度登録住宅の5年間の前期目標は50戸ですが、登録者は500戸を超えています。しかし、低所得者、障がい者、高齢者などの住宅確保要配慮者の専用住宅と家賃低廉化補助件数は、2018年度は両方ともゼロで、実績はありません。2019年度は、専用住宅戸数が1戸で補助件数はゼロです。3年目の2020年度は、専用住宅戸数5戸、家賃低廉化補助はたったの2戸です。区長は、専用住宅戸数と補助件数の実績がなぜあがらないのか、この現状をどう受け止めているのか、お答えください。また、今後、区として実効性を確保するために、どうしようとしているのか、お答えください。さらに、現状のままだと区民の願いに応えることができません。真の住宅セーフティネットと言えないではありませんか、低所得者、障がい者、高齢者などの住宅確保要配慮者が住み慣れた地域でくらせるために区の直接的な支援も必要だと考えますが、いかがですか。合わせて答弁を求めます。

 質問の2点目は、住宅セーフティネットとしての公営住宅についてです。
 新型コロナ拡大のもとで、仕事も住宅も失った40代の方からの相談事例が2件あり、東京チャレンジネットの活用、自立支援相談センター豊島寮に入所することができましたが、最大でも6ケ月です。コロナの収束が見通せない中、仕事と住宅を確保することが困難です。特に、非常勤で働く方々に深刻な影響がでています。コロナ禍のもとで、いっそう公営住宅の役割が求められています。
 改めて伺いますが、国と都に公営住宅の整備を求めるべきですが、いかがですか。また、区も区営住宅、福祉住宅などの公的住宅を整備・拡充すべきです。合わせて答弁を求めます。

 質問の3点目は、区内で50㎡以上の住宅ストックを増やすことについてです
 9月3日、第62回豊島区住宅審議会が議員協議会室で開催され、コロナ感染予防のため、1時間15分程の審議が行われました。良質なファミリー向け民間住宅の供給促進するために、50㎡以上の住宅ストックの増加に向けて施策の検討をすすめるために、専門部会を設置することが報告されました。背景に、ワンルームマンションの課税対象30㎡9戸以上は一定抑制されたものの、30㎡未満の8戸以下のワンルームマンションが本税志向前の271戸から523戸へと約2倍に増える一方で、住宅面積50㎡以上の住宅ストックは減少しているのです。ワンルームマンション税は、良質なファミリー向け住宅に繋がらなかったということであります。
 50㎡以上の住宅ストックの増加に向けての検討案は三つです。一つ目は、ファミリータイプの付置義務を条例化する。23区中17区で実施されています。二つ目に、ファミリータイプの付置義務を要綱化する。23区中4区で実施されています。三つ目に、一定戸数のファミリー付置を事業者に指導する。協力してくれるかどうかは、あくまで任意になる、というものです。これらの措置で50㎡以上の住宅ストックが増えることは結構なことですが、区内の新築物件の家賃相場(50~60㎡)は、間取り2K・15万円~3LDK・23万円になります。今でも、ファミリー世帯の家賃としては負担が重すぎて、他区へ転居される方がいます。豊島区の納税義務者の所得状況をみると、課税標準額が200万円以下の方が54%を占めています。共働きで何とか生活を維持しているファミリー世帯も多数存在します。
 そこで質問します。
 子どもの教育費、医療費、国保・介護保険料、その上、家賃の負担が重すぎます。ファミリー世帯を支援するため区が借り上げて家賃補助などをすべきと考えますが、いかがですか。また、新型コロナ禍では、唯一家賃助成といる住居確保給付金の支給が広がり、様々な制約がありながら20年11月末で11万5千件にも上っています。しかしこれは、一時的なものです。公営住宅の補完として、家賃助成を、国の施策として新たに制度化することは急務と考えますが、区長の認識はいかがですか。合わせて答弁を求めます。

第二に、気候変動と豊島区CO2の削減対策(SDGsの視点にたって)について質問します。
 豊島区がすすめるSDGsの目標13は、気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策をとることとしています。 
 日本共産党は、9月1日、世界の科学的知見の到達点、日本の環境団体や専門家の研究と提言を踏まえて、「気候危機打開のための日本共産党の2030戦略」を発表しました。日本共産党は、「気候危機の打開」をどうすすめるか、「2030戦略」の中心的なポイントを述べます。
 ――まず「2030戦略」は、今、気候危機というべき非常事態が起こっており、二酸化炭素削減への思い切った緊急行動が求められていることを訴えています。異常な豪雨、台風、熱波、干ばつ、森林火災、海面上昇など、すでに気候変動の被害は、世界でも、日本でも、きわめて深刻となっています。そしてもう一つ重大なことは、解決までに人類に与えられた時間はわずかしかないということです。世界の平均気温上昇を、産業革命前に比して1・5度以内に抑えるには、2030年までに温室効果ガス排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロにすることが必要です。2030年まで、あと9年しかありません。

 政府は、ようやく「2050年カーボンゼロ」を言い出しましたが、本気にはほど遠い、口先だけのものと言わなければなりません。第一に、一番肝心な2030年度までの削減目標は10年度比で42%、先進国の50%~60%と比べてあまりに低すぎます。第二に、この期に及んで二酸化炭素を大量に排出する石炭火力の新増設にしがみついています。第三に、最悪の環境破壊をもたらす原発頼みを続けています。第四に、実用化のメドが立っていない「新技術」を前提にした無責任なものです。
 それでは日本共産党はどうするか。日本共産党の「2030戦略」は、気候危機の抜本的打開の道を示しました。
 1、まず、削減目標は、2030年度までに50%~60%削減としました。それを省エネルギーと再生可能エネルギーを組み合わせて大規模に推進することで実行します。省エネでエネルギー消費を40%削減し、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなえば、2030年までの削減目標は達成可能であります。
 2、次に、そのためには、具体的プランが必要ですが、「2030戦略」では、電力、産業、運輸、都市、住宅など、社会のあらゆる分野の大改革を具体的に提案しました。ここで強調したいのは、脱炭素・省エネ・再エネの先にあるのは、経済が停滞・衰退した「さみしい社会」では決してないということです。ある研究グループの試算では、大規模な省エネ・再エネによって、2030年までに、年間254万人の新たな雇用が増え、GDP(国内総生産)を累積205兆円増やすことができるという展望が明らかにされています。この道でこそ持続可能な発展が可能になるのであります。
 3、最後に、この道を進むには、政治を根本から変えなければなりません。財界中心の政治のゆがみをたださなければなりません。とくに目先のもうけさえ増やせばいい、後は野となれ山となれの新自由主義と決別する必要があります。気候危機の打開は、貧困と格差をなくし暮らしをよくすることと一体のものだということを、強調したいと思います。
 ところが菅・自公政権は、7月21日に発表した「第6次エネルギー基本計画(素案)」で、2030年度の発電量に占める石炭火力の割合を26%から19%にする、としたのみで石炭火力からの撤退を表明しません。
 そこで質問します。
 区長は、政府の2030年度までの削減目標「10年度比で42%」を、石炭火力発電との決別なしに達成できると思いますか。区長の認識はいかがですか。また、最悪の環境破壊をもたらす原発頼みを続けていますが、区長の見解を求めます。合わせて答弁を求めます。

質問の二つ目は、区の温室効果ガス(CO2排出量)の削減目標についてです。
 豊島区の2019年3月策定の環境基本計画では、温室効果ガス(二酸化炭素)について、2013年度比39%削減を2030年度目標としていますが、国の削減目標が大幅に引き上げられ、区としての削減目標の数値も大幅に引き上げざるを得ないことが想定されます。いままでの取り組みではとても達成できません。削減目標の引き上げとどうのように具体化していくのか、お答えください。

質問の三っ目は、 CO2 削減と再開発についてです。
 小池都知事は3月30日に「未来の東京」「戦略」を発表し、財界・大企業の利益優先の再開発を東京都全域に進めようと、2030年までに100メートル以上の高層ビル・マンションを230棟以上計画しています。今後計画されているどの開発でも莫大な CO2 、温室効果ガスをこれからも、増やし続けことになります。本区でも2021年の重点テーマ4として、都市再生を位置付けています。東池袋1丁目地区、東池袋4丁目2番街区、南池袋2丁目C地区、池袋駅西口地区など市街地再開発事業が目白押しです。
 いただいた資料を見ると、東池袋1丁目再開発事業だけでも、建物の延べ床面積は、現在の29,060㎡から約145,000㎡に、 CO2 排出量は、2,349t? CO2 /年から8,008t CO2 /年になり、何と CO2 排出量は約3.4倍にもなるのであります。
 そこで質問です。
「ゼロカーボンシティ」表明をした今、区長はこのような現状をどう認識されていますか。また、SDGsを区政の全事業の視点に、というのであれば、コロナ禍で東京一極集中の見直しが叫ばれている中で、本区でもさらに大型再開発事業を進めるやり方は、これに逆行するものではありませんか、 CO2 を増加させるこのような再開発は見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。合わせて答弁を求めます。

第三に、プラスチック分別収集についてです。
 豊島区はプラスチック分別収集導入検討調査を7月に実施しました。調査の目的は、「SDGs未来都市」選定を受け、持続可能な社会の実現に向けて取り組むなか、ごみの減量や資源の有効活用をさらに促進していくため、プラスチックの分別収集導入を検討することです。調査対象地区・世帯数は、上池袋4丁目、雑司が谷3丁目、北大塚3丁目、千川1丁目、各町丁目 30 世帯、計 120 世帯にモニターを依頼するものです。
 豊島区は、廃プラスチックサーマルリサイクルの本格実施を2008年10月から区内全域で行ってきました。 CO2 の削減はSDGsの視点からも喫緊の課題です。
 私は、2007年第2回定例会の一般質問で、廃プラスチックサーマルリサイクルの本当のねらいが、大企業、国、自治体が廃プラの再利用負担から免れることにあることを指摘し、区長に撤回を求めましたが、区長は、「撤回しません」と強行したのです。それがSDGsの視点からも誤りであったことを率直に認めるべきです。
 そこで質問します。
 区内120 世帯のモニター調査に基づき、全区で実施すると、分別回収の費用はいくらになると想定されるのか、人員態勢も含めてお答えください。
 また、ゴミ問題、廃プラスチック問題を根本的に解決するためには、新商品の開発技術や処理施設・技術の改革や処理施設拡大に頼るという小手先だけの対応でなく、いかにプラスチックごみの発生抑制に力を注ぐかということです。そのために不可欠なのは、ゴミの発生抑制に基軸にすえた拡大生産者責任を明確にした法律の仕組みをつくることを国に求めるべきです。合わせて答弁をもとめます。
 以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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